「ライル、行くわよ!!」

「いいえ、ライルさんは私と!!」

「違います!!
今日は私とお散歩するんです!!」

「あの・・・オレの意見は?」(汗

いつものやり取りだけど、毎日続くともう大変。
他の女の子に声を掛けるだけでも、3人が襲ってくる(マジ
誰かを選んでいないオレが悪いんだけど、それでも・・・ね。
先生達も彼女達の味方だし、お母さんは楽しんでみているだけ。
リサとジャスティンは自分に被害が受けないように避難するし。
ジェイルは・・・!!

そうだよ、彼女がいたじゃないか!!
彼女なら良いアドバイスをくれるかもしれない。
よし、さっそく部屋へ行ってみよう!!

 

 


2002 スタジオ・エゴ!『メンアットワーク3』

『その後の物語』
第3話・ミラの悩み相談室


 

「で、私のところに来たわけね」

「どうしたらいいかな」

ミラノ部屋を訪ねて、事情を話すとハアと溜息をつく。
制服ではなく、出会ったときの黒い服を着てベットの端に座って足をプラプラしている。
見た目は幼いけど、オレなんかより修羅場を潜ってきた彼女なら!(修羅場の意味が違う)

「情けないわねー・・・
自称ちょっとしたプレイボーイさん」

「別にオレはプレイボーイじゃないよ。
ただ女の子と仲良くしたいだけ」

「そういうのをプレイボーイ・・・
いえ、節操無しと言うのよ」

「ウッ」(汗

い、痛い所をついてくるね。

「そ、それは置いて・・・
何か良いアドバイスないかな?」

「そうねぇ・・・
私とジェイルはそんなことなかったし・・・」

頬に手を当てて軽く首を傾げる。
曰く、ジェイルは恋愛より戦闘好きだとか、鈍いなどなど。
こっちが愚痴を聞いているような気がしてきたよ(汗

「でもさ、まだ君達が敵同士の時だけど・・・
ジェイルも学生の女の子にプレゼントを貰ったって言ってたな」

「・・・・・・何ですって」

あっ・・・
ミラノ頭に怒りマークが出た。

「で、でも、ジェイルはプレゼントだと分からないようだったし、大丈夫!!」

「・・・いいわ。
今は貴方の話ね」

ホッ・・・
こ、怖かったよ。

「取り合えず、3人と・・・2人っきりの時にどう過ごしているか話してみて。
貴方達を楽しく見させてもらっているけど、詳しく知りたいわ」

た、楽しくって・・・
オレは真剣なんだぞ!!

「ほら、そんな仏頂面しないでさっさと話す」

「わかったよ」

 

 

〜モニカの場合〜

「ねぇ、ライル。
お願いがあるんだけどいいかな?」

「お願い?
言うだけ言ってみな」

「あのねぇ・・・
ライルが作ったクッキーが食べたい!!」

「ハァ?」

「食べたい食べたい!
ね、いいでしょ?」

「わ、わかったわかった。
ちょうどいいタイミングだしな、ほれ。
ただし、一枚しか残ってないぞ」

「え?
どうして、作ってあるの?
それに一枚だけ?」

「さっき、錬金術の授業で作ったんだ。
ロレッタ先生を始め、一緒に授業を受けた娘にもあげたんだ」

「・・・・・・」(怒

「ど、どうした?
モニカ、何か怒ってる?」

「(ブチ)
ライルのバカー!!」

ドカッ!!

「グハッ!!」

 

「・・・・・・」(呆

「モニカの食べ物への恨みは凄いと再確認したね」

「それだけじゃないわよ」

「??」

どういうことだ?

「いいわ、後でまとめて話すから次をお願い」

「りょ、了解」

 

 

〜フィリスの場合〜

「フィリス、ちょっといいかな?」

「はい、何ですか?」

「ちょっと頼みごとがあって」

「ライルさんなら、どんなことでも引き受けますよ。
何でも言ってください」

「ありがとう。
これを君の友達に・・・髪が長い子に渡してほしいんだ」

「あの子ですか?
それはいいですけど、どうしたんですか?
このハンカチ」

「前に錬金術の授業中にちょっと、指を切っちゃった時があってね。
その時に隣にいたその女の子に治療してもらったんだ。
回復魔法使えばよかったんだけど、女の子が慌てて止血してくれて後で気づいたよ。
さすがに血のついたハンカチを返すのもあれだし、汚れは中々落とせないから同じのを買ってきたんだ」

「・・・・・・その時、私やモニカさんたちは居なかったのですか?」

「君が居たけど、班が違ったし傷自体は回復魔法で直したからね。
心配をかけるのも悪いと思って言わなかったんだ」

「・・・・・・」(怒

「フィ、フィリス?
どうしたの?」

「何でもありません!!
これはライルさんが返してください!!
それが誠意というものです!!
失礼します!!」

「・・・ああ」(呆然

 

「・・・・・・」(呆、ヴァージョン2

「どうして急に怒ったんだろうか、
今思っても不思議だ」

眉間に指をあてて揉んでいるミラ。
顔を上げると、かなり呆れている。

「な、何だよ、ミラ?」

「・・・・・・
とりあえず、次を話しなさい。
一々怒るのも疲れるわ。
大体想像つくけど」

「どうしてミラも怒るのさ?」

「いいから!」

り、理不尽だ・・・

 

 

〜瑞穂の場合〜

「今日は良い天気だし、絶好の昼寝日だね。
なあ、瑞穂?」

「ニャー」(嬉

「ここ辺りでいいかな。
よっこらせっと。
ウーン・・・良い天気だねぇ」

「ニー」(頷いている

「それじゃ、寝ましょうか」

『ライルさ・・・ん?』

「へっ?」

「ニャ?」

「やっぱりライルさんですね。
探していたんですよ」

「オレを?」

「はい。
覚えていませんか?
昨日のアイテム交換の時に・・・」

「ああ、君ね。
まだ、納得できないの?」

「ええ・・・
私は確かにあの防具は欲しかったです。
でも、ライルさんが望むのがポーション一つは価値が違いすぎますよ」

「いいの。
その時のオレはポーションが欲しかったんだから。
それに防具だって君に使われた方が良いに決まってるよ」

「そんな!
私には勿体無いくらいです!!」

「あれはもう君のものだから、気にせずに使っちゃって」

「・・・はい、ありがとうございます。
それで、お礼にお菓子を作ってきたんです。
さすがにライルさんのとを比べると自信がないですけど、よかったらどうぞ!!」

「ありがとう!
喜んでいただくよ」

「で、では、失礼します!!
本当にありがとうございました!!」

「いやいや、こっちこそそれ以上の価値があったよ。
じゃあね」

「はい!」

「・・・ニャー」(怒

「どうした、瑞穂?
心配しないでも、分けてあげるよ」

「ギニャー!!」(激怒

バリバリバリバリ!!

「痛ーーー!!」

 

「・・・・・・」(呆 ヴァージョン3

「引っかくだけ引っかけてどっかに行っちゃうし、
おかげで昼寝は中止」

あれは痛かった。
アイザックとの闘いの方がマシだったくらいに。
恐るべし、猫の爪。

 

 

「・・・貴方、女心って知ってる?」

全てを話して、ミラの最初の一言目はそれだった。

「えっと・・・」

「言っておくけど、そのままの意味じゃないから」

「うっ・・・」

先に封じられてしまった。

「全くそういう所は兄弟そっくりなんだから。
ライル、これはアドバイス以前の問題よ。
強いて言えば、もっと女心を知りなさい。
それだけよ、情けない義弟へは」

「なんだよ、それ?」

そんな簡単に理解できたら苦労しないよ。

「それだけじゃ、分からないと思うからヒントをあげるわ。
彼女達がどうして、前以上にライルと一緒に居たがるか・・・
それは単なるヤキモチよ」

「ヤキモチ?」

つまりモニカ達は嫉妬している?
誰に?

「ライルがあちこちに女の子と仲良くしているから不安なのよ」

「・・・・・・
でも、オレは誰よりも3人のことを大切に思ってるぞ?」

嘘じゃない。
それだけはハッキリ言える。

「なら、ちゃんと伝えることね。
頑張りなさい、男の子」

「子供扱いしないでくれよ」

お姉さん風を吹かすミラ。
オレだって、そこまでじゃないって。

「フフ・・・
子供じゃなくても、貴方は私の義弟じゃない」

「それは恥ずかしいって」

「私だって、誰が義妹になるか知りたいじゃない?」

「勘弁して」(汗

 

 

結局、アドバイスというか妙な忠告を貰った。
後日にオレがミラの部屋から出て行くのを見たらしく、曰く

『とうとうライルが彼氏持ちの女の子まで手を出した』

という噂が広まった(汗
そして現在・・・

「ライル〜」(怒

「ライルさん〜」(怒

「ラ〜イ〜ル〜さ〜ん」(怒

いつもの3人のみならず・・・

「・・・」(激怒

無言で大剣を突き出すお兄様(汗
ただ今、ライブでピンチです。

 

 

第4話へ続く


第3話です。
鈍感ライル君です(笑
私が書くSSでは、主人公は皆鈍感になってしまいます(汗
どうしてでしょうか、不思議です。