「うわー、凄いな」

「さすが魔法学園のメインイベントだね」

「リサ、ワクワクしてきたっす」

「ほう・・・
面白そうじゃないか」

「ジェイル。
アンタ、本当に戦うことが好きね」

今日は、年に一度の『トーナメント』。
今までの成果を確かめる事が目的らしい。
でも・・・

「フィリス、瑞穂、やっと決着をつける日が来た様ね」

「そのようですね」

「その挑戦、お受けします」

モニカ・フィリス・瑞穂が睨みあっているのを見て、
不安が膨れ上がっていく事しかない。
どうなることやら・・・

 


2002 スタジオ・エゴ!『メンアットワーク3』

『その後の物語』
第2話・トーナメント


 

魔法学園のトーナメントとは、
各学科別に参加して競うと言うものだ。

格闘術なら直接闘う(武器あり)
白魔法ならどれだけ人を救えるか。
黒魔法は威力を競う。
自然魔法ならどれだけ自然を操る事が出来るか。
錬金術は・・・これだけは納得できないが料理なのだ。

各学科の優勝者が決まると、その5人でバトルロイヤル。
その中の一人が真の優勝者と言うわけ。

もちろん特典もある。
各優勝者は願いが1つだけ叶えてもらえる。
聴こえはいいがこれはサギみたいなものだ。
例えば、『黒魔法の成績を上げてほしい』と願えば、
上がるまでひたすら勉強させられる。
『一週間休みがほしい』と言えば休みの前に一週間分消化しなくてはいけない。
『〜のアイテムがほしい』と願えば問答無用でダンジョンに放りこまれ、
モンスターからそのアイテムが手に入るまで闘わされる。

けど、真の優勝者はそんな事は一切ない。
だから生徒達は真の優勝しか狙わない。
以上、先輩たちの談。

 

「皆は何に参加するの?」

「私はやっぱり白魔法かな」

「リサはもちろん戦闘術っす」

「僕は黒魔法だね」

「錬金術です」

「自然魔法ですね」

「やっぱ男たるもの格闘術だな」

「わたしは戦闘術以外なら何でもいいけど、
面白そうだから黒魔法ね」

やっぱり皆得意科目で参加か。
と言う俺も戦闘術。

「そろそろ始まるみたいだから、
皆、頑張ろう!」

「「「「「おー!」」」」」

「だってよ、ミラ」

「そうね、程々に頑張るわ」

 

 

―白魔法―

「優勝、モニカ・オルブライト!」

「だてにライルを治療していないんだから」

その半分以上が君からの攻撃なんですけど(汗

「次はバトルロイヤルね。
腕がなるわ」

ねえ、モニカ。
君が得意なのは本当に白魔法なのかい?
戦闘術に参加したらどう?

 

―黒魔法―

「優勝、ミラ・シンクレア!」

「あなたも中々だったけど、ツメが甘いわね」

「・・・そうだね。
今、痛感してるよ」

黒魔法の優勝決定戦でミラとジャスティンと戦い、
ミラが勝った。
2人共強かったが、ミラの経験の差と言った所か。

 

―錬金術―

「優勝・フィリス・サイホン!」

「これは私の自信作なの。
私のライルさんへの想いが詰まっているのだから、負けないわ」

ストレートで恥ずかしい事を言ってくれるフィリス。
嬉しいやら恥ずかしいやら。
ロレッタ先生、にこやかな笑顔で手を振るのは止めてください。

 

―自然魔法―

「優勝、綾小路・瑞穂!」

「この勝利をライルさんに捧げます」

瑞穂も恥ずかしい事を言ってくれる(汗
でも、瑞穂。
動物に変身するのは反則じゃないの?

 

―戦闘術―

「優勝、ジェイル・シンクレア!」

「いよっしゃ!
俺の勝ちだな、ライル」

「負けたよ、ジェイル」

この戦闘術が一番盛り上がった。
数少ない男性ハンターが参加している事や、
アイザックを倒した2人(俺とリサ)と同様の力を持つジェイルがいるからだ。
俺はリサと戦って僅差で勝利したけど、さすがにジェイルには敵わないな。

 

 

―真・優勝者決定戦―

ついにこの時が来た。
既にリングの上にはモニカ・フィリス・瑞穂・ジェイルが立っている。
ミラは何故かリタイアして観戦している。

「そろそろ始めるぞ。
準備はいいかい」

審判のギルバード先生が手を上げる。

「おい、どうせやるなら全員で掛って来い」

「「「・・・」」」

ジェイルの挑発を無視しているモニカ達。
けど、その敵意はジェイルに向いているのは気のせいか?

「ジェイル・・・
何かあっても知らないわよ」

「ミラ、何か言った・・・」

「始め!」

ボソッと呟くミラに聞き返そうとする前に、
ギルバード先生が手を振り下ろし、開始宣言する。

「地よ!
我が意思に従え!」

瑞穂が先手を取って、自然魔法を使う。
相手は・・・

「うおっ!
何だ、これ!?」

ジェイルのようだ。
地面が盛り上がり、足首まで飲み込み動けないようにする。

「はあああああ!!」

その隙をモニカが杖を振り回しながら、
ジェイルに接近して・・・

 

ドコォォォォォ!!

 

「ぐはっ!」

『・・・・・・』

ジェイルの下からアゴを殴り『飛ばし』・・・

「トドメ!」

 

ピューン・・・

グサッ!

 

「ぎゃああああ!!」

フィリスが放った矢が尻に刺さる(汗
場外まで吹き飛んでいったので、ジェイルは負けた。
なるほどね。
よくわかったよ、ミラ。
こうなる事は予想していたんだね。

「さて、コレで邪魔者は消えたわ」

「そうですね」

「これからが私たちの勝負・・・」

うわ、気合充分ですよ(汗

「ライルは渡さないんだから!」

「いいえ、ライルさんはきっと私を選んでくれます!」

「ライルさんは私の故郷に来てもらいます!」

やっぱりこうなる訳ね(泣

 

それからは試合というより、いつもの揉め合いが始まった。
理由はともかく、その内容は魔法学園建設以来、最高になったらしい。
その結果は言えないが、それぞれの願いを聞いている俺がいたということだけは知らせておこう。
しくしく・・・

 

 

第3話へ続く

 


第2話です。
久しぶりに書きましたが書きやすいですね、これは(笑
次も面白おかしくいきたいですね。