「はふぅ・・・(ポリポリ)」

「本当に幸せそうにお菓子を食べるわね、お姉ちゃん」(呆

「ひゃあああー!
い、郁乃!?
いつから見てたの!?」(汗

「いつからって・・・
2袋空けた頃かしら」

「はう!」

「それにしても、ホントよく食べるわね?
もう少しで晩御飯なのに」

「そ、それが手が止まらなくて、ついつい・・・」(汗

「・・・太るわよ?」

「きゃう!!」(図星

「何だ、図星なんだ?」

「い、いやだなー、郁乃。
お、お姉ちゃん、太ってないよー」(汗

「ホントに?」

「ホントホント」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・」

「・・・・・・ごめんなさい、実はちょっと増えてました」(泣

「よろしい。
それでも食べてるなんて・・・
開き直り?」

「ち、違うよ!!
ダイエットしようかなと考えたけど・・・
ほら、イルファさんや環さん達の料理が美味しいし、
お菓子とかは私が担当だからどうしたものかと」

「あの人達が、私の体のことも気にして料理をしてくれるのは感謝しているけど。
お姉ちゃんの理由は自業自得の慰めにもならないわよ?」

 

プニッ

 

「ひゃっ!」

「良い感触ね、お姉ちゃんのお腹。
そろそろ本気で考えた方がいいんじゃない?」

「い、郁乃は?」

「この身体を見てどう思う?
逆にもっと食べた方がいいって言われてるんだから」

「郁乃の裏切り者ー
これで勝ったと思うな・・・よ?」

「・・・それ、由真先輩のセリフだから。
なんで疑問系なのよ?
それで真面目な話、どうするの?」

「が、頑張ります!!」

「そう、頑張ってね」

「あ、あれ?
郁乃、応援とか付き合ってあげるとかは?」

「だから、私が付き合えるわけないじゃない。
まあ、応援くらいしてあげるから」

「うう・・・」

「(本当に出来るのかしら、この姉に?)」

 


2005・2008 Leaf 『ToHeart2 XRATED&ToHeart2 AnotherDays』

「パニック・ハート」
 第6話・愛佳のダイエット奮闘記


 

「はふー・・・
はふー・・・」(疲

「やっぱり代わろうか?」

「だ、大丈夫だよ?
ほら、郁乃もそんな目で見ないでよー」(汗

「ま、いいけどね」

登校中、今日は愛佳が郁乃を押していくと譲らなかった。
いつもなら一言二言で譲るのに、気迫がこもった雰囲気で頷くしかなかった。
案の定、さっそく息切れをはじめてしまったけど。
だから朝食も少なめじゃなくて、しっかりとらなくてはと言ったのに・・・

「貴明、姉の言うとおりにやらせてあげて」

「いいのか?」

「いいのよ」

郁乃までそう言われたら引き下がるしかない。
周りの皆も不思議そうな心配そうな表情で見ている。
でも・・・

「はひゅう・・・はひゅう・・・」(疲

呼吸が怪しくなってきたんだけど ・・・(汗

「・・・やっぱり代わって」

「了解」

「ら、らいひょうぶだよー・・・
た、貴明くんも、い、郁乃も心配性・・・なん・・・だから」(バテバテ

これほど説得力が無いというのも珍しいんじゃないだろうか?

「どこから見てもダウン一歩手前だぞ?
それにこれから坂道があるし」

「・・・・・・」

「私はイヤよ。
坂道の途中で力尽きて、後ろからお姉ちゃんを轢くなんて」

「・・・お願いしますぅ」(限界

交代した瞬間、膝に手をついてバテている。
郁乃からもらったお茶を飲み干し、ゆっくりと歩き始める。

「アンタも罪深い男ね」

「言われなくてもわかってるよ。
いい加減はっきりしろってことだろ?」

それが出来れば苦労は・・・するか?
ホント、情けないようなぁ(泣
こうなったら全部認めて・・・
だ、ダメだ!!
そんな開き直りで決めたり、ぜ、全員なんて!!(彼女達の調教は順調)

「だからアンタは鈍感バカにヘッキーなのよ。
私が言いたいのはそんな難題じゃないわ」

「それじゃ、何だよ?」

「それくらい自分で考えなさい。
・・・別に分からなくてもいいかもね。
というより、分かってほしくない人がいるし」

「へっ?」

「い、郁乃!!」

「はいはい、これ以上は何も言わないわ」

「もう・・・」

「???」

視線の先には愛佳に向く。
話しの元は彼女の不審な行動だけど、どういうことだ?
周りを見ると納得顔の皆さん。
えっ、分からないの俺だけ?
うーん・・・
もしかしたら、何か欲しい物があってバイトしようか悩んでいるとか?
本屋かケーキ屋さんとか・・・

「考えてる所悪いけど、違うわよそれ」

エスパーですか、貴女は?

 

 

学園に着いた時も、バテ気味の彼女を見たクラスメイトが変な憶測をして暴走した。
もちろん、俺達は全力で否定した。

「でもさ、いいんちょーもなんで朝からあんなに疲れ気味なんだ?」

「知らないよ。
朝食も半分だったし、身体の調子が悪い訳でもないらしいし」

『違うの〜
決してそんなことは〜』(汗

愛佳は今も女子達の対応に大変そうだ。
るーことミルファちゃんも混ざっているが、フォローをする気はないらしい。
俺もこれ以上、変に巻き込まれるのは勘弁なので雄二と会話を続ける。

「郁乃を引いて行っても坂道前にダウンだし、運動不足かな?」

「それはないだろう?
普段は女の子でもそれくらいは出来るさ、坂道は無理そうだけど」

「だよなぁ」

『え?
それは・・・
貴明君はか、関係ないよー』

微かに聞こえる声から察して、旗色が悪くなってきたらしい。
頑張ってくれ。

「皆も分かったようだし・・・」

「姉貴もか?
ふーん・・・」

『あ、あのー・・・
皆さん、その手に持っているメジャーは何でしょう?』

ジリジリと囲まれつつある彼女は危険感を感じ始めたらしい。
本当に危ないことなら、ミルファちゃん達が止めるだろう。

「・・・ははーん、分かったぜ。
いいんちょーも気にすることもねーのになー」

「雄二、視線がイヤらしいぞ」

『ひゃぁぁぁ!
き、急に寒気が・・・』

別の意味で危機感を察した愛佳も、これもまた別の意味で囲まれて見えなくなった。
壁になった女子達は雄二に軽蔑の眼差しを送っている。

「・・・雄二、逝く前に答えを教えてくれ」

「うるせー!!
なんで俺はこんな扱いで、貴明ばかりモテるんだよー!!」(魂の絶叫

『だ、ダメ!!
そんな所・・・』

もうすぐ授業が始まるのにダッシュで出て行ってしまった(汗
愛佳もピンチらしい。

「るーこ、ミルファちゃん・・・
止めなくていいの?」

「あたしは真剣に悩まないことだから、よく分からないしー」

「うむ。
私もそのことで悩んだことないな。
好きにさせてやれ」

2人とも事情は知っていても、この現状に対しての危機感ゼロだったらしい。
ダメダメだった!!

「由真ー!!
すぐに来てくれー!!」

「ど、どうしたの貴明・・・って、うきょわー!!」

隣のクラスにいる由真に助けを求めたとしても仕方がないはず。
助けを求める声(悲鳴)に全力でドアを開けて登場した彼女が見たものは、
女子達に囲まれて、中心に上げた片手と頭が微かに覗ける愛佳の姿。
哀愁を誘うものがある(泣
由真の叫び声と実力行使で救出された彼女のコメントは・・・

「ううぅ・・・
もう、お嫁にいけないよ・・・」(泣

でした(汗

「心配することはないわよ、愛佳。
私を含めて皆、貴明がもらってくれるわよ」

「えっ・・・
そ、そうかな・・・」(嬉

そこ、変なフォローを入れない!!
愛佳も期待した視線しない!!

ちなみに雄二は一時間目の授業は帰ってこなかった・・・

 

その後の愛佳の態度は不審のままだった。
授業中は真面目な彼女だったが休み時間になる一変。
カバンに手を伸ばし引っ込めたり繰り返し、頭をブンブン振っている。
何か葛藤しているようだけど原因がわからない。
男子は不審に、女子は生暖かい視線も気づかず・・・
さすがに見逃せないかな。

「愛佳、さっきからどうしたの?」

「た、貴明くん!?
ど、どうしたのってなにが」(汗

「いや、その・・・
なんでそんなに挙動不審な・・・」

「い、いやだぁ、貴明くん・・・
べ、別になにもないよ。
さ、さぁて、予習でもしようかな」(汗

視線を逸らし、誤魔化すように教科書を取り出す。
でもさ、愛佳・・・
次どころか、今日はその科目はないし逆さまだよ?

「どうしたものか・・・」

途方にくれてしまう。
困った俺を見かねたのか、るーことミルファちゃんが近づいてくる。

「そのままにしてやれ、うー。
うーまなは孤独な戦いをしているのだ」

「だよねー
ここはそっとしておいてあげよう?」

ココで何故か愛佳のフォローをする2人。
何故皆は愛佳を放っておくのだろう。
どう見ても変なのに・・・

「せめて、愛佳がこうなっているか教えてほしいんだけど・・・」

「こればかりは本人の承諾がないと言うことは出来ない。
うーまなも隠したいようだからな」

「強いて言えば、女のプライドと貴明の為かな?」

「???」

あの、なおさら深みに入ってしまうんですけど・・・
女のプライドと俺の為?
俺の為と言うなら、なおのこと原因を知りたいし解決したい。

「これ以上は何も言わないぞ、うー。
うーみるも言いすぎだ」

「あちゃー
ごめんなさい」

ホント、何がなんやら・・・

そのまま3時間目の体育で体力を使い切ったのか、4時間目は珍しく寝そべるようにダウンした。
教師(女性)も何故か注意せず、やけに優しい表情で見つめただけだった。
愛佳の右腕がカバンを掴んだままジッとしていた(引っ込めもせず、プルプルと震えていた)
あのカバンの中には何が・・・?

 

 

昼休みになり、『やり遂げた』と誇らしそうな愛佳とミルファちゃん達を伴って屋上で昼食を取る。
雄二は授業をサボったことがタマ姉にバレ、隣で正座の昼食抜き。
地べたの正座の姿に涙を誘う・・・

「ご馳走様でした」

「あら?
もういいの?」

「は、はいー
もう充分ですー」

昼食も愛佳が一番に切り上げ、量も半分くらいしか食べていない。
今は何ともなくても倒れてしまうぞ・・・
タマ姉も同意見なのか、説得を始める。

「けど、そんな急に食事の量を減らしてダイエッ・・・」

「きゃー!!
きゃー!!」

ダイ・・・?
ダメだ、愛佳の悲鳴で聞き逃した。

「あっと、ごめんなさい。
でも、言いたいことは分かるわね?」

「はぃ・・・」

郁乃と由真も咎めるような視線をプスプス刺す。
縮こまる愛佳だけど、これ以上箸を進める気配はない。
のほほんとしていつも通りに食べている珊瑚ちゃんやこのみを、少しは見習ってほしいものだ。

「それに体調が悪かったら仕方がないけど、残すというのも失礼よ。
貴女もよく分かっている筈よね」

「はぅ・・・」

瑠璃ちゃんも一料理人としてタマ姉と同じと思えば、複雑な表情をしていた。

「瑠璃ちゃん?
どうしたの?」

「な、なんでもあらへん!!
いちいち聞いてくんな、このすけべ!!」

何故か怒られてしまった・・・
しかもスケベ扱い・・・

「全く、貴明はダメダメだな。
瑠璃ちゃんもそんな男をいつまでも追いかけてないで、俺に乗りかえらない?」

「黙っとれ、ゴミ」

「ぐはっ!!」

ゴミ・・・(汗
俺への瑠璃ちゃんの対応は、実は随分マシだったんだと痛感した。

「雄二・・・
ちっとも反省していないようね・・・
折檻とお小遣い抜き、どっちがいい?」

「えっ、あっ、その・・・」

「時間切れ。
両方にしてあげるわ」

「そ、そんな、ちょっと待っ・・・
イダダダダダダダダダダダ!!!」

うわぁ・・・
ひ、悲惨だ・・・

「ふん。
女の子の恋にチャチャを入れるなんて、馬に蹴られて三途の川よ」

今、目の前で三途の川を渡ろうとしている実弟がいるのでは?(汗

「それよりも、愛佳さんね・・・
こうなったら強制的に食べてもらうしか・・・」

「な、何をなさると言うのでしょう?」(恐々

愛佳もさすがに腰が引けている。
あの屍を見て(死んでねーよ!!)、平気な人がおれば是非お目にかかりたい。

「ああ・・・
言い方が悪かったわね。
大丈夫よ、痛くなんてないし逆にこの誘惑に耐えられるかしら?」

「「「「「「「「「誘惑?」」」」」」」」

意外な言葉に全員(雄二以外)が首を傾げる。

「まずは、タカ坊!」

「は、はい!!」

えっ?
俺がご指名?
何かタマ姉が気に触ることってしたっけ?

「愛佳さんの横に座りなさい」

「へっ?」

「はやくなさい。
時間も余りないことだし」

「わ、わかった」

ここは従った方がいいだろう。
それに愛佳自身も心配だし。

「では、ちょっと失礼」

「ど、どうぞ・・・」

「少しでも触れたら殴るからね」

「もう、由真・・・
恥ずかしいからってそんな言い方良くないよ?」

「ま、愛佳は黙ってなさい!!」

親友同士の心温まる会話を聞きつつ、愛佳と由真の間に座る。
反対側に座っている郁乃も威嚇と警戒を緩めない。
俺って、そんなに信用ないかなぁ・・・
これでも、まだ女の子は苦手なのに・・・

「次は?
タマ姉?」

「次は・・・そうねぇ・・・
玉子焼きを取ってくれないかしら」

「りょ、了解」

意味不明な指示だけど、タマ姉が言うからには何か意味があるのだろう。
言われたとおりに玉子焼きを箸で取って小皿に・・・

「タカ坊、そのままでいいの。
それで、愛佳さんに『あーん』なさい」

「「「「「「「「「「はい!?」」」」」」」」」」」

タマ姉のとんでもない提案に再び一同声がハモる。
落ちかけた玉子焼きを力を入れすぎて、割らなかったことに褒めてほしい。

「どうする、愛佳さん?
こんなチャンスは滅多にないわよ?
してもらったのは・・・ささらだけよね?」

「あ、あの・・・」(照

名指しされたささらさんは真っ赤になって俯いてしまう。
それより愛佳だよ!!

「あう・・・
えっと・・・その・・・」

彼女の視線は玉子焼きと俺の顔を行ったり来たり。
何故か両手はお腹を押さえている。
いや、掴んでいる?

「確かにこんなチャンスは・・・
でもでもこれ以上は・・・
お腹が・・・
でも、『あーん』は憧れだったし・・・
したいし、してほしいし・・・
ああ、カロリーが・・・」

頭を抱え蹲って何か葛藤している愛佳。
その具合といったら午前中の比じゃない。
郁乃はそんな姉をアホな子を見る視線を向ける。

「だったら、ウチも『あーん』してもらうー」

「ごめんね、珊瑚ちゃん。
今は愛佳さんだけなの・・・
後日、タカ坊にお願いして」

「うーん・・・
しゃーないなー」

人数こそ増えないけどやることには変わりない。
引くも引かぬも愛佳しだい。
俺としても恥ずかしいが彼女が食べるなら協力をしようと腹を決める。
・・・そんなに悩むほどなのか?(鈍感)

「ちょ、ちょっとだけなら・・・・」

「分かってくれて嬉しいわ。
ほら、タカ坊」

心の中で会議が済んだのか結論を出す。
タマ姉も催促する。
でもさ、タマ姉・・・
『分かってくれて』はないんじゃないかな・・・

「そ、それじゃ、愛佳・・・」(真っ赤

「あ、あーん・・・(パク)」 (真っ赤

ささらさんの時には周りは知らない人ばかりだったけど、
逆に知り合いばかりというのも恥ずかしすぎる。

「さて、私達も食事を続けましょうか?
タカ坊は、そのまま満腹になるまで愛佳に食べさせてね」

「ええ!?」

狼狽する俺を切り捨て食事を再開する皆さん。
あの、それでいいの?
というより助けてよ?(泣
ポーっとする愛佳を放って置くことも出来ずに仕方なく続ける。
というより、逃げ出したらタマ姉さん・・・(怯

「つ、次はこれでいいかな?
ほら、愛佳」

「・・・あーん(パク)」

『ちょっと意識飛んじゃってますよ?』のような愛佳におかずを差し出すと、
半ば反射的に口を開ける。

「はい」

「あーん(パク)」

「どうぞ」

「あーん(パク)」

「それ」

「あーん(パク)」

「えっと・・・・」

「あーん(パク)」

「・・・まだ?」

「あーん(パク)」

「・・・・・・」

「あーん(パク)」

結局いつも以上に食べてしまい、正気に戻ったのは全員がご馳走様をした後。
お腹を押さえこちらを唸るように見つめる愛佳に視線を逸らす。
俺が悪いわけではないが、罪悪感が出てくるのは何故だろう?
結局、俺はほとんど食べれずじまい(泣
お腹減ったなぁ・・・(切実

 

 

放課後、今日は図書室(通称・いいんちょーの秘密部屋)に集まる日だ。
行く前に愛佳は、ミルファちゃん達と話しをしている最中に真っ赤にして飛び出していった。
当の本人達はこちらに手を振って出て行った。
すぐに合流するから一緒に行ってもいいような・・・
でも、誰かと一緒に廊下に出ているだけで男子達の視線(睨み)が鬱陶しいし、たまにはいいか。
カバンを持って教室から出おうとすると(雄二はタマ姉のお説教が残っているらしく逃走中)、
ドアの所で由真が手で『おいでおいで』をしていた。
どちらにせよ、通るので由真に近づく。

「どうしたんだよ、由真?
るーこ達なら先に・・・」

「いいからちょっと来なさい!」

「うおっと!」

突然腕を掴まれ周りを気にせず進んでいく。
ズンズン突き進む由真に困惑する。
進んだ先は俺も行く筈だった図書室。
しかし、誰もいない。
どういうことだ?

「愛佳は、生徒会会議として足止めしているわ。
しばらくは来ない筈よ」

「そ、そう・・・」

疑問が顔に出たのか、先に答えてくれる。
ここまで手が込んで一体何が・・・

「いい、貴明?
愛佳が朝からいつもと違うのは分かっているわね?」

「違う所かおかしいような・・・」

「チャチャいれない!!」

「お、おう・・・」

だから、人に指を向けるのは良くないと思うぞ。

「貴明以外は皆理由を知っているわよ、あのバカ(雄二)でさえね!!
まあ、アンタに気づかれたら気づかれたでショックだろうけど・・・」

どっちだよ?
でも、雄二ってそんな認識なんだ・・・(汗

「いいこと?
アンタは愛佳を説得して無理をさせないようになさい。
私としても・・・というより、女の子として止めさせるということは出来ないから」

「どうしてだよ?」

「訊くな!!」

「りょ、了解」

『コロスゾ、コノヤロウ』な雰囲気を醸し出す由真にあっさり引いた俺は悪くないはず。
最近こういうことばかりだね・・・(溜息

「そ、それと・・・」

「うん?」

急にモジモジする彼女に不審と思いながら続きを促す。

「せ、せっかくだからヒントを上げるわ」

「ほ、本当に!?」

「ただし、1つ言うことを聞いて貰うわよ?」

今まで全く分からなかったし願ったり叶ったりだが・・・
コイツの注文を考えると・・・

「そんなに警戒した表情で見ないでよ・・・
そんな大したことじゃないわよ?」

「・・・痛いか?」

「痛くないわよ!!」

「・・・お金はないぞ?」

「そうなの?
私も ちょっと・・・
って、違う!!
失礼ね!!
先に言うと、こっちがいいと言うまでジッとしててほしいだけよ」

これ以上機嫌を損ねると、このチャンスがふいになってしまう。
仕方がない・・・な。

「分かった、その条件をのもう」

「分かればいいのよ、分かれば・・・」

フンっと腕を組んで偉そうに頷く。
まあ、向こうが上なのは分かってるけど・・・

「それじゃ、ジッとしてなさいよ」

「さ、先にヒントを教えてくれないのか?」

「時間も押してきてるしね。
約束は守るわよ」

「それならいいが・・・
よし、煮るなり焼くなり好きにしろ!」

「うん、そうする」(即答

「・・・出来れば手加減をしていただければ」(平謝り

「弱いわねー」

だって、引くことを知らない由真にそう言われたら不安にもなる。
うう・・・
何が来るやら・・・(怯

「・・・貴明。
私は気にしないけど、環さんに今の姿を見せないようにね。
絶対暴走するから、あの人」

「???
よく分からないけど、気をつけるよ」

「それじゃ、改めて・・・」

「い、いいぞ」

咄嗟に身構えと心構えをする。
痛みはないと言ってたが、精神的な攻撃が来るのか?
もしかしたら虫でも取り出して我慢大会を開くのか?
しかし・・・

 

ポスッ・・・

 

「えっ?」

感じたのは軽い衝撃と温もり・・・
そして背中に回された手・・・

「ゆ、由真!?」

「こ、こっちがいいと言うまでジッとする約束でしょ?」

「だ、だからって、だ、抱きついて来たら・・・」

「い、いいじゃない!
わ、私だって、その・・・
イルファさん達が羨ましかったんだから・・・」(恥

いや、そう言われても・・・ねぇ?

「こ、こういうときは抱きしめ返すものでしょ?」

「ジッとしていろって・・・」

「そ、それくらいの度胸見せなさいよ!」

段々意味不明な会話になってきた。
要するにしてほしいらしい。

「・・・わかったよ」

「ふ、ふん」

抵抗感が少しずつなくなっていく自分の驚く。
周りの皆から、調教(?)されているせいかなぁ(しみじみ
お互いジッとして抱きあっていると・・・

 

ちゅっ

 

「っ!!」

由真から頬にキスをしてきた。
突然のことに固まってしまった俺に、由真はスルッと抜け出しドアを開ける。

「ほ、本当のキスはまた今度ね!!
それと、愛佳だけど!!
アンタには隠し事出来ないから、ゆっくり聞き出したら大丈夫!!
しっかりフォローするのよ!!」

限界以上に真っ赤になった由真は、それだけを言い残してダッシュして出て行った。
しかし、俺はその後も固まったまま・・・

「えーと、貴明くんだけ?
さっき由真が走って行ったし、声を掛けたんだけど聞こえなかったみたいで・・・
どうしたの貴明くん?
あれ?
もしもーし・・・?」

愛佳が来るまで立っていた。

 

 

「はい、どうぞ」

「い、いただきます」

「クスクス・・・
そんなに緊張しないでよ」

まだ由真との事が解けない俺に、愛佳は紅茶を入れてくれた。

「実は優季さんに教わっているんですよ。
まだまだ追いつきませんけど、少しは上達したのよ」

「うん、おいしい」

「ホッ・・・
よかった」

紅茶の効果か愛佳の雰囲気か、次第にリラックス出来る様になってきた。

「フフフ・・・
こうしていると、お互い異性が苦手だった事を思い出しますね」

「そうだね・・・
そんなに経ってないのに随分昔のように思えるよ」

「ええ、本当に・・・」

軽く周りを見渡すと、いつも通りの風景。
それが無くなりそうになり必死に考え行動し守れたもの。

「そうだ!
思い出したついでに、もう一度早口言葉をしようか?」

「えっ」(汗

ちょっとしたやり取りも思い出し提案する。
愛佳は引きつった声で『それは勘弁』と顔に出ているけど、無視して強引に進める。

「最初は復習に『ガス大爆発』
はい、愛佳」

「えっと・・・あの・・・」(汗

狼狽していたがティーカップを置き、真剣な表情で気合を入れる。
発した声は・・・

「ガス大バ%’&”$#’!!」

見事に大失敗(笑
予想していた通りに込み上げてくる笑いを抑える。

「も、もう一回!!」

「何度でもどうぞ」

「ちょ、ちょっと待ってね?
紅茶のおかわりを入れてくるから」

こちらが返事をする前にティーセットを運んで席を外す。
これも予想通りの行動に足音を立てずに愛佳に近づく。

「ガス・・・大・・・爆発」

紅茶なんてなんのその、やはり練習していた。
愛佳も微妙に意固地な所があるなぁ。

「ガス・・・大爆発」

うん、前に練習したことだけあって慣れるのが早い。
これなら、すぐに戻って・・・

「ガスだ%$’&’&ぁりあ%$&つ!!」

来れないらしい(汗
最後に『つ』を言えたのは偶然なのか、意地なのか分からない。

「ガス・・・だいばく・・・はつ」

うん、意地だろう。
まだ見ていたい気もするけど一旦戻ろう。
悩み事も訊かなくはいけないし。

「おーい、愛佳ー!
まだかー!!」

「ガス大ばぴひゃ!!
あぅぅ・・・
いたーい」(泣

どうやら驚いた拍子に舌を噛んでしまったらしい(汗
わ、悪い事をしたかな?

「ひょ、ひょっとまっれー」

「う、うん。
いいけど、大丈夫?」

「な、なんれもないよ。
ら、らいひょうぶ」

妖しい言葉が返ってくる。
それから少しして戻ってきた愛佳は、引きつった笑顔を浮かべていた。

「ご、ごめんね。
ちょっと紅茶の味見をした時に舌が火傷しちゃったんだ。
早口言葉はまたの機会でいいかな?」

「そ、そう。
だ、大丈夫?」

「平気平気、すぐに落ち着くよ」

最後まで早口言葉に関してはどうしても隠したいらしい(汗
笑い通り越して、その泣ぐましい努力に涙を誘う。
合わせてあげるのも優しさだ。

「あっ!
紅茶を出していて、お菓子を忘れてたね。
・・・はい、どうぞ 」

「いただきます」

ゴソゴソっとカバンから取り出したクッキーを皿に移し差し出す。
さっそく一口。

「うん、おいしい。
愛佳が作るお菓子はやっぱり美味いよなー」

「ほ、褒めすぎだよー」(照

「そんなことはないよ」

新しく入れてもらった紅茶と愛佳が作ったクッキー。
しばらくはドタバタしていたから落ち着くなぁ・・・
いやいや!!
和んでどうする、俺!!
今こそ聞き出すチャンスじゃないか!

「あ、あのさ、愛佳・・・」

「な、何、貴明くん?」

内心、気合を入れる俺に愛佳は慌てたように返事をする。
彼女はこちらを見ているようで視線がずれている。
ススッと向ける先は・・・

「愛佳も食べないの?」

「わ、私はいいの!!
うん、それはもうホントに!!」(焦

手に持っていたクッキーだった。
動かすとそれを視線で追いかけ、一向に離れない。

「・・・食べる?」

「(ブンブンブンブンブン!!)」(全力で首を横に振る)

「ホントにどうしたの、愛佳?
朝から変だよ?」

「い、いやだなぁ、貴明くん。
私は別に変じゃないよ・・・」

ココまで意地っ張りは郁乃に並ぶな。
さすが姉妹。

「隠さなくていいよ。
食事をマトモに取ってないじゃないか。
昼はその・・・結果的に食べたけど、初めはいつもの半分以下じゃないか?
体調は悪くないの?」

「そ、それは大丈夫。
むしろ元気が良すぎて・・・」

「良すぎて?」

「はわわわ!
な、なんでもない!!
なんでもないよ!!」

確かに何かを悩んでいるいるのは間違いない。
でも、図書室や郁乃の件の思いつめたような感じではない。
真剣なんだけど方向が違うような・・・

「愛佳、お願いだから正直に話してほしい。
愛佳も言いにくいかもしれないが、心配だし力になれることがあったら協力したい。
由真にも言われたけど、説得は俺が一番らしいし」

「もう、由真ったら・・・
分かってて言うんだから」

ボソボソと親友に珍しく恨み言を言う愛佳。
そこまでの深刻さなのだろうか?
由真で思い出した。
これも手になるんじゃないだろうか?

「代わりに俺は愛佳のお願いを聞いてあげる。
それくらいの代償はないと、一人だけなんてズルイし・・・
で、どうだろうか?」

「し、心配してくれるのは嬉しいけど、そんな意味深な事じゃないから。
気にしないでいてくれると嬉しいかなぁ・・・
あははは・・・」(汗

「出来る思う?」

「・・・思いませぇん」(泣

完全に眼が泳いでワタワタして落ち着きがない。
俺は反対にジッと静かに待つ。

「うう、貴明くんのいじめっ子・・・」

それからしばらくして、落ち着いた愛佳が捨て台詞を行って観念した様子。

「だ、誰にも言わない?」

「俺からは言うつもりはないけど・・・
皆やクラスの女子、たぶん雄二にはバレているんじゃないかな?」

「あ、あぅぅぅぅぅ」(泣

しまった(汗
下手なつっこみを入れずに相槌をうっておけば良かった・・・
シルファちゃんの時もそうだったし、俺って自爆属性でもあるのか?

「や、約束するよ!
俺は誰にも言わない。
これからの事ももちろん!!」

「う、うん、約束だよ?」

さて、ようやく愛佳の悩み事が判明する。
俺に力になれることならいいが・・・

「じ、実は・・・」(ゴニョゴニョ

「もう少し大きな声で言ってくれないかな?」

「あの・・・ふと・・・だよ」

「ごめん、もう少し」

「〜〜〜〜〜っ!!!」

真っ赤どころか茹だこのようになってしまい、声にならない悲鳴を上げる。
俺が悪いのかな?(汗
ついに愛佳がヤケクソ気味に叫んだ。

「体重が増えちゃって、ダイエットをしようとしたの!!」

「はぁ!?」

えっ、何、ダイエット?
それだけ?

「えっと・・・愛佳さん?」

「は、はい!!」

「出来ればもう少し詳しく事情を話してほしいんですが・・・」

「あのね、前々から気になっていたんだけど・・・」

事情を聞くと大体分かった。
最近、悩み事も無くなって(俺との関係はさておき)楽しく過ごしていた。
開放感からか無意識に食べる量が増えていて、文字通り幸せ太りになってしまったらしい。
さらに郁乃からのダメだしがトドメになって一大奮闘を決意。

「朝の郁乃を押していたのは?」

「運動代わりにカロリーの消費をと・・・」

「学園に着いたとき、女子達に何をされたの?」

「スリーサイズを測られてしまいました」(泣

「ダウンしていた時に、カバンに手を伸ばしてたのは?」

「このクッキーの誘惑に耐えてました」

「予想はつくけど、昼は?」

「朝食同様、加減してました。
結局、食べ過ぎてしまっちゃいましたけど」

「なんだ・・・
そういうか・・・」

「ごめんね、貴明くん。
心配させちゃって」

思った以上に軽い内容に力が抜ける。
愛佳も申し訳ないように縮こまっている。

「でもさ、そんなに太ったの?
見た目、全然変わらないけど?」

「ふ、増えたといってもちょっとだけだよ!
女の子はそのちょっとを気にしたりするものなんです」

「はあ・・・」

「貴明さんは乙女心が分かってません」

それはもうイヤほど痛感してますが・・・

「それより、愛佳?
これからどうするの?」

「これ以上貴明くんや皆に心配をかけるのはイヤですから、
急激なダイエットはやめます」

「そう、よかった。
ちゃんと3食とってよ」

「はい。
まずはお菓子を断ちます」

「が、頑張ってね」(汗

「はい!!」

ご飯を抜くより、お菓子の方が愛佳にとって辛いのでは?
ストレスで壊れなかったらいいが・・・

「フフフ・・・」

「どうした?
気味の悪い笑いして?」

突然、愛佳が意地悪な表情を浮かべ薄ら寒く感じる。

「ねえ、貴明くん。
私はちゃんと言ったんだから、次は貴方の番ね」

「えっ?
俺?」

「そうそう。
確か、何でもお願いを聞いてくれるんだよね?」

「あ・・・」

確かに由真とのやり取りを思い出して、咄嗟に言ってしまった。
愛佳もスルーしていたからすっかり忘れていた。

「さぁて・・・
何をしてもらおうかな?
女の子の秘密を言ったんだから、高いよ」

「な、何が望みなの?」

つい警戒してしまうのは仕方がない。
由真の件もあるし、まさか・・・

「貴明くんとキス☆」

「えええええ!?」

やっぱりー!!(絶叫
ささらさんの行動も意外だったけど、愛佳までキ、キスをお願いするなんて。
さ、最近の女の子は積極的過ぎる!!(半分は自分のせい)

「冗談だよ、じょ・う・だ・ん☆」

「へっ?」

ぺろっと軽く舌を出し、満面の笑顔にその言葉に完全に固まる。

「もちろんイヤじゃないよ。
それどころかしてほしいと思う。
でも、償いでというのはちょっとイヤだな」

「愛佳・・・」

「今のお願いは、私の話を聞いてれないかな?」

黙って頷くと彼女少し離れ、前に眠っていたイスを軽く掴む。
カーテンで覆われているのに、漏れる夕日に当たる愛佳に目を奪われた。

「本当に貴明くんと出会えてよかった。
好きになってよかった。
もし貴方がいなかったら、今この場にいる図書室も無かったし、
郁乃のお願いを叶えてあげられなかった」

「図書室は皆で協力しあったからだし、桜も紛い物で愛佳の人徳のおかげだよ」

「ううん・・・
郁乃も言ってたよ?
『どんな偽物としても、私にとっては本物の桜』だって」

「・・・・・・」

郁乃が・・・

「好きになるキッカケは色々あったけど、助けてくれたから好きになったんじゃない。
それを言いたかったの」

「愛佳、俺は・・・」

「分かってる。
貴方は助けたかったから、助けただけだって。
でも、私にとってはこの想いは本物だし、決して小さいものじゃない」

「・・・・・・・」

「そして、同じ想いを抱いている人達がいる。
皆が貴明くんの側に集まってくる。
私となんて比べ物にもならないくらいの美人で、可愛くいて優しい女の子達が・・・」

「愛佳!!」

自分をそう卑下しないでほしい。
俺にとっても愛佳は充分優しいし可愛いと思っている。
でも、愛佳は笑ったまま続ける。

「でも、これだけは諦めたくないし離れたくない、絶対。
大好きだよ、貴明くん。
ううん、言い足りない。
愛してるよ」

無意識に近づいていたのだろう。
俺も愛佳のすぐ側にいた。
お互い見つめ合い、肩に手を乗せ愛佳が目を瞑る・・・
ごく自然に・・・

「「ん・・・」」

キスを交わす。
一瞬のような長いような感覚の中、ゆっくり離れる。

「キス・・・しちゃったね」

「そうだね・・・」

「もっと幸せ太りになっちゃうよ?」

くすくすと笑い合い、心地よい雰囲気が流れる。
これからも彼女達に相応しくなる様に努力しないとな・・・

 

 

おまけ

 

しかし、その雰囲気は長くは続かなかった。

「うわー
キスシーンなんて始めてみた・・・」(このみ)

「ウブねぇ、このみは」(環)

「環先輩はもう貴明としたんですか?」(郁乃)

「そ、それは・・・」(環)

「あたしは貴明とキスしたもーん」(ミルファ)

「あ、あの、私も・・・」(ささら)

「私はまだだが、うーならいつでも受けてたつぞ」(るーこ)

「瑠璃ちゃんも今度一緒にしてもらおうかー?」(珊瑚)

「う、ウチはちゅーなんて・・・」 (瑠璃)

「貴明さんとキス・・・」(優季)

「こ、今度こそ・・・」(由真)

ドア越しから聞き覚えある声がちらほら・・・
愛佳も気づいてパニクっている。
慌ててドアに駆け出す。

「み、皆!!」

「た、隊長!
気づかれたであります!!」(このみ)

「総員、退避ー!!」(環)

「「「「「「「了解!!」」」」」」」(このみ・珊瑚・瑠璃・由真・ミルファ・るーこ・優季)

「み、皆待ってよ!
私を置いていかなでよー!!(焦」(郁乃)

見事に郁乃だけ置いていかれ(車椅子だし)、その他は全員逃げ出した。

「郁乃、ちょっとお姉ちゃんと『お話し』しようか?」

「あ、あうあう・・・
た、貴明・・・」(怯

「もちろん助けないぞ。
俺も被害者だし。
遠慮なく姉妹同士の会話を楽しんでくれ」

「郁乃ったら、いけない子☆」

「い、いやー!!」(絶叫

 

 

第7話へ続く

 


パニハー第6話、愛佳です。
ToHeart2は『一難去ってまた一難』なシナリオが多いですね。
彼女のシナリオも完結しているので、
ミルファやシルファのようにつっこむネタが無ければほのぼのばかりですね。
お気に入りのシーンはやはり早口言葉なので軽く入れました。
愛佳はささら以上に弄られキャラと思ってますので、
ヒロイン達どころかクラスメートの女子にも被害を受けます(笑
今回はヒロイン達を半数以上出していますので、愛佳自身がちょっと薄くなってしまったような気がしてすみません(ペコ
次回は妹・いくのん(笑)です。
さて、ここでちょっとした連絡があります。
今回、早めに投稿したのは来週が忙しくなるので何とか一週間で仕上げた次第です(疲
今回が例外で、努力はしますが次回の投稿はおそらく3週間後です(今回と次回の分の空き期間)
せっかく少しずつ戻ってきたSSの勘を忘れないように、ちびちび書きます。
しばらく空きますがお待ちください。
ラングさん・こうりさん・風車さん、ご感想ありがとうございました!!