「クックックッ・・・
タマりゃん達も頑張ってるし、観客の反応も上々!!」

「苦労した甲斐があったねー
でも、ちょっと悪い気がするけど。
脱落した皆じゃ元が取れないし、花梨たちにしたら嬉しい限りだね」

「うむ・・・
双子姉妹は体力的に、ちーちゃんとみっちゃん(ミチル)は情報不足。
このちゃんはそれなりいたけど・・・
ゆーりゃんはキャラ的に・・・
哀れだな」

「この中じゃ、シルファちゃんが一番人気が高かったよね。
メイドロボだから実力があったと思う人が多かったみたい」

「だが!
賭けたことに後悔はないはずです!!
男子生徒代表として、申し上げます!!」

「フッ・・・
男って、バカよね・・・」(しみじみ

「でも、いいカモじゃない?」

「それもそうだな!
アッハッハッハッ!!」

「アッハッハッハッ!!」

「こ、後悔はない!!
ないはずなんだ!!」(血涙

「さて・・・
そろそろ皆も落ち着いてきただろうし、次へ進もうか?」

「「了解!!」」

「では、2等兵は第2ステージへ案内を頼む。
あちしと軍曹はスタンバイを。
諸君、健闘を祈る!!」

「「イエッサー!!」」

 

「あのー
そういう会話は俺達の前でするのは、間違っているような・・・」(汗

「お兄さん・・・
皆さん、大丈夫かな?」

 


2005・2008 Leaf 『ToHeart2 XRATED&ToHeart2 AnotherDays』

「パニック・ハート」
 第9話・まーりゃんパニック(後編)


 

第2ステージ・選択 〜雄二〜

進出者達を迎えに行き、前回同様選択の説明をする。
ここからは厳しいぞ?

「さて・・・
今回も選択してもらうぞ。
一つは器用さが要求される『テクニックコース』。
もう一つは、普段から練習していたことを競ってもらう『チャレンジコース』」

「『チャレンジコース』?
今の場がチャレンジじゃない。
ネーミングセンスないわね、雄二」

ぐっ!?
さすが姉貴!!
一つ一つツッコんでくる。
クソッ!
第一ステージで姉貴が『ハードコース』を選ぶと予想して、開始音を入れ替えたのに!
昔から運の良いよな、姉貴は。

「ほっといてくれ!!
これは隠してじゃ言いにくいんだよ!!
選択のルールは前回と一緒!!
今回はイルファさん達も自由に選んでくれ!! 」

今度は全員に選んでもらうぞ。
さあ、どうする!?

「私は『テクニックコース』を選ぶわ。
お姉ちゃんは?」

「え、えっと・・・
どうして郁乃はそっちを選んだの?」

「そういう質問は駄目のような気もするけど・・・
まあ、いいわ。
こういうのは前もって、『練習していた』と言う方が難しいのよ。
私の勝手な予想だけど」

「そ、そうなの?
それなら、私も郁乃と同じにしようかな?」

「いいけど、一度忠告したから後で文句言わないでよ?」

「言わない言わない」

いいんちょーと郁乃ちゃんは『テクニックコース』か。
いいんちょーは選択を間違えたな。

「ミルファちゃんはどうします?」

「あたしは『チャレンジコース』!!
響きがいい!!」

「そんな理由ですか(汗
なら、私も『チャレンジコース』をお願いします。
妹にちょっとお灸を据えてあげましょう」

こちらの姉妹は『チャレンジコース』か。
イルファさんはどっちでも得意そうだな。
ミルファちゃんはどうだろう?

「あの、ささらさん。
前回のこともありますから、別々に受けませんか?」

「そ、そうですね。
優季さんがお先にどうぞ」

「えっと・・・
それなら『チャレンジコース』を選んでかまいませんか?」

「いいですよ。
なら、私は『テクニックコース』へ」

さすがに、前回の件が後を引いてるか・・・
別れて正解・・・かな?

「後は私達ね。
るーこさんはどうするの?
私はどちらでもいいけど」

「・・・それなら『テクニックコース』を頼む。
前回は得意なものを選んだからな。
今回は意表をつくことにしよう」

「それじゃ、私は『チャレンジコース』ね。
さて、行きましょうか!!」

るーこちゃんは『テクニックコース』か。
もしかして初めてかもな。
それに対して姉は『チャレンジコース』か。
姉貴にとっては得意なものだし、本当に運が良い!!

「全員、決まったな!
では、『テクニックコース』の希望者は先の教室に入ってくれ!!
『チャレンジコース』は俺が案内するから着いてきてくれ!!」

『テクニックコース』郁乃・愛佳・ささら・るーこ
『チャレンジコース』 イルファ・ミルファ・優季・環

さぁて、今回はどうなるやら・・・

 

 

『テクニックコース』 〜まーりゃん〜

 

「いらっしゃいませー!」

「「「「・・・・・・」」」」(汗

何だよー!
前回といい、せっかくの歓迎にそのリアクションは?
あちしの着替えた浴衣姿に驚いているのか?

「あの・・・
まーりゃん先輩 ?」

「何だね、さーりゃん?
あちしの魅力は女でさえ虜にしてしまうのか!?」

「いえ。
衣装については呆れてはいますが・・・」

「くはーっ!」

バッサリ切ってくれるな、さーりゃん!?
そんな葛藤を無視して、さーりゃんは戸惑いながら『あるモノ』を指差す。

「これは・・・」

「そう!!
今回は『金魚すくい』だ!!」

「「「やっぱり・・・」」」

「?」

チャレンジャー達は、泳いでいる金魚たちを見ればわかるだろう。
よくある祭りの屋台の一つ『金魚すくい』!
だから浴衣に着替えたのだ!!
るーりゃんだけは首を傾げているから、知らないのだろうな。
どっちにしても説明しなくてはならない。

「ルールはもちろん数多くの金魚を取ったほうが勝ち!!
上位2名が決勝戦進出!!
まずはあちしが見本も見せてやるぞ!!」

腕をめくり、網(紙だけど)と入れ物を持って座り込む。
そのあちしを囲むように4人が集まる。

「一応言っておくけど、静かにね。
取った後の拍手は壮大に頼むよ」

忠告どおり、さーりゃん達は静かに見届ける。
あちしのテクニックに感動するが良い!!

「そこ!!」

『おー!!』

くぅー!!
この喝采と歓声!!
褒めよ、称えよ!!

「まだまだー!!」

『おおー!!』

 

パチパチパチ・・・

 

拍手も出てきたか・・・
俺をその気にさせると火傷するぜ?

「おりゃりゃりゃりゃりゃ!!」

『・・・・・・』

観客も声も出ないか・・・
なおのこと、実力を知るが良い!!
アッハッハッハッ!!

 

「やりすぎです、先輩」

「はい・・・」

調子に乗ってしまい、ほとんどの金魚を取ってしまった(汗
フッ・・・
勝利の後は空しいものだぜ・・・

「それでは!!
ルールもやり方も分かったようだし、そろそろ始めるぞ!!
初心者が多いので、チャンスは2回!!
網を二つ渡そう!!
では、挑戦開始!!」

 

ピーッ!!

 

今回は意表をつくことはなく、普通の笛を吹く。
ちなみにいくのんは台の上に水槽を乗せて、車椅子に座ったまま出来るように配慮してあるよ。

「い、郁乃〜
どうしよう〜」(泣

「どうしようって言ったて、私は初めてなのよ?
お姉ちゃんの方がよく知っているんじゃないの?」

「え、えへへ・・・」

「その乾いた笑いでよく分かったわ。
どうせ、一匹も取れなかったんでしょ?」

「うう・・・」

「ほら・・・
とりあえず2回出来るんだから、気軽にやってみなさいよ」

「そ、そうだね」

まずは、小牧姉妹のお手並み拝見。
想像がついちゃうけど。

「えーい!」

見事に失敗。
力が強すぎるぞ、まなりゃん。
それじゃ、すくい上げる抵抗で破けるぞ。

「そんなに力一杯でしたら、破けるじゃない。
確か、こうやって・・・」

いくのんは慎重に狙いを定めて、すくい上げる。

「やった!」

「うう・・・
また、郁乃に先を越された・・・
ずっと、姉として頑張ってるのに」 (泣

見事、一匹ゲット。
しかし網を全面浸してしまい、少し破けている。
これでは次は無理でしょ。
さてさて、お次はるーりゃんを拝見。

「・・・・・・」

およ?
網を片手にジッと水面(金魚)を睨んでいる。
網を見てもまだ、行動に移していない。
しかし、その目はすでに狩人。
ピリピリとした緊張感がそこにはある。

「フッ!」

おおっ!!
気合声と共に一閃!
見事、金魚を2匹もゲット!!
・・・ちょっち待て。
あれって、さっきあちしがやったことと同じ?

「ちょっ、ちょっと、るーりゃん?」

「何だ、まー?」

「さっきのは、あちしと同じやり方?」

「違うのか?
先程、まーがルール説明でやったではないか?」

あっちゃぁ・・・
あちしのやり方を『見本』と受け取ったので、その通りにしちゃっていたわけだ(汗
真似出来るだけでもすごいけど・・・

「ま、まあ、その網で金魚をすくい上げることがルールでやり方は人それぞれだから。
るーりゃんも好きなやり方をしてもいいんだぞ?」

「そうなのか?
だが、私もこのやり方に慣れてしまってな。
このままいかせてもらおう」

「る、るーりゃんがそれでいいなら、続けていいけど」(汗

ペースこそはあちしほど速くはないが、確実に取っている。
これは勝利が確実だな。
さて、さーりゃんはどうかなっと・・・

「えいっ」

「・・・・・・」(呆然

可愛らしい掛け声と共に、金魚をすくいあげるさーりゃん。
入れ物にはすでに金魚たちで一杯。
こ、これをさーりゃんが?
るーりゃん以上に驚きなんだけど?

「あのさ、さーりゃん?」

「はい?」

「金魚すくい、したことあるのかや?」

「いいえ。
初めてですよ」

「初めて!?」

うっそー!?
さーりゃんがズルするはずがないから、この成果は自力のものだろうけど・・・
正直、信じられないぞ。
でも・・・

「えいっ」

またもや掛け声と共に、『普通』に取っていくさーりゃんの姿に信じざるを得ない。
網もまだ一枚目。

「まーりゃん先輩。
終わったら、この金魚たちは頂けるのですか?」

「ま、まあ、欲しかったらあげるけど・・・」

「ありがとうございます!
なら、もっと頑張りますね!!」

その言葉どおり、ペースを上げるさーりゃん。
何処で飼うつもりなんだろうか?
しかし、謎は解けない。
まさか、ずっとクラゲを見ていて隙が分かっているのだろうか?
謎だ・・・

勝利者は当然、るーりゃん、さーりゃんに決定。

「結局、一匹も取れなかった・・・」(泣

「お姉ちゃん・・・」(呆

いくのんは3匹、まなりゃんは0!
前回の大食いではぶっちぎりで一位だったのに、この落差。
それでこそ、まなりゃんだ!!

 

 

『チャレンジコース』 〜花梨〜

「どうぞー!!
ほらほら!!
準備ついて始めるぞー!!」

「ちょっ、ちょっと、花梨さん!?
案内された場所と設備を見て想像はつくけど、ルールを説明して!!」

「あっ・・・
えへへ、ごめんなちゃい」

あまりのテンションで舞い上がっちゃいました。
でも、仕方がないよね?
これをずっと楽しみにしていたんだから!!

「では、『チャレンジコース』クッキングバトルの説明をしまーす!!」

花梨たちがいるのは家庭科室。
そこにはいかにも『料理するぞ!!』という気合入りまくりの設備が用意してある。
特に目立つのが人数分に用意されている大きい冷蔵庫。
出所とスポンサーはひ・み・つ☆

「ルールはもちろん、美味しかった方が勝利!!
食材は必要なものから意外性とついたり、まったく必要ないものまで一通り入ってるよ!」

「必要ない物まで入れないでよ」

「お約束の突っ込みありがとうございます、環先輩。
まあ、花梨達にはいらなくても、皆にはいるかも知れないから一応っね」

「そ、そう・・・
そういう理由ならいいのよ」

さすがにハバネロは使わないだろうなー。
というより、使ってほしくないな。

「話を戻すよー!
それぞれ題目の料理を作ってもらって、審査しまーす!
作るさいには、カーテンで仕切るのでよろしく。
審査員は花梨一人だからよろしくね!」

「その題目は?」

「たまごサンドー!!」

『やっぱり・・・』

「あー!!
なによ、その反応!!」

皆して、その呆れ顔は何よー!!

「あまりにも予想通りでしたもので・・・」(苦笑

「本当に花梨さんは好きですね」

「あたしは貴明が大好きー!!」

「ルールも分かったし、始めましょうか?」

「勝手に仕切らないでよー!!
まだ説明が残っているんだからー!!」

皆、花梨を無視してそれぞれの持ち場につこうとするのを慌てて止める。
うう・・・
このまま、全員失格にしてあげようかな?
でも、それは横暴だし、なによりたまごサンドが食べられない!!
ここは抑えて、ルール説明の続きをしよう。

「たまごサンドと言ったけど、レタスとかハムとか挟むのもOK!
ただし、2種類以上作るのは駄目!!
必ず一種類で勝負してね」

「一種類だけですか?」

「そう!
『これぞ!』という自信作を出してね。
量は多めでよろしく!!」

「はいはい」

好物は多めの方がいいもんねー

「最後に試食の順番を決めまーす。
ここに4枚のカードがあるので、適当に引いちゃってください」

「あたしはこれ!」

机に置いた途端、ミルファちゃんが一枚取る。
早技だね。

「こら、ミルファちゃん!!
引く順番も決めなくちゃいけないでしょ!」

「まあまあ、イルファさん。
これくらいで怒らないでください。
私達は構いませんから。
ねえ、優季さん?」

「はい」

「申し訳ありません。
では、私は最後でいいのでお二人ともお先にどうぞ」

「それじゃ、私は後輩に譲りましょうか。
どうぞ、優季さん」

「そうですか?
では、失礼して」

優季さん、環先輩、イルファさんの順で引く。
さて、試食の順番は・・・

「あー!!
あたしが最後ー!?」

「フフ・・・
悪いことをした罰です。
ちなみに私は一番ですよ」

「お姉ちゃんずるいー!!
交換してー!!」

「ずるいって・・・
先に引いたのは貴女でしょ?
変更は利きません」

「私が2番か・・・
なら、優季さんは3番?」

「はい。
そうです」

ちょっと姉妹同士で揉めたけど(ミルファちゃんだけ)、以上説明終わり!!

「それじゃ、皆も指定されたキッチンへ移動して!
パンは用意されているものを使ってね。
そうしないと差が出るし、時間もないからねー!
では、スタート!!」

皆様方、花梨に美味しいたまごサンドを食べさせてねー!!

 

「しゅーりょー!!」

いつもなら突撃インタビューするんだけど、集中してほしいから(失敗してほしくないから)なし。
カーテンを取り払い、出来たたまごサンドは銀の蓋(よく料理番組に出てくるアレ)で隠してもらう。

「さてさて、まずはイルファさんからですねー」

「はい。
もちろん自信作ですよ」

「おおー!!」

自信に溢れ、笑顔のイルファさん。
カパッと蓋を取ると、見事に綺麗な盛り付けで美味しそうなたまごサンド!!
あっと、涎が・・・
女の子としては、それだけは隠さないと。

「それじゃ、いっただきまっすー!!」

パクッと一口。
こ、これは・・・!!

「お、美味しいー!!
すっごく美味しいよー!!」

「お褒めに預かり恐悦至極です☆」

タマゴもちょうど良い大きさと柔らかさに、味付けもサイコー!!
タマゴ以外は何もなく、まさにシンプルイズベスト!!
小遣い全て使った甲斐があったよー!!(感動のあまり、計画を忘れている)
ナイスです、イルファさん!!
さすがしっかりもののお姉さん!!
今度、たかちゃんと仲を取り持ってあげる!!

「ごちそうさまー!
さて、お次は環先輩ですね。
こちらも期待大!!」

「そ、そう・・・
それじゃ、どうぞ」

およ?
どうしてか、環先輩の表情に自信が見えないよ?
まさか、失敗したことはないはずだし・・・
蓋を取ると、さすがにイルファさんほどじゃないけど綺麗な仕上がり。

「では、いただきまーす!」

むっ?
食べてみても、美味しいんだけど・・・
もっと、こう・・・

「花梨さん、正直な感想と判定をお願い」

「う、うん。
確かに美味しいんだよ?
でも・・・
言い方が悪いかもしれないけど、期待していたほどじゃないの。
ほ、本当に美味しかったのよ!
それは本当!」

「やっぱりね」

おずおずと感想を述べて言い訳(フォロー?)するけど、環先輩はあっさりと肯定した。

「だって私は洋食なんて、ここ最近勉強し始めたばかりなの。
お弁当に入れるメニューから始めていたから、さすがにサンドイッチはまだのよ。
食べたことはあるから、自分なりに工夫してみたけど所詮は付け焼刃。
私もまだまだね」

理由を聞いて、納得する私。
初めから分かっていたんだ、環先輩は・・・

「今度はこれも勉強しなくちゃ。
次は優季さんね」

「あ、あの・・・
私も片手間くらいだったもので、自信はないのですが・・・」

優季さんのサンドイッチはキュウリを挟んだものだった。
食べてみても美味しいが、イルファさんほどじゃない。
環先輩よりは上かな?
そして最後の一人・・・

「えへへ・・・
真打登場!!」

ミルファちゃんか・・・
メイドロボだし、イルファさんの妹だから大丈夫でしょう。

「本当は貴明専用に考えていたんだけど、
そうは言ってられないから出してみました!」

おっ。
それは期待だぞ、ミルファちゃん。
たかちゃん専用のたまごサンド・・・
期待は膨らむばかり。

「では、どうぞー!!」

カパッと蓋を開けた途端・・・

「「「「うっ!?」」」」

キツイ臭いが広がる。
こ、これは何ぞや!?

「に、苦い・・・
いえ、辛さなのか目に凍みてきました」(泣

「こ、これはまさに辛(つら)くて苦(くるし)い・・・ね」

「ミルファちゃん・・・
やっぱり・・・」

「??」

「うう・・・」

こ、これを食えと?
中身が何故か紫色なんですが?
こ、こんなものは決してたまごサンドじゃない!!

「ミ、ミルファちゃん・・・
これ、卵を使ったのかな?」

「もちろんよ。
だって、たまごサンドでしょ?
そんなことよりさ、早く食べてよ。
お姉ちゃんなんかよりずっと凄いんだから」

そりゃ凄いでしょ、別の意味で・・・(汗

「言い忘れていましたが、ミルファちゃんの料理は普通に作ればそれなりのですが・・・
どうも凝り始めてしまうと、そのような摩訶不思議なモノが出来上がるんです」

「何よ?
その摩訶不思議って?」

確かに摩訶不思議でしょ、これは?

「そうね・・・
花梨さんは審判員なんだから、一口でも味見しなくちゃいけないわね」(邪笑

「ええー!?」

いきなり何を言い出すかな、環先輩!
その目は復讐ですか!?
料理云々は本人も痛感していたし、そんな心狭い人じゃない。
なら、この計画した意趣返しですか!?
確かにこれが花梨にとって一番大事だったけど、それはあんまりだよー!!

「そうですね。
ここはきっちりお役目を果たしてもらわないと」

イルファさんまでー!!
優季さんはどうしたらいいか、アワアワしている。
こんな時こそ、生徒会長とやりあったあの気迫を出してちょうだいよ!!

「ほらほら。
はーやーくー食べてよー」

ミ、ミルファちゃん?(汗
そんな、手に持って近づかなくてもいいから・・・

「はーい。
あーんしてー」

「ううー!!」

「どうして、口を開けないのかしら?
貴女が好きなたまごサンドじゃない?」

「そうですよ。
それに時間も押してますし、覚悟を決めてください」

ガシっと両脇を環先輩とイルファさんに掴まれて、抵抗空しく口を開けられる。
そして・・・

「どうぞー!」

「むぐぅ!!」

正体不明の食べ物(決してたまごサンドとは認めない)を口に突っ込まれ、一瞬で意識が遠のく・・・

「ちょ、ちょっと、勝手に寝ないでよ!!
判定はー!?」

「寝るって・・・」(汗

「ミルファちゃんは何事にもプラス思考ですから」(汗

「気絶・・・ですよね?」

たまごサンド・・・フォーエバー・・・だよ。
ガクッ・・・

 

勝負の結果・・・イルファ、優季が決勝戦進出。
ミルファ、謎の料理で審判員をKO。

「何なのよー!
それはー!!」

 

 

セカンドステージ・終了 〜貴明〜

「なあ、貴明・・・
ミルファちゃんの当番の時、いつもあんなの食ってるのか?」(汗

「いや・・・
普段はイルファさんが目を光らせているから、まだ食べられるものが出てくるけど・・・
あそこまでのは『はるみちゃん』以来だよ」(汗

「お兄さん、お腹大丈夫ですか?」

「心配しなくても大丈夫だよ、菜々子ちゃん。
俺は平気だから」

微妙に鍛えられてるし(汗
あーあ・・・
花梨はひっくり返ってるし、ミルファちゃんはその場で正座して、イルファさんにお説教を受けてる。
イルファさんは次に進まなくちゃいけないから、移動しなくちゃいけないのでは?

「金魚すくいも久寿川先輩が生き残ったのは意外だったな。
いいんちょーは予想通りだったけど・・・」

「確かに・・・」

というより、ささらさん?
金魚も生徒会室で飼うつもりですか?

「ま、まあ、それは気にしない方向で・・・
姉貴も敗退とは予想外。
確実に勝てると踏んでいたのにな」

「それは分かる。
今回はメニューとの相性が悪かったよ」

タマ姉は運が悪かった。
だからこそ、妥協せず洋食の練習に燃えているだろう。

「さて・・・
おい、貴明」

「何だよ?」

「オマエも移動だから立てって」

「移動?」

「ああ。
最後のステージだし、賞品を飾っていないのも味気ないだろう?
脱落した彼女達も合流するから、悪いが拘束させてもらうぞ」

人を今だに賞品呼ばわりして、またもやロープでグルグル巻き。
でも、前回と違う部分もある。
結び目を南京錠と繋げて、鍵で開けないければ解けないくらいがっちりと固める。
そして猿轡で口も塞がれる

「あ、あの・・・これは?」

「ちょっとした仕様だよ、菜々子ちゃん。
お兄さんを助けたいかい?」

「は、はい!」

「うんうん。
健気だねー!」

「ひっ!?」

雄二・・・
表情が歪んでいるぞ。
菜々子ちゃんも怯えてばかりなんだから、優しくしてやれよ。

「そういうわけで、菜々子ちゃんも最終ステージに参加してみないか!?
いや、するべきだ!!」

「えっ?」

「はあ?」

何言ってるんだ、コイツは?
最初から参加しないから、菜々子ちゃんはココにいるんだろ?

「で、でも・・・」

「主催側も承認しているし、後は君しだい!!
貴明を助けられるのは菜々子ちゃんしかいないんだ!!」

主催側って、まーりゃん先輩達だろ?
雄二、何をたくらんでいる?
菜々子ちゃん、ここは断るべきだぞ!!

「っ!!
わ、分かりました!!
私、やります!!」

ええぇぇぇぇぇぇー!!
本気ですか、菜々子ちゃん!?
騙されてるよー!!

「よーし!!
では、着いてきたまえ!!」

「はい!!」

「むぐー!!」

菜々子ちゃーん!!
カムバーック!!

 

 

最終ステージ 〜まーりゃん〜

「良くぞ残った、つわもの達よ!
ここまで来た諸君は賞賛に値する!!
たかりゃんも喜んでいるだろう!!」

「喜んでいるように見えないのですが・・・」

「むしろ、諦めきった雰囲気しか見えないが・・・」

再度イスにも縛り付けられ、肩もガックリ落としているたかりゃん。

「アハハ・・・
たかりゃんも待ち疲れたんだよー
ほら、今から説明するから私語は禁止ー!」

場所はグランド。
そこにはあちし達(軍曹は今も魘されているけど)、たかりゃん、脱落した彼女達、
そして協力者達(お面着用)の全員集合。
それでもたかりゃんと彼女達の距離は離れている。
脱落者なのに、イチャイチャするのは駄目だからね。
協力者達(全員女子)のバリケードでがっちりガード!!
フフフ・・・
2等兵は無視するとハーレムじゃないか、たかりゃん!!

「さて、説明の前に一つ変更がある。
実はなっちゃん(菜々子)も参加させようと考えている。
意義はあるか!!」

「さ、最後だけ参加させてもらうのはズルイと思われるかもしれませんが、
よ、よろしくお願いします!!」

実際に4人を目にして、多少の怯えもあるけど参加する意思を表明する。
ちなみに彼女も体操服に着替えてるよ。
そんな真っ直ぐな気持ちに皆が答えないはずがない!
2等兵もうまく煽ってくれたな。

「もちろん構いませんよ」

「うむ。
挑戦は誰であろうと受ける」

「お互い頑張りましょうね」

「私達も負けませんよ」

「は、はい!
よろしくお願いします!!」

彼女達の了解も得られたし、最終戦を始めましょうかね。

「では、ルールを説明するぞ!!
皆はたかりゃんに南京錠が付いているのが分かるよね?
最後はその鍵を探してきてもらう宝探しゲーム!!」

宝はもちろんたかりゃんだよ?

「範囲は今まで諸君が訪れた場所に隠されている!
制限時間は一時間!!
その間に見事鍵を見つけて、たかりゃんを解放したものが勝者だ!!
何か質問はあるかな?」

だから、たかりゃんに南京錠が付いているんだよ。

「あの・・・」

「なんじゃらほい、さーりゃん」

「もし、全員が見つけられなかったらどうするんですか?」

「そん時は、あちし達がたかりゃんを自由にさせてもらおうかにゃー
せっかくだから、たかりゃんの『初物』を奪うのもいいなー」

「「「「っ!!」」」」

「??」

意味がよく伝わらないなっちゃんは首を傾げ、メインの4人には伝わった。
さーりゃんまで理解するとは・・・
世間に汚れちまったな、さーりゃん・・・
ゴメンなさい、冗談ですからその眼光はやめてください(怖

「さ、さっきのは冗談だけど、あちし達が自由に弄くるのはホントだぞ。
他に質問はない?
では、スタート!!」

 

『これで勝ったと思うなよー!!』(By由真

 

「「「「「ええーっ!?」」」」」

「何で開始合図が私の声なのよー!!」(真っ赤

いや・・・
気に入ったからさ、ついつい。
最後くらい好きにしたっていいじゃない。
ゆーりゃんも真っ赤にしないでどうどう。
およ?
開始したのに、5人とも集まって相談を始めたぞ?

「か、かなり意表を付かれましたが、このままでは貴明さんが傷物になってしまいます」

「そ、そんな!!
冗談ですよね、ささらさん!?」

「まーりゃん先輩ですから・・・」

「まーだからな」

「優季さんも慌てないでください。
だからこそ、皆さんで協力しませんか?」

「協力・・・ですか?
イルファさん?」

「はい。
ここは団結して全員で鍵を探すんです。
鍵を見つけなくては貴明さんが危険です。
私達の目標は貴明さんを解放することです。
その後、自由にする権利は話し合えばいいんです。
均等に分けるのもいいかもしれません」

「うむ。
まずはうーを救い出すのが前提であり、目標だな。
私は賛成だ」

「そういうことですか・・・
私も協力します」

「あの人に貴明さんを渡したら、トラウマになるかも・・・
私も賛同です」

「え、えっと・・・
み、皆さんと協力して鍵を探すってことですね?
そ、そうしましょう!!」

あ、あれ?
話しが妙な展開に?

「では、菜々子さんは金魚すくいをした教室をお願いします。
菜々子さんを案内した後、私は家庭科室を担当します。
優季さんは大食い大会・・・ですか?
その教室をお願いします。
体育館はるーこさんとささらさんのお二人で構いませんか?」

「あの・・・
菜々子さんお一人に任せるのですか?
彼女は学園に入るのは初めてでは?」

「だからこそ私と優季さんが出来るだけ早く探索して、無いと判断したら手伝うんです。
確率的には隠しやすい体育館が高いですが、他を放っておくことは出来ません。
さて、そろそろ行動に移さないと時間がありません。
では、皆さん頑張りましょう!」

「「「「おー!」」」」

し、しまったー!!
まさか、冗談『半分』の言葉がまさか協力にもっていくなんて!!
これでは一番が分からないじゃないか!
ま、まあ、鍵のある場所は分からないと思うし、トトカルチョのルールで払い戻しは無いと明記したし。
菜々子ちゃんが取れなくても、全員失格でウッハウハ!
さて、あちしの手のひらで踊ってなさい。
ククク・・・
アッハッハッハッ・・・!!

 

 

最終ステージ 〜菜々子〜

「それでは、お願いしますね」

「は、はい!!」

「そんなに力まないで、貴女なりに頑張ればいいのですよ。
では、私はこれで」

「イ、イルファさんも頑張ってください!!」

「もちろんです。
菜々子ちゃんも頑張って」

颯爽と教室から出て行くイルファさん。
憧れちゃうなぁ・・・
メイドロボだけど、上品だし美人だし雰囲気も柔らかいし・・・
私もああいう風に慣れたらな・・・
あっ・・・
駄目駄目!!
今はお兄さんを助けなくちゃ!

「最初はどこから探したらいいのかな?」

教室は綺麗に片付けられていて、机も並んでる。
これが高校かぁ。
私達の教室と変わらないけど、雰囲気が違うよ。

「えっと・・・
まずは・・・」

教台や机やイスの裏、張られている用紙の裏を見ても無い。
次に掃除道具入れをチェックしても同じ。
私が思いつくのはそれくらい・・・
うう・・・

「後は、どこかな?」

全然思いつかないし、もう時間も半分経っちゃった。
私って役立たずだな(泣

「どうですか、菜々子ちゃん」

「調子はいかかですか、菜々子さん」

途方にくれていると、優季さんとイルファさんが来てくれました。
成果はもちろんなく、首を横に振ります。
探した場所も知らせる。

「そうですか。
私達も協力して、もう一度探してみましょう」

「はい」

今度は3人で改めて探し出します。
私が探した以外に、ロッカーの上とか思いもつかないところも・・・

「ありませんね」

「ええ・・・」

「はい」

結局、鍵はありませんでした。

「予想通り、体育館ですね・・・」

「それでは、行きましょう。
その前に、菜々子さんは戻ってください」

「ええっ!?」

ど、どうしてですか!?

「菜々子さんも疲れているでしょ?
それに体育館は広いですし、危ないですから」

「菜々子さんは貴明さんの側にいてください。
もしかしたらまーりゃん先輩にからかわれているかもしれないから、助けてあげてください」

「・・・はい」

「助かりました、菜々子さん。
2人で一から探してると、時間が足りませんでしたから」

「いえ・・・」

気を使ってくれているのはわかるけど、結局何の役にも立てなかったです・・・

「お送りしましょうか?」

「へ、平気です。
運動場はさすがに分かりますから」

「そうですか。
では、申し訳ありませんがここで」

「ごめんなさい」

「い、いえ。
お二人とも頑張ってください」

「もちろんです。
優季さん、行きますよ」

「はい」

走っていくお姉さん達を見送ってから、トボトボと戻る私。
何も出来なかったな・・・

 

「あれ?
菜々子ちゃん?
どうしたの?」

「戻ってきちゃいました」

言われたとおり、お兄さんの元へ戻ってきました。
お姉さん達の予想に反して、お兄さんは一人ポツンとしてました。
周りを見渡すと、少し離れた所のテントでもりあがってました。

「体育館は私じゃ危ないからって言われて・・・」

「そうか・・・
ゴメンな、菜々子ちゃん。
こんな変な事に巻き込んで。
遊園地、楽しみにしていたのに」

「い、いえ、そんな!」

お兄さんは怒る所か、謝ってくれます。
遊園地を楽しみにしていたけど、今はそうじゃないの。

「私、お兄さんの役に立ちたかったんです!!
四葉のクローバーを見つけてくれたあの時から、ずっと!!
それに私もお兄さんのこと、好きだから・・・」

「菜々子ちゃん・・・」

涙が溢れてきちゃう。
お兄さんを困らせたくないのに。
こんな聞き分けない子、お兄さんに嫌われちゃうよ!

「・・・ありがとう、菜々子ちゃん」

「えっ?」

それなのに、お兄さんはお礼を言ってくれる。
どうして?

「だって、悪いのは俺・・・いや、まーりゃん先輩達もか。
庇ってくれたり、助けてくれようしてくれた。
感謝しているからお礼を言うのは当たり前だろ?
俺も菜々子ちゃんが大好きだよ」

「お、お兄さーん!!」

その言葉に思わず、飛び込んでしまう。
でも、縛られているお兄さんは・・・

「うわっ!」

「きゃっ!」

イスごと倒れてちゃった(汗
イスへにも縛られてるから、お兄さんは立つことも出来ない。
あ、あうあう・・・

「な、菜々子ちゃんは大丈夫?」

「はい、平気です。
お兄さんは?」

「平気平気!
でもさ、俺は立ち上がれないし。
起こしてくれる?
無理なら、誰か呼んで・・・」

「やります!
やらせてください!!」

せめてこれくらいは!!
まずは正面から引っ張って・・・
あれ?

「菜々子ちゃん?」

お兄さんのイスの裏側に張り付いてる『あれ』は・・・
もしかして・・・
ドキドキしながら『それ』を取って、お兄さんの南京錠の鍵穴に差し込んで回すと・・・

「そ、それは!?」

 

カチャッ

 

「取れちゃった・・・」

「・・・うん、取れたね」

ということは・・・

「鍵を見つけましたー!!
お兄さんも無事ですー!!」

やったー!
これでようやくお兄さんの役に立てましたー!!
周りにいる皆さんに気づかずお兄さんに抱きついちゃいました。

「勝者者、なっちゃーん!!
以上をもって、しゅーりょー!!」

 

 

閉会式? 〜貴明〜

ようやく解放され、腕や腰を回す。
うっ、いい音なったな・・・

「すいませんすいません!!
鍵を見つけたら皆さんにご報告しなくちゃいけなかったのに・・・」

「いえいえ。
さすがにこんな所にあるとは予想もつきませんでした。
本当に助かりました」

「『今までの場所』というのは、ココも含まれていたんですね」

「こういうことを『灯台もと暗し』と言うのだったな」

菜々子ちゃんはイルファさん達に何度も頭を下げている。
何か取り決めがあったらしい。
彼女達も私服に着替え、全員集まっている

「では、なっちゃんに賞品の『たかりゃんを自由にする権利・一ヶ月!!』を差し上げるぞ!!」

「いいなー
羨ましいなー」

「ミルファちゃん」

「分かってますよーだ」

まあ・・・
菜々子ちゃんなら理不尽なことを言わないだろう。
横でブーたれてる彼女は分からないけど。
けど、彼女は予想外な言葉を出した。

「あの・・・
私、辞退します!!」

『えええー!?』

辞退?
どうして?

「な、何故!?
なっちゃんはたかりゃんが欲しくないのかや!?」

「でも・・・
お兄さんのお役に立てたことで私は満足なんです。
それに約束を破っちゃいましたから」

良い子だよな、菜々子ちゃん・・・(嬉し泣き
お兄さん、なんでもしちゃるよ?(何処の言葉だ)

「ま、まあ、本人がそう言っているならいいけど・・・
たかりゃんはそれでいいのか?」

いいはずがない。
元々巻き込んでしまった側だし、お礼の言葉だけじゃ足りない。

「それじゃ、菜々子ちゃん?
お願い事はないかな?」

「お願いごと・・・ですか?」

「うん。
それくらいしないと、こっちの方が気になるよ。
何でも言ってくれ」

「わ、分かりました。
ちょっと待ってください」

右手の人差し指を口の下に当てて、身体を左右に揺らしながら考える菜々子ちゃん。
可愛いのは分かったから、壁で頭を打ち付けるのはやめろ雄二。
いや、そのままくたばってくれ。

「あ、あの!
それじゃ、一つだけいいですか?」

決まったのか、顔を上げる。
さてさて、何かな?

「いつでも構いませんから、皆さんと遊園地に行きたいです!!」

『・・・・・』

その言葉に全員静かになる。

「あ、あの・・・駄目ですか?」

その反応を拒否と受け取ったのか、不安そうなは表情をする菜々子ちゃん。
もちろん、答えは決まっている。

「もちろん構わないさ!!
いつでも所か、今度の休みに行こう!!
皆もいいよね!?」

『異議なーし!!』

それこそ、こちらの方が望むこと。
そう言っても、恐縮してしまうから精一杯楽しませてあげよう。

「というわけで、次の休みに予定を空けておいてね」

「あ、空けます!
絶対空けます!!」

満面の笑顔で喜ぶ菜々子ちゃんの微笑ましさに、俺も周りの皆も笑顔になる。
こうして、予想外の大変な一日は終わった・・・

 

 

おまけ 〜まーりゃん〜

「それじゃ、遊園地の代金はまーりゃん先輩達に出してもらおうかな?
元はそちらが悪いんだし、それくらいの穴埋めがあってもいいでしょう?
賭けでしっかりと儲けたようだし」

なーっ!!
今ここでそれを言うか、たかりゃん!!
タマりゃん達がいっせいにこっちを向いたじゃないか!!

「タカ坊、その賭けって何のこと?」

「えっと・・・
誰が一番になるかというトトカルチョを開いてるってことしか知らないけど。
詳しくは本人に聞いた方が早いよ」

よし、逃げよう!!
逃亡資金もあるから地の果てまで!!

「環さーん!
雄二さんを確保しましたー!」

「花梨さんも同様でーす。
だけど、今も気絶中ですが」

「よし!
後は、まーりゃん先輩のみ!!
全員、かかれー!!」

『おー!!』

掴まってたまるかー!!
こちとら、全財産が懸かってるんだぞー!!

 

結局掴まっちゃいました、てへ☆
掛け金も没収され、作成費や経費から引かれた金額は返金されちゃった・・・
でも、あちし達の取り分は遊園地代となって、なんとゼロ!!(泣
これからどうしよー!!(魂の叫び

 

 

第10話へ続く

 


パニハー第9話・後編です。
いやー、やっぱりALLモノは大変ですね。
最後は菜々子に頑張ってもらいました。
よくキャラが掴めていませんので、半オリキャラになってしまったらごめんなさい(汗
まーりゃん達の最後はやっぱりヒロイン達に倒されてしまいました。
悪は滅びるんです(笑
さて、次回はるーこの予定です。
彼女も特徴ありすぎるキャラなのですが、頑張っていきます!!
ラングさん・こうりさん・風車さん、ご感想ありがとうございました!!