改めて考えても、こんなことになるとは考えていなかった・・・
今でも、何故という気持ちはある。

 

 

彼女達が何を考え、どんな想いを抱えていたか・・・

隣に住んでいる妹分兼幼馴染の柚原 このみ

姉貴分で数年会わなかったのに突然帰ってきた向坂 環

クラスメイトで要領が悪いのに人に頼ろうとしない小牧 愛佳

いつも2人仲良くちょっと困ったイタズラをしてくる吉岡 チエと山田 ミチル

 

3月から新しい出会いがあった・・・

負けず嫌いの長瀬(十波) 由真

自称(本物だったけど)宇宙人のるーこ

学園の生徒会長の久寿川 ささら先輩

 

出会いは4月にも続き・・・

ちょっとした出会いで知り合いになった双子の姫百合 珊瑚と瑠璃

その珊瑚ちゃんに生み出されたメイドロボのイルファ・ミルファ・シルファ

夜の学園で倒れていた草壁 優季

小牧 愛佳の妹で病気持ちでずっと入院している小牧 郁乃

 

そして彼女達がどれほどの想いと辛さを抱えていたか・・・

子供の頃からオレに想いを寄せていたこのみとタマ姉

自分では何も出来ないと嘆いている愛佳と、周り全てを遠ざけ無関心で心の底では姉を心配している郁乃

妹の約束を果たそうとする姉と、姉と2人だけの世界を望む妹の珊瑚ちゃんと瑠璃ちゃん

その2人と自らの願いによって、生まれたイルファさん

メイドロボと知られるのを怖がり、事実が明るみになった時に逃げ出そうとして階段から落ち記憶を失ったミルファちゃん

自分が欠陥品と思い込み捨てられるのではないかと、自分自身に壁を作り全てを拒絶知るシルファちゃん

他人に敷かれたレールを歩きたくないのに周りがそれを許さない為、自分自身を信じられなくなって来ている由真

誰がどう言ったって良いことのはずなのに、規則を破ってしまって帰れなくなってしまったるーこ

本当は小学生時代に出会っていて転校したが、不思議な力でオレを救う為に身代わりになった草壁さん

両親から愛してほしいのに本人達は自分の都合だけで接し、人との繋がりに失望しているさらら先輩

幼少の出来事以来、女の子として見れなくなった吉岡 チエ

家やロクさん達を大切にし、自分自身を蔑ろにしている山田 ミチル

 

そんな彼女達を救いたくて・守りたくて、俺は出来ることをやり続けた。

そして、微弱な俺以上に本人達の頑張りによってそれぞれの問題が解決した・・・

 

しかし、それは新たな問題・・・
いや、今度は自分自身が悩みや問題を抱えるようになってしまった。

全てが解決してから一ヵ月後・・・

それは・・・

 

 

「ウ・・・ン」

朝か・・・
懐かしい夢を見たな。
本当に色々あったし。

「ふあ・・・」

そのおかげか時間前にスッキリ眼が覚めたな。
毎日、ストレスというか気疲れが多し・・・
将来、ハゲないだろうな(汗

 

コンコン

 

「ご主人様〜、起きるれすよ」

「起きてるから、入ってきていいよ」

「ぴっ!」

何故、時間前に起きて返事をしただけで驚かれるのだろうか?(汗
まあ、こんな事最近は珍しいけど・・・さ。

 

ガチャ

 

ドアを開けて入ってくる専属メイドロボのシルファちゃん。
本当は『自称』と付けたいが、ご主人様登録が勝手に俺名義になっちゃってるからなぁ。
ちなみに名義ではもう一人いるけど、色々対立が激しい。

「おはようなのれすよ、ご主人様」

「おはよう、シルファちゃん」

「本当に起きてるれす。
珍しいれすね」

物珍しそうな胡散臭そうな表情で見ないでよ(汗
足でグリグリされながら起こされるのは勘弁だし

「ちょっとした夢を見てね。
気分爽快だよ」

「どうせ、えろえろな夢でも見たんじゃないれすか?
これらからご主人様は・・・」

「いや、勝手に真実にして呆れないでよ」(汗

普段からそういう風に思われているのだろうか?

「まあ、いいれす。
起きてるなら早く着替えるがいいれす。
皆来るれすよ」

「うん、分かってる」

ベッドから降りて、シルファちゃんも部屋を出て行く。
でも、その前にちょっとお礼を一言。

「シルファちゃん」

「??
なんれすか?」

「いつもありがとう。
今日は偶々早く起きれたけど、次はどうなるか分からないし。
明日もよろしくね」

「ぴひゃ!」

自分としては軽く言ったつもりだけど、シルファちゃんは赤くなって振り返ったまま固まってしまった。

「シ、シルファちゃん?」

「ご、ご主人様はらめっこご主人様れすから、シルファがめんろうをみるのは当たり前なのれす!
れすから、ご主人様は早く着替えをすませるれす!!」

何となく早口に言い切って、赤いまま出て行ってしまった。
お礼を言っただけなのになぁ・・・

 

ピンポーン・・・

 

そんなどうでもいい考えながら、着替え終った時にチャイムが鳴る。

「はいはい・・・っと」

部屋を出て、軽く小走りで玄関に向かう。

 

ここまでなら、シルファちゃんが来てから続いていること『だった』
しかし、この一ヶ月前から俺の日常はすっかり変わっていた。
それこそ新たな問題そのものだ。

 

ガチャ

 

「おはよう」

「「「「「「「「「「「「「「おはよう(ございます)(るー)!!」」」」」」」」」」」」」」」

 

このみとタマ姉ならず、関った皆さんがオレに想いを寄せていると告白したことだった(汗

何故?

 


2005・2008 Leaf 『ToHeart2 XRATED&ToHeart2 AnotherDays』

「パニック・ハート」
 第1話・新しい始まり(改正版)

 


 

全ての問題が解決して一ヶ月・・・
今まで気が張っていた分、ダレていた時だったかな(シルファちゃんに怒られるときもあったけど)
雄二とくだらない事をしていた頃に、彼女達は動き始めていた。

発端はタマ姉がどうやって知ったか分からないけど、休みの日に雄二を追い出し(俺を誘うことは計画通り)、
俺に関っていた全員を自宅(向坂家)へ呼び出した。

 

このみ・タマ姉本人の他に・・・

身体も良くなりすっかり仲良く、車椅子付きだけど学園に通っている郁乃とその姉・愛佳

こちらも仲良くなった(一部それ以上だし、素直じゃない子もいるけど) 珊瑚ちゃんと瑠璃ちゃんとイルファさん
俺と会ったときからの記憶が無くなったけど、もう一度仲良くなったイルファさんの妹、ミルファちゃん
研修は終わったが、今度は自分自身の意思で俺の家に戻って来たもう一人の妹、シルファちゃん

じいさんとも和解し進む道も決まり、後は自分を信じて突き進む由真

一度宇宙に戻ったが、やり残した事があると言って帰って来たるーこ改め、ルーシー・マリア・ミソラ

交通事故こそはあったけど、幸い軽症でこちらに再度転校し戻ってきた草壁さん

母親は自分を見つめなおす為に先に海外に行き、卒業するまではここにいたいと願ったさらら先輩

自分自身に自覚を持ち、お姫様を目指すようになったよっちゃん

祖父にも認められ、自分の道を自分で決めることが出来たちゃる

 

そこで全てを話しこんだらしい(所々ちょっとした騒動もあったようだけど)
その結果、全員がオレに想いを寄せていると分かった。
最初の数分は重苦しい雰囲気だったけど、タマ姉の言葉で変わった。

「もし、タカ坊がこの中・・・
いいえ・・・
ここにいる皆じゃなくても、他の娘に惹かれているなら黙って応援しようと思っていたわ。
でもね、タカ坊自身は気づいていないけど私を含め全員好意は持っている。
問題は私達よ。
これは私の提案だけど、このまま想いを隠すか気まずくなるくらいなら・・・
正々堂々勝負しましょ!!」

皆は力強く頷き、認め合ったらしい。
それまでなら俺自身としても、納得は出来ないけど理解は出来た。
しかし、珊瑚ちゃんが斜めな提案を出してしまったのが運の付き

「皆が貴明がすきすきすきーなら、それはそれでええやん。
誰が貴明の一番なんて順番なんか関係あらへん。
勝負なんかより皆で仲良く楽しくするのが一番やー☆」

と、かなりぶっ飛んだ提案だった。
タマ姉も苦笑いし・・・

「そうね。
私達はともかく、自分のせいで争っているなんて知ったら悲しむわ」

全員一致で『第零回・河野貴明を想う会』が終了した・・・らしい(汗

 

ちなみに雄二にその事が知られたら・・・

「オマエの優しさとヘタレさ、それ以上に姉貴達が強かった結果だな」

と真剣な表情で言われ、

「ちくしょー!!
どうしてオマエだけー!!」(泣

泣きながら走って逃げていった(汗

 

 

「はい、では皆さん。
手を合わせてください」

『いただきまーす!!』

朝食担当のイルファさんの掛け声で食事が始まる(シルファちゃんを納得させるのには苦労した)
今日は洋食か・・・
うん、うまい。

「おいしいですよ、イルファさん」

「ありがとうございます、貴明さん。
パンならまだありますから、いつでも言ってくださいね」

「はい」

偶々近くにいた(偶々だよな?)イルファさんに声を掛けると、
食事を必要としないミルファちゃんと、自称&登録上の専属メイドロボシルファちゃんが駆け寄ってくる。

「ダメー!!
貴明にはあたしが食べさせてあげるんだから!!」

何故か後ろから抱きつくミルファちゃんに・・・

「こらー、ミルミル!!
それはシルファの仕事なのれすよ!!
は〜な〜れ〜る〜れ〜す〜!! 」

「ふーんだ。
そんな怒ってばかりなひっきー妹に、貴明が喜ぶはずないじゃない。
ここは色々サービス出来るお姉ちゃんに譲りなさいよー」

「こ、この・・・
えろえろめいろろぼー!!」

そのミルファちゃんを引き剥がそうと、さらに後ろから引っ張るシルファちゃん。
逆に挑発してさらにくっついてくるミルファちゃん。
ですから、む、胸が当たってるんですが・・・(汗
それもヤバイけど、このままじゃ倒れるって!!

「こらっ!
ミルファちゃんもシルファちゃんも止めなさい!!
貴明さんがイスから落ちてしまいますよ!!」

それを見ていたイルファさんがあっさり、ミルファちゃんの手を解いてくれた。
俺は何とか無事だったが、支えるものが無くなった2人はもちろん・・・

「あうっ」

「はうっ」

シルファちゃんが引っ張っていた後ろに倒れてしまった。

「全く・・・
メイドロボともあろうが、ご主人様に何かあったかどうするのですか?」

「だぁって〜
ひっきーが・・・」

「このあーぱーめいろろぼが・・・」

「2人とも反省が無いようですね・・・
ミルファちゃんは前回のお経の2倍、写生しなさい。
シルファちゃんは丸一日、このみ様のゲンジ丸のお世話ね」

「に、2倍!?」

「ぴっ!!
あの畜生をれすか!?」

「そうです。
もちろん、間違ったら1からやり直し。
ゲンジ丸はシルファを気に入ってますから、春夏様からも頼まれていましたし」

「「あぅぅ・・・」」(泣

こういう風に収拾がつかなくなることもしばしば。

「貴明のすけべぇ!
どうせミルファの胸が当たって喜んでたんや!
なぁ、郁乃?」

「ホントね。
鼻の下伸ばしてたし」

ば、ばれてました(汗
倒れないように必死とはいえ、顔が赤くなっていたのは自覚あったし・・・

「せんぱいせんぱい。
そんなに抱きついてほしかったら、私たちがやってあげるっすよ」

「うむ。
長年の経験では私たちのほうが上だ。
先輩の気持ちいいところも熟知している」

「べ、別にいいよ!!
しなくていいから!!」

ああ!!
ちゃるとよっちゃんも変な言い方しないで!!

「でも、郁乃・・・
本当はしたいんでしょ?」

「瑠璃ちゃんもそやろ?」

「「違ーう!!」」

「ふ、ふん!
貴明、そんなことよりどっちが先に食べ終わるか勝負よ!!」

「それはいかんぞ、由真。
るーでの食事では早食いは禁止だ」

「でも、タカくんのなでなでも気持ち良いよぉ。
シルファちゃんも気に入ってし、私もしてもらったことあるもん」

「貴明さんのなでなで・・・」

「ささらさん、興味あるんですか?」

「え、あの・・・」(照

「はいはい、優希さんも突付かない。
イルファさんもお説教は後回しにしてください。
食事中には少し騒がしいわよ」

「はい、わかりました」

「た、助かったー」

「ふん・・・
らからイルイルは口うるさいのれすよ」

「聞こえてますよ、2人とも」

「えっ!?」

「ぴぴっ!!」

2人とも・・・(汗

「タマ姉・・・」

何とか皆を宥めてもらおうとタマ姉に託すが・・・

「タカ坊も流されるから悪いの。
皆と付き合うなら、もっとしっかりなさい」

「・・・・・・」

あっさりと流されてしまった。
それはそうだけど・・・

「・・・はいはい、わかったからそんな目で見ないでよ。
そんな目で逆らえないじゃない

そんな俺を見かねたのか、溜息をつきながら立ち上がった。
さすがタマ姉
最後に何か言ってたような・・・?

「ほら、皆もなでなでなら食べ終わってからいくらでも頼みなさい。
だから、早くと食べないと時間がないわよ」

『・・・はーい』

相変わらずタマ姉は皆をまとめてるよなぁ。
オレもその半分でも要領がよかったらな・・・って、ちょっと待て!!

「タ、タマ姉!!
なでなでってなんだよ!?
しかもいくらでもって!!」

「あら、当然じゃない。
皆、期待しているからじゃない。
あっ、もちろん私もお願いね」

お願いって・・・(汗
何、それ?
このみや珊瑚ちゃんくらいなら何とか耐えられるが、ささら先輩から由真までするの?
色んな意味(心身共にそのままの意味)でやばいんじゃない?

「ぜ、全員?」

「そ、全員♪
でもね、本人が嫌がったらしなくてもいいわよ」

嫌がる・・・
そんなの3人(瑠璃ちゃん・郁乃・由真)くらいしかいないじゃないか!!

「うう・・・」

「頑張りなさい、男の子。
甲斐性の見せ所よ」

タマ姉、それちょっと違う(汗

 

結局、予想の3人も含めて(素直だったのは意外だった)全員撫でさせられた(汗
柔らかい髪の毛の感触や女の娘特有の匂い、顔を赤くしながらもそれぞれの表情を見ていっぱいいっぱい(疲
朝からこんなに疲れさせないでくれ。

 

 

『行ってきます』

「「行ってらっしゃいませ」」

ようやく苦しみから脱出し、学園に向かう時間になったので登校。
イルファさんとシルファちゃんお留守番。
その間、オレの家を掃除を始めるのがいつものパターン(メイドロボの面目躍如)
普段はシルファちゃんが掃除をしてイルファさんがチェックするらしい(姑?)
平穏・・・安らぎ・・・
今、何を望むと訊かれればそれしかない。
贅沢な悩みなんだろうか?

「はあ・・・」

「朝から嫌なため息つかないでよ。
こっちまで気が滅入るじゃない」

車椅子を押しながら歩く俺に、郁乃から文句を言う。
ココは褒める所じゃないのか?

「こらこら、郁乃。
撫でる時間が少なかったからって、貴明さんを責めないの。
その分、お姉ちゃんがなでなでしてあげる」

「ちょっ、違うわよ!
やめなさいよ!!」

傍から見れば仲がいい姉妹の風景だな。
それにしても・・・短かったか?
計ってないがそれほど・・・

「そうやー
郁乃が一番短かったんや。
いっちゃんが言ってたでー」

珊瑚ちゃんが後ろから抱きつきながら、ダメだしを受けてしまった。
さすがメイドロボ。
それこそ、100分の1単位まで測ってそう(汗

「ちなみに一番は・・・」

「うわっと!!
早く行かないと遅刻しちゃうぞ!!」

誤魔化すように(実際そうだけど)ペースを上げて、先を急ぐ。
しかし、車椅子を引いているからすぐ体力がなくなり追いつかれてしまった(泣
下から見上げる郁乃の目線がすっごく痛かったです・・・

「相変わらず、先輩ってヘッキーなんだから」

「それが先輩だ」

「そうなのよねー
だから、その分あたしがアタックしてるのに」

「ミルファさん・・・
貴明さん、やっぱり・・・」

うわぁぁぁぁ!!
ささら先輩、それ以上言わないでください!!(必死

 

 

『いつも通り』郁乃のクラスまで(ちなみにこのみとクラスメイト)運んで行き、皆とは『一旦』別れる。
クラスが同じ愛佳とるーこ(再転入)、隣のクラスの由真は一緒だけど・・・
ちゃるとよっちゃんは寺女なのですぐに別れた。
そして、教室の前で心構えを済ましてから入る。

「おっはよう!!」

「おはようー」

「るー」

「・・・・・・おはよう」

『おはよう!!』

挨拶は帰ってくるが、オレに対してじゃないことは嫌でもわかる(汗
男子は睨んでるし、女子は好奇心と生暖かい視線しかない。
つまり、オレの味方は一人もいない。

「オッス、貴明。
今日も相変わらず睨まれてるな」

そう、ただ一人も・・・

「うるさい・・・
オマエはそんな俺をさらに陥れるのか?」

「当然!!
どうして、鈍感で女心の『お』の字も知らんヤツが男・・・
いや、『漢』の夢のハーレムなんか作ってやがるんだよ!!」

肩を掴んでガクンガクン揺する雄二。
コイツも敵・・・だろう。

「ハ、ハーレムなんかじゃないって(汗
それに毎日が大変なんだぞ」

「かー!!
下から上までの美少女達にメイドロボまでに告られ、ドロドロの修羅場にならず全員モノにしやがって!!
その上、幸せに楽しく暮らしている!!
それをハーレムと言わずになんと言う!!」

や、やっぱりそう見えるか?

 

実際、オレ達の仲は学園では有名になっている。
そりゃ、真ん中にオレを挟んで皆で登校なんぞしたら目立つし・・・
しかも彼女達が『全員が河野貴明と付き合う』と説明してしまった(汗
その噂は午前中で広まり、オレは生きた心地がしなかった(マジ
教師側にも事情を話すように求められたが、同棲しているわけではなく(シルファちゃんは生徒じゃないし)
プライバシーの侵害として跳ね除けた。
それでも納得がいかない教師側に(学園のイメージが悪いし)業を煮やしたのか、
タマ姉とちゃるの『良家』を初め、珊瑚ちゃんと由真関係の繋がりの『来栖川』・こちらの保護者代表の春夏さん登場・・・
最後にはるーこの『力』で黙殺された(汗
出来れば、生徒側の嫉妬と好奇心も消してください(泣

 

「そんなにいいものじゃないぞ。
あっちが立てばこっちが立たず、食事だって競うように増えてきたし(美味しいからいいんだけど)
羨ましいなら変わってやろうか?」

「おおっ、是非!!
・・・と言いたい所だが、そんなことしたら俺はもちろんオマエも殺されるからな。
今のは聞かなかったことにしてやる」

「・・・すまん」

そうだな。
それは失礼を通り越して、今までの決意や関係を否定することと同じだ。
そんなことにも言われるまで気づかないとは・・・
やっぱり、雄二だけは味方だ。

「いいってことよ。
この貸しは彼女達を何とか説得して、メイド服姿を写真に・・・」

・・・敵味方以前にバカだ(汗

 

ちなみに・・・
この話しはるーこに聞かれていて、オレには涙まじりのお説教。
雄二にはタマ姉のアイアンクロー(前と後ろの両手)をもらい、死に掛けた・・・

 

 

授業こそが望んでいる平穏と安らぎをもたらしてくれるという、
妙なありがたみを感じる今日この頃(体育は例外)

休み時間は、それぞれの友人を大切にするということで彼女達も押しかけてはこない。
愛佳とるーこも女子のグループに混ざって楽しく会話している。

『ねえねえ、委員長?
河野君の何処が好きなの?』

『普段の生活ってどうなの?
キスとかもあり?』

『あ、あの・・・』(照

『それは野暮な質問だぞ、うー』

『えっとね、あたしはぜーんぶ!!』

俺は何にも聞こえない。
さて、飲み物でも買いに行こうかなー

『ちょっ、貴明君・・・
たすけ・・・』(汗

聞こえない聞こえない(自己暗示
だから愛佳、何とかプライバシーを守ってくれ。

 

販売機で買った飲み物を片手に教室へ戻ろうとすると、
意外な人物に声を掛けられた。

「あっ、たかちゃんだ。
やっほー」

「ん?
なんだ、花梨か」

「なんだとはご挨拶ねー」

「あっ・・・
ゴメン」

ミステリー同好会の会長(と言っても一人だけだけど)にして、るーこの時に世話になった花梨だった。

「いいっていいって。
それくらいで謝りなさんな」

「ん・・・ありがとう」

「だから、お礼もいらないって。
そこの辺りが、たかちゃんらしいけど」

どういう意味だよ、それって?

「でも、毎日大変そうね。
それこそ朝から晩まで」

「晩まで行かないって(汗
でも、それ以上に楽しいから」

確かに疲れる事もあるけど、自分の中では今の生活がいつまでも続いていけばいいと認めている。
けど、こんな誰も選べない中途半端な俺に望む権利があるのか・・・
その疑問が常に付きまとう。

「そっかそっか。
自分のまいた種なんだから、しっかり育てなくちゃ」

「それって、言葉の使い方間違えてないか?」(汗

「いいの、ちゃんと伝われば」

そういう問題か?

「色々大変だろうけど、頑張ってね。
私はたかちゃんを応援してるよ」

「・・・ありがとう」

今は出来ることを少しずつやっていこう。
どうしても無理だった時に、彼女達を頼ろう。
大切な彼女達が考え抜いた今を守ってみせる。

「だから、それぐらいでお礼は言わなくていいって。
でも・・・
それなら、休みの日にツチノコを探すのを手伝って・・・」

「さよなら」

「あー!!
たかちゃーん!!」

俺の数少ない友人はギブアンドテイクが多いようです(汗
神様、俺に見返りを望まない友人をください(泣

 

 

昼休みは皆集まって昼食をとる。
場所は生徒会室(ささら先輩の職権乱用?)か屋上の2択・・・しかない。
今日は生徒会室で決まり、郁乃を迎えに行き(階段はお姫様抱っこで愛佳達が車椅子を運ぶ)ドアを開けると・・・

 

ガラララ・・・・・・

 

『フッフッフッフッ・・・・・・』

 

変な笑い声が聞こえ、ど真ん中に異様に目立つ大きな黒いイスがあった。
後ろ向きのイスが回転し、座っている人物が眼に映る。
イスの大きさに負けて、いつも以上に小さく見えるその身体。
足を組んでスカートの中からのパンツ丸見えも気にせず、膝の上に乗せている黒猫を片手で撫でている。

『たかりゃんの愛の巣へようこそ』

「何やってんすか、まーりゃん先輩」

「なんだよー!!
たかりゃん、止めるの早すぎ!
珍しく、ハードボイルド系でいったのに」

「色んな意味で似合わないんで止めてください。
それに何ですか、愛の巣って?」

「気に入らなかったかー?
一晩の内、10分で考えたんだぞー」

「時間以前にセンスないですよ」

こういう場合のコメントは『一晩悩んで』ではないだろうか?

「それより、そのイスどうしたんですか?」

「校長室からパクってきた」

すごく良い笑顔で親指を立ててます(汗

「・・・返してきなさい」

「ちぇー」

神様・・・
ギブアンドテイクな友人でいいですから、トラブルを呼び込む知り合いはいりません・・・

「貴明・・・
いつも思うけど、あの人って・・・何?」

「ささら先輩に聞いてくれ、郁乃」

「先輩?」

「えっと・・・」(困

どう答えたら分からないよなぁ・・・
不思議な人だ。

 

「むぐむぐ・・・
やっぱり、ここのご飯はうみゃーねぇ」

「ご飯をたかりに学園に忍び込んでいるんですか、貴女は?」

うみゃーって、ドコの言葉だよ?

「それは半分くらいかなー」

「半分もあれば充分です」

ちなみに昼食のお弁当はタマ姉・瑠璃ちゃん・草壁さん・シルファちゃんがそれぞれ作ってくれる。
ミルファちゃんは普通に作れば大丈夫なのだが、変に改良(改悪?)したらいけないので外されている。
愛佳は食後のデザートと言うかお菓子担当。
他の面々は修行中(向き不向きはあるけど)

「それでもう半分は何ですか?」

「それはもちろん!
貧乳から巨乳・大中小・千差万別の彼女達を持つ、
ハーレムの主・たかりゃんをモノにしにきたのだー!
めざせ、女王さまー!!」

「冗談はやめてください。
それ以上続けるとお菓子無しですよ」

「な、何と!?
人質とは卑怯なり!!
訴えるぞ!!」

「どうぞ、ご自由に。
・・・いらないんですか?」

「いる!!」

まさに色気より食い気(笑

「タカ坊、早く食べないと時間がなくなるわよ」

「おっと・・・
それじゃ、いただきます」

「「「めしあがれ」」」

うん、うまい。
さすが、イルファさん達の師匠・瑠璃ちゃんとタマ姉さんに草壁さん。
4人でも13人分・・・(ちゃるとよっちゃんには弁当を渡してある)
まーりゃん先輩も含めたら11人か、大変だろうなぁ。

「そうだな・・・
今度、タマ姉達やイルファさん達にお礼しなくちゃな・・・」

ちょっとした独り言だったけど、周りには聞こえたらしい。
修行中も今まで手を出さなかった娘達まで騒ぎ始めてしまった(汗

「タマお姉ちゃん、今度玉子焼きを作ってみたいんだ。
お願いできるかな?」

「もちろんだけど、いいの?
私よりおばさまの方がいいんじゃない?」

「いいの。
お母さんにアッて言わせるんだから!」

「環、私も頼む」

「わかったわ。
2人とも頑張りましょう」

「・・・お姉ちゃん」

「分かってるから・・・
頑張りましょうね、郁乃」

「で、でも、貴明の為じゃないんだからね!!」

「わかってますわかってます♪」

「なーなー、瑠璃ちゃん。
今度のお弁当、ウチも手伝わしてーな」

「さ、さっちゃん、それは・・・」(困

「ダメなん?」(泣

「そ、そんなことないよ!
さっちゃんの料理を食べられるなんて、貴明も泣いて喜ぶで!」

「もちろん、瑠璃ちゃんにも上げるから楽しみにしてなー」

「あうう」(泣

「優希さん、お願い!!」(手を合わせてる

「私でよろしかったらいいですよ」

「お願いします!
これで貴明をギャフンと言わせてやるんだから!!」

「お、美味しいと言う意味ですよね」(汗

「わ、私もいいですか?」

「ささら先輩・・・
大丈夫ですか?」

「え、ええ・・・
簡単な一品くらいなら頑張れると思います。
いつも作ってもらってばかりだし、少しは恩返ししたいの」

「わかりました」

「貴明!!
今度、あたしの料理食べてくれるよね!?」

ああ・・・
俺のバカ!!
どうして口に出してしまったんだ!!
ちょっと考えれば分かるはずだろ、俺!!
無意識に言葉に出したから、考える以前の問題か?(少し混乱

「よっ、女誑し!
にくいよぉ、たかりゃん!!
もしかして、俺もご飯作ったらご褒美くれるのか?」

「・・・ちなみに、料理の経験は?」

「あははー。
そんなのあるわけないじゃん。
何事も最初は上手くいくって!
ほら、釣りとかパチンコとか?
是非食べてみてくり。
俺の初物、あげちゃうぞ」

「全力でお断りします!!」

「えー」

変な言い方しないでください!!
周りが睨んでますって(汗
それに絶対死ぬ・・・

 

 

午後の授業も平穏に終わり、放課後・・・
今日は生徒会も、掃除当番もなく久しぶりの寄り道。
張り切っている由真が強引にゲーセンに決定。
タマ姉も何とか偏見を直してくれて、止めようとしない。
ちゃるとよっちゃんも事前に連絡して現地で待ち合わせ。

「よーし!!
行くわよー!!」

由真の掛け声と共に、それぞれがお目当てに散っていく。
こればかりは好みがあるから、全員が一緒になることはない。
由真は俺と対戦したかったようだけど、諦めていたようだ。
さて、俺も参加しますか・・・

 

「あっ、隊長!!
作戦失敗でありますぅ」

「貴明さん・・・」

「むぅ・・・
どうして取れないのかしら?」

「貴明君・・・
これってどうしたらいいの?」

UFOキャッチャーには、このみ・ささら先輩・小牧姉妹が頑張っている。
成果は見ずとも分かる。

「ちなみに何を狙って、いくら使ったんだ?」

「はっ!
このみは猫のぬいぐるみを狙い、1000円投入しましたが惨敗です」

確かに惨敗だな。
明らかに客寄せダミーだが、奥のほうにある同じモノなら俺でも取れるだろう。

「私はカエルで・・・800円」

カエル・・・ですか(汗
ささら先輩らしいと言えば、らしいけど・・・
初心者にしたら難しいが、コツを掴めたら取れるな。
教えるだけにして、自分で取ってもらおう。

「私達は犬のぬいぐるみで・・・」

「お姉ちゃんと半々で合計・・・2000円。
お母さんに怒られるぅ」(汗

うわっ、大負け(汗
しかも分かりにくそうに客寄せモノか・・・
アレは無理だぞ。
玄人レベルじゃないと・・・
俺や由真でも無理だな。

「猫は代わりに取ってやれるし、カエルはちょっとしたコツで取れると思うが・・・
犬は無理だぞ」

「「ええー!?」」

「取れそうに見えるけど、引っかけられる場所は埋まってるし。
紐も切れてるからその方法もアウト」

「あぅ・・・」

「そ、そうなの?」

ここは仕方ないが諦めてもらうのが懸命だ。

「他のじゃダメか?」

「どうする、郁乃?」

「うーん・・・
どうしても無理?
やっぱ悔しいじゃない?」

「そういう所が、いいカモなんだよ。
分かってて熱くなりすぎない。
時々、寄ってみて取れそうなら取っててやるから」

「・・・分かったわよ。
それじゃあ・・・
あれ、いいかしら?」

指差すのは、隣のキャッチャーのぬいぐるみ(また犬)
グルッと見回り、アームを見る。

「どう?」

「(ドキドキ)」

目当てのモノはその一個のみ。
周りはどけやすいが、引っかける場所が・・・
半々だな。

「取り合えずやってみるよ。
取れるかどうかは半分っ所。
後は、アームの強さかな」

「貴明君、ファイト!」

「絶対取りなさいよ」

期待一杯の目線と声がプレッシャーを与える。
ここは無様な所は見せられないな。

「よし!
まずは準備運動にこのみから取ってやるか」

「隊長!!
よろしくお願いしますであります!!」

結果報告
猫のぬいぐるみ:調子がよく3回で回収。
かえるのぬいぐるみ:アドバイスだけでささら先輩自身で回収、5回。
犬のぬいぐるみ:何とか10回で回収、取れてよかった。
追伸:何故か資金は俺持ち、何故?

 

「どうだ?由真」

「・・・この娘達、うまいね」

「珊瑚ちゃんは・・・ね」

「るーこも」

「本人なりに馴れるように頑張ってるしな」

「あうう」(泣

由真、るーこ、姫百合姉妹は珊瑚ちゃんお勧めのゾンビを打ちまくるゲームを選んでいた。
嬉々として打ちまくる珊瑚ちゃん、それをフォローするるーこ。
そんな彼女達を見守る由真に・・・半泣きの瑠璃ちゃん(汗

「さっちゃんもこんな所まで来て、そんなん選ばんといてーなー」(泣

「想像つくけど・・・
どうしてこうなったんだ、由真?」

「いや・・・
珊瑚ちゃんが隣にいたるーこと瑠璃ちゃんの手を取って、そのゲームへまっしぐら。
私も一人で対戦はつまらないから、コンビ組んで競おうかなと思って着いて来たんだけど・・・」(汗

「・・・不戦敗?」

「・・・だね」(苦笑

「た、貴明ー」(泣

俺に気づいた瑠璃ちゃんが小走りで近づいてきた。

「お、お願いやー、貴明!
ウチと代わってーなー!!」

「どうする、由真?
他にも見回るから1・2回くらいなら、
俺は別にいいけど・・・」

一応、パートナーの由真には断りを入れておかなくてはならないから、
勝手に決めることは出来ない。

「別にいいわよ。
貴明とかいうより、瑠璃ちゃんが可哀相だからね。
偶には、ライバルじゃなくてコンビを組むのもいいんじゃない?」

「というわけで・・・
瑠璃ちゃん、OKだよ」

「あ、ありがとー!!
明日のお弁当は期待しててーなー」

「おっ・・・
それは楽しみだ」

「た、貴明なんかじゃないー!
由真先輩に言ったんやー!!」

「だってさ♪」

「・・・・・・」

いや、瑠璃ちゃんがそういうキャラだって分かってるけど・・・(汗

「どうするの、瑠璃ちゃん?
コイツ、ヘコんじゃったわよ?」

「ウ、ウチ、悪ぅないもん!!」

ヘ、ヘコんではないけど・・・たぶん(汗

「それは一先ず置いて・・・
このままじゃ使いモノにならないんだけど・・・
瑠璃ちゃん、何とかして」

「ええっ!?
ウチが!?」

「そ♪
貴明も瑠璃ちゃんの変わりにやるんだから、それくらいのフォローお願いね」

「あう・・・」(汗

由真に背中を押してもらい、上目遣いで恥ずかしそうに睨みながら・・・

「も、もし、貴明が勝ったら、考えんでもないから・・・
その、が、頑張りや!!」

いつもの素直のじゃないセリフが出てきた。
照れてるんだろうなぁ。
由真も瑠璃ちゃんに気づかれないように、ウィンクして軽く舌を出していた。

「あっ!
でも、さっちゃんに勝ったらあかんで!!」

どうしろと?

「あー!
貴明やー☆」

「来ていたのか、貴明」

「おっ・・・
お疲れさん」

話している間にゲームが終わったのだろう。
珊瑚ちゃんとるーこが戻ってきた。

「貴明もするん?」

「そうだよ。
瑠璃ちゃんの代わりにね」

「それじゃ、瑠璃ちゃんだけ仲間外れやー」

そういうところを気にするのが珊瑚ちゃんらしいけど、
いい加減に瑠璃ちゃんが苦手だと気づいてほしいな(汗

「俺は他の所も周るから、このゲームだけだよ。
だから、次は瑠璃ちゃんにやりたいゲームを決めさせてあげてね」

「ええよー。
とりあえず、貴明と由真もプレイやー」

「応援してるぞ、貴明、由真」

「まっかせてー!
絶対、勝ってやるんだから!!」

「早くも勝利宣言か。
で、ライバルのお2人の点数は・・・」

本人達の答えを聞く前に、ふとランキングの画面が目についた。
ダントツで一位のネームが『S&R』・・・
まさか・・・

「もちろん、トップやー!
るーこちゃん、上手やから初めてクリアしたでー」

「く、クリア?
それって、1ステージの意味よね?」(汗

由真も嫌な予感を感じたのか、震える声で訊き返す。

「違うでー。
全部やー☆
スタッフロールも見たでー」

「全部!?」

「意外と簡単だったぞ」

「簡単!?」

思わず、俺と由真は顔を合わせる。
確かにランキングでクリアとなってるし、点数もズバ抜けている。
す、すげーよ(汗
最強コンビだ。

「ふ、ふん!
そ、それでこそ、倒しがいがあるというものよ!!」

負けず嫌いの上、啖呵を切ったし後に引けないのだろう。
口が引きつっているのが隠せない由真。

「いくわよ、貴明!!」

「はいはい」

俺は諦めの境地だ。
無理だって・・・

「頑張りやー」

「るーの祝福を」

「・・・・・・」(手を合わせてる)

結果報告
予想通り、競う以前にクリアできずに惨敗。

『これで勝ったと思うなよー!!』

負けてますから(汗

 

「へぇ・・・
3人はメダルゲームか」

ちゃるとよっちゃん、ミルファちゃんは意外にもメダルゲームコーナーいた。

「はいっす。
メダルって、いわゆる換金じゃないっすか?
今日はこれだけって決めておいて、運が良かったら次回にまわせるじゃないっすか」

ああ、なるほどね。
最近、メダルゲームも増えてきたし。

「でも、ミルファ先輩には向かない。
さっきから、うまくいかなくてイライラしてる」

ちゃるが指差す方向を見ると、メダルを落とす機種をやっていた。
それも納得。
ミルファちゃんって、そういう細かいことって向いてなさそうだし。
現に後ろ姿だけど、力が入ってプルプル震えている。
・・・いいのか、機械の申し子(汗

「み、ミルファちゃん・・・
ちょっと落ち着いて 」

「あぁーー!!
どうして、上手くいかないのよ!!
そこはちゃんと落ちるはずでしょ!!」

また上手くいかなかったご様子(汗
両手を上げて、まるでクマのように威嚇している。

「ミルファちゃん!!」

「あ、貴明!!
ひどいんだよー、このゲーム!!
こう、ギリギリで耐えるんだもん!!
後、ほんっっっのちょっとなんだよ!!」

「わ、分かったから落ち着いて!
後、抱きつかないで!!」

涙を出ないけど、半泣きの声で言い訳(?)しながら抱きついてきた。
さすがに大衆の中での晒しはやめてほしい。

「貴明のいけず・・・
こういう時は抱きしめ返すものでしょ」

「しません」

「ううぅぅ・・・」

そんな恥ずかしいことは出来ません(断言
何とか離れてもらったら、親の敵のように機械を睨みつけてる。

「貴明・・・
アレ・・・揺すったらダメ?」

「ダメ!!」

「ちぇっ」

そんなことしたら警報は鳴るし、予想だけど揺するじゃなくて振り回すじゃないかな?(汗
見た目、女の子がそんな光景を見たら大変だ。

「やっと落ちついたっすね。
ほら、私たちがテクニックを教えてあげるっすよ」

「そうだ。
それに先輩も付き合ってくれる」

「ホント、貴明!?」

「いいよ。
それじゃ、先にやってて。
mデダルに換えてくるから」

「うん!
さぁて、リベンジだー!!」

まだ時間あるし、ちょっとくらいなら良いか。
ミルファちゃんが挑む姿に苦笑しながら、
両替機に向かおうとするとちゃるが止めた。

「それなら大丈夫。
このメダルを使って」

「いや、でも・・・」

さすがに貰うというのは・・・

「いいから、使って」

「そうっすよ。
これは半分以上は儲けたものっす。
さっきは溜めておくとか言ったっすけど、こういうのは皆でパーっとやるっす!!」

「・・・わかった、ありがとう」

そこまで言われては、断るのは失礼だな。

「それじゃ、今度何か奢るよ」

「話しがわかっるすねー
それじゃ、私たちとデートしてくださいっす」

「デ、デート!?」

何か奢るという内容から、何故デートに!?

「ああー・・・
断るんすか、先輩?」

「さっき自分から言った」

「で、でも、何か奢るとは言ったけど・・・
デ、デートは少し違うんじゃ・・・」(汗

「違わないっす!!
私たちの希望が『デートで奢ってもらう』ということっすから」

「先輩、男らしくない」

「くっ・・・」

ここで断り続けても、かわされる所かカウンターを決めてきた・・・
はい、お手上げです。
自分でも弱いよなぁ(苦笑

「わ、わかったよ」

「やったよ、ちゃる!!」

「ああ、作戦成功だ」

そんな心情をなんのそのハイタッチする親友2人。
作戦?
言葉の綾だよね(汗

「ほらー!!
貴明も早く来るー!!
2人も、コツ教えてよー!!」

しびれを切らしたのか、また負けたのか・・・
ミルファちゃんが振り返って呼んできた。

「その話しは後にして、今はみんなで楽しもう」

「とーぜんっすよ。
それじゃ、いきますか?」

「うむ」

結果報告
ミルファちゃんはもちろん、俺まで2人に色々教わっけど、上手くいかず。
減った分は、ちゃる・よっちゃんペアが元どころかさらに増やしていた・・・
2人ともうますぎ。

 

「タマ姉がこんなものやってるなんて、予想外・・・」

「こらっ!
聞こえてるわよ、タカ坊」

「フフ・・・
失礼ですよ、貴明さん」

ようやく見つけたタマ姉と草壁さんがやっていたのは、占いコーナーだった(汗

「わ、私だって、興味あるんだから」(照

「女の娘は誰だってそうですよ」

「ゴ、ゴメン」

「タカ坊だから特別に許してあげる。
その代わり、貴方もやりなさい」

「ええっ!?
俺も!?」

そ、それは恥ずかしいだろ・・・

「ほ、ほら・・・
俺、男だし・・・」(汗

「あら、男の方もやりますよ。
そういう場合は、カップルでお互いの相性を占うものですけど」

た、確かに、そういうモノはあるだろう。
でも、それはそれで・・・

「タカ坊もそれはイヤでしょ?
全員分やらなくちゃいけないし・・・」

「それに当たり前のことですが、結果に良い悪いがありますし・・・
気にする方もいますから」

ささら先輩とかそうだし・・・
悪い結果だったら、良いのが出るまでやり続けるだろう。

「それを回避する為に・・・
タカ坊、個人を占うの。
OK?」

妥協案のだろうか?

「ちなみにお2人は?」

「もちろんやったわよ」

「はい」

「なら、俺にも教えて・・・」

「タカ坊・・・」

「うっ・・・」

タマ姉、マジモード(汗
ここで選択をミスればBADEND!?

「乙女の秘密を知ろうとする愚か者は、三途の川よ」

「はい!!
申し訳ありません!!」

それはもう深く頭を下げる。
命のピンチだし・・・

「うん・・・
タカ坊なら分かってくれると思っていたわ」

「あはは・・・」(苦笑

草壁さんも笑うしかないじゃないか。
彼女にフォローを期待するのは・・・
いや、タマ姉には誰にも勝てないだろうな(自分に納得

「それで・・・
やってくれるわね」

「わ、わかったけど・・・
もし、雄二だったら?」

「記憶から消すわ」

「「・・・・・・」」(汗

『どっちの?』と訊かなくても充分わかる。
雄二・・・
むやみにタマ姉の秘密を暴こうとしないほうがいいぞ(汗

「ほ、ほら、貴明さんもやってみてください」

「え、ええ・・・」

微妙な雰囲気の中、進められるまま占いゲームが始まる・・・
基本的なデータを入力し、何を占うかの項目が出てくる。

「恋愛運でお願いします」

草壁さん!!
予想してたけど、やっぱりそれ!?

「こ、ここは、仕事運などを・・・」

「却下」

「タ、タマ姉!!
勝手に選んで進めないでくれ!!」

止める間もなく、ボタンを押すお二人方。
やめてくれー!!

 

結果報告
簡潔に言うと、

『女性「達」に振り回されます。
しかし、貴方には避けることは出来ません。
心構えだけでもしっかりしましょう』

何だ、これ?(汗
そこまでピンポイント(?)で、回避なし?

 

 

そろそろいい時間になったから全員集合。
皆の家はそれぞれの方向なので、現地解散。
そんな中、別れる前にこのみが言い出した。

「そうだ!
最後に皆でプリクラ取ろうよ!!」

「それは良いわね」

「うんうん」

皆、乗り気になってしまった。

「それなら、イルファさん達も呼んだ方がいいよね?」

「そうねぇ。
遊び目的だったから、お仕事しているイルファさん達を呼ばなかったけど・・・
思い出に残りそうなのなら、逆に仲間はずれね」

タマ姉の一言に全員が肯定している。
イルファさん達も参加らしい。
それはいいんだけど・・・

「シルファちゃん、来てくれるかな?」

『・・・・・・』

あの人見知りというか、今だに人が多い所がな苦手なシルファちゃん。
買い物くらいなら何とかなったけど、ゲーセンは・・・
本人曰く、『このしゃべりかたがイヤなんれす!!』らしいけど。

「ほ、ほら、そこはタカ坊が何とか・・・」

「そうよ!
貴明は、『ご主人様』なんだから!!
一言、来いって言えばいいのよ」

「ゆ、由美〜・・・
それはちょっとひどいんじゃ・・・
シルファちゃんも、ほら・・・ その・・・
だ、大丈夫だよ、きっと来てくれるよ」

「フォローはないのね、お姉ちゃん・・・」

結局、電話で連絡して何とか了解がとれた。
というより、先に出たシルファちゃんがゴネたけど、
イルファさんが代わって了承して切れてしまった・・(汗
大丈夫かな・・・

「それじゃ、イルファさん達が来るまでジュース飲んで待ってるか」

「さんせーい!」

「もちろん、タカ坊のオゴりね」

「な、何でだよ!?」

「言い出した本人だから」

あの・・・
俺、今来ているゲーセンでどれだけ使ったと思っていらっしゃるのでしょうか?
UFOキャッチャーで1500円(ささら先輩は自分でプレイしたので自腹)
ガンシューティングの由真の負けずキライで1000円。
メダルゲームはご好意により無料。
占いは一回だけど200円
計2700円なり。
これ以上は勘弁してください(泣
バイトしようかな・・・

「わかった、わかりました。
どうぞ、お好きなものを選んでください」

こうなったら、もう何でも来い!

「フフフ・・・
拗ねないの、ちょっとからかっただけじゃない。
大丈夫、今日の代金は割り勘で話しはついているから・・・
後で回収なさい。
タカ坊のジュース代は私がもってあげるわ」

「へ・・・」

予想外な言葉だった。
驚いている俺の手を引き、皆と離れてから優しく諭すようにタマ姉の話は続く。

「私達はタカ坊と一緒に居たいだけなの。
極端な話し、タカ坊が側にいたら何もしなくてもいいくらい。
けど、思い出作りも大切だし、こういうのも楽しいでしょ?」

「そ、それはもちろん」

「でも、これは私達の我侭なのかもしれない。
皆の事も自分達が勝ってに決めて、タカ坊には事後承諾みたいになってしまったわ。
だから・・・ね、タカ坊?
嫌なことや苦しいこと、悩んでいる事はちゃんと相談してね。
力になりたいし、それが恩返しになるんだから。
それは私だけじゃなくて、皆が思っていること」

そうか・・・
皆も皆で悩んでいたんだ・・
それなら、俺も素直に言わなくてはいけない。

「・・・わかったよ。
でも、タマ姉たちも何かあったら言ってよ?
俺は自分で言うのもアレだけど、鈍感だから(汗
恩返しとか抜きにして、助けてあげたいから」

「・・・ありがと。
そうね、理由なんていらないわね。
忠告と励まそうと思ったのに、逆に諭されるなんて。
私もまだまだね」

「そこで、『俺が成長した』の言葉はないのね」(汗

「成長はしてるわよ。
でも、まだまだよ。
全員、幸せするくらいに成長してもらわなくちゃいけないんだから」

すっげー、高い目標(汗

「ほらほら!
イルファさん達も着たようだし、話の続きはまたの機会ね。
とりあえず、今を楽しみましょう」

「お、おう」

 

少し遅いなと外で待ってた俺とミルファちゃん・珊瑚ちゃん・瑠璃ちゃんが見たのは、
イルファさんの後ろから隠れるように、縮こまっていたシルファちゃん・・・
まるで子犬のようだったけど、シルファちゃんもこちらに気づいた途端に小走りで近づいてきた。
無事到着した彼女は一言、

「シルファは、優秀なめいろろぼなのれす。
ご主人様に呼ばれたら、何処へれも行くのれす」

胸をはって澄ました態度で、微妙に得意そうだった。
とりあえず頭を撫でてあげたけど、イルファさんの呆れたような溜息が全てを物語っていました(苦笑

 

 

未来(さき)を考えていても、現在(いま)は何もない。
必要な時に選択があるだろう。
いや・・・
『前回』のようにバカで手遅れの半歩手前ではなく、
ちゃんと理解してやっていけばいいだろう。
現在(いま)も過去(むかし)になって、皆で笑いあって思い出せたらいい・・・

 

「タカ坊は、真ん中ね」

「イルファさん達は、支えてもらう為に下になってもらって・・・」

「私は瑠璃様の隣で・・・」

「シ、シルファは、別にご主人様なんれ・・・」

「じゃ、あたしは貴明の下!!」

「アー!!
ミルミルー!!」

「なら、しっちゃんはウチの隣になー」

「イルファ、抱きついたらあかんで!」

「ええー?」

「ええー・・・
や、ない!!」

「このみはタカ君の横ー」

「このみの横は私とちゃるで」

「問題ない」

「反対側は愛佳さんと郁乃ちゃんと由真さんで」

「はいー」

「貴明、触ったらセクハラで訴えるから」

「いいえ、引っ叩けばいいのよ」

「仕方ないだろ・・・
詰めなくちゃ、全員入らないんだから」

「その上に優希さんとるーこさんとささらさん、私・・・
でいいわね?」

「いいですよ」

「かまわないぞ」

「はい」

「は、早くしてくれ・・・」(様々な意味で精一杯

「それでは、スイッチをポチっと・・・」

 

カチャ!!

 

この日、撮ったプリクラ写真と共に・・・

 

 

第2話へ続く

 


皆さん、本当にお久しぶりです(汗
長い間、音沙汰なしのsiroです。
ほんっとうに申し訳ありません!!(土下座
何を言っても言い訳にもなりませんので、謝るぐらいしか出来ません(汗
最近ようやく時間に余裕(多少)出来、久しぶりに『ToHeart2 AnotherDays』をプレイしました。
内心楽しみにしていたのですが・・・(汗
色々言いたいこともありますが、ノーコメントで・・・
プレイ後なので、SSも意欲(ストレス発散?)が沸きましたので復活しました。
一番の理由は時間が出来たのがですが・・・
ラングさん、こんな私のSSの投稿を受け入れていただき感謝の言葉もありません。
改めて、お礼申し上げます。
さて、改めて第一話(改正版)です。
そちらの掲示板でも書き込みしましたが、奈々子(序盤で力尽きました)・春夏・このタマは未プレイです(汗
そのため、奈々子は登場してません(春夏さんは無理でしょう)
まーりゃん先輩はゲームのストーリーでは厳しいと思い、今までどおりトラブルメーカーのままです。
ちゃるとよっちゃんはハーレムに入れました。
途中から入れても良かったのですが、その後がややこしくなりそうだったので・・・
久しぶりでにSSを書いたので(ほとんど付けたしですが)、力量不足を痛感してます。
誰がどのセリフを言っているのが分かりづらいし、シルファの口調が難しいです。
こんな自分ですが、頑張って書いていきますので今後ともよろしくお願いします。