【地上の星】 P4 (啓X拓)  さあ、砂吐く覚悟は出来たかしら?(笑)

「?…啓介さん?」
「あ…いや、何でもねぇ。……危ねーから、そろそろ降りろよ?」
 啓介は何だか切ない瞳で拓海を見つめてそう言った。
何でそんな顔するんだろうと不思議に思ったが、拓海はとりあえず彼の言うとおり柵から降りる。
 すると、両足を降ろした途端に、啓介の腕の中に浚われた。

「け…啓介さん?…どーしたんですか?…」
 唐突な啓介に行動に拓海は戸惑った。
いくら人が少ないとはいえ、一応ココは人前なのだ。
こんな風に抱き締められるのは、やはり少し恥ずかしい。

「…悪ィ…なんかお前が飛んでっちまいそうな気がしてさ…」
 啓介は腕の中の細い体を更に強く抱き締めて、拓海の髪に顔を埋める。
触れ合った体はとても暖かくて気持ちいい。

 拓海は思わずうっとりなってしまいそうな自分にハッとして真っ赤になった。
「〜もう、何言ってるんすか!鳥じゃあるまいし飛べませんよ。オレ…」
 文句を言いながらも、拓海は自分がココにいると伝えるために、ぎゅっと啓介の背中に腕を廻して抱き返した。
(・・・あのー、公衆の面前やねんけど……お2人さん…(-_-;))

───別に鳥に見えたワケじゃねぇけどな…
 言ったらきっと拓海は『らしくない』と笑うだろうから、ナイショにしておく。
(ナイショの多い2人になっちゃった(笑))

「ああ、そーだな。」
 名残惜しげにもう1度強く抱き締めて、啓介は拓海を解放した。
「さて…んじゃ、そろそろ降りるとするか?」
 真っ直ぐに見つめてくる啓介に拓海が頷いて答えると、そのまま2人はゆっくりと展望台を降りていった。


 下りのロープウェイの中でまた窓に張り付いて、拓海はだんだん近づいて来る地上をじっと見つめている。

「…もっと見たかったか?」
 そう声を掛けてきた啓介に、拓海は首を横に振った。
「そーじゃないですけど…なんか街の灯りって星より暖かいカンジがして…気持ちイイなーって思いませんか?」
 口元に小さく微笑みを浮かべながら、拓海はそのままじっと窓の外を眺めていた。

 地上の星達は、空に輝く星より暖かい。
きっとそれは生きている光だから。…誰かの小さな幸せを守る為の光だからだ。

「暖かい…か。・・バカだな、そんなモンで暖取らなくても・・・」
 拓海のセリフに、啓介は優しい笑みを口元に浮かべる。
そして、窓と自分の間に挟んでしまった拓海の耳元にそっと顔を寄せると、息を吹き込みながら囁いた。
「お前はオレがあっためてやるよ。・・・アツイくらいに…な。」

 その言葉に拓海は一気に耳まで真っ赤になって、不意打ちに抗議しようと啓介を見上げる。
「啓介さん!もうっ…んっ…あ……」
 でも結局それは、降りてきた啓介のキスを受け止める結果になっただけで・・・。

「…ぁ…やぁ…う……んんっ!」
 突然の激しいキスに、拓海が酸素を求めて苦しそうな声をあげる。
すると、啓介はすぐに唇が触れるか触れないかの位置まで離した。
 でも完全には離さない。
おまけに、片足を拓海の両足の間に入れて、ちゃっかり逃げ道まで塞いでいる。

───2人っきりでこんなのに乗ったのはマズかったかも・・・
 そう思いつつ、また降りてくる口づけに拓海はそっと目を閉じて応えた。
「お前、すげードキドキしてる。……でも、今日はイヤがらないんだな。」
 すごく嬉しそうに目を細めて啓介は笑った。
こんな時に、拓海の1番大好きな笑顔で笑った。
・・・ホントに狡いなー。この人・・・
 無意識なのか意識しているのかは知らないが、この笑顔のタイミングが肝なのだ。

「な?もっかいしてイイ?」
 どれだけキスしても、どうやら彼には物足りないらしい。
「いいけど……ココじゃ、その先はダメですよ?」
 拓海は真っ赤になって、照れ隠しに啓介を軽く睨みながら一応クギを差しておくと、そっと目を閉じ、今度は自分から伸び上がって啓介に唇を寄せた。

「解ってるって…」と嬉しそうに呟きながら、喜んでそのキスに応じる啓介であった。

End.あああ

討死(-_-;)・・・あんたたち・・・誰?ってカンジ?(笑)
キスシーンしかないのにウチごっつ恥ずかしいんやけど…なんでやろ〜(-_-?)
あ、この後の2人は各自で想像してネ!(だって表のお部屋だもん。ココ…)
……ちなみにプレゼントハガキはこの後の2人をイメージして描いてますので、
後日受け取った方はニヤリと笑ってやって下さい(爆)

THANKS!3000Hit 桜井ゆりな様、リクエストありがとうございました。
  → 啓X拓で甘々ってこんなんで良かった?(-_-?)

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