聞こえる音は、コンピュータ機器のメカニカルな音だけだ。
果てしない宇宙空間を漂うよな薄暗い研究室にいる時が、
私にとっては、休息の時なのだ。
激しかった戦いは空漠とした闇の彼方に去り、
あれほど全身にみなぎっておったはずの、コン・バトラーVへの憎しみも、
その時、私の心の中には…ない。
やがて私の心に潮が満ちるように押し寄せてくるは、孤独感だな。
そして、遙か交信不可能なキャンベル星にいる人への慕情が、
流星が接近するように、その姿を次第に明らかにされ、私を慌てさせる。
キャンベル星よ、いつまでも美しく、我が心にあれ。
私は、いつも小さく呟いて、
使い慣れたコンピュータのキーボードに手を置くのだ。
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