聞こえる音は、私の周りを逆巻く風の音だけ。
果てしない宇宙空間を漂い
キャンベル星から地球へと渡って来た時の事を思い出す時が、
私にとっては、休息の時だ。
激しかった戦いは空漠とした闇の彼方に去しまい、
あのように全身にみなぎった、コン・バトラーVへの憎しみも、
その時、私の心の中には…ないのだ。
やがて私の心に潮が満ちるように押し寄せてくるは、孤独感。
そして、私の記憶を写したメモリーの中に
遙か交信不可能なキャンベル星にいる人への慕情が
流星が接近するように、その姿を次第に明らかにし、私を慌てさせるのだ。
キャンベル星よ、いつまでも美しく、我が心にあれ。
私は、いつもそっと呟いて、
キャンベル星発展のために、
今では動くことかなわぬこの身に記憶を写した時のことを思い出しつつ
次の作戦へと思考を巡らすのだ。
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