聞こえる音は、バトルマリンのメカニカルなサウンドだけ。
果てしない宇宙空間を漂うように移動する時が、
あたしにとっては、休息の時なの。

激しかった戦いは空漠とした闇の彼方に去ってしまって、
あんなに全身にみなぎっていた、ガルーダ将軍への憎しみも、
その時、あたしの心の中には…ないわ。

やがてあたしの心に潮が満ちるように押し寄せてくるのは、孤独感。
そして、遙か交信不可能な星にいる人への慕情が
流星が接近するように、その姿を次第に明らかにして、あたしを慌てさせるの。

ねぇ、いつまでも美しく、あたしの心にいてね。

あたしは、いつもそっと呟いて、
コックピットの使い慣れたマシンに手を置くの。