=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
スコット・スミス 「シンプル・プラン」 <扶桑社 文庫本><講談社 単行本>
ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその 友人とともに町はずれの道を車で走っていた。その途中、彼らは墜落した小型飛行機とパイロットの死体 を発見した。そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が。3人はその金を保管し、いずれ分けるため のごくシンプルな計画をたてた。その時から、ハンクの悪夢がはじまった。 |
|
スティーヴン・キング絶賛、衝撃の デビュー作、なんて帯がついてたような気がするけど、それっきりこの人の本、出てないよね。 | |
うん、どうしちゃったんでしょう。絶対 すぐ次の本が出版されると思ったのに。 | |
感情移入なしに一気に読めるストーリー 性の高い小説だよね。 | |
感情移入なしだと、ふだんの私たちから 言えば、読むのがつらい小説ってことになるんだけど、これはストーリーだけで夢中になれたね。 | |
先が読めない展開と、緊迫感のあるリアリ ティーのためかな。 | |
ハンクのお兄さんと友だちはかなり頭が 悪いでしょ、黙ってればばれないと言いながら、やっぱり奥さんには黙っていられないでしょ、私だったら どうするかなあって読みながら考えちゃうのよね。 | |
そう、お金を拾うって、なんか他人事じゃ ないよね。 | |
自分もいつかこういう機会があるんじゃ ないかと思っちゃうよね(笑) | |
大金を人と分けるっていうのも、妙に 考えさせられない? | |
うん、それは子供の頃からの悩みの ひとつだからね。どうすれば、にえちゃんより沢山お菓子を食べることができるかとか。 | |
冷蔵庫に1個しかないプリンを独り占め するにはどうすればいいかとか?(笑) | |
そういうわかりやすい悩みから、どんどん とんでもないことになっていくストーリーに引き込まれる。 | |
感情移入なしとはいえ、ハンクにしろ、 他の人にしろ、気持ちはよくわかるからね。犯罪サスペンスを読むんだったら、どうせならこういう上質の 物語を読んでいただきたいな。 | |
でもさ、これだけ上質のストーリーテラー の本がなんで1冊止まりなんでしょう。 | |
あ、わかった。作者もお金を拾ったん じゃない? | |
じゃあ、今頃・・・(笑) | |