=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
リヴィア・ビトン・ジャクソン 「わたしは千年生きた」
<日本放送出版協会 単行本>
1942年から本格化したナチス・ドイツのユダヤ人絶滅作戦。作者であり、この話の主人公でもあるエリ は13歳。母や兄とともに、ユダヤ人としての迫害、アウシュヴィッツ強制収容所への移送、厳しい労働と 生き地獄を体験する。死と絶望の淵に何度も立たされながら、強く生きたいと願う少女の実話。 |
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これはホロコースト文学です。 | |
ホロコーストというのは、もともとは大 惨害、大破壊という意味ですが、近代ではナチスによるユダヤ人大虐殺を示すことが多い言葉で、これを 扱った文学を総称して、ホロコースト文学と呼びます。 | |
数あるホロコースト文学のなかで、私たち はこれが一番のオススメです。 | |
変な言い方かもしれないけど、まず、 読み物としておもしろいのよね。 | |
うん、もともとはもっと長かった話を 短く再編集したものだから、その分、テンポもいいし、いろんな場面へ次々進んでいくから、飽きずに 読める。 | |
だらだらと書き連ねず、事実だけを 書いてあるぶん、読みやすいし、かえって真に迫ってくるしね。 | |
それにつらい話はもちろんだけど、 合間合間に、人のぬくもりを感じさせてくれるような人物が現れたりして、その辺も投げ出さずに読める 要因。 | |
だからって、壮絶な収容所の暮らしとかを オブラートに包んでやんわり表現してたりとか、そういうことはいっさいなし。 | |
ある程度のことは知識として知ってる つもりだったけど、驚かされっぱなしだったよね。 | |
ひどいなんて簡単な言葉じゃ表現できない よね。 | |
主人公の少女も無理に良い子ぶったとこ ろがなくて、素直に共感できた。 | |
「アンネの日記」とか「最後の授業」 とか、いまいちピンとこなかったけど、これは本当に胸をついたね。 | |
今でも学校では、ああいう作品でホロ コーストを子供たちに教えてるのかしら? | |
この本に差し替えてほしいよね。 今時の子供には、このくらいはっきり事実を書いた内容でちょうどいいんじゃないの。 | |
行間を読むって出来ない子が多い みたいだしね。 | |
この本は、すべてがストレートに 伝わってきます。そして、ラストに衝撃を受けます。 | |