=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
ジャン=ピエール・ガッテーニョ 「悪魔の囁き」 <扶桑社 文庫本>
精神分析医デュランは、ある日突然、患者の中年男ギュンターから「私は妻を殺した」と告白された。 半信半疑ながらも、告白が真実かどうか調べはじめるデュラン。しかし、ギュンターの不可解な言動に 翻弄されるうちに、デュランの周囲に奇妙な事件が次々と起こり、やがて殺人の疑いまでかけられる はめになる。いったいギュンターの狙いは何なのか? |
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まあ、珍しい話ではないです。私たちも 似たような設定の小説をいくつか読んだことがあるし。 | |
その中ではこれが一番、と言いたいところ だけど、実はもう一つ出来が良いなと思うのがあって、それが題名も作者も思い出せないから、2ついいの があったなかの1つです(笑) | |
でもさ、これにはこれにしかない良さが ある。 | |
その第一がフランス小説ってことよね。 | |
なんといってもあやしい男の名前が、 ギュンター・ブロックだもんね。こんな陰湿な音の名前はアメリカ小説じゃ出てこない。 | |
マイケル・ホワイトとか、ベン・ウイ リアムスなんて明るい名前じゃダメよね。 | |
で、小説全体に流れる雰囲気もいかにも フランス小説特有の湿り気がある。 | |
こういう小説の舞台にはもってこいよね。 | |
でもさ、湿り気があっても、そんなに シツコイ文章じゃなく、淡々と話は進んでいくから、読みづらくはないよね。 | |
けっこうテンポもあって、シニカルな笑い なんかも加えられてたりして、息がつまらないよね。 | |
うん、心理サスペンスものって、緊迫感は ぜったい必要だけど、あまりにも息がつまるようではダメよね。やっぱ、息しながら読みたいもん(笑) | |
そうそう、主人公がだんだん追いつめられ て、狂気の世界に迷い込むのはいいけどさ、読んでる人まで追いつめちゃいけませんよね。 | |
逃げたくなるようじゃ読めませ〜ん(笑) | |
これはその点、湿り気あり、雰囲気あり、 でも、感情移入せず冷めて読める内容でもあり、でほどよいかもね。 | |
うん、そういった意味でオススメです。 | |
ラストは賛否両論出そうだな(笑) | |