=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
フィリップ・デジャン 「ベティブルー」 <早川書房 文庫本>
ぼくはベティと出会い、愛し合った。ベティは野性味あふれる魅力的な娘で、海辺のバンガローで単調な 生活を送っていたぼくの人生を一変させた。ある日彼女は偶然に何冊ものぼくのノートをみつけ、ぼくを 作家にしようと思いたった。タイプに打ち直しては出版社へ送りつづけ返事を待つ日々のなかで、 ベティは彼女は次第に精神的トラブルにおちいってゆく。 |
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映画で見たよ、なにを今さらって方は ごめんなさい。 | |
私たちは見てないのよね。 | |
だからこの原作についてしか言えない んだけど、これはほんと、胸をつく珠玉の青春小説。 | |
フランスの小説のわりに、さっぱりして て事実だけ追ってて読みやすいしね。 | |
ベティと主人公は途中から、放浪生活を 送るんだけど、これがまた、メチャメチャせつない。 | |
ベティは少しずつおかしくなるし、 主人公は決してベティを捨ててしまおうなんて考えないしね。 | |
ずっと愛し続けてるんだよね。 | |
そうそう、一生懸命世話を焼いて、 しかも、ベティは本当はたいして可愛くないのに、超美人だって信じてるの。 | |
そうなの、そうなの。こんな男の 人と付き合いた〜い。 | |
二人の放浪生活といい、行った先々での 情景描写といい、なんかその時代の匂いがるよね、そういうところも好き。 | |
遊園地とかね。今の最新機がそろった メタリックなイメージの遊園地より、ちょっと昔の遊園地のほうが雰囲気があるよね。 | |
うん、夕方になったときの妙に淋しい感覚 とかね。 | |
で、狂っていくベティに主人公はどうして いいかわからず、おろおろするばかりで、ビタミン剤なんか飲ませたりして。 | |
この辺がまたせつないよね。母親が病気 になってもどうしたらいいかわからない子供みたいな、頼りなさがたまらない。 | |
この人たち達の恋愛じたいもオママゴトみ たいだもんね。 | |
稚拙で、でも必死で、これぞ青春よね〜。 | |