=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
アリス・ウォーカー 「カラー・パープル」 <集英社 文庫本>
16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。 教養もなく、逃げていく場所もなく、それでも愛する妹だけがセリーの心の支えだった。 しかし、その妹が夫に襲われ、セリーのもとを去っていく。それでもセリーは、妹が自分の元に帰って くることを疑わず、ただひたすら信じて生きつづける。 |
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厳選100人に入れるべきかどうか、ずっと 悩んでたアリス・ウォーカーですが、『カラー・パープル』だけをこちらに。 | |
黒人問題を真剣に考えたい人には、 『喜びの秘密』とか、『メリディアン』とか、他のアリス・ウォーカーの著作もぜひ読んでほしいんだけど、 たんに読書を楽しむと考えるとね。 | |
ちょっとハードすぎるというか、ついて いくのが精一杯の世界になってきちゃうのよね。 | |
その点、この『カラー・パープル』は とっつきやすいし、心にしみるし、問題提起もちゃんとできてるし。 | |
これはもう、文句なしに感動もの。 | |
セリーの生き方にもグッとくるし、 情景の描写も美しいしね。 | |
ラストがいい! 厚い本じゃないから、 ラストを読むだけのためでも読んでほしい。 | |
余韻が残るどころか、一生心に残るよね。 | |
ウォーカーの他の本と違って、押さえるだけ、 押さえて書いてあるよね。 | |
うん。セリーも決して行動的ではないし、 感情も押し殺すタイプだし。 | |
自然と他の描写部分も静か。 | |
静寂の中で、セリーの心は透明なの。 読んでるこっちまで、心が透きとおってくるみたい。 | |
セリーの生き方って本当に考えさせられる よね。こんなふうにしか生きられないとしたら、自分だったらどうするか、とか。 | |
セリーみたいには生きられない。でも、 セリーみたいに生きられたらいいなって思うよね。 | |
信じること、愛することの大切さが、 じわ〜っと伝わってくる。 | |
難しい話はいっさいなしで、心だけ に語りかけてくるよね。これだけは絶対読んでほしい! | |