すみ=「すみ」です。 にえ =「にえ」です。
アリス・ウォーカー 「カラー・パープル」     <集英社 文庫本> 
16歳の黒人娘セリーは、名も知らないミスター**のもとへ嫁がされ、夫の暴力の下で毎日を耐えていた。 教養もなく、逃げていく場所もなく、それでも愛する妹だけがセリーの心の支えだった。 しかし、その妹が夫に襲われ、セリーのもとを去っていく。それでもセリーは、妹が自分の元に帰って くることを疑わず、ただひたすら信じて生きつづける。
  
にえ 厳選100人に入れるべきかどうか、ずっと 悩んでたアリス・ウォーカーですが、『カラー・パープル』だけをこちらに。   
すみ 黒人問題を真剣に考えたい人には、 『喜びの秘密』とか、『メリディアン』とか、他のアリス・ウォーカーの著作もぜひ読んでほしいんだけど、 たんに読書を楽しむと考えるとね。
にえ ちょっとハードすぎるというか、ついて いくのが精一杯の世界になってきちゃうのよね。   
すみ その点、この『カラー・パープル』は とっつきやすいし、心にしみるし、問題提起もちゃんとできてるし。
にえ これはもう、文句なしに感動もの。   
すみ セリーの生き方にもグッとくるし、 情景の描写も美しいしね。
にえ ラストがいい! 厚い本じゃないから、 ラストを読むだけのためでも読んでほしい。   
すみ 余韻が残るどころか、一生心に残るよね。
にえ ウォーカーの他の本と違って、押さえるだけ、 押さえて書いてあるよね。   
すみ うん。セリーも決して行動的ではないし、 感情も押し殺すタイプだし。
にえ 自然と他の描写部分も静か。   
すみ 静寂の中で、セリーの心は透明なの。 読んでるこっちまで、心が透きとおってくるみたい。
にえ セリーの生き方って本当に考えさせられる よね。こんなふうにしか生きられないとしたら、自分だったらどうするか、とか。   
すみ セリーみたいには生きられない。でも、 セリーみたいに生きられたらいいなって思うよね。
にえ 信じること、愛することの大切さが、 じわ〜っと伝わってくる。   
すみ 難しい話はいっさいなしで、心だけ に語りかけてくるよね。これだけは絶対読んでほしい!