Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.1 ) |
- 日時: 2004/12/09 18:44
- 名前: felt
- う〜ん、すみさん、にえさんにそう言われるとそうかも・・・。確かにルゥの気持ちが一番大切ですよね。でも、「普通」って何?って気もしますよね。
あー、「アルジャーノン〜」もぜひ、お読みになってくださいませ。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.2 ) |
- 日時: 2004/12/10 22:23
- 名前: すみ&にえ
- 参照: http://park8.wakwak.com/~w22/
- そうですよね、ホントにこの小説を読むと、普通って何?と考えさせられました。小説のなかでルウが、いわゆる健常者というのが大多数で、自閉症は少数だから、健常者が「普通」で、自閉症は「異常」となってしまう、というようなことを言っていましたが、本当にそれだけって気がしますよね。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.3 ) |
- 日時: 2004/12/11 14:38
- 名前: アラビー <kei_kunimasa@hotmail.com>
- 僕は自閉症が一般的にどういうものか知らなかったので、ルウの視点でずっと書かれているこの作品では、彼らがどうおかしいのかよくわからない部分がありました。確かに彼らは社会にうまく適応しているとはいえないのかもしれませんが、ルウの周囲の一部の人間がいうように、自閉症であってもかまわないんじゃないか…という気がしたのです。しかし、ルウの立場に立ってみれば、僕を含めみなが彼に一種のノスタルジアを投射しているように思います。それは言葉でなくて、表情、空気全ての表れてしまうものなのかれしれませんが、ルウは小さいころから、そのノスタルジアのパターンを認識し、そのパターンを認識する度にノーマルとの違いを感じ、それが彼とノーマルとを分かつ障壁となっていたのではないでしょうか?ノーマル達は、光に囲まれているために闇に憧れる。しかしその闇の辛さは誰にもわからないんですよね。ノスタルジアの背景にあるのはただの空虚な期待と一種の偶像化にすぎないのではないかと思います。
ルウが幸せになったのかどうか…僕にはわかりません。ただ、ルウを見てトム同様、憧憬を感じてしまった僕は、結局自分が彼らを阻害する側の人間なのではないかと思いました。作者にもルウが幸せなのかどうかは読者に任せるという意向がするのですが。考えさせられる作品でした。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.4 ) |
- 日時: 2004/12/12 01:38
- 名前: すみ&にえ
- 参照: http://park8.wakwak.com/~w22/
- >アラビーさん
厳しい読み方をなさってますね。でも、たしかにそうですよね、「光に囲まれているために闇に憧れる」ようにして、ルウを見てしまう。ドンのような人以上に、私たちが阻害する側なのかもしれません。そのままでいてほしいって、ものすごく傲慢な願いですねえ。ルウは前ルウの時から、つねに成長を意識していたのに。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.5 ) |
- 日時: 2004/12/12 07:57
- 名前: アラビー
- お返事ありがとうございます。
あと、僕はみながルウを一種の偶像とするという見方から、マッカラーズの「心は〜」のシンガー少しを思い浮かべました。いかがですか?ニヒルな見方かもしれません。トムはきっと優しい人なのだろうし、ドンのようなあり方があっていいわけないですもんね。 他に思い浮かべたのはやはり、ドストエフスキーの「白痴」、ハシェクの「兵士シュベイクの冒険」でした。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.6 ) |
- 日時: 2004/12/13 00:10
- 名前: すみ&にえ
- 参照: http://park8.wakwak.com/~w22/
- あ! ご指摘があるまで気づきませんでしたが、たしかに「心は孤独な狩人」のシンガーに少し通じるところがありますよね。シンガーのまわりの人たちは、もっと悪気もなく、そのつもりもなくシンガーを利用していたようなところがあったけど、でも、ルウに感じるノスタルジアは種類が違っても、どこかこちらから一方的な、という共通項があるような。
ドンのような考え方をする人、たしかにいるんでしょうね。自分を棚に上げて、おまえらだけ保護されてズルイ、みたいな。そういえば、ネット上でドンのようなタイプをよく見かけるような。ネットをはじめて一番驚いたのは、そのへんなんですけどね。ふだんは口に出さないけど、内心ではそういう考えを持ってた人が多いってことかな。みんな自分がかわいいんですもんね。アラ、話がどんどん逸れていってしまった(^^;)(^_^;) ハシェクの『兵士シュベイクの冒険』はまだ読んでいないんですよ。いずれ読むつもりではいるんですが。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.7 ) |
- 日時: 2004/12/15 23:42
- 名前: アラビー
- あ〜そうですか。僕はあまりネットに詳しくないのですが、すみ&にえさんにもそんなご苦労が…でもこのページは僕の生活の楽しみの一つなので頑張って下さい。頑張ってという言葉は嫌いですが。全く書き込みがずれてしまいました。すみません。
ドンのルウに対する怒りには、確かにマージョリを初めとする周りの人々のルウに対する憧憬と同じような、ルウのイノセンスに対する嫉妬があったはずです。そこに特別にマージョリに対しての嫉妬心が重なって犯罪へと導いたわけですが、僕もおそらく彼の近くにいれば彼に嫉妬したと思います。自閉症の人は、あらゆるパターン認識が得意であると作品に書いてありました。僕はルウがほんとうにあれだけノーマルの中に溶け込めたのだろうか?ということを考えていて、実際にそばに作品の情報からだけで自分が作り出した自閉症の友人を作り出してみたのですが、自分が彼にパターンに分解されれば僕はそれを認めたくないと思うと感じました。『存在と無』ではないですが、僕は多分彼の分析の間質に自分の存在があると、彼の分析から逃げるでしょう。ドンにもそんな恐怖心があったのかもしれません…ちょっとズレてますでしょうか。 『心は孤独な狩人 the heart is a lonely hunter』が100票獲得したとのことで、ほんとうに嬉しいです。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.8 ) |
- 日時: 2004/12/18 01:11
- 名前: すみ&にえ
- 参照: http://park8.wakwak.com/~w22/
- あ、ここでは楽しくやってますので、ご安心を♪
あ〜、たしかにそうですね、決めつけられるのって誰しもがいやですもんね。でも、自閉症の人だとそれをやるのが当たり前だし、パターンがキッチリ決まっていたほうが気持ちよいのだろうし・・・ちょっと違うだけのようでも、実際に接して、一緒に暮らすとなると難しいのかもしれませんね。自分と似た人だけと暮らしたいなんて、ものすごく狭量で、そういうふうにはなりたくないなと思いつつ、実際には。う〜ん、考えれば考えるほど難しいですねえ。 『心は孤独な狩人』はホントに嬉しいですよね。復刊されると良いですよね〜♪
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.9 ) |
- 日時: 2005/03/04 11:37
- 名前: サーチ
- 参照: http://opusone.cocolog-nifty.com/sachi
- 結末最後の方によれよれのルウが出てくるじゃないですか、これを読んだ時思わず涙が出てくるほど動揺しました。このままルウという素晴らしい存在がなくなってしまうのかって。そして、結局ノーマルな人間はルウたちのような存在を苦しめるだけなんだろうかと考え、ノーマルって一体なんだろうかともいました。そしてルウは多大なる犠牲をはらいつまり、昔の素敵な仲間を忘れてフェシングを忘れてしまうわけですよね。でも、最後でノーマルなルウが出て来た時は嬉しかったんですけど、前のルウが好きな私にはちょっと割り切れない想いも残りました。久しぶりにいろいろ考えさせられる本に出会った気がします。
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Re: <ネタバレ>エリザベス・ムーン「くらやみの速さは〜」 ( No.10 ) |
- 日時: 2005/03/06 22:40
- 名前: すみ&にえ
- 参照: http://park8.wakwak.com/~w22/
- ホントにそうですよね。私たちが違っていたら、ルウは別に自分が嫌いだったわけじゃないし、ノーマルになろうと思わなかったでしょうにね。今の世の中ではノーマルじゃないと生きづらい、それがわかっても、それをどう変えていけばいいのかと考えると、簡単に考えていたけれど、とっても難しい。問題が尽きないですよね。でも、なにかもうちょっと変わりたいですよね・・・。
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