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デイヴィッド・ミッチェル「ナンバー9ドリーム」
日時: 2007/03/21 03:17
名前: 木蓮

私が特に印象に残った箇所は、「人は自分の人生(物語)を生きる事に必死で、
その中で他人の役割を勝手に設定している。
相手なら、どんな物語を描くか想像してみたことある?」(大意ですが)の件です。凄く深い、心に残るフレーズだと思いました。
山羊作家話も、回天特攻隊員の話も、欲しい物や
目標に対する自己犠牲について問われているんですよね?
幼かった詠爾の、有名サッカー選手になれれば、父にも逢えて、
家族で幸せに暮らせるという、勝手で愚かな空想。
その結果、最も大切な安寿を失って、願を掛けた雷神の首を切ってしまったり、
森を彷徨ったりしたのは、そうでもしないと心のバランスが取れなかったんだろうな〜、と。
(器物損壊ははっきり犯罪で、いけないことですが・・・ましてや神様ですし)
色々と胸に刺さるシーンが多い中、電話で話してる時に、
ポロッと愛に告白しちゃう詠爾が、微笑ましくてホッコリしてしまいました。
(だからこそ、ラストの衝撃が生きるんですね)
結果はどうあれ、目標に辿り着いた後も、人生は続く。
ラスト近くの詠爾を含めた様々な人の夢の話は、
無意識下の自分の本質と向き合おうとする姿の様で、興味深かったです。
後、私の泣きツボを刺激されたのは、回天話で大伯父昴と同郷の乗組員が、
立場の違いもあってよそよそしい態度でいたのが、
いざ昴が出撃する時、故郷の長崎弁で「忘れんけんね」と言うシーン。
今、思い出しながら書いても、涙が溢れてきました(;_;)
メンテ

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Re: デイヴィッド・ミッチェル「ナンバー9ドリーム」 ( No.1 )
日時: 2007/03/25 00:48
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

木蓮さん、スレ立てありがとうございます。

ラストの関東大震災(って言い方で良いのかな)は驚きましたよね。これも夢であってほしいと願いながらページをめくった最終章での空白ページ。夢でした、みんな無事でした、と書きたいところですが、なんだかそれを素直に書けない自分がいたり…。
最初はどうなることかと思いましたが、読後にはいい余韻が残りましたよね〜。
メンテ
Re: デイヴィッド・ミッチェル「 ( No.2 )
日時: 2007/03/25 03:17
名前: 木蓮

すみにえさん、レスありがとうございます。
スレタイの修正も、お手数お掛けしてすみませんでしたm(__)m
ラストの大震災、夢であって欲しいけど、「阪神大震災より大規模な」
という記述があった筈なので、もし現実なら「第二次関東大震災」等と言われるんでしょうかね?
(私達の生きてるこの現実世界では、絶対に絶対に起きて欲しくはないですが。
一応、それ程の被害は無かったものの、阪神大震災を経験してる身としては尚更)
でも、ラストの外へ飛び出していく詠爾の姿には、
いつになく力強さを感じましたね。
昔安寿を助けられなかった分、今度は愛を助けて欲しい、と思ってしまいました。
(ロマンチスト過ぎますかね?笑)
後、詠爾の部屋に居つく猫、何となく安寿の生まれ変わりの様な気がしました。
本当に何となく、なんですが^^;
とりとめの無いおしゃべりになってしまい、ごめんなさいm(__)m
メンテ

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