このスレッドはロックされています。記事の閲覧のみとなります。
トップページ > 記事閲覧
ルイ=フェルディナン・セリーヌ
日時: 2003/05/16 20:31
名前:
参照: http://yonosk.tripod.co.jp

その作品はともかくこの人物を挙げるべきかどうかは迷うところなのですけど、迷っているくらいならとりあえず挙げてご意見を伺おうという次第です。セリーヌ(1894-1961)はフランスの作家で第一次大戦に従軍して負傷、復員後は医師として歩む傍ら創作に取り組み、第一作『世の果ての旅』で絶賛と悪罵を浴びるに至りました。続く『なしくずしの死』ではさらに露悪的な虚構的半自伝を展開し、若い世代からは寵児扱いされます。彼は1930年代後半から反ユダヤ主義に傾斜、無政府主義からドイツ占領下では対独協力者と変節を繰り返し、解放後は追求をおそれてフランスを脱走、崩壊間際のドイツからデンマークへと逃れます。うーむ、もしかしたらこの人の作品もさることながら、その生涯を追った小説があれば面白いかも。それはさておき「呪われた作家」とのレッテルがつきまとうセリーヌの代表作『夜の果ての旅』を。
メンテ

Page: 1 |

Re: ルイ=フェルディナン・セリーヌ ( No.1 )
日時: 2003/05/25 00:55
名前: こつつぼ

『夜の果ての旅』はタイトルがいいですよね。ちょっとコワさがあって、特に若者にとっては惹かれるものがあるんじゃないでしょうか。
私がこの小説を読んだのは何年か前ですが、もはや内容はあまり記憶に残ってません。
何やら登場人物たちによる最低な生きざま競争の様なものが繰り広げられていた覚えだけがあります。
とてつもない小説らしいと心して読んだ割には大した事無いなとも思いましたね。怖いもの知らずだったので(笑)。
これなら他の作品は読まなくてもいいなみたいな…。ホッとしてたりして(笑)。
『なしくずしの死』は去年文庫に入ったのを読みました。
これは、日本語ではタイトルの意味が伝わりにくいと思います。厳密には『支払いを猶予された死』って感じでしょうか。
意外と言うか、次々に色んな事が起きて、お話し的にもめっぽう面白い小説ですね。
解説には、この小説には「絶望的な人間不信」とか「世界に向かっての呪詛」があると書いてありましたが、
そういう大それた表現から受ける印象とは違って、色々あるけど結局はパセティックな青春小説と私には思えました。
喧伝される卑俗語を使っての文体破壊とか、大っぴらな体液やら排泄物やらのぶちまけぶりとかは
小説の中で生じる出来事をムリヤリ誇張しようとしている感じがします。作意が見えるんですよね(笑)。
主人公のフェルディナン少年も強烈なルサンチマンの持ち主というわけではないので、ヤな感じはしません。
彼が大人たちを見る目は健康的ですらあります。…好感の持てるセリーヌ(笑)。ほんとかなあ。
メンテ
Re: ルイ=フェルディナン・セリーヌ ( No.2 )
日時: 2003/08/15 04:36
名前: きゅー  <hisaokanesh@hotmail.com>
参照: http://www.geocities.jp/s_kanesh/main.html

ルイ・フェルディナン・セリーヌ・・・
ある種の人には分かる威圧感がありませんか?
彼の全集は黒い表紙に天、地、小口までもが黒一色。手に馴染む少し厚めの紙の中には毒々しい文章が詰められている・・・
青春というものの暗さを端的に表現するような彼の小説には力があると思います。
私は『夜の果てへの旅』と『なしくずしの死』しか読んでいませんが、それでも彼のスタンスというものは理解されます。怒りと苛立ち、それに不安とでも言うのでしょうか?
P・ガスカールの『種子』に似たものがありませんか?
どちらにしても青春時代を過ぎた私には佳き思い出ですが。。。
メンテ
Re: ルイ=フェルディナン・セリーヌ ( No.3 )
日時: 2003/12/20 02:36
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

2003年12月20日、長く絶版だった『夜の果ての旅』が上下巻で、中央公論新社から文庫が出ましたね。しかも改訳だそうで。買いたかった方はチャンスですっ。
良い機会だから私たちも、と思いましたが、なんだか最近、暗いものには手が、ちょっと・・・。暗い小説しか読みたくなかった高校生ぐらいの時に読んでおけば良かったかしらん。
メンテ
Re: ルイ=フェルディナン・セリーヌ ( No.4 )
日時: 2005/12/19 10:38
名前: 軽王子

日本語翻訳でもシンタックスの間断なく容赦の無い乱れ様は頭をクラクラさせるテクストのドラッグ。
メンテ

Page: 1 |