アガサ・クリスティー |
- 日時: 2003/05/08 21:31
- 名前: グラニット
<wheelie@gf7.so-net.ne.jp>
- 「ミステリの女王」として今なお不動の評価を誇るアガサ・クリスティー(1890-1976)は、本名をアガサ・メリー・クラッサといって、イングランドのトーキイに生まれた。看護婦をしていたが、「女には推理小説は書けない」という姉の言葉に発奮し、30歳のときに『スタイルズ荘の怪事件』を発表、以後85歳で死亡するまで、70冊以上の長編、150以上の短編を執筆。ミステリ史に多大な影響を与えた。
クリスティーの著作は世界中で翻訳され、総部数は20億冊以上、なお年に300万冊は増刷されているという。平易で上品な文章、騙しのうまさ、作品の平均レベルの高さなどが、人種、国境、年代を越えて親しまれる理由だろう。 ただし彼女の作品は、人物造形が類型的だという批判もある。これが量産を可能にした秘訣なのだろうが、文学として見た場合には致命傷になりかねない。 『アクロイド殺人事件』『オリエント急行の殺人』『そして誰もいなくなった』『ABC殺人事件』など、傑作・秀作は数多いが、ここでは『そして誰もいなくなった』を推しておこう。この特異なスタイルは、ミステリの枠を越えた普遍性を持っていると思うし、ミス・マープルとエルキュール・ポワロ、どっちに票を入れるか迷わなくてすむからである(笑)。
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