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呉承恩
日時: 2003/05/08 21:24
名前:
参照: http://yonosk.tripod.co.jp

この著者名タイトルで思い浮かばなかった方も『西遊記』をご存じない方はまずおられないと思われます。通俗小説であり講談であり文学としては邪道とのご批判もございましょうが、「平家物語」も語り物にしてあの美しさ、文字が特権階級のものだった時代から、人々は夢を求めていたのでした。
 この書は元祖RPGファンタジー、指輪を捨てに行く旅ではなく聖典に触れようとする旅、その肉はおいしくて食べれば長命間違いなしの高僧と、身命を賭して彼を守らんとする異形の者ども。カニバリズムやエロチシズムも深読みできるというお買い得作品です。
 なお呉承恩(?〜1582)は明代の文人らしいが、彼がこの書を編纂したという証拠もないのが全集収録としてはややつらいところかも。
メンテ

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Re: 呉承恩 ( No.1 )
日時: 2003/05/11 04:04
名前: すみ&にえ
参照: http://www.aw.wakwak.com/~w22/

邱永漢さんが、糸井重里さんのほぼ日刊イトイ新聞のなかで、「原本はとても退屈で、しかもくりかえしが多く、とても最後まで読み通せるような代物ではないのです。たまたま私は子供の時から日本語と中国語の双方に親しんできたので、何とか最後まで通読できましたが、それでも途中で何度投げ出そうと思ったかわかりません。」と書いてらっしゃるのを拝見しました。
http://www.1101.com/Q-archive/2000-10-15.html

いや、それにしたってやっぱりその後、書き直されてるにしても愛され続けてるのだから、やっぱり名作だと思いますよ。ただ、せっかく発見したから書いてみました(笑)
メンテ
Re: 呉承恩 ( No.2 )
日時: 2003/05/11 21:01
名前:
参照: http://yonosk.tripod.co.jp

日本で「西遊記」がここまで愛されたのは、やはり「ニホンザル」と「カッパ」のイメージでしょうね。中国のお猿はニホンザルみたいにヒトと共存したりしないし、むしろ害獣だったり「悲しい」というイメージがありそう。それにカッパは日本の妖怪ですから沙悟浄は当然頭に皿を乗せたりしていません。
 中国の本来巻は仏教臭を強めるためか導入部の冗長部分が多く、また例によって詩詞のやりとりとかえんえんとやってるらしいですねー。清代には庶民むけに「西遊真詮」というダイジェストも作られたようです。こうした考察は中野美代子氏『孫悟空はサルかな?』『西遊記―トリックワールド探訪』といったところに詳しいので、ご興味のある方はご参照ください。また本邦に与えた影響としては、夏目雅子の三蔵法師はともかくとして、中島敦『悟浄歎異』という傑作を生み出したことは特筆すべきでしょう。
メンテ

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