ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ |
- 日時: 2005/08/07 02:55
- 名前: I.D.K
- ジョゼフ・シェリダン・レ・ファニュ(1814〜1873)
19世紀アイルランドの作家。作品のほとんどが短編怪奇小説か長編スリラーです。当時は長編スリラーが受けて「アイルランドのコリンズ」と呼ばれたりしたようですが、没後完全に忘れ去られたのち、再び脚光を浴びたのが怪奇作家M.R.ジェイムズの編んだ怪奇短編集だったせいか、今では怪奇作家というイメージが強いです。 代表作は「緑茶」「吸血鬼カーミラ」「手の幽霊」などの怪奇アンソロジーの定番短編、『アンクル・サイラス』『ワイルダーの手』『墓地に建つ館』の三大長編とするのが一般的です。 テーマやプロット以前に、行間にといいますか、ジャンルにふさわしからぬ(?)上品さが漂っているのが、どの作品にも共通する特徴です。だからなのか、ディケンズ、ヘンリー・ジェイムズ、ジェイムズ・ジョイスなどの作家から評価・愛好されました。ブロンテ姉妹に影響を与えたという分析もあるようです。 名作全集に入れたい作品は『墓地に建つ館』です。深みこそないものの、質・量ともに文学全集の一角を占めるに不足はないと思います。 (『アンクル〜』と『ワイルダー〜』が未読なので長編はこれしか挙げられないというのが実際のところなのですが、とりあえずレ・ファニュを入れたいということで)
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