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イエーンス・ペーター・ヤコブセン
日時: 2005/06/04 20:47
名前: SIGERU   <sigerusan@hotmail.com>

イエーンス・ペーター・ヤコブセン(1847-1885)夭折したデンマークの作家です。
推薦理由は、北欧作家を推薦したいと思ったのが一つ。今のところは、ハムスンとディネーセンとアンデルセンが既出ですね。イプセンやストリンドベリは入ってない。
いま一つは、好きなリルケが「若き詩人への手紙」で彼を激賞していること。ヤコブセンを知るきっかけになったのも、リルケと三島由紀夫の文章でした。
代表作は「ニイルス・リイネ(死と愛)」「マリイ・グルッベ夫人」「モーンス」などですが、世界文学の中でもひそかなマイベストの一つである「ニイルス・リイネ」を推薦します。従姉の死を直接のきっかけに無神論者となった主人公の、神との苦しい格闘を初めとする精神と愛の遍歴。ことに、息のつまるような結末は、いまだに忘れられません。
私の拙い推薦文より、リルケの美しい文章を、ちょっと長くなりますが引用させていただきます。
「私の書物全部のうちでも、なくてならないものは少数しかありません。……いつも私の持物の中にあるのはただ二つ、すなわち聖書と、デンマークの偉大な詩人ヤコブセンの書物とです」
「今度はニイルス・リイネが、この壮麗にして深い本が、あなたの前に開かれるでしょう。……ここには人生の最もかすかな匂いから、その最も重みある果実の充実した大きな味にいたるまで、すべてが盛られているように思われます。」
メンテ

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Re: イエーンス・ペーター・ヤコブセン ( No.1 )
日時: 2005/06/29 14:25
名前: むじな

 「ニイルス・リイネ」を読みましたよ。
 死を、仏教では、もともと生は無であったとして受け入れようとし、キリスト教では、死によって何も失われないと納得させようとします。魂は永遠に生き続け、肉体も復活するのだと。
 「無神論者」は、この中間を揺れ動きます。神は存在しないと考えながら、神が存在すると信じさせられていた幼年時代を懐かしみます。西欧のキリスト教徒の近代精神の揺れ動きを描いています。
 今は、当時より医学も発達しているので、リイネの時代より、無神論の方に振れているようです。
 また、魂が壊れやすいと書いている点で、宮沢賢治などを思い起こさせました。
メンテ
Re: イエーンス・ペーター・ヤコブセン ( No.2 )
日時: 2005/06/29 22:36
名前: SIGERU  <sigerusan@hotmail.com>

むじなさん、はじめまして。
「ニイルス・リイネ」をお読みになったとのこと、紹介した立場として嬉しい限りです♪
文面から察すると、無神論に興味がおありなんでしょうか。
現代の医学をもってすれば、エーデレや幼な妻ゲルダや子供は、あるいは救えた命なのかもしれないという気はします。その場合、ニイルスの無神論はどうなるのか。なかなか興味深いところですね。
魂の問題に触れた宮澤賢治の文章――。いま、記憶をめぐらせているところです。
あと、むじなさんが紹介する古典名作があれば読んでみたいと思ったのですが……残念ながら未登場かな?
メンテ
Re: イエーンス・ペーター・ヤコブセン ( No.3 )
日時: 2005/06/30 22:08
名前: むじな

 SIGERUさん、はじめまして。
 宮沢賢治のは、「春と修羅」の「小岩井農場」パート9に、(幻想が向ふから迫ってくるときは
もうにんげんの壊れるときだ)その少し後に、(じぶんとそれからたったもひとつのたましひと)とあって、自分=ひとつのたましい=壊れる人間と、私は連結して考えたようです。他に別の記述も、あるかも知れませんが。
 「無神論」は、「カラマーゾフの兄弟」のテーマでもありますね。結構、トレンディ?なテーマかもです。アメリカのネオコンは、ユダヤ教徒で、ブッシュさんも善悪二元論だし、靖国神社だなんだと騒いでるし。

 まだ、推薦はしてません。トマス・モア、プーシキン、ラブレー、ユゴー、メリメに、コメントしましたが。本は、たくさんあって、なかなか読みきれないので、書評なんかを参考にするときもあります。SIGERUさんのも、参考になりましたよ。ありがとうございます。
メンテ

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