アレッサンドロ・マンゾーニ |
- 日時: 2004/03/02 11:47
- 名前: ベック
- アレッサンドロ・マンゾーニ(1785〜1873)ミラノに生まれる。両親は有名な哲学者の娘であった母ジュリアと伯爵ピエトロ・マンゾーニ。数々の詩や戯曲を発表していますが、小説は「いいなづけ」(1827年初版)のみです。
晩年は終身上院議員に任命され、彼が亡くなった時その死を悼んでヴェルディが作曲したのが「レクイエム」だそうです。 「いいなづけ」は本国では「神曲」と並ぶ知名度で、現在でも高校の授業に必ず出てくるそうで、そういった意味ではイタリアでもっとも有名でありもっとも悪評高い小説でもあるそうな。授業で強制的に読まされるのって嫌ですもんね。でも授業で必須となっているということは、それだけ文学的評価が高いということでもあります。で、話の方はといいますと、恋する二人が運命に弄ばれてあらゆる苦難を乗り越えゴールインするまでを描いた大河ロマンです。歴史小説としての側面もあり、当時の世相、風俗が丹念に描かれてるのも魅力です。また、様々な登場人物がでてきますが、特に脇役が魅力的でみな生き生きと描かれており、そこには人間の縮図ができあがっています。全体的にキリスト教、それもカトリックの信念が漂っていて、勧善懲悪で型にはまってしまっているというきらいはありますが、それを良しとするか否とするかは読み手の取り方次第でしょう。 とにもかくにも物語は豊穣で、当時のイタリアの風光明媚な情景描写、機智に飛んだ的確な性格描写等とあいまってその世界にたっぷり浸って満足できます。
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