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ハンス・カロッサ
日時: 2003/08/03 02:15
名前: Katze

ハンス・カロッサ Hans Carossa 1878-1956
Th.シュトルムはすでにモグラさんがあげてしまいましたので、僕はカロッサをあげます。カロッサは南ドイツ・バイエルンのテルツに生まれ、医学を学び、医師となりました。一次大戦では、軍医として従軍もしています。小説といえるものは12編で、その多くが自伝的内容をもち、身の回りのことを書いたものであるのですが、まさに狭い世界を見つめる事により、どれもが大きな視野をえて普遍的なるものを獲得している作品ばかりです。
この12編のなかで特に選ぶとすれば、どれもがよく、『幼年時代』、『医師ビュルガーの運命』なども捨てがたいし、迷いますが『指導と信徒』を選びます。この邦訳名ですと宗教書のようにも思われてしまうかもしれませんが、決してそうではありません。とても静謐な、静かに考えさせられる作品です。
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Re: ハンス・カロッサ ( No.1 )
日時: 2003/08/03 21:10
名前: すみ&にえ
参照: http://www.aw.wakwak.com/~w22/

カロッサは恥ずかしながら読んだことないのですが、もちろん、お名前は存じておりました。私たちはずっと、この方の代表作は『ルーマニア日記』だと思っていたんですが、そんなことはないんでしょうか?
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Re: ハンス・カロッサ ( No.2 )
日時: 2003/08/05 02:24
名前: もぐら  <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

『ルーマニア日記』は、確かに彼の代表作ですよね。カロッサ、と聞いて僕が最初にピンと来るのは『美しき惑いの年』かな。
Katzeさんの挙げている『指導と信徒』は、読んだことがないので、なんとも言えません。
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Re: ハンス・カロッサ ( No.3 )
日時: 2003/08/06 00:42
名前: Katze

確かに『ルーマニア日記』は素晴らしい作品で、カロッサの代表作と申して過言ではないでしょう。事実、僕が最初に読んだのが、これでした。それから次々と読んで行く事になったのです。戦場にあっても声高にさけぶでなく、非常に静かに描いていました。詩なのですが、『ドブロウラニ-の一少女』とあわせて読みますと、感動ひとしおです。
また『美しき惑いの年』も何度も読み返した作品です。いわゆる青春時代を描いた小説でなく、僕ら自身の体験のようにも読めますね。
前にあげました、『ドクトル・ビュルゲルの運命』も読み返したくなる作品です。
現在のような時代にこそ、多くの人に読んでもらいたい作品ばかりですが、今カロッサは忘れられてしまっているようで、残念です。
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Re: ハンス・カロッサ ( No.4 )
日時: 2003/08/06 02:25
名前: もぐら  <maulwurf@valley.ne.jp>
参照: http://www.valley.ne.jp/~maulwurf/

そう、カロッサに限らず、こういう時代だからこそ読んでもらいたいもの、って結構忘れ去られていたりしますよね。
おっと、これは控え室の話題ですね。
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Re: ハンス・カロッサ ( No.5 )
日時: 2003/08/12 00:42
名前: Katze

カロッサの作品に描かれているのは、どれも気取ったり、わざとらしい芝居のような思わせぶりも、派手な恋愛騒動も、刺激的な事件もありません。面白おかしい出来事も僕たち自身が体験したり、するようなものばかりです。カロッサを読むと心が落ち着き、ホッとします。
でも、それだからこそ読まれなくなってしまったのかもしれませんね。戦後時代は大変な人気だったのだけどな。
メンテ

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