ブルーノ・シュルツ |
- 日時: 2005/02/23 20:23
- 名前: 坤
- 参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp/rv05/synamon.htm
- ブルーノ・シュルツは、1892年ポーランドの辺境、現ウクライナ領のドロホビチという小さな市に生まれ、1942年ユダヤ人であるというだけの廉により、ドロホビチの路上において占領者ナチス・ゲシュタポの銃弾に斃れました。その埋葬場所さえ現在では不明となっております。
美術教師として生活の糧を得つつ、小説家としての成功を求めた彼が生前に残した作品のほとんどは、連作短編集『肉桂色の店』と『砂時計(クレプスィドラ・サナトリウム』の二集に収録されています。 その作品は、反物商人であった父と溢れんばかりの服地が積まれた店の記憶、田舎の記憶、ドロホビチの記憶が時間空間を越えて分離再構成されたような、軽やかながら現実を拒否する幻想に満ちあふれています。小説と言うより「詩」に近いとも評されますが、決して高踏的ではなくしかもキッチュや虚仮威しに流れず、東洋のわれわれにとっても、どこか懐かしささえ感じる世界と言えます。 きわめて残念なのは、この全集本が高価でまた入手困難なこと。上記小説作品2集だけでも、文庫化されることを願ってやみません。
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