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2004年・Hiroの年間ベストほんやく本
日時: 2005/01/08 10:08
名前: Hiro

1.『冬の犬』 アリステア・マクラウド 
   昨年読んだ『灰色の輝ける贈り物』に続き、これまた素敵な贈り物でした。
   厳しい自然の中で生きる島の人々の骨太な生き方が重く美しく迫り、生きるということはこんなに凄いことなのだなあと感じさせられます。

2.『ミドルセックス』 ジェフリー・ユージェニデス
   アメリカに渡ったギリシャ系の一族の壮大な叙事詩。
   神話に出てきそうな奇抜な題材を扱っていながらそれを強調しない語り口が、この物語をより印象的なものにしていますね。
   これも1位が似合う作品なので、まだこの順位でいいのだろうかと迷っております。(^^; 
  
3.『その名にちなんで』 ジュンパ・ラヒリ
   『停電の夜に』を読んだ時は、その短編作家としての才能に驚いたのですが、こんな長編も書けてしまうというのがスゴい!
   淡々とした文体ですが、しっかり心を掴まれました。
  
4.『ヨットクラブ』 デイヴィッド・イーリイ 
   人間の心の奥に潜んでいる魔を捉えた知的なホラーの作品群。
   こういう「奇妙な味」タイプの短編って好きなんですよ。
  
5.『エバ・ルーナのお話』 イサベル・アジェンデ
   エバ・ルーナの口から紡ぎだされるお話の数々、どれも素晴らしく魅力的。
   イザベル・アジャンデは、まさに現代のシェヘラザードです。

6.『アンジェラの灰』 フランク・マコート
   生活費を全て酒に変えてしまう飲んだくれの父親、貧困の中で次々と死んでいく妹と弟たち・・
   とても惨めでせつないお話のはずなのに、何故か口元が緩んでしまうユーモラスで生き生きとした文体です。
   極貧の環境を素直に受け止め、たくましく生きていく子供たちとそれを取り巻く人々の暖かさが心に響きました。

7.『魔女は夜ささやく』 ロバート・マキャモン
   息をつぐ暇のないストーリー展開に一気読みしました。
   当時の風習もよく研究されているし、個性的な人々がいっぱい出てくるし、最高級のエンタメです。

8.『ゲド戦記外伝』 アーシュラ・K・ル=グウィン
   私にとって思い入れの強い『ゲド戦記』シリーズもこれで終わりです。
   これを読んだ後、アースシーの世界から離れがたくなって、シリーズ全巻をもう一度読み返しました。
   最後に『ゲド戦記』シリーズを書いてくれた西の善き魔女ル=グウィンに感謝♪

9.『頭蓋骨のマントラ』 エリオット・パティ スン
   政府の弾圧の中で信仰を守り続ける人々の姿が清清しい。
   読む前はアメリカ人の書いたアジアというところに抵抗があったのですが、杞憂に終わりました。
   正義感の強い主人公もこの物語にふさわしく、続編にも期待しています。

10.『シェル・シーカーズ』 ロザムンド・ピルチャー 
   強い意志を持って自分の人生を歩んでいくヒロインの姿が魅力的。
   ペネロピという一人の女性の人物像を長所も欠点もじっくり描いてあって、同性として共感するところが多かったです。

☆本当はどこかに入れたかった作品
  『薔薇の名前』 ウンベルト・エーコ    
  『リヴァイアサン』 ポール・オースター  
メンテ

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Re: 2004年・Hiroの年間ベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2005/01/07 00:16
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

Hiroさん、ご参加ありがとうございます♪
そうなんですよね、『ミドルセックス』は2位以下にしづらい本ですよね。でも、アリステア・マクラウドは特別な方ですから〜っ。翻訳が予定されている長編も楽しみですよね。個人×2的には、10位の『シェル・シーカーズ』が嬉しいです。ペネロピは忘れがたい女性ですよね〜。
メンテ
Re: 2004年・Hiroの年間ベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2005/01/08 21:56
名前: 海ねこ

Hiroさんとはなんとなく読書傾向が似ていますわね?10作中既読が8作、残り2作のうち一作は今手元にあって近いうち読む予定です〜 これからも本を選ぶ時の参考にさせてくださいね♪
メンテ
Re: 2004年・Hiroの年間ベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2005/01/12 21:20
名前: Hiro

>すみ&にえさん
『シェル・シーカーズ』のように、自分の意思を強く持ってかつ魅力的なヒロインの人生を描いた物語というのは、ありそうでないですよね。
ペネロピの人生は波乱万丈というほどでもないのだけど、その時々の彼女の思いが丁寧に描かれていて共感できるところも多く、よかったです。
これは、女性にはおススメできますね。

>海ねこさん
うわっ、そんなにかぶってますか!?でも実際のところ、ほとんど私の方が遅れて読んでるんですよ。(笑) 
こちらこそ、海ねこさんのベスト本を参考にさせていただきますね♪
メンテ
Re: 2004年・Hiroの年間ベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2005/01/12 22:00
名前:

わっ『アンジェラの灰』がランクイン!嬉しいなあ、これ大好き。私は2度半ほど(笑)読んだのですが、読めば読むほど愛着が湧く、宝物のような本です。
そうか〜、Hiroさんは海ねこさんとも好みかぶってますか。そういえばおふたりとも、私が手を出さないSFもお好きなんですよね。
メンテ

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