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2004年上半期・mopsaのベストほんやく本
日時: 2004/07/09 11:55
名前: mopsa
参照: http://granola.jfast1.net/

夢中になれた本は多かったのですが、後日、印象が薄れてしまっているケースも…。今でも記憶にしっかり刻まれていて、「この本との出会いや、読んだ時の感情はなかなか忘れないだろうな〜」と思っているものを集めてみました。

1位:『贖罪』イアン・マキューアン 新潮社
さすが格調高いなーという感じですかね。少女ブライオニーの罪と、その波紋。ストーリーを思い出すと、未熟・幼稚ということへの残酷なまでの指弾ぶりや、二度と取り返しがつかないんだという絶望的な無力感がまざまざと甦ってきて、いまだに重苦しい気分になってしまいます。

2位:『フォー・レターズ・オブ・ラブ』ニール・ウィリアムズ アーティストハウス
滑り込み入賞。ストーリーも語彙もごくシンプルながら、ぐぐっと引き付けられてしまう印象的なフレーズ多々あり。登場人物たちの真率さ、純粋さに震えましたね。幽霊や神の顕現の場面で、殊勝にも涙がでそうになりました。

3位:『冬の犬』アリステア・マクラウド 新潮社
前作『灰色の輝ける贈り物』時のインパクトには及ばぬものの、端整で情濃やかな作風は堅調でした。語るべきテーマとモチーフをシッカリと持っている得難い作者さんだと思います。2位『フォー…』の感動も、本書のイメージが下地となって増幅した部分もありますね。

4位:『シャッター・アイランド』デニス・ルヘイン 早川書房
ミステリだと思って読んでいたらば、知らないうちに、ありうべき展開からずるずる横滑りしていた…。人間の悲しみ許容量は多くないんですね。暗澹としていながら、カラリと明るい結末。やりきれなくて、しばらく落ち込みました。

5位:『ラストオーダー』グレアム・スウィフト 中央公論社
集中的に読んだスウィフトのなかから。庶民の人生の哀歓を大事に掬い上げてくれました。個性的な登場人物たちの活気あるかけあいが楽しいけれど、軽妙さのかげにシリアスでウェットな部分もじんわりと。

「面白い・ワクワク」本より、「悲しい・苦しい」本のほうが尾を引くようです…。
メンテ

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Re: 2004年上半期・mopsaのベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2004/07/09 21:55
名前:

おっ、『フォー・レターズ・オブ・ラブ』は『冬の犬』を超えちゃいましたか震えましたかっ、それはたいへん私も早く読まなくちゃ(笑)。
それにしてもルヘインがこれほどmopsaさんの心の琴線に響くとはちょっと意外でもありましたが、私も暗い暗いルヘインのノンシリーズは好きなので、なんだか嬉しいな♪
「悲しい・苦しい」本のほうが尾を引く……はげしく同感です(笑)
メンテ
Re: 2004年上半期・mopsaのベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2004/07/10 02:04
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

mopsaさん、ご参加ありがとうございます。
おお、『贖罪』が1位ですか。これはホントにあと引くというか、名作の域でしたよね。
それにしても、雫さんと同じくですが、『フォー・レターズ・オブ・ラブ』が2位ですか。ほんと、早く読まねば、と焦りますね(笑)
メンテ
Re: 2004年上半期・mopsaのベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2004/07/10 09:32
名前: mopsa
参照: http://granola.jfast1.net/

うぁ、『フォー』是非読んでね!と言いたいところですが、もしかして一人で舞い上がっているだけかも?という一抹の不安が。再読してみたら案外…だったら恥ずかしいなあー。
>雫さん
ルヘイン、あの暗鬱さが良いんですが、続けられると飽きちゃうかも知れませんね。今はすっごく新鮮に思えるだけに。
>すみ&にえさん
感動本は多かれど、『贖罪』は一目置く存在ですね。『昏き目の暗殺者』と同系の、何気なく生きていることを不安に感じさせる本。戦場や病院の描写も迫力ありました。
メンテ
Re: 2004年上半期・mopsaのベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2004/07/22 00:42
名前: おはな
参照: http://www.geocities.jp/hanatosho

mopsaさんご無沙汰しております。お元気ですか。
1位が『贖罪』ですね。内容も厚さも堂々とした本でしたよね。私は先日マキューアンの『愛の続き』を読んで、この『贖罪』のすごさを再認識したところです。マクラウドは下半期に是非挑戦しようと思っています。これだけ絶賛感想ばかりというも珍しく、これは訳本界の快挙でしたもんね。
メンテ
Re: 2004年上半期・mopsaのベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2004/07/31 12:48
名前: mopsa
参照: http://granola.jfast1.net/

おはなさん、コメントありがとうございます!!気づくの遅くてスミマセン…。
『愛の続き』は、「ストーカー心理が興味深くて、料理してみたかったの〜」というマキューアンの声が聞こえてきそうな感じでした(失礼?)。コミカルな感じもありましたよね。『贖罪』は一変、前半はいかにもイギリス文学的な風流さもありながら、後半は迫力満点で、深い!重い!と圧倒されました。
マクラウドは間違いなくおススメです〜。気が向きましたら、似たような味わいもある『フォー・レターズ…』も読んでみて下さいね。
メンテ

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