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2004年上半期・坤のベストほんやく本
日時: 2004/07/02 22:30
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp

 今年は新刊以外の山脈本もできるだけ読もうとはしているのですが、ベストを取るとなぜか新刊・あるいは再版が中心となってしまったのでした。

◆1位◆ 『フリアとシナリオライター』 マリオ・バルガス=リョサ
 心から楽しめて、笑えて、泣けるという今時珍しい本です。ペドロ氏、まだ目の前でうろちょろしているぞ。

◆2位◆ 『ミドルセックス』 ジェフリー・ユージェニデス
 広がるだけ広がった世界が一点に向かって収束し、そしてふわりとふたたび広げられる。それは必然のようでもあり、テクニックのようでもあるけど、読んでいる最中はそんなことを考えている余裕もなく読みふけりました。

◆3位◆ 『ノーホエア・マン』 アレクサンダル・ヘモン
 新しい亡命者文学の誕生ともいえるでしょう。いずれ世界の難民たちはペンをとり、報告を始めるに違いない。美しくも悲しい物語はその先駆なのかもしれません。

◆4位◆ 『オババコアック』 ベルナルド・アチャーガ
 民族主義を表に出さず、幻想的にしてきわめて視覚的なお話でバスクを語ります。あの老人コンビ、今日もおかしくて哲学的な問答をやってるのだろうな。

◆5位◆ 『青白い炎』 ウラジーミル・ナボコフ
 ナボコフの作品はなんだか今年たくさん読んだような気もするのですが、ナンセンスぶりではこれがピカイチ。取っ付きにくさを装う意地悪も洗練されているような気がします。

◆5位◆ 『琥珀捕り』 キアラン・カーソン
小説あるいは詞華集あるいはペダントリーのタペストリーあるいはごった煮。しかしその語りに身を委ねることこそ読書の快感ですね。

【短編集から一つ】
『冬の犬』 アリステア・マクラウド
 この武骨な語り口、都会のスマートさを最初から眼中においていない自然そのものの迫力、やはり忘れがたいですね。

さっ、今年も残りは6ヶ月、どんな本が待っていることか。
メンテ

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Re: 2004年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2004/07/08 22:05
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

坤さん、ご参加ありがとうございます。
『フリアとシナリオライター』は良かったですよね〜。私たちも上半期に間に合っていたら、ベストに入れていたはずなんですが。あと、『オババコアック』はさんざん迷って外したんですが、私たちにとっても忘れがたい1冊となったことはたしかですね。バスク文学、もっと読みたいですねえ。今度はもっと本格古典的なものも。
メンテ
Re: 2004年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2004/07/10 01:09
名前: おはな
参照: http://www.geocities.jp/hanatosho

わ〜坤さん、ナボコフのあれ入れちゃったのですねー。いえ、もちろんナボファンの私はもう涙が出るほど嬉しいです。これからもナボはどんどん行商させて頂きますさかいに(笑)。
しかしこうして並べてみると立派な新刊が出揃った上半期、という感じがしますね。
メンテ
Re: 2004年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2004/07/10 20:40
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp

>すみさんにえさん
『オババコアック』はそれぞれの章が独立しているところで一貫性に欠けるきらいがあるものの、多角的に「バスク」を照射する構成のようにも思えてきたのでした。『ノーホエアマン』のボスニアもそうですが「ヨーロッパ」と一口で括れないところが深いですね。『フリア』が最後までつっぱしるかどうか、年末までには莫言さんの新刊が出るかということもあって目が離せませぬ。

>おはなさん
 あれっ、この時点ではまだおはなさんの前半ベストが出てないではありませんかー。ナボ氏以外にかぶるところがあるかどうかってとこなのに〜。いや、突っ込むのを待ちかまえてるってことはないってば。
『青白い炎』はもちろんおはなさんの行商緑パンの成果ですがな。『ベンドシニスター』の痛切も忘れられないけど、やはり『青白』はあの遊び感覚がいいですね。
メンテ
Re: 2004年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2004/07/19 11:57
名前: 海ねこ

あら?いつも猫かぶり状態の坤ズ・ベスト、今期はあまりかぶってませんわね。わたしは『ミドルセックス』、前半をすごく面白く読んだのに後半で乗り切れなかったし、『ノーホエア・マン』はもっとビートルズ・ソングが全編を流れるのかと期待し過ぎてたもんで..。(ビートルズ・ファンなの♪)
未読本の中で絶対読むと決めているのは『フリアと〜』『オババ〜』です。これは良さそうですねぇ!
メンテ
Re: 2004年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2004/07/23 21:17
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp

>海ねこさん、こんばんは。 
 6冊程度あげて2冊かぶっていればかなりの確率ですがなー。『ミドル…』は時代史と個人の逃亡記のギャップが気になられたのかな。わたくしはうまく融合したなーと感じたのですけど。『ノーホエア…』がビートルズ・ファンには不満というのはよーくわかりますね。時代を表す点景扱いではご不満でしょうともっ。でも彼らは当時を表現する、永久のキーワードには違いないですね。
メンテ

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