鳥子の2007年ベストほんやく本 |
- 日時: 2008/02/14 09:47
- 名前: 鳥子
- 参照: http://members3.jcom.home.ne.jp/torikoninarimasita/
- すみにえさん、はじめまして。
好きな作品に順位をつけるのってむずかしいですね。 ああでもないこうでもないと選ぶのはとても楽しかったです。
1『Xのアーチ』 スティーブ・エリクソン・著 柴田元幸・訳 集英社
自分のために書かれた本だ! と思うくらい好きです。
2『ミドルセックス』 ジェフリー・ユージェニデス・著 佐々田雅子・訳 早川書房
古典が好きな方にお薦めです。祖母が若い時の話から始まる正統的な語りの文学でありながら、内容は過激です。
3『日々の泡』 ボリス・ヴィアン・著 曾根元吉・訳 新潮社
夫に薦めたら「全然読めなかった」ようなので、評価が分かれそうですが、私は至上最高の悲恋小説だと思っています。騒々しい馬鹿騒ぎの中で、着々と悲劇が進行しているところが素晴らしいです。
4『観光』 ラッタウット・ラープチャルーンサップ・著 古屋美登里・訳 早川書房
若干26歳(書いたときは25歳かも?)でこれだけのものが書ける才能に嫉妬します。
5『オン・ザ・ロード 世界文学全集1-01』 ジャック・ケルアック・著 青山南・訳 河出書房新社
青山南先生(幸運にも授業を受けていました)がこんなに素敵な翻訳家だなんて知らなかった。素晴らしい新訳です。
6『グレート・ギャツビー』 スコット・フィッツジェラルド・著 村上春樹・訳 中央公論新社
村上春樹が計り知れない影響を受けているのがよくわかりますが、素晴らしい訳です。
7『イングランド・イングランド』 ジュリアン・バーンズ・著 古草秀子・訳 東京創元社
本物よりも本物らしいイギリスを作ってしまう(ディズニーランドの国版のような印象)という奇抜な設定が、巧みな語りで読ませます。
8『嵐が丘』 エミリー・ブロンテ・著 鴻巣友季子・訳 新潮文庫
クッツェーの『恥辱』も、素敵な訳だと思っていました鴻巣さん。『翻訳文学ブックカフェ』(本の雑誌社)に裏話があって興味深かったです。 9『狐になった奥様』 ガーネット・著 安藤貞雄・訳 岩波文庫
ある日突然、妻が狐に変身してしまうというカフカの『変身』を思わせる設定ですが、こちらは不条理というより、悲痛で泣きそうです。
10『心変わり』 ミシェル・ビュトール・著 清水徹・訳 岩波文庫
小難しいヌーヴォー・ロマン! と思って敬遠していましたが、これは面白く読めました。「きみ」と畳み掛けるように続く文章が良かったです。
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