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おはなの2007年ベストほんやく本
日時: 2008/01/05 23:51
名前: おはな
参照: http://book.geocities.jp/takobar3/

上半期は読了数が少ないからとかかんとか言って不参加を決め込みましたが、結局冊数少ないままで終ってしまいました。なので小説5位まで。欄外に昨年一番の変態本を上げさせてもらいます。

1位・ニコラ・ブーヴィエ『ブーヴィエの世界』&『日本の原像を求めて』
おぉ、「小説」やと言ってるのにいきなりちゃいますやん、済みません〜。
しかしブーヴィエとの出会いはワタクシ一生ものとなりました。魅惑の訳文つきでただただ読める幸せを感じさせてもらいました。ブーヴィエ、何度でも言います(笑)。

2位・ヨーゼフ・ロート『ラデツキー行進曲』&『第千二夜物語』
甲乙つけ難くどちらもよいのです。ラデツキーは笑いあり涙あり、物語の王道じゃないですか。こんなの読まされたらどうにも逆らえません。ロートさんのことを「悲しい作家」などとはもう思わないことにします。

3位・ダニロ・キシュ『砂時計』
ほんとの姿を見せないようにすることに心を砕いて書かれたような作品。キシュは甘めなんじゃないの?なんて思っていた自分が恥ずかしいです。パワー炸裂。
ちなみにこの本を出している松籟社<東欧の想像力>シリーズは目が放せません。も一つ出てるやつも、うむむ〜。

4位・トーマス・ベルンハルト『石灰工場』
ほんとならば欄外変態本に置きたいところですが、余りに面白かったのでエントリー。決して停止しない物語なので読者も一気読みを強いられます。でも、老いだとか貧困とか普通の悲しみも行間には感じられるんですよね、多分(笑)。

5位・アラン・シリトー『土曜の夜と日曜の朝』
地味な作りでどこも「凄いとこ」なんてないのに、衝撃のデビューだったというのがよく分かります。これは面白いデスヨ。

欄外変態本
マルカム・ラウリー『活火山の下』
珍本度、異常度の高さであなたが大将。興味のある人は読む前にちょっとだけ覚悟しておいて下さい。この酩酊感は本物です。
メンテ

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Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2008/01/07 04:05
名前: ブー介

これはもうベルンハルト『消去』を読むっきゃないっていう布陣ですね(笑)
〜4位まで読んでるんですが、シリトーは盲点だったなー。長距離〜を読んで、おもしろい!と思ったにもかかわらずそのまま放置なんですよ。やっぱ放置するにはもったいない作家みたいですね。
ブーヴィエは確かに魅了されました。僕のほうはノンフィクションまで入れちゃうと収拾つかなそうなので省いちゃいましたけど、対象にしてたらベスト10には入れたかったです。
キシュは僕も『砂時計』読むまでもうひとつだったんですよ。あれでやられてしまったなあ。これを出してくれたって意味でも東欧の想像力シリーズは期待しちゃいます。
メンテ
Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2008/01/08 14:32
名前: おはな

ブー介さん早速のコメントありがとうございます。
全てを『消去』を持って行こうとするのはやめてやめて〜(笑)。
そうそう、ものすごくブー介さんとかぶっているので我ながら新鮮味がないベストになってしまったと思いましたが、ふーん、『長距離走者‥』よろしかったですか。読むのが楽しみになりました。今は流行らないという感じなんでしょうかね、でもとても面白く書く作家だと心から思いましたもん。
キシュは‥とにかくいつか『灰、庭』など他の作品集も読んでみたいですね。
メンテ
Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2008/01/09 21:24
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

おはなさん、ご参加ありがとうございます♪

私たち的には読みたいと思っている「第千二夜物語」と、だいぶ前から読むと言っているのに読んでいない「石灰工場」にまず食いつきましたが、「土曜の夜と日曜の朝」は意外なところで、そうなのか〜と急に気になりだしました。私たちも「長距離走者の孤独」は読んでいて、予想外の面白さに驚きました。そしてそれっきり…(^^;)^^;
しかし、やっぱりどうしても見逃せないのは「活火山の下」ですね。タイトルからして変態本の匂いがプンプンと(笑)
メンテ
Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2008/01/11 20:52
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp/

ブーヴィエの老成やんちゃ坊主、ロートの語り芸、どっちもえーですよねー。ラウリーもなんのかんの言いつつ上位に食い込んでるではありませんか。いやーわたくしは火山自体は好きですが、変○はちょっと。それにしても松籟社のがんばりぶりには賞賛を惜しみませぬ。せめてパヴィチを出すまでは、不況に負けたりしませんように。
メンテ
Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2008/01/12 15:04
名前: 子午線

>マルカム・ラウリー『活火山の下』

僕もこれを昨年読みました。悲嘆の塊のような作品です。生きることの辛さが人間を滅ぼしていく。「変態本」なんて冗談でも失礼ですね。

ところで、カルロス・サフォン「風の影」はお読みでしょうか。エンタメ小説ですが、ナボコフ「アーダ」が下敷きになっていると僕は確信しています。



メンテ
Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.6 )
日時: 2008/01/12 22:31
名前: とおりすがり

『石灰工場』。ベルンハルトのスタイルはフランスのアンチ・ロマンの方々に似ていると思うのですが、あれより読み安いところが好きです。『消去』が出た当時、批評家の蓮實重彦氏がこれは文学的事件だとつぶやいていた事を思い出しました。他にも、短いですが『ヴィトゲンシュタインの甥』と『破滅者』が何と音楽之友社から出ていますね。『ヴィトゲンシュタインの甥』には哲学者ヴィトゲンシュタインの実在の甥が『ラモーの甥』として登場しますが、『破滅者』にはピアニストのグレン・グールドがホロヴィッツの弟子として登場します。やりたい放題だ…。
『活火山の下』は、大学の先生が院生に手分けして翻訳させたものをそのまま出版してしまったような困った本でしたね。数年前に新訳が出るらしいと言う噂を聞いたのですが、どうなっているのでしょうか…。
お邪魔いたしました
メンテ
Re: おはなの2007年ベストほんやく本 ( No.7 )
日時: 2008/01/13 00:58
名前: おはな

すみ&にえさん>
シリトー、そのように言われると、読んだ人は面白い!と思いつつ中々2冊目を手に取らないのが共通、と思ってもいいんでしょうか。ん、他にもちゃんと積んでいるのでいつかそのジンクスを破りますからね(笑)。
すみにえさんが『石灰工場』や『活火山‥』などをお読みになる?!想像しにくいけど、いや、決して想定外じゃありません。どこかで必ず出会ってしまうんじゃないかしら。私は古本路線なので多少早く出会ったという感じかな。そしていつかお二人が古本漁って私がピカピカの新刊専になって、というのはどうですか、いひひ。

坤さん>
ブーヴィエ、ロート、松籟社の東欧シリーズ応援‥ふふ、好みが似てて嬉しいです(笑)。
思えばロートは、『聖なる酔っぱらい‥』を一番最初に手に取り色々な思い入れや先入観を抱いたもので‥な〜んてとこから思い出すと「やられた」という感が更に強まります。実は私が読んだ『ラデツキー』は旧訳の方で新しいのはまだ確かめていませんが、長らく絶版でやっと新訳というのがいかに快挙であるかと実感しました。
えぇ、松籟社、出版社が頑張れるようにせいぜい私も本を買いますよ(笑)。

子午線さん>
こんばんわ&初めまして。
まぁっ他にもラウリーを読んだ方がいるとは!そして感動されている!心強いです。

>「変態本」なんて冗談でも失礼ですね。
あっごめんなさい、冗談じゃなくて本気ですからもっと失礼かも。
但し悪い意味じゃないんですよ。他に類例なし、インパクトの高さ、印象、などが全てド級の本をそう読んでいるんです。あくまでド級、そして絶対的に「文学」であること、でそう呼べる作品には中々出会えませんデス。でも「変態」と呼ぶのは止めて「強烈本」とかにしようかしらん、何だかこっちもこっち?(笑)。しかし『活火山‥』には日本の高名な文学者たちも大いに感銘を受けたとかで、分かるような気がします。
『風の影』、読んでません〜。ひゃあ、『アーダ』ですか、はてさて。『アーダ』下敷きというのは他にも何冊かあるようですね。この作品も影響ふんぷんたるという感じで、何となくニンマリ。

とおりすがりさん>
こんばんわ&初めまして。
おぉ、『石灰』がアンチ・ロマンテイスト。意識がひたすら分散して行ってましたよね。人からすすめられてほんとに何の気なしで読み始め、もうびっくりしたのをよく覚えています。まさか全篇あれで書き通すなんて! そう言えば知り合いの熱烈なグレン・グールドファンがベルンハルトのことを怒っていましたが、それは『破滅者』のことだったのね、ふーん。しかしベルンハルト包囲網が増々狭まったような(笑)。『消去』が本気で恐くなります。
そして、ここにも『活火山』読了者がいらっしゃるとは!な〜んだ、皆さんよくご存知なんですね。自分一人だけで驚くのは孤独だと思ってましたが、今日から心強いです。新訳の噂ありですって?ふーん、ふーん、ふーん(これしか言葉が出ない)‥。
メンテ

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