けーはいの2007年ベストほんやく本 |
- 日時: 2007/12/30 18:21
- 名前: けーはい
- すみさんにえさんお久しぶりです。新しもの好きなので最近読んだ本ばかりになってしまいましたが、今年も載せさせていただきます。
■1位■
ジョン・バンヴィル「海に帰る日」
わざと売れなくなるように書いてるんじゃ、と思わず疑りたくなるような主人公の性格悪さがヒネクレ読者にはたまらないです。 比喩もねちっこーくふんだんに使ってあり、悪く言えば時代遅れの美文ですが、このご時世にこんな文章を持ってくるのは良く言えば現代アートです。こういうのが好きな人間には激しく琴線に触れます。
■2位■
イアン・マキューアン「土曜日」
いやあ、これはヤバいです。ダルいです。9・11です。やたらと長いです。 でもこういうのが好きなんだから仕方ないじゃありませんか。変態さんが出てくるかどうかは読んでからのおたのしみです。
■3位■
フリオ・リャマサーレス「狼たちの月」
リャマサーレスが依然として大好きです。 こちらは第二作の『黄色い雨』よりアクション多めなんですが、それでもやっぱり静謐で透明感に満ちた雰囲気です。
■4位■
W・G・ゼーバルト「土星の環」
今までの作品よりはるかにエッセイ度が高いので、小説と言っていいものか微妙な気もしましたが、きっとそんな微妙さがゼーバルトっぽさなんだろうなあって。 薀蓄が多いです。ぐおんぐおん脱線します。大好きです。
■5位■
クリス・ウェア「JIMMY CORRIGAN日本語版VOL.1」
いや、アメコミなんですけどね。 あまりのクオリティの高さに何故かあちらでは純文学を対象にした賞をとったらしいので、「海外文学」枠でお願いします。絶品ですよ。
■6位■
イアン・マキューアン「愛の続き」
下半期はやたらとマキューアンめいていました。 全英が涙した傑作純愛小説でした。付録が神がかって見えます。
■7位■
アティーク・ラヒーミー「灰と土」
これは、すみさんにえさんのお勧め評を読んで。 文章がツボに入りまくりでした。たまらんです。 イラン映画観てるみたいな感じでした。
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