2007年上半期・わかばのベストほんやく本 |
- 日時: 2007/07/07 23:36
- 名前: わかば
- こんばんは、前回に引き続き私も参加させていただきます♪
相変わらず読書量は多くないですが、上半期もこちらのサイトのおかげで濃い読書ができました。お礼をかねまして投稿。 1.ヴィクトル・ペレーヴィン『チャパーエフと空虚』 これはかなりぶっちぎりで気に入りました。上半期にまとめてペレーヴィンの邦訳本4冊を読みましたが、どれも大好きでした。が、こちらがスケール的に一番すごかった。小難しいことを考えてもよし、考えなくても文章を読んでいるだけでじゅうぶん楽しい。すごい本なのに、作者が高みから見下ろしてる感がない。といってじたばた格闘して書いてる感もないし、この感覚は何? すごーーく大好きです。 2.エミール・ハビービー『悲楽観屋サイードの失踪にまつわる奇妙な出来事』 パレスチナに興味があるので、ことのほか思いいれて読んだせいもありますが、この悲惨さとユーモアのバランス感覚に心をつかまれました。イスラム系の気持ちや出来事の浮き沈みの激しさ、文化の歴史の深さなど色々なことが立体的に感じられた一冊。パレスチナ問題やイスラム文化に興味のある方にはぜひぜひオススメしたい本です。もちろんない方にも。 3.ヴィクトル・ペレーヴィン『虫の生活』 これも素晴らしく大好きでした。スケール感でチャパを上にしましたが、地を這う虫、地を這う人間、ミニマム感では逆にこちらも負けてないというか。とにかく好きです。小説を読んでいて、何かにぶつかる感じや、突然飛び上がる感じがすると「すごい!」と思ってしまう私(去年はJウインターソンがそうだった)。ペレーヴィンもすぐに飛び上がったり激突したりします。抽象的ですが、そういう感覚が味わえる作家が好きです。入れませんでしたが『眠れ』も相当好きです。 4.アンドレイ・クルコフ『大統領の最後の恋』 これもめちゃめちゃ好きでした。構成も、文体も、オチも、ディテールも、キャラクターも全てが魅力的。ウクライナに行ってみたくなりました。 以上は順位をつけてみましたが、以下順不同で気に入ったものです。 ・ローズマリ・サトクリフ『第九軍団のワシ』 サトクリフ作品はこれからぼちぼち読んでいきたいと思います。 ・ロディ・ドイル『パディ・クラーク、ハハハ』 これも素晴らしかった!ロディ・ドイルももっと読みたいです。 ・カーソン・マッカラーズ『悲しき酒場の唄』 これもしみじみよかったです。この作家さんももっと読みたいです。 ・トレイシー・シュヴァリエ『真珠の耳飾りの少女』 同じく、この作家さん、もっと読みたいです。 ・リチャード・バートン編『千夜一夜物語』 今5巻めくらいで中断中。読破する気でいますので引き続き。 ・ユン・チアン『ワイルド・スワン』 文革を知るには?で、こちらでオススメいただいて読んだ本。ちょっと他の本とはニュアンスが違うけど、衝撃。読んでよかったです。 上位4つはロシア、パレスチナ、ウクライナ。ちょっぴり変わった?作品群。私はどうも正統派よりちょっと変わったものがすきみたいです。て言えるほど古典とか読んでないので、今後は古典も読んでいきたいのですが。(ついヘンテコを優先してしまう。。) 下半期はいよいよピンチョンにチャレンジ。すみにえさん絶賛の「ヒストリーオブラブ」も読んでみたいし、サラ・ウォーターズも(同性愛もの好きなんで)読んでみたいと思ってます。あ、ガルシア・マルケスも。あ、サキ、カポーティも。 掲示板の方もまたお邪魔します♪
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