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2007年上半期・坤のベストほんやく本
日時: 2007/07/07 19:59
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek.co.jp/

すみさんにえさん、お世話さま。今年も半ば過ぎてこの季節が巡って参りましたねー。もはや日本読書界を代表する夏の風物詩と言っても過言ではない、などとあんまり法螺吹いていると自分でも参加するのが恥ずかしくなる昨今の読書状態なのですが、もちろん今回も、さらには年末総まとめも参加させて頂く所存でございます。おっと、政治家みたいだぜい。

■1位■
『選ばれた女』 アルベール・コーエン 国書刊行会
http://yonosk.at.infoseek.co.jp/rv07/seigneur.htm
 きみたちは、至高の恋愛を目指したのではなかったのか。ぎりぎりの生を模索し、セックスを極め尽くしたその結果がこれか。しかしそれは不思議に静謐の境地でもあった…。
■2位■
『砂時計』 ダニロ・キシュ 松籟社
 ちかごろは「したたかな文学」ということを考えているのだけど、その意味では代表作に挙げられます。この悲惨な話の底に潜む「ユーモア」は、いったい何なのだ。
■3位■
『失われた時を求めて』 マルセル・プルースト 集英社ヘリテージ文庫
http://yonosk.at.infoseek.co.jp/rv07/proust.htm
 半年以上にわたって十二分に楽しませて頂きました。さまざまなタイプの男女入り乱れて、文字通りの嗅覚が麻痺しそうです。もちろん五感すべてを刺激されるという摩訶不思議小説なのですが。
■4位■
『不安の書』 フェルナンド・ペソア 新思索社
http://yonosk.at.infoseek.co.jp/rv07/desasso.htm
 まとまりない散文の羅列と言ってもいいのだけど、それがなんでこんなに印象に残るのかねえ。
■5位■
『第千二夜物語』 ヨーゼフ・ロート 鳥影社
 土墺外交秘史から始まって、ごくごく私的な恋愛物語に至り、ふたたび外交秘史に帰るその構成も見事。
◇次点
『ヒストリー・オブ・ラヴ』 ニコール・クラウス 新潮社
http://yonosk.at.infoseek.co.jp/rv07/history.htm
 たしかにいい小説ではあるのですが、ちょっと今回は上位連中のアクの強さに負けましたなー。
◇番外
『ナボコフ短篇全集(T,U)』 ウラジーミル・ナボコフ 作品社
 短編集ですので一律評価はしにくいのですが、短くとも生活のための売文でも、手抜き全くなしというのはさすがです。
メンテ

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Re: 2007年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2007/07/08 00:06
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

坤さん、ご参加ありがとうございます♪

おおっ、『選ばれた女』が1位なのですね。そうか、坤さんに1位に選ばれるほどなのか〜。やっぱり読まないとですね。フェルナンド・ペソア『不安の書』が4位に入っているのも驚きです。これもまた、読まなくちゃ〜と焦りますっっ。
メンテ
Re: 2007年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2007/07/08 17:08
名前: epi
参照: http://epi-w.at.webry.info/

坤さま、はじめまして。epiと申します。
『選ばれた女』がトップにあるのを拝見してコメントさせていただきました^^

冒頭の茶番にはオイオイ…と思ったものの、その後に登場のスノッブたちには爆笑でした。ソラルとアリアーヌの堕ちっぷりには圧倒されます。ラストは崇高でしたねえ。

コーエンといい、プルーストといい、豪華料理のフルコースを思う存分堪能されたような半年をお過ごしだったのでは…と拝察します。『ヒストリー…』の位置がそこなのもある意味当然というべき…でしょうか。
メンテ
Re: 2007年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2007/07/08 21:16
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek..co.jp/

すみさんにえさん、こんばんは。今年もずるずると出て参りました。
『鰓腫れ女』ぢゃなかった『選ばれた女』のスゴさは、恋愛のつきつめた状況なんですけど、epiさんも言われているように脇役陣のすっとぼけぶりも堪能できます。かなり当時の「国際連盟」の実態がはいっているのでしょうね。
 ペソアは、はじめのうちはなんだか退屈じゃないかとか思ったのですけど、次第に引き込まれてしまいました。現代では忘れられた「探求者」の姿をそこに見ることができます。

epiさん、こんばんはの初めまして。
ブログのほうも拝見させて頂きました。いろいろわたくしともカブりものが多いようで、嬉しいことでございます。そうそう、「ブライヅヘッド」も青春を思い出させましたよねー。(って、まっただ中だったらごめんなさい)
 ほんと、当方はここんとこ濃厚路線ばっかしで、脳内メタボ状態かも知れません。時々中和しようとして江戸ものとか漢文ものとか入れたりしているのですけどね。
メンテ
Re: 2007年上半期・坤のベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2007/07/09 02:33
名前: おはな

坤さんこんばんわ。
あらまぁここにも『選ばれた女』が登場とは。何だかどえらい本じゃないだろうかという感じがひしひしとしてきました。ん〜、でも大河小説なんですよね?長いんですよね‥?んぐっ。
こっそりひっそり読んでいたつもりの『砂時計』も登場して驚きました。いや、あれを読んでる人が他にもいらしたとは心強いです(笑)。
ロートの1002は著作集の中の一つということで考慮外としましたが、この作品の退廃感はいつものロート節とはちょっと違ってましたよね。そこがいいところ。
メンテ

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