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2007年上半期・epiのベストほんやく本
日時: 2007/07/02 19:59
名前: epi
参照: http://epi-w.at.webry.info/

すみさま、にえさま、みなさま、こんばんは。
今年の上半期は、翻訳小説に関してはびっくりするくらいアタリばかりでした。まあ

評判の名作を中心に読んだので当然かもしれませんが。
そのなかでもとくによかった7冊。今回も順不同です。



●『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』 リチャード・アダムズ

(順不同といったそばから)2007年上半期というか、ここ数年で読んだ小説のうちで

もベストかもしれません。
誇張ではなく、読んでいてのたうちまわるほどの面白さで、この魅力はとても言葉で

は表現できません。小さなウサギたちの大きな冒険。夢中で読み耽り、時を忘れまし

た。人間なんていつでもやめていいから、ウサギになりたい。


●『百年の孤独』 ガルシア=マルケス

ガルシア=マルケスの奔放なイマジネーションは本当に新鮮で、読んでいて嬉しくな

ります。ぶっきらぼうに語られるマコンド村の百年の物語。いくつかのエピソードの

ほかは、もはやほとんど忘れています。それでよいと思っています。何度でも読み返

すためには。


●『グレート・ギャツビー』 フィッツジェラルド

村上春樹訳です。失われたものは二度と取り戻せない、過ぎ去ったものは二度と帰ら

ない。なんと切ない喪失の物語でしょう。ポジからネガへ、その前半と後半のコント

ラストが見事です。決して、ギャツビーをひとりぼっちにはさせません。


●『香水』 パトリック・ジュースキント

面白い! と感嘆符を付けるならこれくらい高いレベルでないと。読まれたみなさん

が絶賛されているのも道理です。タイトルが地味なのが勿体ない。映画も観ましたが

、原作にははるかに及ばなかった。


●『ブライヅヘッドふたたび』 イーヴリン・ウォー

こんな青春時代を過ごしたかった…とため息が出ました。ある男との友情と、ある女

との恋愛。主人公の友人セバスチアンには魅せられました。いつも熊のぬいぐるみを

連れ歩いて奇妙な振舞いをしているいる貴族の美男子と、わたしも友だちになりたい

! でも、物語は哀しみを湛えて終わるのです。岩波文庫から出る新訳にも期待です




●『ヒストリー・オブ・ラヴ』 ニコール・クラウス

これは抱きしめたくなるような一冊でした。レオもアルマもバードも、みんな本当に

いとおしい。読みながら何度も何度も胸がいっぱいになって、本を閉じねばなりませ

んでした。ちょっととぼけたアルアの語りは可愛くてなりません。まだ若いのに(し

かも美人)こんな完成された作品を書いてしまって、作者がちょっと心配です。


●『選ばれた女』 アルベール・コーエン
巨大なスケールで描かれる恋愛大河小説。華麗で多彩な言葉の氾濫と、主人公二人の

激しすぎる愛に圧倒されました。恋愛のダークサイドをこれでもかと書ききったこの

小説を読むと、並の恋愛小説は大人しすぎて不満になります。終わり近くは熱に浮か

されたように何時間も読み続け、読了したら眩暈がしました。



下半期は、『ロング・グッドバイ』と『わたしを離さないで』が課題図書で、余裕が

あれば『アレクサンドリア四重奏』と『コレラの時代の愛』にも挑みたいところです


アタリが多いおかげで、今年は読書が楽しくてなりません。しあわせ。

メンテ

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Re: 2007年上半期・epiのベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2007/07/02 21:55
名前: りつこ
参照: http://d.hatena.ne.jp/mritu47/

実は『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』と『百年の孤独』を先週末図書館で借りてきています。
epiさんのブログを見て読んでみたくなりまして…。

借りる時図書館員の方に「わーなつかしい。これ、すごくいいですよ。うん。すっごくいいの。なつかしいわー」と言われました。>うさぎたち。 
メンテ
Re: 2007年上半期・epiのベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2007/07/02 23:17
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

epiさん、ご参加ありがとうございます♪

おおっ、『ウォーターシップ・ダウンのウサギたち』だ〜っ。私たちはこれ、すっごい感動したけど、すっごく恐くもなったんですよね。ウサギじゃなくてよかったなんて思っちゃいました^^;(^^;) 『百年の孤独』はやっぱり読まなきゃいけない本と言われつづけるだけのことはありますよね。そして『ヒストリー・オブ・ラヴ』、ホントに抱きしめたくなりますよね、うんうん。
メンテ
Re: 2007年上半期・epiのベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2007/07/03 02:00
名前: おはな

こんにちわ。
ウォーの『ブライヅヘッド‥』、吉田氏の訳ですよね。私も欲しいんだけどちょっとお値段が‥。文庫で出てた時の古本でなんとかまかなえないものかと願ってます。
『選ばれた女』は、私も是非読みたいと思い続けてる作品ですよ。恋愛大河、引きますよねぇ(笑)。でも眩暈ありの恋愛小説なんて滅多にあるもんじゃないですし。ん、やっぱり忘れず絶対読もっ。
当り本の多い年!ほくほくですね。
メンテ
Re: 2007年上半期・epiのベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2007/07/03 21:37
名前: epi
参照: http://epi-w.at.webry.info/

>りつこさん

ああ、りつこさんからこんな嬉しいお言葉をいただけるなんて! 二冊ともお気に召すといいなあ。『ウサギたち』は本国では有名らしいのですが、日本ではあんまり…ですよね。わたしもおすすめいただいた『日の名残り』をチェックしなくちゃ。


>すみさん&にえさん

長文の投稿になってしまい、すみません…。
たしかに『ウサギたち』は、ほのぼの児童文学かと思いきや、けっこうハードなんですよね…。でも年甲斐もなく、あの世界であのキャラクターたちと一緒に冒険したくなっちゃって(恥)
『百年の孤独』は、けっこう古い小説なんですよね。時代を感じさせないというか、時代を越えてしまっているような世界観が素晴らしかったです。


>おはなさん

名高い名作が復刊されるのは嬉しいのですけれど、文庫だったのが単行本で復刊する場合、値段が格段に上がるのですよね。有難いのだけれど、不満もあります。

『選ばれた女』はぜひ! 凝った構成がおはなさんのお気に召すのでは…と勝手に想像しております(笑)ドロドロの愛の果てに崇高なカタルシスが待っていました。本当に凄かった。
メンテ
Re: 2007年上半期・epiのベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2007/07/08 20:54
名前:
参照: http://yonosk.at.infoseek..co.jp/

epiさん、こんばんは〜。かぶり本の多さが嬉しい限りです。
ウォーターウサギ、可愛くて面白いですよねー。わたくしが読んだのは文庫本が出た当時ですが、いまだに車を見ると「フルドド」などと口をついて出てしまいます。『香水』の映画はわたくしも見ましたけど、やはり小説の方が自由なイマジネーションを保証してくれるというところでしょうか。
 そして『選ばれた女』ですよねー。選ばれて迷惑じゃーと開き直らずに、ぎりぎりの愛を模索するところが、可愛いともなんとも。しかしあの俗物連中は爆笑ものでした。
メンテ
Re: 2007年上半期・epiのベストほんやく本 ( No.6 )
日時: 2007/07/09 00:12
名前: epi
参照: http://epi-w.at.webry.info/

>坤さん

コメントありがとうございます。
「フルドド」、ありましたねえ。ほかにも「シルフレイ」とか。はじめ違和感があるのに、読んでいくうちに慣れちゃいますよね^^

『選ばれた女』はアドリアンが、どこかの国のなんとか保険庁の職員のように思えました。「キータッチは5000タッチ以内」みたいな。仕事しなすぎ!
メンテ

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