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2006年上半期・ジュードのベストほんやく本
日時: 2006/07/28 18:53
名前: ジュード

 すみ&にえ様、皆さん、はじめまして。楽しそうなので、思い切って参加させていただきます。
 皆さんの読まれる本は文学してるすごそうなものが多くて最初はびびったものでした(笑)今でもたまにびびるのですが、ここは臆せず自分なりの好きなベストを作ってみました。

 ☆第1位☆
 「ステラの遺産」バーバラ・ヴァイン
 レンデルならではの鋭い心理描写は控えめな作品ですが、いつもより暖かく優しく登場人物が描かれていて、爽やかでした。それでいてリアルで厳しいところもあり、今のところレンデルのベストです。

 ☆第2位☆
 「わたしを離さないで」カズオ・イシグロ
 発売直後、衝動買いしたため、読んだのも結構前になるのですが、今なお強い印象が残っています。文学らしく濃密な人間関係を中心に描きながら、テーマに迫力があったからでしょうか。やはりノーフォークのくだりが一番記憶に残ってますね。

 ☆第3位☆
 「くらやみの速さはどれくらい」エリザベス・ムーン
 ここからはほとんど順不同です。主人公ルウをはじめ登場人物が皆魅力的で、すぐに物語に引き込まれました。それだけにラストは厳しいところもありましたが、面白いだけじゃなく良い小説を読んだ満足感がありました。

 ☆第4位☆
 「策謀と欲望」P・D・ジェイムズ
 今のところジェイムズの中では一番好きな作品。舞台となるノーフォークの自然や雰囲気が堅苦しさを和らげてる感じ。暖かいエピソードも意外に多く、題名に反してジェイムズにしては明るい感じの内容です。

 ☆第5位☆
 「ヴァインランド」トマス・ピンチョン
 正直まともに当たったからか、なかなかに読むのは大変でした。正直、全部理解できたとは思えないけど、とにかくすごい小説だったなぁ、という感じですが、おすすめです。

 ☆第6位☆
 「ウースター家の掟」P・G・ウッドハウス
 今回もまた笑わせてもらいました。新キャラも面白かった。

 ☆第7位☆
 「大尉のいのしし狩り」デイヴィッド・イーリイ
 どれも読み応えのある作品でしたが、前作「ヨットクラブ」よりも理解しやすいものが多かった気がします。

 ☆第8位☆
 「かくてアドニスは殺された」サラ・コードウェル
 ミステリですが、登場人物や文章が最高に面白いです。ミステリ作家にこんな笑える文章を書く人がいたのは驚きでした。

 ☆第9位☆
 「長い夜の果てに」バーバラ・ヴァイン
 レンデルはこのサイトに来る前から好きな作家で、このサイトに来たのもレンデルを調べていた結果だったりします。レンデル作品も好きですが、後々まで記憶に残るのはヴァインかな、という気がします。

 ☆第10位☆
 「ストップ・プレス」マイクル・イネス
 イギリスだからこそ許されるような変わった探偵小説。この結末は全く面白かったです。
 
メンテ

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Re: 2006年上半期・ジュードのベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2006/07/30 05:58
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

ジュードさん、いらっしゃいませ。ご参加ありがとうございます♪
わ〜っ、1位がレンデルではないですか、嬉しいなあ。「ステラの遺産」は良いですよね、勧めやすいし。でも、勧めづらいけど良い作品だと思っている「長い夜の果てに」が9位にあるのはもっとうれしいかもしれない。これって嫌う方も多いんですよね。なんというのかな、抵抗を捨ててあっさりと身を預けてしまえば、ものすごく上質の小説だと気づいてもらえると思うのですが。とはいえ、うちでも「長い夜の果てに」をあげてくださったのは、ジュードさんが初めてかもっ。
「くらやみの速さはどれくらい」もお読みになったのですね。厳しいラストですよね。すっごく考えさせられました。あ、「ヴァインランド」だ。ピンチョン本は気をつけないと、なんだろう、なんだろうと読むことに集中しすぎて、ドライアイになりますよね(笑)
メンテ
Re: 2006年上半期・ジュードのベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2006/08/01 17:34
名前: ジュード

コメントありがとうございます♪
 「ステラの遺産」は勧めやすいですよね。わたしも友達に勧めたりしました。今、翻訳と比べながら原書に挑戦しているのですが、一文一文が何度見ても嫌になりません。上質なだけでなく、すごく気持ちいい小説ですよね。
 それにひきかえ、確かに「長い夜の果てに」は勧めづらいですね(笑)読んだのが結構前なので9位にしましたが、かなりよくできていると思います。心理描写の上手さはレンデル作品でも1,2位を争うと思っています。「ステラの遺産」はコンパクトに上手くまとめてあるけれど、こちらはレンデルがバランスなど気にせず、持てる技術のすべてを注ぎ込んだ小説、という気がします。ラストも意外にさわやかで、後味はいいし♪せめてレンデル好きには試してほしい作品です。
 下半期は皆さんのベストにびびらないように、もっとたくさん小説を読みたいです。
メンテ

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