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2006年上半期・Hiroのベストほんやく本
日時: 2006/07/27 20:42
名前: Hiro

今回はベスト3まで順位をつけてみました。

1.『わたしを離さないで』 カズオ・イシグロ 
  読み終えてしばらくボーっとしてしまいました。設定は特殊なのですが、作品のテーマは深く普遍性があります。
  この本は予備知識なしで素直に読むのが一番いいですね。今年度のベスト1候補です。

2.『イラクサ』 アリス・マンロー
  日常の中で起こるささやかな出来事とそこでの様々な思いの積み重ねから、こんなに素敵な作品ができるんですね。
  短編だけどズッシリとした重み。この作者に惹かれて『木星の月』も読みました。他の作品も翻訳されるといいな♪

3.『くらやみの速さはどれくらい』 エリザベス・ ムーン
  純粋な心と特殊な能力を持つ自閉症者のルウに感情移入して読んできたら、思いがけない結末が待っていました。
  一見単純だけど一筋縄ではいかないこのラストに戸惑いつつ、その後考え込むことに。奥が深いです。


 『移民たち 四つの長い物語』 W・G・ゼーバルト
  悲しみを伴って呼び覚まされる重い記憶ですが、思い起こされることで、そこにほのかな光が灯ります。
  徐々に語られる4人の移民たちの人生に古いモノクロ写真が呼応して、不思議な雰囲気を醸し出しています。
 
 『クライム・マシン』 ジャック・リッチー
  無駄を削ぎ落とされた文体と巧みな展開のストーリー。熟練した職人技の切れ味の鋭いショートショートばかりです。
  どの短編もそれまでの読みをラストで気持ちよく裏切ってくれるのが嬉しい♪

 『ミシシッピがくれたもの』 リチャード・ペック
  南北戦争の時代に生きる無名の人々の喜びや苦しみ、悲しみが祖母の回想という形で生き生きと描かれています。
  終盤になっての予想外の展開で、アメリカ史の隠された一面を初めて知りました。サラッと読めるけど余韻が残ります。
 
 『世界の果てのビートルズ』 ミカエル・ニエミ
  辺境の村に飛び込んできたビートルズのメロディ、これに大きな衝撃を受けて見よう見まねでバンドを組む少年たち。
  ワイルドでユーモラスでちょっと切ないエピソードの数々。現実と幻想の奇妙な融合もいい味を出してます。
 
 『香水―ある人殺しの物語 』 パトリック・ジュースキント
  嗅覚にとことん拘った怖ろしくも魅惑的な物語。物語全体から香りが立ち上っていて、それに酔ってしまうような感じでした。
  奇想天外なストーリーですが、テンポのいい巧みな話運びでとても説得力があります。
メンテ

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Re: 2006年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2006/07/07 00:01
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

Hiroさん、ご参加ありがとうございます♪
おおっ、Hiroさんの1位も『わたしを離さないで』だ〜っ。しかも、クールビューティーの海ねこさんと違って(笑)、今年度のベスト1候補とまでっ。でも、さらにそれを覆す作品に出会えたら、それはそれでうれしいですよね。でもホント、やっぱりこれについては、予備知識なしが一番なんでしょうね。だんだんとわかるうちに、いろんな感情が押し寄せてくるものな〜。
メンテ
Re: 2006年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2006/07/07 21:11
名前: 海ねこ

わ〜 未読は最後の二冊だけ。あとはわたしの好きな本ばかり。嬉しい♪ やっぱり似てますね?読書傾向。『ミシシッピ〜』はラストで明かされる真相が胸に沁みました。良い作品でしたね。『わたしを離さないで』についてはいつかじっくりと語り合いたい気分。『香水』はこの間100均で入手したので近いうちに読みますよ。
メンテ
Re: 2006年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2006/08/27 00:22
名前: Hiro

お久しぶりです♪レスが大変遅くなってしまいました。

>すみ&にえさん
『わたしを離さないで』はラストでの主人公たちの姿に胸を締め付けられました。カズオ・イシグロの作品の中でも極めて印象が強い作品です。もう一度、今度は素直に読み直したいです。
今年度のベスト1候補なんて言ってますが、実はその対抗馬になりそうな本を1年以上も本棚に眠らせてるんです。うっかり熟睡させてしまったので、いつ起こしたらいいかがわからなくなっちゃいました。そろそろ揺り起してみようかしら。(笑)

>海ねこさん
海ねこさんのベスト本をよく参考にさせてもらってま〜す♪やっぱり好みの傾向が似てますよね。ただし『香水』は海ねこさん的にはギリギリのところにあるような気がするんですが、どうでしょうか?
『ミシシッピ〜』、実は海ねこさんのおかげでベックの新刊が出版されたことに気づいて読んだのですよ。ラストまで読んでから第一章を読み返してみたら、最初に読んだ時にはサラッと読んでしまった部分の意味に気づいて感慨深かったです。とても愛着を感じる1冊になりました。
メンテ

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