2003年上半期・プロビーラーのベストほんやく本 |
- 日時: 2003/07/08 21:58
- 名前: プロビーラー
<beerer@mbf.nifty.com>
- ちょっと系統が違うかもしれませんけど、とりあえず書き込ませていただきます。下半期のトップもランズデールだったりして(笑)
1.ボトムズ(ジョー・R・ランズデール) 湿地や人種問題などの重い雰囲気をまといつつも、少年の心の成長と父親との絆がなんともいえない爽やかな読後感をくれました。
2.スコッチに涙を託して(デニス・レヘイン) ハードボイルド、なのにその一言では表現しきれない重厚な描写、そしてストーリー。
3.石に刻まれた時間(ロバート・ゴダード) 見る者を不安にさせる奇怪な館をめぐって主人公が巻き込まれた事件。ホラーでもない、ミステリでもない。その揺らぎがそのまま読者の心までも不安定にする。重厚さは薄れたけど、ゴダードの語り口は絶品です。
3.ヒヤシンス・ブルーの少女(スーザン・ヴリーランド) 一枚の絵が巡る様々な人物の様々な人生の一部を垣間見せてくれる連作短編集。「青」のイメージがこの作品をいっそう綺麗に引き立てている気がします。
4.おはなしは気球にのって(ラインハルト・ユング) 友人にお勧めする本とは別に、子供たちにお勧めできる本も知っているといいかもしれない。これもそんな物語。ちょっと悲しいけど、それでも読後に心がほんのりとあたたかくなるお話。
5.夜鳥(モーリス・ルヴェル) 言葉が醸し出す独特の雰囲気。読んでいると周囲の空気が湿り気を帯びてひんやりとしてくる感覚。いつまでも古びない作品もあるけど、古びたがゆえに凄みを増す作品もあることを知りました。
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