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2005年・なおきの年間ベストほんやく本
日時: 2006/01/03 00:13
名前: なおき
参照: http://ns.concordia.to/mt/

下半期は黄金期あたりの推理小説ばかり読んでいたような気がするので目新しいものはあんまりないです。「アプルビイズ・エンド」も入れたいけどイネスはひとつ入れちゃったし、推理小説ばっかりも芸がないし(というかまともな推理小説は「ハムレット・・・」くらいですか)。「七悪魔の旅」は好きだけどちょっと軽すぎるかな。読んだ本では奥泉光の「鳥類学者のファンタジア」が一番楽しかったがホンヤク本ではないので残念。

長編

「カーペンターズ・ゴシック」 ウィリアム・ギャディス
「ハムレット復讐せよ」 マイケル・イネス
「邪魔をしないで」 ミュリエル・スパーク

このあたりは上半期であげたので。

「ディフェンス」 ウラディミール・ナボコフ

今頃読んだので。熱さと冷たさが同居したような、自伝のようなどこにもないような、失われた過去のようなそれでも今でもすぐそばにありそうな、神と勝負したような自分で自滅したような小説。チェスプロブレムがもっと知りたいなあ。

「歌う砂」 ジョゼフィン・ティ

推理小説としては失格、旅の小説としても疑問、なんだけどティの手に掛かると不思議な魅力を持って渾然と存在していると思う。自分では推理小説作家といわれるのは嫌がっていたという話もあるので、高村薫さんみたいなイメージなのだろうか?でも確かに推理小説で評価してはいけないな。グラント警部と犯人のことが読後も妙に心に残る小説。

「最後の審判の巨匠」 レオ・ペルッツ

ぎりぎり年末に読んだので滑り込みセーフ。推理小説的な枠組みでありながらはるかにその枠を越えて幻想小説、あるいは心理小説へとつっぱしる。独逸風ドグラマグラか?こちらのほうが古い?こういう壊れたのが好き。国書刊行会の幻想文学大系に入っている「第三の魔弾」も読まなくては。

短篇

「三つのブルジョワ物語」 ホセ・ドノーソ
「ポートベロー通り」 ミュリエル・スパーク

これは上半期の通り。下半期は短編はあんまりないんだけど、なにもないのも寂しいので「カリブ諸島の手がかり」をいれておきましょう。これも推理小説の連作短篇集ですが、推理的な部分よりもかきっぷりとボジオリ教授の小心さと最後の一発芸に。
メンテ

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Re: 2005年・なおきの年間ベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2006/01/04 22:31
名前: すみ&にえ
参照: http://park8.wakwak.com/~w22/

なおきさん、ベストご参加ありがとうございます。

のわっ、読んでない本ばっかりだ! これはもう、参考にさせていただきます。ミュリエル・スパークについては、私たちもなんとか今年中に、翻訳されている全作品が読めると良いなあ。読んでいるあいだに、復刊の報せが届いたりしたら(しかも未翻訳を含めた全集なんて)なお嬉しいなあ。もうちょっと注目されてほしいですよね〜。
メンテ
Re: 2005年・なおきの年間ベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2006/01/06 22:32
名前: なおき
参照: http://ns.concordia.to/mt/

ミュリエル・スパーク復刊されるといいですねー。英語で読むのはは面倒ですからね。今年はあと手元にある「死を忘れるな」「シンポジウム」「マンデルバウム・ゲイト」を読まなくては。
メンテ

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