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2003年上半期・Hiroのベストほんやく本
日時: 2003/07/04 22:16
名前: Hiro

2003年上半期・Hiroのベストほんやく本

結局、順位はつけられませんでした。
ベスト1には、『抱擁』か『昏き目の暗殺者』を選ばなければならないような雰囲気なんですが、短編集も捨てがたいのよね〜。

○『ヒヤシンス・ブルーの少女』 スーザン・ヴリーランド
 一枚の絵をめぐる珠玉の短編集。
 いい絵画をじっくりと観た後のような、満たされた気分になれました。

○『宮殿泥棒』  イーサン・ケイニン
 普段は主人公にはなれない普通の人々のナイーブな心情が胸に染みました。 
 その不器用な生き方を、ありのままに受け入れていく主人公たちの姿勢が清清しい。

○『抱擁』 A・S・バイアット
 これが、全て一人の作家の頭の中から創造されたものとは!
 ずっと圧倒されっぱなしでした。またいずれ、じっくり読み直したい気がします。
  
○『昏き目の暗殺者』  マーガレット・アトウッド
 もう、これをベスト10に入れないわけにはいかない!脱帽です。
 とくにSFの「昏き目の暗殺者」の物語が美しかった。

○『停電の夜に』 ジュンパ・ラヒリ
 自分のルーツの国と現在生きている国、異なる二つの文化。
 すべてを受け入れ、包み込むような作者のまなざしがいい。

○『スパイたちの夏』 マイケル・フレイ
 穏やかでノスタルジックな語り口が、とても魅力的でした。
 他の作品も是非読んでみたいと思う作家。

○『アースシーの風』 アーシュラ・K・ル=グウィン
 「ゲド戦記」とうとう完結!ということで、このシリーズに対する思い入れの一票。
 一度はきれいに完結した最初の3巻は好きですが、その秩序をあえて壊して、4巻+外伝、5巻を書かずにいられな かった作家の姿勢にも賛同します。

○『小さな白い鳥』 ジェイムズ・M・バリ
 主人公のキャラクターがいいですね♪
 ほんの一瞬で過ぎてしまう無垢な時代への作者のこだわりが感じられます。
 
○『壜の中の手記』 ジェラルド・カーシュ
 とても不可思議な物語の数々。
 この独特の風味、忘れられません。

○『鉄の枷』 ミネット・ウォルターズ
 ウォルターズは、謎解きの面白さよりも、登場人物の心理描写の巧みさが魅力♪
 特にこの作品は、ただのミステリーには終わらない読後の余韻がありました。
  
次点
 『コレリ大尉のマンドリン』 ルイ・ド・ベルニエール
 『バースデイ・ストーリーズ』 村上春樹編
  
メンテ

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Re: 2003年度上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.1 )
日時: 2003/07/04 02:35
名前: すみ&にえ
参照: http://www.aw.wakwak.com/~w22/

わ〜、未読の『アースシーの風』と『バースデイ・ストーリーズ』をのぞいては、私たちにも思い入れの深い、好きな本ばかりなので、何から話していいやらって感じです(笑)
『ヒヤシンス・ブルーの少女』は良いですよね。もっと注目されていい本だけに、強調しておきたいっ。
『宮殿泥棒』良かったですよね。ケイニンは短編をここまで書ける人がいるんだと感動しました。
『抱擁』『昏き目の暗殺者』これはもう読んだら入れないといけませんよね。お二人とも凄すぎっ(笑)
『停電の夜に』『スパイたちの夏』『壜の中の手記』『コレリ大尉のマンドリン』
良かったですよね〜。で、『鉄の枷』なんですが、ウォルターズはどれも良いんですけど、個人的にはこういうちょっとゴシック的と言うんでしょうか、このラインのものをもっと書いてほしいですね。
で、『小さな白い鳥』 ですが、これはHiroさんの書いてくださった1行につきますね。私たちは紹介でうまく言えなかったけど、ホントにそう思います。
メンテ
Re: 2003年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.2 )
日時: 2003/07/05 00:25
名前: Hiro

あの〜、私も、ここにレスしていいのよね?(笑)
普段は、前半期だとベスト5を選べるかどうかなんですが、今年は、このサイトで気になっていたタイトルをどんどん図書館で借りていったら、ヒットが多くてこうなりました。(^^) すっかり味をしめたので、今年の後半もこの線でいきます。(笑)
ところで、ウォルターズなんだけど、私もゴシック的なのをもっと書いてほしいです。
いろいろ書けそうな人だけど、せっかくだから、アメリカ人でも書きそうな設定のものより、イギリス的な要素の強いものをやってほしい。
ただ『鉄の枷』で見事に成功してるから、かえってこれから先は、あまり書かないんじゃないかという不安はあります。
この予想は外れてほしいけどね。
メンテ
Re: 2003年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.3 )
日時: 2003/07/05 00:42
名前: すみ&にえ
参照: http://www.aw.wakwak.com/~w22/

そうそう、そうなんですよね! イギリスのミステリ作家の方には、アメリカ的なものはめざしてほしくないです。すでにアメリカにすぐれた作家がいっぱいいますからね(笑) 外人である私たちの目から見ると、イギリスにはイギリス独自の良さがありますよね、そういう方向で伸ばしていってほしいです。背景となる街や田園地帯の雰囲気とかもありますしねえ。と、現地人ではない遠い国の翻訳読みは思ってしまうのでした(笑)
メンテ
Re: 2003年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.4 )
日時: 2003/07/06 22:46
名前:

なんかここにきて、Hiroさんとの共通点を発見、嬉しい〜。
『アースシーの風』は別として(笑)、ベスト本拝見しても、好みがなんだか似ているような……あ、『抱擁』はいまだに積んでますが(笑)
ミネット・ウォルターズは恥ずかしながら、一冊も読んでないんですが、そうですか、心理描写が秀逸で読後の余韻?読んでみたいです〜。

ベスト本ではないんですが、カーヴァー全集お持ちなんですね!いいなあ。確かろすちゃさんもお持ちだったかな。うーん1冊ずつ揃えていけば不可能でもなかったのに、まとめて7冊(8冊だったかな)購入となると……うーんうーん。図書館でちょこちょこ読んではいるけど、欲しいなあ。
あと、ケイニンも読んでいただけるようで嬉しい♪長編『あの夏、ブルーリヴァーで』も良いですよ〜。これは「ぼくの」発言のS先生訳ではないんですけどね(笑)
メンテ
Re: 2003年上半期・Hiroのベストほんやく本 ( No.5 )
日時: 2003/07/08 00:23
名前: Hiro

>雫さんへ
私も、雫さんと好みにかなり共通点があるような気がしますよ。(^^)
ミネット・ウォルターズは今年になって読み始めて、すっかりハマッてしまいました。
一度にはもったいないので、あと一冊だけ残してありますが、これも時間の問題。
特に『鉄の枷』は、スッゴクおすすめです♪

ケイニンは、これからどんどん読んでいきたい作家です。
ところで、カーヴァーもケイニンも好きという人は、わりといるような気がしません?
私はカーヴァーの短編は大好きで、『大聖堂』『頼むから静かにしてくれ』『愛について語るときに我々の語ること 』のあたりは何度も読み返しています。ワケあって(笑)、すみ&にえさんには押せないのが残念。ヾ(-_-;)
カーヴァー全集は、本の大きさが、持った時に程よく手になじむ感じなのも、気に入っています。
しかし、十数年かけて一冊ずつ買っていったから、結局全集として揃えられたけど、いきなりというのは大変すぎますね。
ところで、『ショート・カッツ』という映画はご存知ですか?カーヴァーの短編集が原作になっていて、面白かったですよ。
メンテ

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