2005年・ベックの年間ベストほんやく本 |
- 日時: 2005/12/29 17:44
- 名前: ベック
- 参照: http://blogs.yahoo.co.jp/sayuppe02
- 2005年のベスト、今回も参加させていただきます。今回後半は、ブログなんてものを始めてしまったので、あまり本が読めなかった。両立って難しいですね(笑)。
■1位■ 「エデンの東」ジョン・スタインベック/早川書房
全面的に降伏(笑)。オーソドックスな物語なのかもしれませんが、逆にそれが新鮮で、心底楽しみました。今年一年を振り返って、やはりこの本が一番印象に残っています。
■2位■ 「彼方なる歌に耳を澄ませよ」アリステア・マクラウド/新潮社
何も言いますまい。この物語を悪く言う人とは口をききたくない。そうまで思わせてしまう素晴らしい本でした。
■3位■ 「トラウマ・プレート」アダム・ジョンソン/河出書房新社
ぼく的には、それほど話題にならなかったのが不思議なくらいの傑作だと思いました。この作家は今後要注意でしょう。次の邦訳が楽しみで仕方ありません。
■4位■ 「冬物語」カレン・ブリクセン/筑摩書房
生粋の物語作家による、物語のための物語。各作品素晴らしく、いつまでもイメージや場面が頭から離れません。デンマークという国色がそうさせるのか、普通小説とファンタジーとの越境が軽々とこなされていて、うれしくなってしまいました。
■5位■ 「タイムトラベラーズ・ワイフ」オードリー・ニッフェネガー/ランダムハウス講談社
今年の初めに読んだこの本が、いまでも心に痛みを残しています。技巧と物語力がパーフェクトにブレンドされた本書は、究極の恋愛小説でもあります。
■6位■ 「カレーソーセージをめぐるレーナの物語」ウーヴェ・ティム/河出書房新社
語り手が自在に入れ代わる手法が、とても新鮮でした。本書を読んでさらにドイツが身近になりました。こんなに素敵な物語を紡ぎだすドイツが好きになりました。
■7位■ 「苦悩のオレンジ、狂気のブルー」ディヴィッド・マレル/柏艪社
今年読んだ中で、一番本のつくりに愛情を感じた本です。マレル初の短編集は、思った以上に読ませる短編集でした。各作品についているマレル自身の作品紹介も、とても興味深い。もっと、もっと彼の短編が読みたくなりました。
■8位■ 「惑星の恋人たち」ジェイムズ・F・ボイラン/河出書房新社
絡み合う人物相関が巧みにさばかれ、またそれが作者の真摯な目によって温かく描かれていて好感がもてました。エキセントリックな登場人物もツボでしたし、とにかく楽しく読みました。
■9位■ 「ハサミを持って突っ走る」オーガステン・バロウズ/バジリコ この作者は、買いでしょう。笑いと、厳しさと、クールさ、そしてほのかな憧れを抱かせる、この破天荒な回想録が愛しくてたまりません。
■10位■ 「ああいえばこういう。このあと続けてもう一回っていうのは、きついかも」ミル・ミリルトン/河出書房新社
ほんとに、本を読んでいて声を上げて笑ったのは久しぶりでした。全編、笑いに満ちたエピソード満載で、楽しいことこの上ない。かといって、つくりが浅いなんてことはない。異国のガールフレンドとの日々の諍い、仕事場での数々の問題、作者が描く日常には笑いのセンスが凝縮されていました。
というわけで、10作品選出してみました。今年は、なかなか濃い作品が多かったんじゃないかな(笑)。
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