=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
スー・ハリソン
アリュート語など6つの先住アメリカ人の言語、考古学、人類学、地理学を学ぶ。 調査に3年、執筆に4年、出版社への売込みに2年半かけ、デビュー。 | |
ジーン・アウルと同じ先史時代を 扱ったシリーズものを書いてるんだけど、こちらの舞台はアリューシャン列島。白人の先祖が中心で、 もうちょっと人間らしいって感じかな?(笑) | |
エイラが油絵なら、こちらは水彩 画、パステル画の世界ね。夫婦間、親子間、男女間の愛情が深く描かれてて、とってもせつない。 | |
それにしても寒そうだよね。 | |
うん、自然はアイラシリーズより過酷 かもね。寒いし、海が中心の生活だから。 | |
あっちは猟で暮らし、こっちは漁で暮ら してるのよね。クジラとか、セイウチとかを狩る姿も、すごく丁寧に描かれてるし。 | |
呪術もかなり前面に出てきてるよね。 偶像崇拝とか、呪いとか、たっぷり出てくる。 | |
シリーズが進むごとに、より悲恋が色 濃くなっていく感があるけど。 | |
現代社会を舞台にしては書けなくなって しまった偲ぶ愛、愛し合いながらも結ばれない悲恋を、めいっぱい感情を押さて描いてあるよね。 | |
そうね、ネチネチはしてないよね。 私はその悲恋より、残酷にもあるけど強烈な人々の生きざま、死にざまに感動をおぼえるけどね。 | |
うん。恋愛だけをダラダラ書いてある わけじゃないから、その辺は誤解しないでほしいよね。 | |
それにしてもさ、先史時代にもいろんな 決まり事とか、階級とかがあって、そんなにノビノビ生きられるものでもないんだなあって思わない? | |
う〜ん、やっぱり集団で暮らすからには、 そういうのはしかたないのかもね。 | |
読み終わるといつも、ああよかった、先史 時代に生まれなくてって思っちゃう。 | |
じゃあ、なんで読み続けちゃうのよ? | |
エイラシリーズより登場人物が感情移入 しやすいんだよね。彼は、彼女はどうなっちゃうんだろうって気になって、一心不乱に読んじゃう。たしか に、彼らはせつない!(笑) | |
「母なる大地父なる空」 上・下巻 <晶文社 単行本>
<アリューシャン黙示録 第1部> 紀元前七千年、氷河時代のアリューシャン列島。大波に洗われ、 火山のとどろきやまぬ極北の地。平和な兵辺の村を「殺し屋」一族が襲った。たったひとり生き残った 十三歳の<黒曜石>は、ラッコの精霊に導かれ、大海原へ旅立つ。黒髪をなびかせながら進む彼女のゆく てに、やがてクジラの彫像をもつ謎の老人が…。 | |
「姉なる月」 上・下巻 <晶文社 単行本>
<アリューシャン黙示録 第2部> <黒曜石>も大人となり、二人の息子を持つ身となった。 やさしい夫と幸せな暮らしをする<黒曜石>だが、その長男<ナイフ>は、出生の秘密のため、 愛するものとは結ばれない運命にあった。 | |
「兄なる風」 上・下巻 <晶文社 単行本>
<アリューシャン黙示録 第3部> いつかきっと会える。再会も束の間、最愛の人<ナイフ>の命を 守るため、<誰>はふたたび別離の道を選んだ。しかし遠い異郷の村では、嫉妬に燃える女の悪だくみ が待ち受けていた。ここでシリーズは、とりあえず大団円を迎える。 村を守ること、愛する人を守ること、<ナイフ>はすべてを手に入れることができるのか。 彫刻師の三部作、感動のフィナーレ。 | |
「ソング・オブ・ザ・リバ−」 上・下巻 <晶文社 単行本>
<アリューシャン黙示録 第4部> <川隣り村>と<いとこ川村>は長い間、抗争を繰り返していた。 それを収拾するために、村を移り住むことになった語り部<ラッコ>だったが、予期せぬ殺人事件に巻き 込まれ、<川隣り村>と<いとこ川村>の関係は、よりこじれていくことに。 待望の語り部三部作の始まり。今回はミステリー仕立てのストーリーで、今後の展開が期待される。 | |