=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
「青い鷹」 ピータ−・ディキンソン (イギリス)
<偕成社 単行本> 【Amazon】
少年神官タロンは王のよみがえりの儀式で、神の羊に選ばれた。神の化身である青い鷹をいけにえとし て捧げ、その血を王の額に塗る儀式の前で、神の羊は、詩の朗詠やとんぼ返りなど、神の啓示で命じられ たと思うことをやるはずだった。ところが、タロンは薬で弱った青い鷹を連れ出すことが神の啓示だと信 じ、神殿から青い鷹を連れて出てしまった。罰として殺されそうになったタロンは、跡を継いだ若き王の 助けを借り、青い鷹とともに遥か砂漠の地へ逃げることとなった。 | |
これ、実は私は一回、読みかけてやめちゃったのよね。二度めの挑戦です。 | |
自分で読んでみてわかった、たしかに最初の数ページがしんどいよね(笑) | |
神殿での儀式のシーンからはじまるんだけど、なんか意味はわ かんないし、説明はないしで、だめだこりゃ、ついていけませんと思っちゃったのよね。 | |
じつは、わからなくてもダラ〜っと読んでいけば、そのまま ついていけちゃうからぜんぜん問題ないのよね。 | |
そうそう。でもさあ、新たな疑問がいくつか。まず、 章が変わるごとにそれっぽい挿絵がついてるからさすがに私でもわかったけど、挿絵がなかったら、 いったいどういう舞台設定なんだろうって悩んだんじゃないかなあ。 | |
うん、あとがきには紀元前二千年頃のエジプトらしきところ って書いてあって、挿絵もそれっぽかったけど、本文ではこれといった説明がなかったよね。 | |
エジプト文明に詳しい人なら、わかるのかもしれないけどね。 でもこの本、いちおう児童書で、対象が中学生以上となっているのだな〜(笑) | |
神官の話も読んでいって、どうにかこうにかわかったような、 わからなかったようなって感じだよね。たとえば、光の神官は太陽をまつり、闇の神官は月をまつってい るらしいんだけど、グドの神官のグドってなんだよ、とかね。 | |
まあ、神殿内はそういう神官がそれぞれグループになってて、 グループはそれぞれ神官長とその下の神官たち、そのまた下の少年神官たちっていう上下関係ができあが っている、それはわかった。 | |
で、その神官たちは表向きは王に協力してるんだけど、 じつは王の権力を奪って自分たちが主導権を握ろうとしてるのよね。 | |
王は盗聴されたり、やろうとすることを邪魔されたりして大変。 | |
その権力闘争にまきこまれ、よその国との戦いにまきこまれ、 少年神官カロンは成長していくと、そういう話。 | |
若き王がかっこいいのよかったよね。カロンも神官でありな がら、王に味方するの。 | |
全体的には、あんまり私たちのイメージするピーター・ディキ ンソンぽくない、ごくごく正統派なストーリーだったけど、この権力争いっていうのは、いかにもディキン ソンが好んで使いそうな設定だよね。 | |
あら、あとのほうで変な人類みたいなのが出てきたときも、 ディキンソンっぽいと思ったよ。 | |
トカゲを食べる野蛮人みたいなのとか、全身青色に塗った人た ちとかね。あの人たちはなんでしょう?(笑) | |
あと、ちゃっかり娘の羊飼いの少女とかもね。 | |
ああ、あの子は可愛かった。何が起ころうと超現実的で、いか にもな現代っ子なのよね。どの時代の設定でも、ディキンソンの児童書には、ああいう女の子が出てくるよね。 | |
まあ、そういう人たちと出会ったり、権力闘争があったり、 けっこう怖いシーンがあったりと、ストーリーを追うぶんにはおもしろかった。ただ、ラストがよくわか んなかった〜。 | |
神様が閉じこめられてたんだけど出ていった。出ていったけ ど、私たちを見守ってるよって話でしょ。 | |
出ていったけど見守ってるっていうのはわかったけど、閉じこ められてたのに出ていったっていうのが意味わからなかった。 | |
って、私に助けを求めるような顔をしても、私もよくわからな かったよ。でもまあ、紀元前の生贄を求めたりする原始の神が、現代のような遠くから見守る神になったっ てことじゃない? | |
だめだこりゃ(笑) ということで、わかったような、わから なかったような、まあまあおもしろかったということで、ダハハ。 | |