=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
「爬虫類館の殺人」 カーター・ディクスン (アメリカ→イギリス)
<東京創元社 文庫本> 【Amazon】
1940年9月、第二次世界大戦のまっただ中のロンドンでは、度重なる空襲に動物園の閉鎖が決まりかけ ていた。そんな動物園のひとつ、ロイヤル・アルバート動物園には、爬虫類学者である園長エドワード・ベント ンが世界中の毒蛇や蜘蛛を集めた薄暗い爬虫類館があった。そこでのあるとんでもない出来事から、ベントン 家のディナーに誘われた二つの名門奇術師一族のケアリ・クイントとマッジ・パリサー、それにヘンリ・メ リヴェル卿は、めばりをされた密室のなか、ガス中毒で死んでいるエドワード・ベントンを発見した。 | |
またまた変な人発見〜(笑) | |
ヘンリ・メリヴェル卿ね。 | |
デブでハゲで眼鏡をかけてて、歩きながらピーナツを食べてるの、きゃ〜。 | |
でも、英国陸軍諜報部長で、超有名な探偵なのよね。 | |
おだてに弱くて、口癖は「うふう」、きゃ〜。 | |
で、物語はそのヘンリ・メリヴェル卿の爆笑ものの大災難から 始まります。 | |
せいかくには、その前にケアリ・クイントとマッジ・パリサーが登場するでしょ。 | |
そうそう、この二人は、ロンドンで人気を二分する有名な奇術 師一家の息子と娘。 | |
二人の曾祖父がむかし、人形を使った奇術のことで大喧嘩をし て、それ以来クイント家とパリサー家は犬猿の仲なのよね。 | |
この二人にはやがてラブロマンスが・・・。ロミオとジュリエットだ〜。 | |
ロマンスはもう一つあるでしょ、エドワードの娘ルイズと、 美貌の青年医師ジャック。こっちはしっとり落ち着いた大人の恋愛。 | |
で、そういうロマンスがありながらも、気色の悪い蜘蛛やカ ラフルな毒蛇が出てきたり、密室殺人があって、とサービス満点。 | |
あと、途中から強烈な悪女も出てくるよね。人の話なんか聞か ないで、自分の要求だけ押し通す、なかなか美人のやり手ババア。 | |
個性的な探偵に、奇術師に、爬虫類に、密室に、ロマンスに、 戦争、悪女、これはもうおもしろくなるの間違いなしよね。 | |
あ、あとロンドン警視庁の大警部、なんて方も出てくるけど、 この人はこの本に関しては目立たなかったね。 | |
大警部ってなんだろうね、そんな役職名ってありなの? | |
いや、そう呼ばれてるだけでしょ。やり手社長とか、窓際係長とかと同じで。 | |
それにしても、この本では、殺人が起きるのが遅かったね。 私は前に読んだ『ユダの窓』で、この人の本はみんな、冒頭で殺人が起きるものかと思ってしまった。 | |
そのぶん、衝撃的な殺人現場風景だったよね。大きな屋敷に 人がいない、鍋は火にかけられて煙が出てる、テーブルにはディナーの準備ができている、そして・・・ってな感じで。 | |
密室のトリックに関しては、ちょっと先にわからなかったで もないけど、これもややこしくなくて、わかりやすくて良かった。こういう密室ものなら、私たちでもOKだよね。 | |
ただ、犯人を特定するうえでの推理はちょっとゆるかった気はするけど。 | |
うん、なんでコイツを犯人に特定したのかっていう決め手に欠けてたかもね。 | |
まあ、全体としておもしろかったからいいや(笑)。謎解きうん ぬんより、読んでてとっても楽しい推理小説でした。満足、満足。 | |