=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
「月ノ石」 トンマーゾ・ランドルフィ (イタリア)
<河出書房新社 単行本> 【Amazon】
大学生のジョヴァンカルロ・スカラボッツォは、あとから来るはずの両親とともに休暇を過ごそうと、Pの村を訪れた。叔父の家に立ち寄ったジョヴァンカルロは、 叔父一家の俗物ぶりにうんざりしていたところ、親しげに家へ入ってきた娘に驚いた。娘の名はグルー、見目麗しい女性だったが、足は山羊で、蹄までついていた。 | |
河出書房新社のModern&Classicシリーズの第4弾ということで、読んでみました。 | |
作者のトンマーゾ・ランドルフィは、1908年、由緒ある貴族の家庭に生まれ、小説、戯曲、詩、批評などを数多く残し、1979年没。 没後はイタロ・カルヴィーノによって短編名作選が編まれたという、まさにイタリアを代表する文学者の一人みたい。恥ずかしながら私たちは、この本で初めて知ったのだけれど。 | |
読む前は、幻想的でちょっとロマンティックな、淡い恋愛ものなのかな〜なんて思ってたんだけど、展開は民話っぽいというか、南米あたりの神話っぽいというか、そういう感じだったね。 | |
私は真面目なのか、ふざけているのか、今ひとつつかめない文章に初っぱなから戸惑って、そのまま上滑りで最後まで読んじゃったような。 | |
私もまあ、なにが起きているのか頭では理解してても、感情的にはなにも浸みてくるものなしに読んだって感はあるよ。 | |
話がどんどん急展開していくんだけど、そのつなぎに滑らかさがなくて、ぎこちなく感じてしまって、なんかついていくだけで精一杯だったかな。正直、微妙に文章が読みづらかったし。 | |
お話はものすごく変わってて、奇抜というか、奇天烈というか、そういうおもしろさはあったけどね。 | |
前半はもうちょっと軽快に飛ばしてくれると、乗りやすかったんだけどな〜。リズミカルにサクサクッと行って、最後にシットリ終わる、みたいな。って、なんかブチブチ言ってばっかりになってる(笑) | |
お話はね、休暇で都会の大学から、田舎の村にやってきたジョヴァンカルロって青年が、叔父の家を訪ねるところから始まるの。 | |
叔父一家は、かなりの俗物なんだよね。ジョヴァンカルロの家の家政婦が、ちょっと身綺麗にしているだけで、気取ってるだの、玉の輿狙ってるんだろうと、張り切って悪口を言うような人たち。 | |
そこにいきなり、山羊足の娘が現われるんだよね。それだけ俗物根性出しまくりの一家なのに、なぜか足が山羊の娘には普通に接してるの。 | |
普通にどころか、敬意を持って、と言ったほうがいいくらいでしょ。じつは山羊足の娘グルーは、その村では特別な権力を握っていた一族の末裔なの。 | |
かなりオドロオドロしい逸話の残っている一族だよね。そのへんは、イタリアの閉鎖的な田舎の村ならではの昔の話って感があった。 | |
次に会うと、グルーの足は普通になってるんだよね。いつしか、グルーに惹かれるジョヴァンカルロ、でも、悲恋の物語へと突き進んでいくのかと思いきや、 なんだか話は予想だにしなかった方向へと進んでいって・・・あとは説明できないっ(笑) | |
なにをどう話せばいいかわからないよね。とにかくまあ、獣じみた男たちが出てきたりして、けっこう荒っぽい話になっていくのよ。 | |
え〜っと、結論としては、よくわからなかったってことで(笑) | |
そんな終わり方かいっ。 | |
いや、おもしろいと思う方もいるはずなんだ、こういう小説は。なんか私が求めていたところとは違うところに味わいがあった気がする。でも、私自身がなんかピンとこなかったから、あんまりゴチャゴチャ言ってしまうより、ささっと終わらせたほうがいいかと思って。 良いとか悪いとか言う以前に、なんかこの小説の楽しみ方がよくわかりませんでしたってのが正直なところです。 | |