=「すみ」です。 =「にえ」です。 | |
「エヴァが目ざめるとき」 ピーター・ディッキンソン (イギリス)
<徳間書店 単行本> 【Amazon】
野生動物のほとんどが死に絶えた近未来。事故によって再起不能となった十三歳の少女エヴァは、父親の勤めているチンパンジーの研究所で目を醒ます。しかしその姿は、 以前の美しい少女ではなく、チンパンジーとなっていた。 | |
これは一応、SFってことになるのかな。サイバーなかんじではなかったけど。 | |
うん。舞台が未来、で、エヴァの記憶や意識をチンパンジーに移しかえるってサイエンスチックな話だから、やっぱりSFでしょ。 | |
そうそう。脳を移植するんじゃなくて、記憶や意識だけをチンパンジーの脳に移すのよね、これポイント(笑) | |
だから、エヴァがチンパンジーとして目ざめたあと、人間らしい言動はしていても、奥底にはチンパンジーの記憶があるのよね。 | |
あの時バナナを食べた、とかいうはっきりとした記憶じゃなくて、遺伝子レベルの種の記憶ってやつね。 | |
この本でいうと、エヴァはたびたびジャングルのことを思い出すんだよね。エヴァが乗っ取った体のチンパンジーはジャングルを見たことがないのに。 | |
人間以外の動物は、遺伝子レベルで記憶が受け継がれていくらしいからねえ。 | |
人間だけはないのかな? | |
わかんない。あるのに感じられないだけかも。騒音の激しいところでは小さい声が聞こえないみたいに、大脳がでかくて考えることが多すぎるから、 遺伝子レベルの記憶に気づけないのかもね。 | |
で、このエヴァだけど、そういう記憶だけじゃなくて、もともと父親の仕事がらチンパンジーと一緒に育ってるから、わりと新しい体にも馴染みやすいのよね。 | |
とはいえ、チンパンジーになるのは厭だろうけどねえ。私だったら泣き暮らしちゃうかも(笑) | |
でも、エヴァは違うのよね。自分の今の姿を愛そうと努力するし、チンパンジー人間としての生き方を模索する。 | |
13歳にしては、立派すぎ! | |
まあ、みんながみんな、にえちゃんみたいに本能のまま生きてるわけじゃないからね(笑) | |
ムカッ。 | |
で、母親が拒否反応しめしたり、見世物にされても、冷静に自分の生きる道を見つめるのよね。 | |
まあ、どうなっていくかというのはお楽しみ。で、読み終わったあとで、うしろについてるピーター・ディッキンソンのメッセージを読んで、どういう意図でこの本が書かれたかわかり、納得。 | |
この本は、こわいもの見たさのグロイだけの話でもなく、安っぽい作り話でもなかった。しっかりとしたメッセージがあったし、知識の裏付けも感じられたし、ほんと、読んでよかった、感動したよ。 | |
うん。読んでる間も展開がおもしろくて夢中になったし、読み終わったあともめいっぱい余韻が残るよね。 | |
これはオススメでしょう。SF好きか嫌いかはまったく問題にならないよね。 | |
うん、超オススメ。私たちもこの人の本をもっと読みましょう♪ | |