すみ=「すみ」です。 にえ=「にえ」です。
「ガニメデの優しい巨人」 ジェイムズ・P・ホーガン (イギリス)  <東京創元社 文庫本> 【Amazon】
木星の衛星ガニメデで発見された二千五百万年前の宇宙船を調査していたハントは、宇宙船内で機長の 説明を受けていた。そのとき、宇宙の一角から未確認物体がこちらに向かい、急接近しているという報告が 入る。近づいてきたのは古びた、だが、地球の科学の水準をはるかに凌ぐ宇宙船。その宇宙船から出てきた のは……。
にえ 『星を継ぐもの』の続編です。
すみ おもしろかったよね〜。『星を継ぐもの』でわからなかった、 あんなことも、こんなこともわかっちゃうし(笑)
にえ そうそう、しかも最後には、ガニメアンとルナリアンと地球 人類の関係まで解明されちゃう!
すみ しかもラストがダブル・ビックリになってるし、もう大満足だよね。
にえ なぜ地球人は戦争をせずにいられないのか、なんて考えさせ られるテーマもあったしね。
すみ と、ダラダラしゃべってはみたものの、続編となると、下手に 喋れば、前作を呼んでいない人にたいするネタバレになりかねない。こりゃあコマッタ、だよね。
にえ というわけで、このシリーズにヒントを得て、というか、アイ デアを丸々パクったと言われている、日本のアニメ『超時空要塞マクロス』についてのご説明を(笑)
すみ 18年ぐらい前かな、テレビアニメで放送されて大人気になっ て、映画化も何作かされた作品で、私たちは3年ぐらい前に再放送で見て、あんまりおもしろいからビデオ で映画まで観ちゃったんだけど、これが『星を継ぐもの』のアイデアをたくさん盗みながらも、全然違う話 になってて、比べるとおもしろいの〜。 
にえ 『超時空要塞マクロス』の舞台は2009年、地球の孤島に、 月軌道の内側で亜空間から突如あらわれた所属不明の巨大戦艦が落っこちてきたの。
すみ 地球の科学をはるかに超えた、スンゴイ戦艦なのよね。人類は それを10年もかけて修復して、マクロスと名づけます。
にえ そして宇宙への初出航! ところが、いきなりマクロスの主砲 が火を噴き、なにかを攻撃。攻撃されたのはゼントラーディ軍という異星人の軍隊。あっというまに地球と ゼントラーディ軍は戦争になっちゃう。
すみ つまり、マクロスはゼントラーディ軍の敵の戦艦で、最初から、 ゼントラーディ軍に砲撃するようプログラミングされてた、つまりラッキーな落とし物と思ったら、しくまれ たブービートラップだったってわけ。
にえ で、ゼントラーディ軍とマクロスが戦うんだけど、じつはゼン トラーディ軍たちは巨人で、地球人より何倍もデカイの。
すみ 戦うことしか知らない巨人なのよね。愛とか、文化とかがまっ たくなくて、ひたすら戦うだけの本能しか持ちあわせてない。
にえ ゼントラーディ軍たちには、不思議な言い伝えがあるのよね。 小さい人類とは関わっちゃいけないっていう。
すみ でも、関わっちゃう。地球人と戦うあいだに、歌を知り、文化 に触れ、そういういいものがあるのか〜って目ざめちゃうの。
にえ で、いろいろあって情報交換が始ってみると、なんとゼントラ ーディたちと、地球人は同じ先祖を持っていたことがわかり、たがいにビックリ驚愕(笑)
すみ むかし、むかし、地球の人類がまだ成立してないようなときに、 異星人が地球にやってきて、地球の人類の先祖をもとにして、戦争のためにデカイ戦争マシンみたいな人間 を作るの、それがゼントラーディたち。
にえ つまり地球の人類が二つに分かれ、かたや地球人、かたやゼン トラーディたちとなるのよね。
すみ そのゼントラーディたちを作った異星人は、みずからが作った ゼントラーディたちに全滅されちゃってた、しかし地球には、異星人たちが残したものが……ってのは映画 でわかるんだけどね。
にえ だからなんだよって思うでしょうが、『星の継ぐもの』シリ ーズを、どう日本の子どもたち向けにアレンジしたかがわかると、これがなかなかおもしろい。『星を継 ぐもの』シリーズを読んだら、思い出してみてください。
すみ アニメもおもしろかったけど、もちろん、『星を継ぐもの』は ずっと上質、小僧どもを喜ばすための戦闘シーンなんてないしね。人類について、深く考えさせられます。
にえ アニメの『超時空要塞マクロス』のほうは、けっこうベタな恋 愛あり、アイドル歌手なんてのも登場して、見るなら覚悟がいるかも(笑)