10月4日 県議会の質問に立ちました。
質問ならびに答弁は以下の通りです。
質問◆
県民クラブ・公明、牛山好子です。通告に従い順次質問させていただきます。
初めに、がん対策について質問いたします。
がん対策基本法のことし4月施行に続き、6月には国のがん対策推進基本計画が策定されました。これには、全体目標として、がんによる死亡率を減少させること、患者、家族の苦痛軽減と療養生活の質の向上、また、すべての拠点病院において放射線療法等の実施、そしてまた、がん検診の受診率を50%以上とすることなど個別の目標や達成時期を定めております。これにのっとり各種施策が着実に実行され、目標を達成するためのかぎを握るのが都道府県であり、県の今策定中のがん対策推進計画であると思います。以上を踏まえて質問に入ります。
都道府県のがん対策推進計画の策定に関して。
長野県においては現在策定に向けて取り組まれているところではございますが、今後どのようなスケジュールとなるのか。長野県としてどのような点に力を入れ策定される方針であるのか。知事に基本的な見解をお伺いします。
この計画の策定に当たり、がん患者や家族の声を取り入れたものにしていく必要があると思いますが、県ではどのようにしてがん患者等の声を取り入れていかれるのか。衛生部長にお伺いします。
がん治療の初期段階からの緩和ケアの実施について。
国の計画によると、本年度から開始される国立がんセンター等における緩和ケアの指導者向けの研修会に、がん診療連携拠点病院の医師を派遣することとしておりますけれども、どのように認識されておりますか。
また、国立がんセンター等における研修会の受講者を講師として、がん診療を行っている一般の医師を対象とした緩和ケアの研修会を行うとされております。県や拠点病院等における計画的な緩和ケア研修の企画、実施についてどのように取り組んでいくのか。衛生部長にお伺いします。
放射線治療の体制整備の充実に関して。
都道府県がん診療連携拠点病院及び特定機能病院において、5年以内に放射線療法部門など設けることが掲げられております。県内の放射線治療の現状について。
また、国は放射線治療の提供体制の整備を推進するため国立がんセンター等における専門的な研修会を実施することとしております。県は医師を派遣することなど考えているでしょうか。
連携拠点病院等での医師、看護師、医学物理士等の人材育成、確保、放射線治療の実施体制の整備について今後どのように取り組んでいかれるのか。
4番目として、がん診療連携拠点病院の機能強化について。
がん診療連携拠点病院としての取り組み状況をフォローアップしていく必要があると考えております。県として、がん診療連携拠点病院の現状をどのように評価し、どのような課題があると認識されているか。
県としてもがん診療連携拠点病院に対する財政的な支援が必要と思うが、現状はどうか。充実を図るべきではないか。
3点目として、県として、がん医療の連携体制を構築するために積極的にかかわっていくべきではないか。
五つ目に、がん検診に関して。
一つ目、がん検診の精度管理、事業評価にどう取り組んでいるか。今後どのように取り組んでいかれるのか。
二つ目として、がん検診の受診率50%達成に向けて各市町村の取り組み状況。また、受診率が向上しないその現状についてどのようにとらえているか。
3点目として、県としてどのような取り組みを具体的に行い、受診率の向上に向け市町村を支援していくのか。県の計画の中にもきちんと取り込むべきではないか。
4点目として、5年後50%達成に向けて県レベルで取り組むべき施策、スケジュール作成が必要ではないか。
以上、衛生部長にお願いいたします。
6点目、がん登録について。
県内のがん登録の現状について。また、その成果がどのように活用されているかお伺いして、1回目の質問を終わります。
答弁◎知事
長野県がん対策推進計画につきましてお尋ねがございました。 本年4月からがん対策基本法が施行され、6月には、この法律に基づく、がん対策推進基本計画が閣議決定されたところであります。がん対策基本法は、国が策定するがん対策推進基本計画を基本とするとともに、それぞれの都道府県のがん医療の提供の状況等を踏まえて、がん対策推進計画を策定することを都道府県に義務づけております。今年度、第5次長野県保健医療計画を策定しておりまして、がんに関する専門のワーキンググループを設置し、その中でがん対策に関する議論をしていただいております。そこでの議論をがん対策推進計画に反映させ、年度内に計画を策定いたします。 がん対策は、がんの予防から早期発見、発見後の適切な治療、治療に伴う痛みの緩和、さらには終末期の医療に至るまで、さまざまな対策が総合的にとられることが重要であります。また、行政、医療機関、住民などの役割分担などを踏まえて計画を策定してまいりたいと考えております。
答弁◎衛生部長
がん対策推進計画の策定に当たってのがん患者や御家族の声の反映についてお答えします。
6月に閣議決定されましたがん対策推進基本計画におきましても、都道府県の計画策定に当たっては、がん患者及びその家族、または遺族の視点を踏まえることが重要であるとされております。先ほど知事が答弁したとおり、本県のがん対策推進計画の内容につきましては、現在、保健医療計画策定のためのがんに関するワーキンググループで議論をしているところでございます。このワーキンググループには、がん患者の会の方にも委員として御参加いただいております。また、計画案ができた段階では広くパブリックコメントを求めるなど、がん患者や御家族の方の意見を反映させてまいります。
次に、がん治療の緩和ケアに関する医師の研修についてお答えします。
緩和ケアに関する指導者向け研修につきましては、今月、国立がんセンターで実施いたします。本県からは2名の医師が参加いたします。この国立がんセンターの研修は県の緩和ケア教育の中心となる指導者を育成することが目的でございまして、受講後、緩和ケアの基本的な知識を習得していただくために、県内のがん医療に携わる医師に対して講習会を実施することとしております。この講習会はがんに携わるすべての医師に対して行うものでありまして、緩和ケアを推進していく上で重要なものと認識しております。講習会の日程や内容につきましては、指導者研修の終了後、受講した医師や拠点病院と検討してまいります。
次に、放射線治療の体制整備の充実についてお答えします。
放射線治療の県内の現状でございますけれども、すべての拠点病院においてそれを専門的に行う医師、放射線技師が配置されておりまして、放射線機器につきましてはリニアックが整備されており、放射線療法の提供がされております。また、拠点病院以外では7病院で放射線治療が提供されております。
拠点病院の医師の派遣についてですが、国から放射線治療の専門医を対象とした研修について具体的に示されてはおりませんけれども、今後行っていくと聞いております。研修内容が示された段階で、拠点病院などとも相談しながら判断してまいります。
放射線治療に携わる医師、看護師、医学物理士等の人材育成、確保についてでございますけれども、国では、ことし2月から国立がんセンターで放射線技師を対象に研修会を開催し、今後、医師等の研修も予定していると聞いております。県といたしましては、拠点病院等へこれらの研修を受けるよう促すとともに、県内での研修の実施につきましてはがん診療連携協議会などで検討してまいりたいと考えております。
拠点病院の現状と課題についてお答えします。
拠点病院の指定要件といたしましては、手術のみならず、化学療法や放射線療法など組み合わせて行う集学的治療、セカンドオピニオン、緩和ケア等の診療機能を有すること、それと、がん専門の医療従事者を配置すること、院内がん登録を実施することなどとなっております。各病院では徐々にこうした機能を充実してきてはおりますけれども、まだ指定から日が浅く、放射線治療や緩和ケアに関する専門スタッフや地域医療機関との連携についてさらなる充実が必要であるなど、課題があると認識しております。
拠点病院に対する財政的支援についてお答えします。
現在、県が行っております補助制度は、がん診療従事者研修、がん診療連携会議、院内がん登録、がん相談支援センターの運営など、診療行為以外で拠点病院に求められる機能に対しまして財政支援をしております。国の補助事業を活用いたしまして、本年度4,500万円の予算を計上しております。この補助事業は厚生労働省の概算要求において増額要求されておりますことから、その動向にも注視しながら事業の充実について検討してまいります。
次に、がん検診の精度管理や事業評価への取り組みについてお答えします。
がん対策推進基本計画では、すべての市町村において精度管理、事業評価が実施されるとともに、科学的根拠に基づく検診が実施されることを目標としております。国におきましては、がん検診に関する検討会を設置いたしまして、がん検診の有効性の評価を行うとともに、精度管理やチェックリストなどを活用した事業評価の手法について検討しております。検討内容はがん検診指針に反映される見通しでございまして、これに基づきがん検診が実施されるものと認識しております。
本県では、健康審査管理指導協議会におきまして各市町村の検診の実施状況について調査、協議をしておりまして、より精度の高い検診が実施されるよう必要な情報提供や支援等を行ってまいります。
次に、がん検診の受診率についてお答えします。
がん検診につきましては、昭和57年度に老人保健法に基づく市町村事業として始まりましたが、平成10年度に一般財源化されまして、現在は法律に基づかない市町村事業として実施されております。こうした経緯を経まして、現在、子宮がんや乳がん検診は全市町村で実施されておりますけれども、胃がん、肺がん、大腸がん検診につきましては一部の市町村で実施されていない状況でございます。また、受診率につきましても、市町村で取り組みに差がございまして、御指摘のとおり全体として受診率は低下傾向にあるものと認識しております。
企業や健康保険組合等が実施するがん検診のほか、任意で受診する人間ドック等でのがん検診もございまして、受診率の十分な把握も今後は必要かと考えております。
次に、受診率50%の目標に向けた県の取り組みについてお答えします。
がん対策推進基本計画におきましては、5年以内に受診率を50%とする目標とされておりますけれども、これは、おおむね20%前後の受診率となっております本県の現状を踏まえますと相当に高い目標であると認識しております。県では、現在、若年者に増加しております子宮がんや、罹患者のふえている乳がんの検診に重点を置きまして、専門医による講演会やチラシなどによって啓発に努めておりますけれども、この目標を達成するためにはさらに県民一人一人にがん検診の重要性を理解していただくことが必要だと考えております。今後、国や実施主体であります市町村と十分に情報交換を行いながら、効果的な啓発方法や必要な支援策、スケジュールなどについて検討してまいります。
また、がん登録の件でございますけれども、長野県では地域がん登録は実施しておりませんけれども、がん診療連携拠点病院など15病院で院内がん登録が実施されております。院内がん登録は、医療機関ごとにがんの診断、治療、生存率等の情報を集めまして、早期発見や治療の向上等に活用する目的で行われております。
県拠点病院であります信州大学医学部附属病院では、登録データの分析、評価等が義務づけられていることから、平成19年2月に長野県がん診療連携協議会がん登録部会が設置されております。現在、各拠点病院におきましてデータの収集が行われている段階でございまして、今後、分析、評価が行われ、その活用が図られるものと考えております。
質問◆
知事にお伺いいたします。
今回の計画の中では、初期の段階からの緩和ケア、それから放射線治療の体制整備、がん検診の受診率の向上等が大変な課題であるというふうに思っております。今回のこの中で特にハード、ソフト両面からの取り組みも求められているところですが、これは財政的なものについてもかなり大きな支援が必要かというふうにも思っております。これらについて知事の御所見をお伺いしたいと思います。
現在、六つの拠点病院が指定されておりますけれども、お会いした病院関係者は、地域性や拠点病院の持つ機能、これまでの病院の実績を踏まえて、困難を抱えながらも、高い見識を持って課題と向き合っておられました。その方からも、我々も全力で頑張っていくので、どうか、県も長野モデルを全国に発信するぐらいの決意でがん対策に取り組んでいただきたいとぜひ知事に伝えてくれというお話でもございました。そのようなこともお伝えしながら、知事の御所見をお伺いしたいというふうに思います。
衛生部長からお話ございました。まだ計画策定途中、スタートしたばかりということもございまして、なかなか大変かというその状況が浮かび上がってはきましたけれども、それぞれの市町村、医療団体、またがんの患者御本人や家族の方々など、お会いする方たちも本当にこの行方を見守っております。看護協会も、高度ながん治療にたえられるマンパワーが必要であると既に講習会などの実施もされているということも伺いましたし、実は長野県議会もこの6月定例会でがん制圧議員連盟を議員の皆様の賛同を得て立ち上げました。この中核は県であります。どうか県としてもこの連携のシステムをしっかり構築しながら、がんを防ぎ、がん治療の選択肢を広げ、一人でも多くのがんで病み苦しむ人を救うという意味で、知事がリーダーシップを発揮され、一層の推進がされるよう要望しておきたいと思います。
次に、脳脊髄液減少症対策について。
もう既に、2005年に長野県議会でもこの治療促進を求める意見書を出していただきました。46都道府県、106市議会においても意見書が出されております。しかしながら、なかなかこの治療が受けられないという状況も続いておりまして、長野県でも対策的なものもされないまま2年間過ぎてしまいました。しかし、ここに来て大きく動いてきたことも事実でありまして、脳神経外科学会では、昨年の10月に、ガイドラインを作成するという趣旨の発表をし、また、既に、このガイドラインのベースとなるべき脳脊髄液減少症ガイドライン2007というのが関係者より発表されております。また、本年、厚生労働省科学研修費が、脳脊髄液減少症に関する治療、診断法の確立に関する研究事業に交付されました。
このような状況の中で、新潟県は、もう既に2年前から県内の実態調査をして、関係の治療を行っている病院や施設を県のホームページで紹介されております。長野県としても、ぜひこの対応について取り組んでいただきたいということでお伺いしたいと思います。
県としての現段階での脳脊髄液減少症の認識や取り組み、課題についてお伺いしたいと思います。
また、県としても、脳脊髄液減少症患者の相談窓口の設置とか支援体制の確立を図るべきと考えますが、いかがでしょか。
また、あわせて、長野県内の医療機関の実態調査を行い、県庁のホームページ等にその治療、療法を行っている医療機関名を公表してほしいと思いますけれども、いかがでしょうか。
また、本年5月、文科省が「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」という通達を全国の教育現場に行いました。これを受けて、県の教育委員会としてはどういう対応がされたのか。また、その課題の認識についていかがでしょうか。また、市町村ではどのような対応をされているか。その状況についてお伺いいたします。
答弁◎知事
がん対策につきまして衛生部長からるる御説明を申し上げました。それを踏まえまして、がん対策推進の決意につきましてお尋ねでございます。
昨年、がんで亡くなった方の数、5,707人、死亡者全体の27%を占めているということであります。二十数年来、死因の第1位となっているということでもございます。厚生労働省によりますと、生涯のうちにがんにかかる可能性は、男性の2人に1人、女性の3人に1人という推計もあるわけでありまして、今後はますます高齢化が進行することを踏まえますと、その死亡者数はさらに増加してくると推測されるものであります。まさに人ごとではない状況にもあります。今年度策定いたしますがん対策推進計画に基づきまして、しっかりと取り組んでまいりたいと決意を改めて申し上げる次第でございます。
続いて、脳脊髄液減少症につきましてお尋ねがございました。
私の就任前ではございますけれども、平成17年に脳脊髄液減少症の患者会の方々が当時の知事をお訪ねになりまして、その治療法の早期確立などを求めて3万4,000人余りの署名を提出されていることにつきましては重く受けとめております。
患者さんは、慢性的な頭痛や目まい、吐き気などに悩まされたり、集中力、思考力、記憶力の低下など、さまざまな症状があらわれると聞いております。
厚生労働省では、今年度からこの疾病の診断基準や治療方法につきまして研究班を設置し検討を始めたということでありまして、まだこれは研究途上であります。そういう意味では、行政として真正面から取り上げにくい問題がいろいろございます。
しかし、症状に苦しむ患者さんにとりましては大変切実な問題であり、治療法の確立を含めまして、患者支援施策の充実につきまして国に要望しているところであります。
今後、県として何ができるか、衛生部でよく検討をさせたいと思うところであります。
答弁◎衛生部長
先ほど知事がお答えしましたとおり、脳脊髄液減少症につきましては、今年度から厚生労働省が診断基準や治療方法について研究を始めましたので、その動向を注視してまいりたいと考えております。
県としてどのような支援ができるかということでございますけれども、新潟県、宮崎県では県あるいは県の難病相談支援センターのホームページで診察や治療に対応可能な病院を紹介しているということは承知しております。まずは疾病に関する医療機関の対応等につきまして実態調査を行うことといたしまして、今後のことにつきましては国の動向も踏まえ県として何ができるかを検討してまいります。
答弁◎教育長
教育委員会関係についてのお尋ねについてお答えいたします。
御指摘のように、本年5月に文部科学省から「学校におけるスポーツ外傷等の後遺症への適切な対応について」と題する事務連絡がありまして、それを受けて、各学校において適切な対応をするよう、県立、市町村立を含めて周知したところでございます。
この疾患につきましては、医学的な解明が進められている段階でありますけれども、スポーツ外傷等の原因による後遺症として通常の学校生活を送ることに支障を生ずると、そういった症例もあることを理解した上で、養護教諭を初めとして学校全体が一体となって対応することが大切であると考えております。
そのために、各学校に対しまして、事故発生後の児童生徒の心身の状態に応じ、養護教諭を含む教職員が連携しまして、学習面を含め学校生活のさまざまな面で適切に配慮するよう今後研修会等で周知するとともに、市町村教育委員会に対しましても情報提供を行っていきたいと考えております。
質問◆
現在、ブラッドパッチ療法を行っている医療機関は県内2カ所、1カ所では2年待ち、もう1カ所は1年待ちというふうに言われております。それだけ多いということであります。一日も早く治療が受けられ、本人、家族の不安が取り除けるよう、支援体制の確立をお願いしておきたいと思います。
それから、市町村教委、学校への脳脊髄液減少症についての正確な情報提供を行っていただきたいと思います。よくわからないというのが実情です。学校の安全管理マニュアルなどを作成して事故の未然防止を図ることもあわせて考えていただくことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
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