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自己愛 それはもしかしたら、夢だったのかもしれないけど。 そんな事は、たいした問題じゃなくて。 問題なのは、“それ”まるで、自分と同じ姿に見えたこと。 同じ姿なのに、同じものでは無い気がしたこと。 彼に憧れ、彼を真似していた、あの。 あの頃の自分に、似ていたということ。 声をかける。 その、まるで自分のように見えるものに。 「誰?」 なんのひねりも無い、ただの疑問。 本当はどうでも良かった、ただの疑問。 “それ”が笑う。口の端を、微かに歪めて。 にやりという、効果音でもつきそうな笑みで。 彼の笑い方を、真似していたつもりだった。 それは決して、彼とは似ていなかったけれど。 あの頃の自分は。 目の前の自分は、それが彼に似ていると、そう思っていた。 そうすることで、彼に近付けると思っていた。 あるいは、彼そのものに、なれる気がしていた。 必死に真似してた。 真似していることを、自分で認めようとはせずに。 体中が、痒くなる。 全身を掻きむしったって、この痒さは消えないのだろう。 過去の自分を否定したいわけでも、今の自分を無くしたいわけでもない。 多分、羨ましいだけ。 彼の側にいることができた、あの頃の自分。 彼を真似することができるくらい近くにいた、あの頃の自分。 伸ばせば、いつだって彼に手が届いた、あの頃の自分。 ――彼に愛されていた、あの頃の自分。 羨ましくて、羨ましくて。 どうしようもないくらい、愛しくなる。 目の前の“それ”に、手を伸ばす。 肩をすくめて、“それ”は笑う。 「俺が欲しいの?」 自分と同じ顔に。 自分と同じ声に。 ダブるのは、何故か―― 噛み付くように、口付けた。 笑って、それに応えてくる“それ”が。 何故か妙に憎くて。 貪るように舌を吸うと、苦しそうに喘いだ。 同じ反応。 あの頃の自分と。 憎いのか、愛しいのかも分からなくなる。 涙ながらに彼が、愛していた?と尋ねたので。 愛している、と俺は答えた。 ただ狂ったように、同じ言葉を繰り返し繰り返し―― END. いい加減に、何か更新させなければならないと、半ば強迫観念のようにこれを書き上げました。 今日は7月15日なので、七×七小説だったりするのですね(え) 最近小説書いてないので、とても微妙なのですが。 少しでも楽しんで頂けたら、幸いですv 早くパソコンが直りますように。 |