好きだから。
「やらせて」
がしゃん。
思わず、三村は持っていたカップを取り落とした。
いつものように三村の部屋で、映画のビデオなんかを見てだべっていた、何でもないときのこと。
秋也は呆れて三村の落としたカップを拾った。
「あー何やってんだよもー」
「何やってんだ・・じゃなくって、お前なあ」
「なんで?俺、三村を抱きたい」
相変わらず突拍子もないことを言い出してくれる男である、七原というのは。
零れたお茶を拭きながら、三村は頭を抱えた。
「・・ええと、それはちょっと俺―・・」
「だってずるいよ、いっつも三村ばっかりさ。俺も三村泣かしてみたい」
「・・・・・・・・・・・・・」
少々呆れたが、これで流されるわけにはいかない。
三村はしゃがみこんで深く息を吐いた。―さて、どうやって誤魔化すか。
すると、同じようにしゃがんできた秋也が、三村の顔を覗きこんでくる。
「なあ、やろうぜ」
「逆ならいつでも大歓迎なんだけど?」
「それじゃあ駄目なんだって、今日は俺がやるの」
妙なところで強情なのは秋也の性分である。
しかもお互い「友達上がりの恋人」であるため、どちらかがどちらかにリードを譲る、というのが我慢できないということもある。どちらにしろ、三村は秋也に負けるつもりはないのだが―・・
早々にこの話題を切り上げてしまおうと、三村はぽんぽんと秋也の肩を叩いた。
「ハイハイ、もういいから黙ろうね、秋也くん」
「良くないって、おい―・・」
腰をやんわりととらえ、触れるか触れないかのキスをする。
それだけで秋也はぼうっとなってしまう―はずだったが。
ふいに、キスをしていた顔をがしと掴まれた。三村は驚いて目を開く。
「・・・・・?ななは―・・」
しっかりと、真っ直ぐ目を見据えた秋也が。
ゆっくり、ゆっくり、口付けてきた。
「・・・・・・・・・・・・ふ・・」
「今日は俺がやる、絶対譲らない」
「七原・・おい、マジでやめ・・」
喋ろうとした口は塞がれ、しっかりと巻きついている右腕でベッドに押しつけられる。
いつになく真剣に発情している(こんな言い方もおかしいのだが)秋也に、流されそうになっているのを感じながら、さてどうやって逃げ出そうか―と考えた。
首筋に吸い付きながらシャツに手を差し入れてくる感覚に、頭が働かなくなりつつも、身を捩ってベッドから降りようと足を伸ばす。その足を、秋也の膝でぐいと抑えつけられた。
―・・やばい、そういえばこいつ運動神経に関しては凄かったな―・・
忘れていたことを迂闊に思っていると、ふいに両腕をまとめて掴まれ、頭の上に押しつけられた。いいかげん逃げようとされるのが鬱陶しくなったのだろうか。
焦っているのを悟られないよう、落ちついた声で言った。
「おい、ここまでくると強姦だぞ」
「だって逃げようとするから」
「そりゃ逃げるだろ、嫌がる相手に無理矢理やるのはレイプっていうんだぜ?」
「じゃあお前はいっつも俺にレイプしてるんだな」
「あれ、嫌がってたわけ?」
「次の日に何かあるときは、やりたくないときだってあるんだよ」
「じゃあ俺にも嫌がる権利はあるはずだよな」
「明日は学校休み。部活もない、お前の予定もないはず。嫌がる理由はどこにある?」
駄目だ、何を言っても埒があかない。
両腕も足も塞がれたまま、三村は途方に暮れた。このままでは流されてしまう―・・
そう思ったとき、ふと、秋也の動きが止まった。
「・・・・七原?」
「なあ、そんなにいやなわけ?」
真面目な顔をして見下ろしてくる秋也を見、三村はぴたりと動きを止めた。
真っ直ぐ目を見据えて、一言一言はっきりと言葉を発する。
「あのな、俺本当に三村が嫌だっていうんなら、やらないよ」
「・・・・・・・・・・・・」
「ほら、好きなヤツに、いやな思い、させたくないし・・・・」
ぼそぼそと恥ずかしげに呟く秋也をぼうっと見つめると、何見てるんだ、と怒鳴られた。
そして、また言いにくそうに言葉を紡いでいく。
「・・三村は、どうして俺のこと抱きたいと思うんだ?」
「そりゃあ・・」
好きだから。
その言葉を口にした途端、今までの真面目くさった顔がほころんだ。
「俺も同じ」
三村のこと好きだから抱きたいんだ、それが何かいけないこと?
秋也はそう言って笑った。
それで―ああ、もう大分前からかもしれないけど―三村は、ようやく自分の負けを確信した。やっぱり自分はこいつに敵わないようにできているのかもしれない。たとえ、見た目には逆のように見えたとしても。
三村は、諦めたように両手を上げた。
「気持ち良くやんなきゃ絶交だからな」
「オーケイ」
秋也はいやに楽しげに、拘束していた両腕に唇をつけた。
三村を満足させることなんか出来るのかな俺、などと呟きながら、シャツをするすると脱がせていく。三村が秋也の服も脱がそうと手を伸ばすと、さっと払いのけられた。
「今日は俺が全部やる。三村は手出さなくてもいいの」
「随分強気に出たな、出来るわけ?」
「出来る。ヒイヒイ言わせてやるから覚悟しとけよ」
いやに自信ありげな秋也を見て思わず笑っていると、ジーンズの上から思いきり掴まれた。
快感よりも痛みが勝り、顔をしかめていると、最中に笑うヤツがあるか、と怒られた。
―・・確かに、七原に任せないと酷いことになりそうだな。
わざとらしく両手を上げ、芝居がかった表情をして。
「お好きなようにどうぞ、七原様」
「オーケイ、お姫様」
柄にもないその物言いが可笑しくて、ふたりして肩を揺らした。
―未知の世界ではあるけど、たまにはこんなのもいいかな。
そう思えてしまう自分が妙に嬉しくて。
しばらく、笑いを堪えるのに苦労した。
→7000HIT真夙あさこさんのリク、「37ベースの73」
うはは、リバですね(笑)
ってか
エロ書けね―――――――!!!<絶叫
はう、どうしたことだ!エロが書けなくなってるぞ!!
頑張ったけど15禁くらいですね。すいません、18禁って言われたのに!!
しっかもラブラブだしよ!ちくしょ!
すいません精進します。もし駄目なら書き直します・・トホ。
今度すっげーヤバイの書くので見逃してくださいましー!