| ●解説 |
1981年の『ロボット8ちゃん』から始まったフジテレビ日曜朝枠のコメディシリーズ(後に不思議コメディシリーズと呼ばれる)は3作目となる『ペットントン』で、それまでのロボットとは違う宇宙生物という新たなキャラクターを扱いながらも視聴率的に成功を収めた。放送終了後に『月曜ドラマランド』にて異例のスペシャル版が放送されたのもレギュラー枠での人気あってのことだった。
日曜朝のシリーズは1984年9月からスタートした後番組『どきんちょ!ネムリン』に受け継がれるが、『ペットントン』の成功に気をよくしたフジテレビは同様のコメディ作品をゴールデンタイムにも持ち込んだ。それが1985年1月からスタートした『TVオバケてれもんじゃ』であり、『ネムリン』以上に『ベットントン』との類似性が多かった。
まず主役となる「てれもん」が「ペットントン」同様、人間がしゃがんで入るタイプの背の低い着ぐるみである点。また、『ペットントン』が大ヒット映画『ET』に影響を受けているのに対して、『てれもんじゃ』は、やはり当時の大ヒット映画『ゴーストバスターズ』の影響が大きい。父親役の佐渡稔氏、グレートデンキ役の斉藤晴彦氏も『ペットントン』から引き続いて出演。脚本や監督といったスタッフもやはり同じで、同時期の『ネムリン』よりもかなり保守的と言わざるを得ない。おまけに有名なゲストを多数出演させればゴールデンでも数字がとれるだろうという、安直な計算も伺える。
『ネムリン』と同時に手がけていた浦沢義雄氏の脚本は、『ペットントン』ほどのキレのあるシュールさはあまり見受けられず、投げやりとさえ思える話もあった。そして人気アニメ『キャプテン翼』の裏だったこともあり、結果としては11本で番組は打ち切りとなる。ただ、これを機に東映は後番組として『スケバン刑事』を製作し、これが大ヒットシリーズになるのだから、世の中わからない。
| ●キャラクター |
■てれもんじゃ(高木政人 声・龍田直樹)・・・・・・電波のカスから生まれたTVオバケ。林家の古いテレビの中に住み着いており、トンボたちに林家の居候として認められてからも、夜はテレビの中で寝ている。通称は「てれもん」で、「てれもんじゃ」は正式名称と思われるが、トンボと初対面の際は「てれもん」としか名乗っていない。名前の所以は「テレビモンスター」の略。トンボと仲良くなるが、トンボが憧れている女子中学生・さやかのことも好きで、何かと気に入られようとする。テレビの中に出入りすることができるため、当初はトンボたちに芸能人と親しいと思われていたが、実際にはコネなどない。正義感もないことはないが、金儲けに走ることもある。口ぐせは「ジー」。
■林トンボ(伊藤環)・・・・・・林家の一人息子で小学4年生。一つのチャンネルしか映らないテレビのために性格が暗くなった。てれもんと仲良し。
■林アゲハ(木ノ葉のこ)・・・・・・トンボの母。夫のカブトにヤキモチを焼くことが多いが、自分がラドンに言い寄られるのはまんざらでもない。
■林カブト(佐渡稔)・・・・・・トンボの父で中学生の教師。妻のアゲハとはつまらないことでよく喧嘩するが、どちらかと言えば尻にひかれている。
■さやか(星めぐみ)・・・・・・トンボの憧れの人で、中学生。父親は従業員三人の鉄工所を営んでいる。やさしいが、わがままなところもある。
■ラドン(佐渡稔)・・・・・・トンボの友だちで、通称「ドンちゃん」。アゲハに恋しており、結婚を本気で考えている。苗字は「タケダ」。2〜11話
■ラーメン屋(市川勇)・・・・・・屋台のラーメン屋を営んでいる。店名は2話まで「中華かんちゃん」、3話以降「ラーメン味一番」。1〜3、6〜8話
■電器屋(斉藤晴彦)・・・・・・電器屋「小俣電機」の店主。常に店の利益を優先に考えて行動する。店は三洋電機の特約店らしい。苗字は「小俣」と思われるが、通称は「電器屋さん」で、小俣と呼ばれたことは一度もない。2〜4、6、8、9〜11話
■ザ・グレートデンキ(斉藤晴彦)・・・・・・電器メーカーの正義の味方で、電器屋の店主が電気の神様(電気大明神と呼ばれるコンピュータ)に祈りを捧げて変身した姿。古き電化製品を壊して新たな電化製品を家庭にお届けすることをモットーとする。そのため、林家の古いテレビに住みついているTVオバケのてれもんを目の仇にし、戦いを挑むが、なかなか勝てない。電気大明神から送られる新兵器ならぬ新製品を武器とする。2〜4、6、8、9、11話
| ●全話ストーリー |
第1話 ザンゲの神様クラッシュも真っ青!!
林家の一人息子・トンボは性格がすさんで歪んで濁っていた。家のテレビが一つのチャンネルしか映らないため多局の人気番組が見られないからだ。そこでトンボは新しいテレビに買い換えてもらうべく古いテレビを壊そうとするが、そのテレビには電波のカスから生まれたオバケ・てれもんが住みついていた。姿を現したてれもんにテレビの中へ引っぱりこまれるトンボ。怖い目にもあったが、憧れの人・さやかのために羽賀研二のサインを貰うことができた。
一方、母のアゲハと父のカブトはてれもんを気味悪がって古いテレビを捨ててしまう。トンボはそのテレビをごみ捨て場から取り戻し、喜んだてれもんは林家の居候となることを勝手に決め、記念パーティが開かれた。トンボはそのパーティにさやかを招き、彼女が大好きなクラッシュ・ギャルズを連れてくるよう、てれもんに頼む。
テレビの中に出入りできても人気スターにコネがあるわけではない。困ったてれもんは苦し紛れにぶーちゃん小林やザンゲの神様をテレビの中から連れ出すが、さやかは怒って帰ろうとする。その時、偶然テレビに映ったことからクラッシュ・ギャルズを連れてくることに成功。しかし、困惑した彼女たちは林家で暴れだすのだった。
本シリーズの特徴に子供向け番組とは思えないほどのゲストの豪華さがある。特にこの第一話はその傾向が顕著で、当時の人気女子プロレスラーのクラッシュ・ギャルズをはじめ、今や犯罪者として有名になってしまった羽賀研二氏、「笑っていいとも!」のテレホンディレクターとして人気だったぶーちゃん小林こと小林豊氏、さらにお笑い芸人からはとんねるずが出演している。
ただ、今や大物芸人のとんねるずも当時は日本テレビから干された後にフジテレビの「オールナイトフジ」で復帰して間もない頃。エンディングでも羽賀研二が一画面に一人だけの表記なのに対し、とんねるずは市川勇氏との列記。しかもクラッシュ・ギャルズのように個人名が併記されていない。本編中でも名前を呼ばれておらず、人気の点ではまだ今ひとつだったことが伺える。
ラストは収拾がつかなくなるような形で終わっており、ゲストに頼りすぎの感は否めない。
第2話 正義の味方ザ・グレートデンキ誕生!!
電器店の主人・小俣は林家にある古いテレビを憎んでいた。林家にいくらテレビの買い換えを勧めても、そのテレビがあるため取り合ってもらえないからだ。古いテレビにオバケのてれもんが住みついていることを知った彼は、てれもんをやっつけることを決意。電気の神様に祈りを捧げ、電器メーカーの正義の味方、ザ・グレートデンキに変身した。
その頃、てれもんはさやかに気に入られようと、芸能界の情報通をきどって「アキナとマッチが今年中に結婚する」などと適当なことを言っていた。さやかにもっと喜んでもらうため本当の芸能界のスキャンダルを教えてもらおうと、芸能レポーターの福岡翼をテレビの中から連れてくるてれもん。だが、彼は怒って出ていってしまう。
新製品「強力瞬間冷凍フリーザー銃」を手にしたグレートデンキは、てれもんに戦いを挑んだ。てれもんはテレビの中にひっぱり込み、様々なテレビ番組に乱入する。だが、グレートテンキの執拗な攻撃はどこまでも続く。てれもんは一計を案じ、風邪をひいていたラーメン屋の主人に風邪を移してもらい、体内から電気を放出する。風邪をひくと熱が出る代わりに電気が出る体質なのだ。てれもんは強烈な電気を浴びせてグレートデンキを追い払うのだった。
ザ・グレートデンキ初登場。演ずる斉藤晴彦氏は『ロボット8ちゃん』のバラバラマン役と『ペットントン』の畑セロリ役で、不思議コメディ路線ではすっかりおなじみになっていた。変身前の姿は電器店の主人・小俣だが、第一話ではOPに表記されながらも出番はなかった。グレートデンキはてれもんのライバル的存在であり、特に超能力はないものの電気の神様から送られる「新製品」を武器としている。電器店だけに新兵器とは呼ばずに新製品と呼ぶあたりがミソだ。
また、この回には斉藤氏同様、第一話にはOPの表記だけだったレギュラーがもう一人初登場している。林義人氏演ずるラドンだ。トンボの友だちで、いわゆるガキ大将的キャラであり、そのネーミングも『オバケのQ太郎』に登場するガキ大将「ゴジラ」からの連想と思われる。ただ、『ペットントン』のガキ大将キャラ・ガン太が主人公のネギ太に恋をするという、子供向けコメディ作品らしからぬ性格だったように、ラドンもまたトンボの母親・アゲハに恋をし、結婚まで考えるという異常なキャラとなっている。
第3話 必殺!(秘)ストリップ銃あっちっち
雪の降る夜に夜回りをしたてれもんは、すっかり風邪をひいて動けなくなってしまった。それを知った小俣はこの時とばかりにザ・グレートデンキに変身。てれもんに邪魔されないのをいいことに、新製品の「ターボ乾電池付灼熱ヒーター型ストリップ銃あっちっち」を使って町内の古い電気製品を壊しまくった。人々に新しい電気製品を買わせるためだ。小俣の思惑通り、小俣の電器店は大繁盛する。
グレートデンキの行動は町内会でも問題となり、町会長に頼まれたトンボとラドンは嫌がるてれもんを無理やり連れ出し、グレートデンキと対決させた。風邪のせいで武器のノドチンコも威力がなく、その場から逃げ出すてれもん。だが、トンボとラドンが「ターボ乾電池付灼熱ヒーター型ストリップ銃あっちっち」の光線を浴びて服を脱ぎだすと共に気がおかしくなり、グレートデンキに捕まってしまう。
さやかに励まされ、一計を案じたてれもんは再びグレートデンキと対決。「ターボ乾電池付灼熱ヒーター型ストリップ銃あっちっち」の電気エネルギーをその口から吸収すると、たちまち体力が回復。ノドチンコを巻きつけて電気エネルギーを放出し、グレートデンキをやっつけるのだった。
てれもんが風邪をひく話。とは言っても、すでに前回でも風邪をひいているし、前々回でも風邪かどうかはわからないものの病気にかかっている。三週連続で病気になる主人公というのも珍しい。しかもオバケなのに。
前回の第2話ではわざと風邪をひき、風邪をひくと身体から放電するという体質を利用してグレートデンキをやっつけていたのだが、今回は放電を武器にすることもなく、体調不良で戦意を失っている。初期の展開にしては、なんだか行き当たりばったりで、統一性がないような気がする。やはり脚本の浦沢義雄氏が同時期の『どきんちょ!ネムリン』と掛け持ちするというのは、いささか無理があったのかもしれない。
また、電器屋の小俣がグレートデンキとなって町中の電化製品を壊しまくったために、町民たちが新品を買いにくるので電器屋が儲かる……という展開は今回のみである。これが本来のグレートデンキの目的のような気がするのだが、なぜ他の回ではてれもんを追いまわして林家のテレビだけに固執しているのかいささか疑問だ。
第4話 紙テープはスーパースターの夢を見る
テレビの中に入り込み、番組をメチャクチャにしたてれもんは主役のお笑いタレントに追いかけられる。片隅に捨てられていた無数の紙テープを目にし、それをそのタレントに向かって投げるてれもん。スーパースターとはやしたてると、彼の機嫌はなおった。
ところが、散乱した紙テープは瞬く間に寄せ集まって一つの塊となり、今度はそれがてれもんを追いかけ始める。やがてその紙テープはことばを喋り出し、自分の素性を語り始めた。それは、あの永遠のスーパースター山口百恵に投げられた紙テープであり、そのことを誇りに感じていた。そのためお笑いタレントに投げられたことで、プライドを傷つけられたのだ。せめて山口百恵くらいのスーパースターにもう一度投げられたいと紙テープは言う。
そこへグレートデンキが現れ、てれもんに戦いを挑んだ。新製品「逆転早送り等々あらゆる機能が鮮明画像で楽しめるスライドバリヤー赤外線フォーカス百万時間ビデオマシーンぴっぴっぴ」に苦しめられるてれもん。だが、グレートデンキの姿を見た紙テープは彼をスーパースターだと勘違いし自らのテープを投げとばした。紙テープに絡みつかれて身動きできなくなったグレートデンキは退散するしかないのだった。
「どきんちょ!ネムリン」の傑作となった第10話「バス停くん田舎へ帰る」を始め、浦沢義雄氏は時折無機物を喋らせ、行動させることで、独特のシュールな世界を作りだしている。無機物が動くことに対して理由づけなどまったくない。
今回、行動を起こしたのは使い古しの紙テープ。いくつもの紙テープの集合体であり、自分のことは「あたいたち」と呼んでいる。かつて永遠のスーパースター・山口百恵に投げられたことを誇りに感じており、もう一度スーパースターに投げられたいと言い出す。
一方、グレートデンキの手にした今回の新製品は「ビデオマシーン」。これを動かす際には音楽が流れるのだが、この曲もやはり山口百恵の「いい日旅立ち」や「プレイバックPART2」。てれもんのノドチンコをマイク代わりに持ち、グレートデンキが口パクをするのが印象的だ。それを見た紙テープは彼がスーパースターだと思いこんでしまい、彼と共にどこかへ行ってしまう。その後紙テープがどうなったかは、まったくわからない。
第5話 高見山直伝!強い女の子に勝つ方法
さやかにプレゼントするためのドレスが欲しくなったてれもん。テレビゲームが欲しいトンボ。二人はアゲハにそれぞれ欲しいものをねだるが、まったく取り合ってももらえない。それならば自分たちで金儲けしようと、てれもんを社長にして芸能プロダクションを勝手に設立。トンボとラドンが街でスカウトを始めるが、アゲハに見つかり、やめさせられてしまう。
今度はてれもん自身がタレントとなり、強引にCMに出演。さらに突撃レポーターとなって元高見山の東関親方に「強い男になる秘訣」を訊く。親方は「この番組が終わった後、ぜひ見てください」と、自分の番組を宣伝するだけだったが、てれもんには金儲けの新たなアイディアがひらめいた。弱い男の子を強い女の子から守る会社「かぶしき会社男子お助け商事」の発足である。
トンボの友だちの男の子たちはみんな強い女の子たちに虐げられており、お助け商事への依頼は絶えない。だが、依頼主の男の子を守るべくトンボやラドンが駆けつけても、彼らの力ではどうにもならなかった。そこでてれもんはテレビの中から強い男・鞍馬天狗を連れてきて男の子たちを鍛えるべく特訓しようとする。しかし、それでも男の子たちは女の子たちに勝てないのだった。
元高見山の東関親方がゲスト出演。とはいえ、本放送時、この番組の後に放送された相撲特番の番宣しかしていない。バラエティならともかく、再放送もあり得るドラマ番組の中で番宣するというのは珍しい。この番組自体、バラエティ色が強いというのもあるだろうが、再放送のことなど考えていなかったのだろう。ちなみにCS局・東映チャンネルでの放送でもこの部分はカットされていない。
さて、今回の本筋は、てれもんやトンボたちが、強い女の子に虐げられている弱い男の子を助けようとする話である。ただ、てれもんたちは親切心でやっているのではなく、飽くまでもビジネスとしてやっているのが面白い。ただ、トンボたちに強い女の子たちに勝てる力はなく、男の子たちを鍛えようにも、先生が時代劇の鞍馬天狗ではどうにもならない。鞍馬天狗役が佐渡稔氏の二役なのは、豪華ゲストを出しすぎたためのしわ寄せだろうか。
第6話 恐怖の音声多重総天然色カラーボーイ
グレートデンキが電気の神様に願っててれもんをやっつける新製品を呼び出すと、現れたのは新製品ではなく音声多重総天然色カラーボーイと名乗る怪人だった。彼はグレートデンキに代わって新しい電器メーカーの正義の味方になるべく行動を開始した。
必殺技「ステレオウィンク」によって、あらゆるものを総天然色に変えてしまうことのできるカラーボーイは、てれもんと対決するが、てれもんのノドチンコ攻撃にぶっとばされてしまう。だが、戦ううちに、てれもんに対して恋心が芽生え、てれもんを自分と同じ総天然色にするべく彼を追いまわし始めた。その時、なんでも氷づけにする「改良型強力瞬間冷凍フリーザー銃」を持ってグレートデンキが登場。しかし、逆噴射したフリーザー銃によってグレートデンキは自分自身が氷づけになる。
てれもんに告白し拒絶されたカラーボーイは恋の怨みをはらすべく、八百屋のダイコン、道ばたのポストなど、あらゆるものを総天然色に変えていく。カラーボーイの頭部はテレビになっており、てれもんは復活したグレートデンキと共にカラーボーイのテレビへ侵入。その中で二人が暴れまわったためたちまちカラーボーイは爆発。そのまま粗大ゴミとなった。
浦沢義雄の脚本には、無機物が人格を持つパターンの他に、変なこだわりを持った、わけのわからない怪人が登場するものがある。今回はそんなパターンの話で、音声多重総天然色カラーボーイと名乗る怪人が登場する。この怪人、頭はテレビの形で、衣裳はまるでテレビのテストパターンのよう。しかもオカマ口調で喋り、実際のところも男が好きらしく、てれもんに恋をしてしまう。
さすがのグレートデンキも、このカラーボーイには太刀打ちできず、せっかく持ってきた「改良型強力瞬間フリーザー銃」も逆噴射して自分が氷づけになる始末で、まったくいいところがない。ラスト近くになって、ようやくてれもんとの対決が見られるが、戦いの舞台はなんとカラーボーイの頭の中。二人で暴れたためにカラーボーイは爆発。そのまま粗大ゴミ置き場にうずくまり、動かなくなってしまう。もちろんカラーボーイを心配する者は誰一人おらず、そのまま放置される様子はシュールという他はない。
第7話 不良少女XYZ積み木くずしパニック!!
さやかが同級生の山本くんと一緒に歩いているのを目撃し、やきもちを焼くてれもん。山本くんをなんとかやっつけようと企むが、彼は六人兄弟の長男で、彼を含めた全員が格闘技を身につけているという。自分だけでは勝てないと思ったてれもんはテレビの中から強い人を連れてこようと画策。たまたま目についたのが学園ドラマに出ていた不良少女だった。
テレビの中から現れた立花という不良少女は、てれもんの頼みなどきくはずもなく、家の中で大暴れ。中学で教師をしているカブトも、生徒の暴力には弱腰だった。事態をなんとかしようとしたてれもんは、ノドチンコを伸ばして反撃。ノドチンコをぶつけられた立花は、カブトにぶたれたものと勘違いし、怒りだすかと思いきや、なぜか泣き崩れた。彼女は自分の汚れきった根性を叩き直してくれる人が現れるをひそかに待ち望んでいたのだ。
「おじさん、大好き!」たちまち更生しカブトになついた立花は、友だちも目覚めさせて欲しいと、テレビの中から六人の不良女子高生たちを連れてくる。一人一人叩き、全員を更生させたカブトは女子高生たちに囲まれて嬉しそう。そんな光景をまのあたりにしたアゲハは嫉妬に狂うのだった。
大ヒットしたテレビドラマ「積木くずし 〜親と子の200日戦争〜」が放送されたのは1983年であり、この番組の本放送時にはすでに二年が経過していた。が、1984年にも「不良少女とよばれて」が放送されるなど、不良少女を主人公にしたドラマは多く、実際のところ「てれもんじゃ」の後番組も「スケバン刑事」である。
当時の不良少女の典型のような少女たちが多数登場しているが、劇中ドラマの中で教師を演じているのはビートきよし氏。情けなく少女たちに虐められている様が実によく似合っている。また、カブトの職業が実は中学の教師であることが今回判明するのだが、他の回ではまったくこの設定は活かされていなかった。当初の設定ではなく、今回のエピソードの中で教師であった方が都合がよかったので、そうしてしまったのかもしれない。こうしたいい加減さも、このシリーズの何ともいえない魅力のひとつではある。
第8話 トンボが初めて百点満点をとった日!!
トンボが生まれて初めてテストで百点をとった。うれし泣きするカブトとアゲハ。ところが、テレビのクイズ番組でてれもんが全問正解し優勝すると、今度は二人共トンボのことはそっちのけでてれもんを讃える。てれもんはいつもの口ぐせの「ジー」を言っていただけだが、たまたますべてのクイズの正解が「ジー」だったのである。
せっかく百点をとったのに両親にたいして褒めてもらえず、トンボはすっかり元気をなくしていた。それを知ったてれもんは、トンボが百点をとったことを町の人々に知らせようとするが、トンボはかえって傷つき、ついに家出してしまう。責任を感じたてれもんは山へ海へとトンボをさがしに行くが、どこにも見つからない。心配のあまり病気になるてれもん。
それを知った小俣はグレートデンキに変身するが、このチャンスにてれもんをやっつける新製品がまだ出来ていなかった。仕方なくハンマーを片手にてれもんを襲撃するグレートデンキ。そこへトンボが帰ってくるが、彼はゲームセンターで時間をつぶしていただけだった。てれもんのとりこし苦労だったのだ。グレートデンキの攻撃によって発電したてれもんは病気が回復し、再び元気を取り戻すのだった。
トンボが生まれて初めてテストで百点満点をとったという話。言い換えれば、トンボは普段成績が悪いということだが、他のエピソードで特にそれを強調したようなことはなかった。ただ、息子が百点をとったことによる両親の喜びようは尋常ではなく、料理に「100点満点おめでとう」の旗を立てたり、うれし泣きしたり…。それだけに、てれもんがクイズ番組で優勝すると、トンボの百点をすっかり忘れてしまうという変わりようは、いささか解せない。そういういい加減な夫婦ではあるのだが。
ところで、てれもんが出演したクイズ番組は「ザ・クイズ」という、かなりシンプルなタイトルの番組。司会者を演じていたのは不思議コメディシリーズの出演の多い、石井愃一氏。彼自身が出題もしているのだが、その問題というのが「桃太郎のおとぎ話の中で、山へ芝刈りへ行ったのは誰?」「おしりにできるイボは何?」「ジャイアンツの頭文字は何?」の三つ。答えはそれぞれ「爺」「痔」「G」で、てれもんは口ぐせの「ジー」を繰り返したため、正解になってしまうのだった。
第9話 逃げろや逃げろ!! ヒーローはつらい
てれもんを追いかけまわしていたザ・グレートデンキは、目の前で危うく自動車にひかれそうになった子供を助ける。その様子を見ていたさやかは彼のことを勇気とやさしさを持つヒーローだと思い込む。グレートデンキそっくりの衣装を身につけ、たちまちグレートデンキの熱狂的ファンになるさやか。それを知ったグレートデンキはこれを機にてれもんを倒し、人気を独り占めしようと再びてれもんを襲った。
てれもんによってテレビの中に引きずり込まれた彼は、てれもん共々、アクション映画の監督にスカウトされる。ところが、その役柄は檻に閉じ込められて殺される役。しかも監督は本気で殺すつもりらしい。手錠でつながれながらも、必死で逃げだす二人。さやかの案内でどうにか逃げ切るが、手錠がどうしても切れない。
そんな時、目の前で再び子供が自動車にひかれそうになるのを目撃。だが、自分の知らない子供だったためグレートデンキは助けようとはしなかった。以前助けた子供は電器屋のお客さんの子供だったから助けたのだ。見かねたてれもんは自ら自動車の下敷きになりながらも、その子供を救った。さやかはグレートデンキのファンを止め、今度はてれもんのファンになるのだった。
さやかという女の子は毎回ファッショナブルな衣裳を着用しているのだが、今回身につけたのは、なんとグレートデンキファッション。グレートデンキのファンになった途端、自らの格好までグレートデンキにしてしまうあたり、かなり熱中しやすい性格のようだ。彼女の父親が従業員三人の鉄工所を経営しているという設定も今回のエピソードの中で語られるが、父親は登場しない。
一方、グレートデンキはこれが最後の新製品となる「無公害節約省エネタイプの強力瞬間クッキングマシーン」を手にして登場。ただし、この新製品、いつものように電気大明神が作ったものではなく、グレートデンキ自身が開発したものであるという。しかも、このマシーンはどんなものでも三秒で調理してしまうというスグレもの。ただ、人間に向けて発射すると、なぜかソーセージになってしまう(役者がソーセージの被りものを被る)。車にひかれたてれもんがペラペラのノシイカ状態になるなど、何かと漫画的表現の多い回だった。
第10話 私は恋するフランケンシュタイン
激しい夫婦喧嘩を繰り広げたアゲハは、夫のカブトに愛想をつかし、自分の理想の男性のタイプを口にした。気はやさしくて力もち……てれもんはそんな理想通りと思われる男性をテレビの中から連れてくる。それは怪奇映画の主人公・フランケンシュタインの怪物だった。その恐ろしい顔を見て恐怖に怯えるアゲハ。だが、フランケンはアゲハのことを映画の中のヒロイン・マリヤだと思い込み、彼女を追いまわす。もみあううちにぶつかってテレビが故障。フランケンをテレビの中へ戻すことができなくなってしまった。
フランケンは見かけによらず性格がやさしく、積極的に家事を手伝ってくれる。アゲハは彼のことをすっかり気に入り、トンボや子供たちの間でも人気者となっていった。その人気に嫉妬したてれもんは、故障したままのテレビを背負って家出。それを知ったフランケンも彼の後をついていった。フランケンはてれもんを友だちだと思っていたのだ。思わず抱き合う二人。その瞬間、二人の間に電流が走り、そのショックでテレビがなおった。
テレビの中で博士とマリヤが自分のことをさがしていることを知ったフランケンは、テレビの中へと戻ってしくのだった。
全11本中、メインライターの浦沢義雄氏が唯一関わっていないのが今回のエピソードである。誰でも知っているフランケンシュタインの怪物をゲストキャラクターとし、実にわかりやすいコメディ作品に仕上がっている。
見かけから怖いと思われていたフランケンは実は心優しい働き者。すっかり彼のことが気に入ったアゲハだけでなく、子供たちにも好かれるようになる。面白くないのは、彼をテレビの中から連れてきたてれもん。テレビの中に帰したくとも、テレビが故障してしまったという展開。やがてテレビは突然なおるのだが、なおった時にブラウン管に映っていたのは「どきんちょ!ネムリン」である。朝放送されているはずの番組が夜間に映っているのは変だが、これも番宣だろうか。
ところで、フランケンを演じたのは声優として知られる大友龍三郎氏。特撮作品の悪役の声も多く、劇場映画「大決戦!超ウルトラ8兄弟」でもスーパーヒッポリト星人を演じている。
第11話 突然サヨナラ!いとしのテレビ
トンボの書いた作文を読んだアゲハとカブトはトンボのことを気の毒に思い、ついに新しいテレビを買うことを決意した。作文には、一つのチャンネルしか映らないテレビのために彼の人生が暗くなったことがつづられていたのだ。そんな時、トンボは商店街のくじびきで一等賞を引き当てる。商品はなんとカラーテレビ。だが、てれもんは新しいテレビを置くことに大反対。古いテレビは自分の住家であり、新しいテレビを置くと古いテレビの置き場所がなくなってしまうからだ。
一度は商店街に新しいテレビを返しに行くが、トンボの哀しそうな顔を見たてれもんは彼のために古いテレビを捨ててしまう。ところが、何度捨てに行っても、家に帰るとテレビはてれもんより先に戻っていた。自ら動き出したテレビは家の中で暴れだし、一家を襲い始める。涙ながらにテレビと戦うてれもんだが、テレビはすさまじく強かった。駆けつけたグレートデンキもあっさりと弾きとばされてしまう。
やがて家を飛び出して空へ舞い上がったテレビは、人工衛星となって地球の周りをまわり始めた。住んでいたテレビがなくなり、落ち着かないてれもん。それでも今日も元気にトンボと一緒に遊ぶのだった。
ついに迎えた最終回。てれもんがどこかへ行ってしまうのではなく、てれもんの住みかとなっていた古いテレビが林家からサヨナラしてしまうという驚きの展開である。
トンボが商店街のくじびきで一等のテレビを引き当て、最初は新型テレビを置くために古いテレビを捨ててしまうことに大反対だったてれもん。だが、トンボの様子を見て決心し、自ら古いテレビを捨てに行く。ところが、テレビは自分で林家に戻ってしまう。浦沢氏お得意の無機物の人格化が、テレビにまで及んだ瞬間である。ただし、テレビは紙テープのように自ら喋ることはない。自分の意思を態度で示すのみだ。
グレートデンキやてれもんと戦うテレビ。ところが、テレビは空高く舞い上がると、地球を飛び出し、人工衛星となって地球のまわりを回り始める。まったく予測できなかったラスト。てれもんは住みかをなくしながらも、今までと同じようにトンボと過ごす。楽しく遊んでいる様子でそのままいつものようにエンディングが流れ、「おわり」などの文字はなかった。
| ●データ |
1985年1月10日〜1985年3月28日
フジテレビ系 毎週木曜午後7:30〜8:00放映
カラー 30分 全11本 東映作品
[スタッフ]
企画/前田和也(テジテレビ)、平山亨 原作/石森章太郎(てれびくん、テレビランド、小学館学習雑誌) 音楽/本間勇輔 プロデューサー/清水賢治(テジテレビ)、植田泰治、西村政行 撮影/林迪雄、池田健策 照明/関口弥太郎、大森康次 美術/安井丸男 ビデオ合成/技術・島田健治、映像・小川信明、色調整・石垣強、VTR・前田良徹 助監督/近藤杉雄 録音/川島一郎 編集/只野信也 記録/川村薫、山下千鶴、澁谷康子、森美礼 選曲/秋本彰 効果/原田千昭 撮影助手/臼木敏博 照明助手/大森康次、関口弥太郎 装置/江田豊 装飾/装美社 衣裳/東京衣裳 美粧/サンメイク メイクアップデザイン/トニー田中 造型協力/レインボー造型企画梶@アクションクリエイター/岡田勝 現像/東映化学 協力/横浜シネマ、東通 システムマネージャー/峰沢和夫 進行主任/井口喜一 制作担当/小貫綮子、鈴木勝政 資料担当/青柳誠(石森プロ) プロデューサー補/北崎広実 制作/フジテレビ、東映
[キャスト]
アゲハ/木ノ葉のこ カブト/佐渡稔 トンボ/伊藤環 さやか/星めぐみ ラドン/林義人 てれもんじゃ/高木政人 てれもんじゃの声/龍田直樹 ザ・グレートデンキ/斉藤晴彦
[放映リスト]
|
放送日
|
サブタイトル
|
脚本
|
監督
|
ゲスト
|
|
|
1
|
85/1/10
|
ザンゲの神様クラッシュも真っ青!! |
浦沢義雄
|
加藤 盟
|
クラッシュ・ギャルズ(ライオネス飛鳥、長与千種)、羽賀研二、ぶーちゃん小林、ブッチー武者、とんねるず、市川勇 |
|
2
|
1/17
|
正義の味方ザ・グレートデンキ誕生!! |
浦沢義雄
|
加藤 盟 | 市川勇、福岡翼、本間淳子 |
|
3
|
1/24
|
必殺!(秘)ストリップ銃あっちっち |
浦沢義雄
|
田中秀夫
|
市川勇 |
|
4
|
1/31
|
紙テープはスーパースターの夢を見る |
浦沢義雄
|
田中秀夫
|
佐藤B作、横尾三郎、徳田雅之、木村修、丸山宏美 |
|
5
|
2/7
|
高見山直伝!強い女の子に勝つ方法 |
浦沢義雄
|
加藤 盟
|
高見山大五郎、山浦栄、泉福之助、村田正子、前田優紀、高橋リサ、滝奈々、岡崎由喜枝、駒崎涼太郎、片桐尚三郎、橘慎之介、松本陽子 |
|
6
|
2/14
|
恐怖の音声多重総天然色カラーボーイ |
浦沢義雄
|
加藤 盟
|
結城貢、市川勇、山崎清、川村万梨阿、佐川二郎、小甲登枝恵、小山昌幸、徳田雅之、佐藤法義、小笠原東一郎 |
|
7
|
2/28
|
不良少女XYZ積み木くずしパニック!! |
浦沢義雄
|
田中秀夫
|
ビートきよし、茂野幸子、井浦秀智、宮脇志都、志賀律子、上野由美子、知野方子、大谷和世、中村麻記、染谷早苗、尾崎泰子、市川勇 |
|
8
|
3/7
|
トンボが初めて百点満点をとった日!! |
浦沢義雄
|
田中秀夫
|
石井愃一、市川勇 |
|
9
|
3/14
|
逃げろや逃げろ!! ヒーローはつらい |
浦沢義雄
加藤 盟 |
佐伯孚治
|
吉田重幸、ふくしまとしえ、鈴木克久、田中愛子 |
|
10
|
3/21
|
私は恋するフランケンシュタイン |
水谷龍二
佐伯孚治 |
佐伯孚治
|
大友龍三郎、今野亜紀、山本緑、大館光信、舟久保信之、市川勇 |
|
11
|
3/28
|
突然サヨナラ!いとしのテレビ |
浦沢義雄
|
加藤 盟
|
木村修、松本美佐代 |