| ●解説 |
当初『宇宙猿人ゴリ』のタイトルで放映開始された本シリーズは周知の通り、70年代怪獣ブームの先鞭を切った番組である。フジテレビにて放映が正式に決まったのは1970年12月8日。だが、その放映開始は25日後の翌年1月2日だった。何かと準備に時間のかかる特撮番組においてそれはあまりにも短い納期だったが、フジテレビがこんなにも無茶な発注をした背景には、翌年には必ず来るであろう新たな怪獣ブームに対して少しでも早く手をうたなければならないという局側の思惑があったものと思われる。折りしも、TBSと円谷プロの間でも『帰ってきたウルトラマン』の企画が進んでおり、4月からの放映が正式に決まったのはやはり12月初旬だったという。この情報を得たフジがウルトラよりも先にスタートさせるべく『宇宙猿人ゴリ』を発注したのだとすれば、本シリーズは怪獣ブームの先駆けになるべくしてなった番組と言える。
さて、ピー・プロがヒット作『マグマ大使』に代わる特撮番組を製作しようとしたのは、67年の『豹(ジャガー)マン』に遡る。同年の8月にパイロットフィルムが自主製作されたこの企画は、二枚目半のとぼけた主人公や等身大でも巨大でも戦うヒーローといった部分に、『ゴリ』のスペクトルマンと共通のヒーロー像を見る事ができる。後にこの企画は掲載権を持った講談社の意見を取り入れ、豹の顔を持つ宇宙人という設定のジャガーマンから、全身を毛で覆われた豹そのものの等身大ヒーロー『豹(ひょう)マン』へと変更された。この時点で再びパイロットフィルムが製作され、週刊誌では「週刊少年マガジン」、月刊誌では「ぼくら」、幼年誌では「たのしい幼稚園」と、三誌に渡って漫画やグラビアを掲載する等、講談社は大いに力を入れていたのだが、怪獣ブームの終焉によって遂に放映には至らなかった。又、秋田書店の「冒険王」でも、『豹(ジャガー)マン』の頃から漫画連載をしており、この事が後に同誌へ『宇宙猿人ゴリ』が連載されるきっかけとなった。『ゴリ』はテレビの放映同様、漫画の連載の方も予告なしの緊急連載であった為、何のつながりもない出版社が介入する時間的余裕もなかったのである。尚、一方の講談社もやはり『ゴリ』の掲載権を獲得し、秋田書店に二ヵ月程遅れる形で「たのしい幼稚園」等に連載を開始する事になる。
『豹マン』の企画が頓挫し、『ドンキッコ』『怪獣王子』『ちびっこ怪獣ヤダモン』と、製作又は製作協力していた番組が次々と終了。68年の春には遂にピー・プロは番組を全てなくしてしまい、社長の鷺巣富雄氏は金策に追われる毎日となった。その為、殆どの社員を解雇せざるを得なくなり、後にピー・プロの監督として中心的人物となる石黒光一氏もこの時期は円谷プロに移り、『戦え!マイティジャック』や『怪奇大作戦』のスタッフとなった。69年にはフジテレビから特撮TV番組の製作依頼を受けるが、放映枠も決まっていないモノクロ作品(『俺は透明人間!』)であり、1クール分を撮り終えたもののしばらく放映は見送られた(放送開始は70年11月であり、最終一ヵ月分は『ゴリ』と放映期間が重なっている)。そうこうしているうちに70年には怪獣ブーム復活の兆しが見え始め、更にフジテレビの編成局長にピー・プロ作品に理解のあった武田信敬氏が就任した事もあって、ピー・プロは週一回4分のミニ番組『サラリーマンミニミニ作戦』の製作を引き受けると共に、新たな特撮番組の企画をフジテレビより依頼された。そこで、鷺巣氏は以前より暖めていた『超人エレメントマン』の企画書を書き上げ、フジテレビとの共同出資の形でパイロットフィルムが製作される事になる。
パイロットフィルムの製作には監督に的場徹氏、撮影に柿田勇氏があたり、撮影の時点でタイトルが悪役の名前である『宇宙猿人ゴリ』へ変更された。『怪人二十面相』という先例はあったものの、悪役の名前をタイトルにしてしまうというのはやはり異例の事であり、これにはウルトラの亜流に終わらせたくないという原作者うしおそうじ(鷺巣)氏の強い意向があった。ヒーローの名前もエレメントマンからスペクトルマンに変更され、TV版『ゴリ』の原型が見てとれるが、ゴリもスペクトルマンもTV版とは異なるものだった。又、スペクトルマンに変身する主人公・蒲生譲二役もTV版の成川哲夫氏ではなかった。これまでの特撮関係の書籍類(当会の作った同人誌も含めて)ではこの役者が団次朗氏であると記述されていたが、某雑誌のインタビューで氏はこれを否定しており、団氏ではないものと思われる。ただ、キャスティング時のイメージとして当時CMで活躍していた団次朗氏が選ばれていた事は事実であり、撮影に起用された役者も長身面長で団氏のイメージに近い。
局内でのパイロットフィルムの評判は悪くはなかったが、ゴリを学者風のキャラクターにしてほしいという要望があり、これ迄ゴリだったキャラクターを部下のラーに変更し早速新しいゴリのマスクが高山良策氏に依頼された。更に鷺巣氏はスポーツジムのコーチだった主人公の設定を公害Gメンに変更し登場する怪獣も公害怪獣とした。11月には放映がほぼ決定するが、放映開始がまだ先の事だと考えていた鷺巣氏は新たな設定による2本目のバイロットフィルムを製作するべく準備を進めていた。ところが翌月になって急遽放映開始日が正式決定。それが1971年1月2日だった。
製作は急ピッチで進められ、パイロットフィルムの流用などの工夫によりなんとか第1話は放映日に間に合った。番組タイトルはパイロット版同様『宇宙猿人ゴリ』となったが、これにはやはり局サイドから反対意見が多く準備期間が短かった故にこのタイトルで押し切れたとも言える。番組は最初こそ1桁台の低視聴率だったものの1クール過ぎる頃には10%台となり、以後は安定した視聴率を保つようになった。しかし番組が順調になり始めると再び番組タイトルの問題が浮上。結局、21話から『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』と番組名を変更する事となった。又、公害をテーマにする事もスポンサーから反感を買っており、番組の特徴の一つだった公害のシチュエーションもなくなったのである。
番組名の変更に伴って内容にも変更が求められ、初期に何度も繰り返されていた公害テーマのストーリーは姿を消す事になった。やはりこれはスポンサー側に反対の意見が多かったのだという。しかし、公害Gメンという設定がある以上 公害 というキーワードを全く消してしまうのは不自然だ。結局、公害テーマを表面的には出さないまでも、根底にはある程度残されている。例えば、第30、31話のザリガニンド&スピンコブラー編では不漁にあえぐ漁師達の姿が切ないまでに描かれているが、その原因はやはり公害なのである。もっとも、シナリオの段階ではもっと露骨にヘドロが湾に投棄される様子が描かれており、映像化の段階で公害描写を押さえるようにアレンジしていたようだ。
多少予算的な余裕も生まれたのか、番組名が変更となったギラギンド編から怪獣の着ぐるみが二体づつ登場する事が多くなったのもこの時期の特徴で、視聴者である子供達へのアピール度は強くなった。特撮の方も強化され、矢島信男氏の特撮研究所と契約。27話の七大怪獣編や32、33話の三つ首竜編等、それまで以上に見応えのある特撮場面が続出した。 そんな中で、秋からの番組延長も決まり、これを機にマンネリ打破を狙った強化策が練られる事となった。まず、公害Gメンを改めて怪獣Gメンとし、彼らにレーザーガンを始めとする小道具や、戦闘用のヘリコプター、対怪獣砲といったメカが与えられる。そしてゴリも円盤を新造するといった具合で、それまで希薄だったメカの魅力を打ち出す事によって新しい方向性を考えていた事が伺える。但し、Gメンのヘリコプター(ボントトルエカ)は後に登場したもののあまり出番はなく、対怪獣砲(ストロンガー)に至ってはミニチュアが製作されながら映像にはまったく登場しなかった。ちなみに、一峰大二氏による漫画には対怪獣砲も登場し、テレビでは女性だけだったパトライト付きのヘルメットをGメン全員が身につけている。NGになった案にはスペクトルマンの乗る円盤(バックル型)などもあったらしい。
ここで番組名も他の同類番組同様、ヒーローの名前をとる事になり、『スペクトルマン』への変更が決まった。そして主題歌、及び副主題歌と共に9月4日放映の第36話、ベガロン編(即ち怪獣Gメンの登場編)にてそれは実施される予定だったが、実際には10月2日放映の40話、メタノドン編からの変更となった。秋の番組改変時に併せての事だと思われる。但し、副主題歌だけは36話にて予定通りに変更されていた。
『スペクトルマン』として新たなスタートをきった本シリーズは、内容にも次第に変化が見られるようになった。タイトルから名前の消えた宇宙猿人ゴリがあまり姿を見せなくなったのだ。代わりに他の宇宙人が集団で登場する事が多くなり、ゴリは彼らの黒幕的な存在として描かれるようになった。従ってストーリー的にもゴリの存在価値は低くなり、全く登場しない話すらある。マンネリの打破という点では、いたしかたなかったかもしれない。
また、宇宙人の集団が攻めてくる事により怪獣Gメンが等身大のアクションを見せるようになったのもこの時期の特徴である。アクショングループJFAの渡辺高光氏、尾崎孝二氏はもちろん、主演の成川哲夫氏もアクションは得意としており、危険なアクションもスタントなしで演じている。その反面、怪獣Gメンを設定するにあたっての狙いであった、「様々な科学兵器や小道具を駆使する」という部分はせいぜいレーザーガンの使用にとどまった。オープニングには毎回登場する戦闘用の特殊ヘリコプター(ボントトルエカ)もタイトル変更直後に3回ほど登場しただけで、たいした活躍も見せないまま忘れさられてしまった。
番組開始当初はたった一つの特撮ヒーロー番組として、本シリーズが孤軍奮闘していたが、4月には『帰ってきたウルトラマン』と『仮面ライダー』がスタート。いずれも好視聴率を稼いだ事から『ウルトラマン』のTBSは11月から『シルバー仮面』の放映を開始し、『スペクトルマン』のフジテレビでは長い間企画検討を繰り返していた『ミラーマン』を12月になってようやく送り出す事になる。先輩格の『スペクトルマン』は翌年の3月まで続き、結果として1年3ヶ月に及ぶ長期シリーズとなった。
当時マスコミはこれら特撮番組の盛況ぶりを「変身ブーム」と呼んでいた。ブームの原動力となった『仮面ライダー』が変身する際に「変身!」と叫んでいた事に起因するのだろうが、変身する際に変身という言葉を唱えていたのはスペクトルマンの方が先である。「ネヴィラ71、変身願います」というセリフは少々長ったらしいという事なのか、終盤の頃には仮面ライダー同様、「変身!」の一言で変身する事もあった。
| ●キャラクター |
■ゴリ・・・・・・平和なE惑星に出現した突然変異的な猿人。IQ300という極めて高い知能を変われて、超電子開発に専念していた。しかし、彼は生まれながらの独裁者であり、時がたつにつれて次第に本性をむき出し始めた。軍の一部と計って強力残忍な兵器を作った彼はE惑星を支配しようと企むが、惑星の自動防犯組織によって指摘され、精神改造刑を言い渡される。だが、ゴリの腹心である軍人のラーはひそかに彼を救って円盤に乗せ、E惑星を脱出した。ゴリとラーは長い放浪の後、激しい磁気嵐にあい、やがて太陽系第三惑星テラ、即ち地球に出会った。地球を見たゴリは狂喜した。こんな美しい星があろうか、まるで宇宙の宝石ではないか・・・と。しかもその星にはゴリの研究による怪物の素晴らしい培養基がふんだんにあった。スモッグ、カドミウム、ヘドロといった、さまざまな有害物質だ。こうしてゴリの地球侵略計画が開始された。彼は自らを選ばれた独裁者と断言する大変な自信家であり、エリート意識が強い。性格は短気ですぐにカッとなることも多いのだが、その反面、行動は常に慎重で、決して自分の存在を地球人に知られることなく着実に作戦を進める。それは彼自身の肉体的な力のなさ、そしてE惑星での失敗に起因しているのかもしれない。
■ラー・・・・・・ゴリの忠実な部下。E惑星の元軍人であり、そのことを誇りに思っている。腕力は地球人の二十倍という暴力度の持ち主だが、猿人社会の中ではもっとも知能の低い種族の一人で、IQは50しかない。性格はいたって単純で、感情の起伏が激しい。怒らせると怖い(実際、地上での活動時には、殺人しまくっている)が、非常に無邪気な面もあり、驚いた時のリアクションや、ゴリの独特の手振りを脇でこっそり真似していたりするところが結構可愛かったりする。ゴリの地球侵略計画のために、円盤内の機器の操作から地球上の偵察、怪獣の操縦などさまざまな仕事を担うが、失敗も多い。ゴリを大変尊敬しており、決して歯向かうことはないが、やたらと起こるゴリに対していつも不満を抱き、よく一人でグチをこぼしている。地球侵略に協力しているとはいえ、彼自身に野望はないようだ。公害Gメンの遠藤理恵に恋心を抱き、強引にさらっていこうとしたことが二度ほどあるが、これは野望というよりは無謀であった。彼のエネルギー源は日常摂取するN・G・Nと、嗜好品のB・N・Nであり、これらが地球上のニンジンとバナナと同じものだった・・・という設定があるが、この設定が本編中に活かされたことはない。
■スペクトルマン・・・・・・地球防衛のためにネヴィラ71より派遣されたサイボーグマン。超電子頭脳により強化されており、さまざまな超能力を駆使してゴリの繰り出す怪獣と戦う。普段は地球人、蒲生譲二として生活しているが、ネヴィラの指令を受けて変身する。ネヴィラの規律は厳しく、もし変身するところを地球人に見られるとたちまち解体されてしまう。身体の大きさは等身大から無限大(なんじゃそりゃ)にまで巨大化可能。かかとのエネルギー噴射装置によって大気圏外まで飛行が可能。両手の手袋の内側に隠されているアタッチメントを鋭利な刃物と使用すればネヴィラスライス(またはスペクトルスライス)、これを地中を掘り進むためのドリルとして使用すればネヴィラギムレット。頻繁に使用する武器としてはスペクトルバックル、そして必殺技スペクトルフラッシュがある。
■ネヴィラ71・・・・・・未開発遊星を保護かつ警備することを目的とした宇宙連合直属の人工二重星。ゴリの陰謀に対して地球にスペクトルマンを送り、常に彼を監視し指令を与える。ただし、その声の主がネヴィラの何なのかは全く不明である。なお、書籍等では”ネビュラ”または”ネヴュラ”と記述されているものが多いが、このHPでは、シナリオの記述やオープニングの歌詞スーパーの記述に従い、”ネヴィラ”とした。1971年に番組が始まったからネヴィラ71なの?とお思いの方は正解です。
■蒲生譲二・・・・・・スペクトルマンの仮の姿。地球上でゴリの作戦を探査するため、公害調査局に無理やり押しかけて第八分室の一員となった。性格的にはおっちょこちょいで二枚目半。それも正体を見破られないための芝居などではなく、根っからの粗忽者であるらしい。宇宙人ではあるがゆえに地球の常識をあまり知らないこともあり、特に初期のころは寄行がめだっていた。第八分室のメンバーたち(公害Gメン)にゴリの存在をしきりと説明するのだが、まるで信じてもらえない。また、人情に厚く、目の前に苦しんでいる人がいると放ってはおけず、それ故にすべてを計算した上で指令を下すネヴィラと対立することもしばしば。だが、持ち前の明るさと熱血で、困難を切り抜けていく。
■倉田室長・・・・・・公害調査局第八分室室長。部下たちからは「ボス」と呼ばれている。メンバーをまとめる強い統率力を持ち、冷静沈着に物事を判断し適切な指示を与える。譲二に対しては理解できない謎の部分を多分に感じながらも、彼の正体にはうすうす感づいているフシがある。第八分室は第36話より新たに怪獣Gメンとしての使命を帯びるが、室長はほとんどの場合本部から指示を出すだけで、現場に赴くことはまれとなった。マンション住まいで、妻の夏子と一人息子のまもるがいる。
■加賀信吉・・・・・・第八分室主任。宮城県出身で、普段も方言を交えて喋る。明るい性格で皆を和ませるリーダー的存在。19話において妻弓子の存在が判明し、出産を間近に控えて新居をさがしていたが、譲二が見つけてきたその家には吸血怪獣バクラーが住みついていた。後半においては室長に成り代わって現場で指揮をとることが多い。仕事熱心のあまり、時として厳しいことも言うが、根は心やさしい男である。
■太田高志・・・・・・軽薄さでは譲二に負けないおっちょこちょこちょいな男。しかも彼の場合は完全な三枚目である。寄行の目立つ譲二のことをいつも不審に思っているが、彼の正体がスペクトルマンだとは夢にも思わない。少々口が悪く、人が傷つくようなこと、言ってはいけないことを後先考えずに、つい口走ってしまう傾向がある。が、そそっかしいだけで、決して悪気はないのだ。
■有藤年夫・・・・・・強いて言えば、誠実で行動的な男といったところ。なぜか一人で別行動をとらされることが多い。Gメンの中でも特に格闘に長けており、シリーズ後半では集団で行動する等身大の敵が多くなる中で、その活躍が目立つようになった。
■遠藤理恵・・・・・・初代女性Gメン。明るくね自由奔放な性格で、とても公務員とは思えないようなファッションで勤務しているが、公害調査に対する情熱は人一倍で、仕事は真面目にこなす。譲二に興味を持ち、プライベートでも食事にさそったりするのだが、何かと彼の奇行ぶりに振り回されている。7、8話では特殊な公害病に侵された中谷青年に恋心を抱き、つきっきりで世話をして純情な一面を見せた。しかし、その恋も結ばれず、一方では猿人ラーに一目ぼれされるなど、あまり男性関係には恵まれてはいないようだ。12話の中で1シーンだけちらっと登場した後、何の説明もないまま姿を消した。登場回数の少ないわりに印象的なキャラクターだ。
■立花みね子・・・・・・17話で怪獣サンダーゲイに漁船の船長だった父親(演じたのはスペクトルマンとラーも演じた上西弘次氏)を殺され、譲二と同じアパートに住んでいたことからGメンたちと行動を共にするようになった。プログラマー志望という設定で、この段階では単なるゲストキャラに過ぎなかったのだが、19話にて突然、2代目女性Gメンとして登場。その経緯や動機については本編中には描かれていない。理恵とは対照的な、おとなしめの女性で、譲二に付き添うように行動を共にすることが多いが、彼に気があったのか、それともそそっかしい先輩が見ていられなかったのかは、よくわからない。おぼれそうになった譲二を助けたこともあるが、この時はなぜかあらかじめ水着を着ていた(25話)。随分と用意のいい娘である。35話において譲二が死んだものと思いこんだまま姿を消してしまった。
■沢みどり・・・・・・第八分室が公害Gメンの任務を帯びたと同時にメンバーになった3代目女性Gメン。怪獣に追いかけられたり、ゴリの基地に捕らえられて拷問にかけられたりと、散々な目に遭い、たった4回で姿を消す。
■柳田ひろみ・・・・・・40話から登場した4代目女性Gメン。控えめではあるが、男たちに交じって格闘を繰り広げることもある。首のない死体を見てもたいして驚かない。
| ●全話ストーリー |
第1話 ゴリ・地球を狙う!
ある日、東京都内の公害調査局第八分室に一人の男が訪れた。自ら蒲生譲二と名乗るその男は、公害Gメンへの参加を勝手に決め込み、富士ノ浦に異変が発生すると告げる。果たしてその予言は的中し、富士ノ浦でヘドロが泡だっているとの連絡が入った。倉田室長と四人のメンバー達は直ちに調査に向かい、譲二も強引に彼らに同行した。だが、ヘドロが泡だつ現象は、これから起こる大異変の前ぶれに過ぎなかった。やがてヘドロの中から巨大な怪物が姿を現わし、あらゆるものを腐食させる強力なガスをまきちらして人々を襲い始めた。
その怪物・ヘドロンを上空の円盤から操っていたのは、二人の猿人であった。驚異的な天才科学者ゴリ博士と、彼の忠実な部下である軍人のラーだ。故郷のE惑星を追われたゴリは宇宙を放浪した末に地球を発見し、この星を支配する野望にとりつかれていた。その為、ヘドロを培養基にしてヘドロンを作りだしたのだ。
一方、公害Gメンの自動車は、交通渋滞によってなかなか現場に着けないでいた。一人、自動車を離れた譲二は、謎の遊星の指令を受けて超人スペクトルマンに変身。空を飛び、ヘドロンに戦いを挑む。
「ラー、あれは何だ!?」
見知らぬサイボーグの出現に驚いたゴリは、彼がヘドロンに気をとられている隙に円盤から光線を発射した。背後から光線を受けたスペクトルマンは、火だるまになって落下していく…。
製作決定から放映までわずか三週間程しかなかったという、いわくつきの第1話。この種の番組の一番肝心な、怪獣とヒーローの格闘シーンがない点に物足りなさを感じるものの、怪獣ヘドロンの不思議な形態と動きは充分に魅力的だ。このヘドロンの撮影用モデルは3話のミドロン同様コマ撮りをする為に作られたものだが撮影時間がとれなかった為急遽触手の骨組みを抜いて吊り用に改造されている。しかし、この吊りによるやや単調な動きが、公害怪獣としての不気味さを増しているようにも思える。
他の特撮番組の第1話と違う点は他にも多々あるのだが、最も驚かされるのはラスト。颯爽と登場したスペクトルマンが殆ど何もしないまま火だるまになって、そのまま次回へ続いてしまうのだ。その時のナレーションがまた凄い。
「スペクトルマン、君は一体何者なのだ?」
とてもヒーローとは思えないそのぶざまな姿にこういう問いかけをするのも無理はないが、悪役の事を詳しく知っていながら正義の味方の事はまるで知らないという立場に立っているのが興味深い。第1話から「それゆけ、われらのヒーロー!」と、ナレーションに応援されたウルトラマンとは大違いで、さすが悪役名がタイトルになっているだけの事はある。
第2話 公害怪獣ヘドロンを倒せ!!
スペクトルマンの墜落に巻きこまれてヘドロンは傷ついた。ゴリはヘドロンを引き上げさせると共に、スペクトルマンにとどめを刺すべくラーを地上に派遣した。スペクトルマンを探して海岸を歩きまわるラー。だが、その姿はどこにも見当たらない。墜落と共に変身が解け、譲二の姿に戻っていたのだ。そうとは知らずに気絶している譲二に近づいたラーは、その傍らにスペクトルマンのマスクを発見。スペクトルマンが死んだものと思いこみ、喜び勇んでそれをゴリのもとへ持ち帰った。
マスクを分析したゴリは、スペクトルマンがネヴィラ71遊星から地球防衛の目的で派遣されていた事を知り、第二、第三のスペクトルマンの出現を恐れた。そして一挙に地球を征服すべく、ヘドロンにヘドロのエネルギーを与えてこれを強化した。
その頃、譲二はヘドロンに父親を殺された少年みのるに助けられ、再び公害Gメンと行動を共にしていた。彼の身体の傷ついたサイボーグ組織はネヴィラ71によって修復され、ラーによって奪われたマスクもテレポートレイによってとり返されていた。 やがて、ヘドロのような雲が上空に現われ、その中からヘドロンが降・u毆)り立った。譲二はヘドロンの襲撃によりピンチに陥った倉田を救うと、スペクトルマンに変身。空を飛び、ヘドロンに激突したスペクトルマンは、遂に怪獣を倒した。
倉田からGメンの一員になる事を許された譲二は彼らと共に一路東京へ向かった。
第2話でもスペクトルマン=蒲生譲二はマスクをラーに盗られたり(サイボーグとしての顔ではなくマスクである事にも驚かされる。下の顔は譲二の顔なのか?)子供に正体を見破られたりと、失敗の連続。だが、彼の苦難はまだ始まったばかりだ。
このままでは美しい地球は公害によって汚れきってしまう。その前に地球を手に入れようと企むゴリは、侵略の為の秘密基地を地球の地下に建設するべく作戦を開始。青ミドロの息を吐く怪獣ミドロンをラーに与えて騒動を起こさせ、基地の完成まで地球人の関心を逸らそうとした。
やがて東京近郊のサギス化学工場を中心に、カドミウムに汚染された青ミドロの異常発生が起こった。青ミドロに襲われて次々と病院に運ばれる村人達。公害Gメンは譲二と理恵の二人を現地へ派遣するが、それがゴリの仕業である事を知る譲二は、調査そっちのけで単独行動をとる。その為、一人で調査をしていた理恵が青ミドロに襲われ、倒れてしまった。
一方、ゴリは怪獣ゼロンを使って地底を掘り、着々と基地を完成しつつあった。ゴリの命令を受けたラーはミドロンを人々の前に出現させ、村を襲わせる。そして吐く息がなくなると、工場付近の汚染された青ミドロをミドロンに食べさせ、再び暴れさせた。
譲二はスペクトルマンに変身。ミドロンに戦いを挑み、苦闘の末これを倒した。だが、その戦いのさなか、怪我を押して村の様子を見にきていた理恵にラーが一目惚れし彼女を連れ去ろうとする。それに気づいたスペクトルマンはその後を追い始めた。ラーの行動によって秘密基地の位置を知られる事を恐れたゴリは、ゼロンを地上に送った。
パイロット版だけで終わった『豹(ジャガー)マン』、そして『宇宙猿人ゴリ』のパイロット版にも使用された怪獣ミドロンとゼロンが登場。特にミドロンは本邦テレビ初のモデルアニメによる巨大怪獣として知られ、等身大のスペクトルマンとの対決シーンは当時のピープロの意欲的な姿勢の表れだった。
ミドロンは『豹マン』登場時にはグレートマグモンと呼ばれ、実物大の頭部による撮影が行なわれただけだったが、この時点で既にアニメ用のモデルは作られていたようだ。その後『ゴリ』のパイロット版にて藤森誠代氏がアニメート。多少の撮り直しはあるものの、本作品のモデルアニメのシーンの大部分はこのパイロット版からの流用となっている。時間のかかるモデルアニメもパイロットという時間の制約のないフィルムだから出来たという事もあり、特撮にアニメの技術を取り入れる事に積極的だったピー・プロもこれ以降モデルアニメを使う事はなかった。尚、ミドロンの新撮部分にはギニョールが多用されていたが、あまり違和感はない。 もう一方の怪獣ゼロンはミドロンとは対照的な本格的着ぐるみ怪獣であり、初めてスペクトルマンと怪獣映画本来のプロレス的格闘を演じた。アニメ『ちびっこ怪獣ヤダモン』の一エピソード『チャンネルゼロの世界』の実写との合成シーンの中に登場した際にゼロンと名づけられたが、『豹マン』の時はマンドーという名だった。ラスト近くのゼロン出現シーンはこのフィルムからの流用で、次回予告には本編には流用されていない『豹マン』のシーンも見る事ができる。
第4話 ラー 地球人をさぐる
新幹線を襲撃するゼロン。だが、スペクトルマンはラーの追跡をやめなかった。ラーが仕方なく理恵を放り出すと、スペクトルマンは巨大化してゼロンと対決。必殺技スペクトルフラッシュを使ってゼロンの息の根を止めた。
二匹の怪獣を失ったとはいえ、ゴリは既に基地を完成させていた。ゴリの侵略作戦は次の段階に入り、地球の事をよく知るべく地球人の精密な分析を開始する。地上に派遣されたラーは実験用の人間を調達し、更に東京の街を徘徊した。その目的は人間の生活を観察する事、そして普段は人間の姿で行動しているはずのスペクトルマンを捜し出し、これを破壊する事にあった。
その頃、公害Gメンでは採取した青ミドロの中に地球上にはない有機物が含まれている事を発見していた。だが、譲二が宇宙猿人ゴリの存在を主張しても誰も信じようとはしない。ラーの行動を知りながらうかつに変身する事もできず、譲二は焦った。 ラーは白昼堂々と人間の街を歩きまわっていたが、人々はラーの事など気にもとめなかった。夜になり、楽しそうな人間の生活を垣間見るラー。次第に孤独感にさいなまれて狂暴化し、殺人を犯していく。
ネヴィラ71からの指令を受けた譲二はスペクトルマンに変身し、ラーの前に立ちはだかった。そこでゴリは人間を改造して作りだした二人の猿人を送りこむ。所詮スペクトルマンの敵ではなかったが、彼らが戦っている間にラーは辛くも逃げ去った。
ラーの思考がゴリの侵略意図とは別のところにある事がよく解り、興味深い。変装をしているとはいえ、顔は地のままなのにもかかわらず、ラーが歩いていても誰も気にしない。実際、ラーに街を徘徊させて遠方から撮影をしたそうなのでこの辺は妙にリアルだが、ラー自身それを不思議に思うところがまた妙である。酔っ払いに誘われるまま屋台のおでん屋で酒を飲むあたりもケッ作で、ちょっと腕をふっただけで酔っ払いはガードレールに激突しおそらく即死。おでん屋の主人も投げとばしこちらも即死。そして駆けつけたスペクトルマンの「なぜお前は罪もない人間を殺す?」という問いに「地球人が、俺を仲間はずれにしたからだ!」と答えるラー。随分と勝手な言い分だが、乱暴者であるがゆえに故郷でも毛虫のように嫌われていたというラーは、実は無類の寂しがりだったのである。
第5話 恐怖の公害人間!!
地球征服の野望に燃えるゴリは地球のゴリラを改造してラー2号を造りあげると共に、新たな作戦の為の実験を開始した。ラーによって実験液を飲まされた一人の警官はたちまち焼死しその死体からは数十種類もの公害を引き起こす物質が検出される。 一方、ゴリの基地が地底にあるものと断定したネヴィラはスペクトルマンに命じて基地を建設したと思われる丹沢、箱根付近の土を送らせた。土の化学変化から基地の所在を調べようというのだ。それを知ったゴリは、スペクトルマンの目をそらすべくラーを巨大化して新宿に出現させた。
ビル街で暴れまわる巨大ラー。やがてゴリの思惑通りスペクトルマンが登場し、激闘が展開される。一旦は優位に立つラーであったが、たちまち形勢逆転。ゴリはすぐさまラーを引き上げさせた。
だが、ラーがスペクトルマンをひきつけている間にも、ゴリは着々と作戦を進めていた。ラー2号に団地からたけし少年とその両親をさらわせ、彼らを恐怖公害人間に変えてしまったのだ。公害人間は見かけは以前と同じだが、その吐く息にかかった人間は公害伝染病となり、やがてあの警官のように死んでしまうという。そうとは知らずに団地に帰される親子。そこへやって来た御用聞きが最初の犠牲者となった。
このままではたちまち公害伝染病が世界中に蔓延して人類は滅亡する。ネヴィラ71は譲二に指令を下した。 「あの三人の親子を殺せ!!」と……。
エンディングのクレジットでは脚本担当が辻真先氏になっているが、鷺巣富雄氏が所有していたシナリオの表紙には小池一雄(現在は小池一夫)氏の名が手書きで記されており(初期のシナリオにはスタッフ名が印刷されていない)おそらくクレジットの方が誤っているか、あるいは意図的に名前を隠したものと思われる。当時、小池氏は代表作『子連れ狼』を執筆中であり、『ゴリ』の掲載誌である「冒険王」にも連載を持っていた。既に売れっ子劇画原作者だった小池氏が特撮TV映画の脚本を手懸けるのも異例の事だが、その脚本は怪獣モノとしてのエンターティメント性よりもドラマ性が高く、主人公・蒲生譲二の苦悩を描いた異色作となっている。
第6話 美くしい地球のために!!
「できません。僕には……」
人類全体を救う為とはいえ、罪もない親子を殺す事はできない。ネヴィラの命令を無視した譲二は、たけし達に事情を話して彼らを隔離し、倉田に応援を求めた。
だが、倉田達がたけし達の住む団地に近づいた時、ラー2号が突然姿を現わした。公害伝染病の様子を見にきたラー2号は感染が進んでいない事に腹を立て、やにわに理恵をさらってたけしの部屋へ放りこんでしまう。たちまち公害伝染病にかかり、苦しみだす理恵。再びネヴィラから親子を殺せと命じられた譲二は意を決してスペクトルマンに変身し、たけしの両親に迫った。だが、親子を目前にすると、やはり彼らを殺す事ができない。命令にそむいたスペクトルマンは即刻ネヴィラに送還される事になった。
身体の自由を奪われ、宇宙空間を浮遊していくスペクトルマン。ラーはこの時とばかりに挑みかかり、ラー2号もこれに加勢する。ある遊星に落下し、何の抵抗もできずいためつけられるだけのスペクトルマンを見かねたネヴィラは彼の身体を自由にし戦えと命じた。
その場をきりぬけたスペクトルマンは地球へ戻り、たけし達にスペクトルフラッシュを浴びせた。エネルギーを少なくし、カロリーを上げて…。それは一つの賭けであった。倉田達がその部屋をのぞくと、そこには何事もなかったかのようなたけし達親子と理恵の元気な姿があった。
公害伝染病を地球上にまきちらすべくゴリによって恐怖公害人間に改造された三人の親子。そのまま放っておけば伝染病が蔓延して地球人は全滅してしまう為、彼らに対してネヴィラ71は「殺せ!」と譲二に命じる。正義側のキャラクターが罪もない人間を殺そうとする事に意外性を感じるものの、これは広い意味での正義を守るという点で当然の判断である。譲二は命令に対し精一杯抵抗を試みるが、やはりそこは哀しいサラリーマンの宿命で(ネヴィラからサラリーを貰っていたのかどうかは定かでないが)彼は命令違反によって意識を奪われ、送還されてしまう。このようにネヴィラとスペクトルマンの対立を描く事によって両者のキャラクターを深める事に成功しており、この後の辻真先氏の脚本作品でも両者の対立がしばしば描かれるようになった。
ところで、ラーが巨大化して大暴れしたのだが、夜から朝にかけてかなり長い間、ラーがそこにいたのにもかかわらずビルの中の人々が逃げもせずに働いていた(いつも通りに出勤してきたという事か?)のには驚かされた。
第7話 黒の恐怖
譲二達がスモッグの濃度を調べていると急にスモッグが晴れ、青空が見え始めた。あまりの急変に疑問を抱く譲二。案の定、それは地球征服を企むゴリの仕業だった。東京中のスモッグを収集して濃縮し、これを収めた武器を作りあげていたのだ。ゴリはラーにこの武器を与え、東京都庁のコンピューター室を襲わせた。コンピューターには都民生活に関するあらゆるデータが記録されており、それを使って都民が最も嫌悪する害毒が何かを調べるのが目的だ。そして、その答えはゴキブリ…。ゴリは一匹のゴキブリを巨大化して受信機をとりつけ怪獣ゴキノザウルスを誕生させた。
濃縮スモッグを浴びたコンピューター室の係員、中谷青年は心理的生理的にショックを受けた為に生きる屍と化していた。暗闇を恐怖し、眠る事さえできないのだ。しかし、そんな彼の症状は、公害病研究の為の貴重なデータでもあった。中谷を確保してネヴィラに送れとの指令を受ける譲二だが、彼は人間を人体実験する事に抵抗を感じ、困惑する。
翌朝、中谷は病院のベッドから消えていた。譲二と理恵は実家に向かって歩いていた彼を発見するが、そこへ怪獣ゴキノザウルスが出現。あたりを闇が覆い、その黒い巨体を見た中谷は恐怖した。譲二はスペクトルマンに変身し、怪獣と戦う。だが、怪獣を操っていたラーが理恵を捕らえて人質にとり、その隙にゴキノザウルスが中谷を連れ去ろうとした。
ゴリは東京中のスモッグを集め、それを濃縮して詰めたガス銃のような武器を製造。これを与えられたラーが何をするのかと思えば、都庁のコンピューター室を襲って人々が何を嫌悪するのかコンピューターで調べるのであった。別にそんな大層な武器を作らなくてもラーの腕力さえあれば充分だし、何もコンピューターでそんな事を調べなくても…と、我々地球人なら考えるところだが、IQ300の猿人科学者の考える事は人知の及ぶところではないのだ。
このコンピューターの答えが「ゴキブリ」と出た為、ゴリはすぐさまゴキブリがウジャウジャ入ったカプセルを出しこの中から一番元気なやつを取り出して怪獣化する(ゴキブリを番組で募集して集めたというから、驚き)。こうして誕生した怪獣ゴキノザウルスは、まさに巨大なゴキブリそのもの。高山良策氏の手による着ぐるみは、足の形態もできるだけ昆虫に近づけようとする姿勢が見られ、ダミーの足(腕?)を一対つけたす事によって昆虫同様の六本足となった。以前高山氏が手懸けた『ウルトラマン』のアントラーや、ピー・プロの『マグマ大使』のピドラ等それまでの着ぐるみによる昆虫怪獣は恐竜型同様の四足(二本の腕と二本の足)であり、これは初の試みだった。昆虫特有の羽の質感も見事に再現されており、ゴキノザウルスの造型は昆虫怪獣として屈指の出来栄えと言えるだろう。
第8話 決斗!! ゴキノザウルス
理恵を見殺しにしてでも中谷青年を救えというネヴィラの命令が下る。だが、理恵を犠牲にはできない。どうする事もできず立ちつくすスペクトルマン。ネヴィラは命令に従わない彼を解任し、譲二の姿に戻してしまった。
譲二は素手でラーに立ち向かうが、所詮人間の力では勝ち目はない。見かねたネヴィラは中谷をネヴィラへ送る事を条件に変身を許可した。やむなくその条件を飲んだ譲二は再びスペクトルマンに変身。ラーの手から理恵を取り返すと、更に中谷を救ってゴキノザウルスにスペクトルフラッシュを見舞った。
しかし、強靭な生命力を持つゴキノザウルスはまだ死んではいなかった。基地に戻され、羽の筋肉を強化されたゴキノザウルス。ゴリは自らこれを操縦し、スペクトルマンとの戦いに挑んだ。その優れた飛行能力と鎧の様に固い身体にてこずるスペクトルマンであったが、怪獣の身体の受信機が壊れた事によって一挙に優勢に転じる。そして、操縦者を失ったゴキノザウルスはスペクトルマンの攻撃になすすべもなく、富士山麓に落下し息絶えた。
中谷青年は暗闇を恐怖しなくなり、その病状は回復に向かっていた。だが、第二、第三の被害者が出た時の為にも彼の公害病は研究する必要がある。中谷も自らそれを望み、大学病院の特別療棟へ移る事になった。そして、地球人自身が彼を研究するならばと、ネヴィラは指令を撤回した。
物語は濃縮スモッグを浴びせられて特殊な公害病になった都庁の係員、中谷青年を中心に進んでいくのだが、ネヴィラが中谷の公害病を研究したいと言いだしたから、さあ大変!人間を人体実験する事に抵抗を感じる譲二は、またもやネヴィラと対立してしまう。しかし、理恵がラーに連れ去られると、ネヴィラは中谷を引き渡す事を条件にして譲二に変身を許可する。公害人間の一件があったからかネヴィラは譲二の扱い方がいささかうまくなったようである。それにしても、中谷の公害病をいくら研究したところで、ゴリ対策の資料にはならないと思うのだが…。どうやらネヴィラの考える事も、人知の及ぶところではないようだ。
譲二、加賀、理恵の三人の公害Gメンを乗せた自動車が水源調査の帰り道に他のメンバーとはぐれ、山奥深くの鬼里村に入りこんだ。村の様子に不審を抱き、彼らが一軒の農家をのぞいてみると、そこには背が二つに裂けた農婦の無残な姿があった。そして、暗い森の中には巨大なネズミと思われる怪物が二匹…。
それはゴリが新たに作りだした怪獣ネズバートンであった。怪獣の運動能力や闘争心などをテストする為村人達を襲わせたゴリは、更にテストをじっくりと進めるべく村を孤立させた。村全域に密雲を張り、たった一つしかない橋を人工雷で破壊してしまったのだ。
村からの出入口をふさがれて呆然となる譲二達。そんな彼らの目の前を気の狂った男が猟銃を乱射しながら怪獣に向かっていく。男を捕らえて喰らうネズバートン。その全身を見て譲二達は驚愕した。それは二匹ではなく一匹の双頭の怪物だったのだ。 やがて倉の中に隠れていた秀夫少年と出会うが、彼は病気にかかり、危険な状態にあった。しかもそこへネズバートンが彼らを見つけて襲いかかってくる。譲二は自らおとりになり、自動車を走らせて怪獣をひきつけた。ネズミでありながら翼を持ち空を飛ぶネズバートンに翻弄される譲二。だが、雲の切れ目からネビュラを見つけ、スペクトルマンに変身。スペクトルフラッシュで二つの首を撃ち落とす。が、驚くべき事にその首はたちまち再生してしまった。
怪獣の名前は、当時の書籍等では「ネズバードン」となっていたのだが、サブタイトルや本編中のセリフでは「ネズバートン」であるため、これに準じた。但し、本来はやはり「ネズバードン」と命名されていたらしく9話の予告や『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』27話に再登場した際にはこちらの名前で呼ばれている。ちなみにシナリオ段階では「マウスバード」という、そのまんまの名前だった。
初期の作品でありながら一般に言うところの"公害"をテーマにしていなかったのが番組名変更後の方針に沿っていた事もあって、その後このネズバートン編(9、10話)は東映で『宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン』のタイトルで劇場公開され、更に『スペクトルマン』の頃には本放送時に再放映までされている。都合三つのタイトルで放映や上映がなされ、最も人の目に触れる事の多かった作品なのだが、障子ごしに鮮血を吹き出して死ぬ農婦、人間の腕をくわえて歩く犬等、汚らしい公害の映像が出てこない代わりに陰惨なシーンが続出。しかも後編ではネズバートンが病原菌をまきちらす為に街へ向かうという展開に至り、家族団欒の時間帯に放映される子供番組としては、ふさわしくない事この上ない。放送コードがまだ緩く、陰惨なドラマが好まれるような当時の風潮があったとはいえ、翌年の『ウルトラマンA』で市川森一氏がやはりペスト菌をまきちらす超獣の話を書いてNGになっている事を考えると、いかにピー・プロがスタッフに自由にやらせていたかがうかがえる。
エネルギーを使い果たしたスペクトルマンは譲二の姿へ戻るが、突然の山津波により負傷してしまった。しかし、倉田達の助けによって譲二、加賀、理恵、そして秀夫少年は村からの脱出に成功する。
少年が熱病にかかっている事を知ったゴリはネズバートンの持つ病原菌を決定的な攻撃手段として用いる事を思いついた。その破壊力に加えて病原菌をばらまく事ができれば、人間の町は見る間に死の町と化してしまうだろう。ゴリはの命令を受けたラーは、蒸気機関車を奪ってネズバートンを人間の町へ誘導した。
譲二は秀夫と共に病院のベッドに寝かされるが、変身したくとも変身できず、いらだっていた。負傷しているにもかかわらずすぐ飛び出していこうとする譲二の身を案じ、Gメン達が彼をベッドに縛りつけてしまったからだ。やがてラーの機関車に導かれて、ネズバートンが病院から見えるところまで近づいてきた。焦った譲二は秀夫にロープをほどいてもらい、変身して怪獣に立ち向かっていく。
だが、スペクトルマンは体力を回復しておらず、戦いの最中に力尽きて倒れこんでしまった。その時、防衛隊のジェット編隊が飛来し、ネズバートンの足に激突。痛手を負った怪獣の首をネヴィラスライスで切断したスペクトルマンは、ラーの乗っていた機関車の油送車を手にとり、体当たりする。たちまち大爆発し、スペクトルマンは辛くも勝利を得る事ができたのだった。
タイトルに「怪獣列車」とあるが、怪獣が列車に乗るという訳ではなく、列車で怪獣を誘導しようというもの。この列車というのが当時まだ現役だった蒸気機関車(シナリオではD51が指定されているが、本編ではC58)であるところに時代を感じてしまう。
第11話 巨大怪獣ダストマン出現!!
平凡なダンプの運転手、岡田。彼はいつものようにダンプを走らせていたが、突然ブレーキがきかなくなり、崖に激突する寸前に気を失ってしまう。それは、岡田のダンプに泥水をひっかけられて腹を立てたラーの仕業であった。
ゴリはラーがさらってきた岡田を機械にかけるが、ラーがその操作を誤って出力をアップした事から、狂暴な怪獣ダストマンが誕生し、ゴリの基地を脱走した。怪獣となっても人間の意識は残り、自分の変わり果てた姿を鏡で見た彼は妻や息子の待つ我が家へ帰る事ができない。だが、あらゆる廃棄物をエネルギー源とするダストマンはゴミを求めてさまよい、電話で息子の太郎に、港へゴミを持ってこさせる。
港で公害調査をしていたGメン達は、太郎が運んだゴミを食べるダストマンを目撃した。怪獣の目を見た太郎はそれが父親である事に気づくが、人間大の大きさだったダストマンはゴミを食べる事によって巨大化し暴れまわる。そして更にゴミを求めて夢の島へと向かっていった。
譲二はスペクトルマンに変身するが、直ちに急行せよというネヴィラの指令を無視し、建物の破片に埋もれた倉田達の自動車・u毆)を救った。その間にもダストマンは夢の島の膨大なゴミを食べ、スペクトルマンが駆けつけた時にはとてつもなく巨大な怪獣と化していた。だが、戦っている間に、ふと我に返ったダストマンは思わず叫んだ。
「俺は人間なんだ! 人間なんだよー!!」
この作品に登場するダストマンはスクラップでもおがくずでもゴミならなんでも食べてしまうという、環境問題が叫ばれている昨今では非常にありがたい怪獣である。が、食べたら食べただけ身体が大きくなり、怪獣自体が動く粗大ゴミと化してしまうのが困りもの。夢の島の膨大なゴミを食べてスペクトルマンよりも大きな「巨大怪獣」となってしまい、その巨大さが何よりもダストマンの脅威である…筈なのだが、この後の話に登場するサンダーゲイやバクラーなどは、このダストマンよりも遥かに大きく巨大化しており、同時にスペクトルマンも同じように巨大化している。挙げ句の果てにスペクトルマンの身長は無限大などという、とんでもない設定が後からつけられるに至り、ダストマンの巨大さは脅威でも何でもなくなってしまうのである。
さて、そのダストマンの正体はこれまでのような動物の改造ではなく、人間が怪獣化したものである。別に、ゴミを不法投棄していたからゴミを食べる怪物になってしまったというような教訓的な話ではない。それどころか彼はゴミを運搬するトラックの運転手だった。そんな彼がなぜゴリの実験材料にされてしまったのかというと、トラックで水を跳ねあげ、たまたま道を歩いていたラーにそれがかかってしまい、怒ったラーが彼を捕まえてしまったというのがそもそものきっかけ。雨あがりに自動車で人(特に猿人)の横を通る時はスピードを緩めましょう…という教訓でもないと思うが、これぐらいの事で怪獣にされてしまっては、たまったものではない。
第12話 よみがえる恐怖!!
ダストマンが人間の言葉を喋る事を知ったスペクトルマンは彼の話を聞いた。彼は腹が減ると夢中で暴れてしまうが、人間の心は忘れていなかった。その為、怪獣と化してしまった自分を殺してくれと願いでるが、人間である以上、スペクトルマンは彼を殺す事はできない。そこでダストマンは自ら火の海へ身を投げて焼死。跡には手首だけが残った。
だが、ダストマンには恐るべき再生能力があった。Gメンが研究の為に持ち帰った手首から身体が復元し、蘇ってしまったのだ。我が家へと戻ったダストマンは息子の太郎に暖かく迎えられるが、ゴミを食べて巨大化。再び暴れ始めた。
一方、蘇ったダストマンを迎えにいったラーは警官達に攻撃されると、そこへ現れた太郎を岡田の息子とは知らずに人質にとった。それを見て怒ったダストマンはラーをつかんで放り投げてしまう。人間の心を持つダストマンは、ゴリやラーの思い通りに操れる怪獣ではなかった。
譲二はスペクトルマンに変身し、荒れ狂うダストマンを説得しようとした。しかし怪獣はただ暴れ続けるだけだ。既に心まで怪物になってしまったのか? やがてダス・u毆)トマンは自らを傷つけ倒れた。彼はスペクトルマンにわざと自分を退治させるつもりだったのだ。その決意が奇跡を呼び、自らを犠牲にしようとする強い意志によって、怪獣ダストマンは元の人間、岡田の姿に戻る事ができた。
最終的には強引な理屈によってダストマンがもとの人間の姿に戻り、めでたし、めでたし…と思いきや、彼の顔は汚染物質にまみれて黒くなっている。「たとえ公害病に苦しんでも生きてさえいれば、いつかきっと青空が戻るでしょう」と、譲二は楽観的に言うが、ゴリを訴訟する訳にもいかず、病気がなかなか治らなかったら彼ら親子は一家心中するしかないかもしれない。なぜそのまま単純なハッピーエンドにしなかったのか? 中途半端に後味が悪く、すっきりしないラストである。
第13話 ヘドロン大逆襲(前編)
東京港のヘドロから怪獣ネオヘドロンを作りだしたゴリは、更にこれを完全なものにするべく、人間の知能を移植する事を企んだ。それもスペクトルマンを凌駕する知能を。力だけではスペクトルマンに勝てない事を藤ノ浦のヘドロンが実証していたからだ。
その頃、河川の水質検査をしていた公害Gメンは水面に吹き出ていた不審な泡を採取した。その分析を担当した大垣博士はそれが複雑な高分子構造を持つ驚くべき物質である事を知り、倉田室長に電話でその事を伝える。だが、その時、研究室の水道の蛇口からヘドロが泡を吹きながら侵入していた事に彼は気がつかなかった。
大垣博士からの電話が途中で切れてしまい、不審に思った倉田は、譲二や有藤を連れて研究所へ駆けつけた。だが、当の大垣博士は何事もなかった様子だ。有藤は助手の礼子と共に博士の研究の手伝いをする為そのまま研究所に残るが、やがて博士は二人に妙な事を言い始めた。採取した泡は怪物ヘドロンの排泄した有機体であり、自分がそのヘドロンだというのだ。その言葉通り大垣博士の姿はネオヘドロンと化し、巨大化して暴れ始めた。
ネヴィラの指令を受けた譲二はスペクトルマンとなって怪獣と戦うが、大垣博士の優秀な知能を得たネオヘドロンにはただ翻弄されるばかりだった。そして、必殺技スペクトルフラッシュさえも効き目がなく、力尽き倒れてしまった。
それまでチーフ助監督だった石黒光一氏が監督として一本立ちした作品。特撮と本編の両面で意欲的な演出が見られるのだが、編集上のミスも目立っているのが残念。例えば、「係官が行方不明…」というGメンの太田の台詞があるのだが、その係官がヘドロンの触手に襲われるシーンが編集の段階で削られている為(シナリオや一峰大二氏の漫画にはある)この台詞が何を指しているのかわからなくなっているのだ。ネオヘドロンが出現するよりも先に「怪物が出現した」とネヴィラが譲二に告げているのも何だかおかしい。
後に多用される武器・スペクトルバックルが今回より登場。譲二が分室で仕事中、このバックルをこっそり眺めているシーンがあり、太田に「なんだいそれ?」と聞かれると彼はあわててそれを隠し「バックルですよ。新品はいいなぁ」と、とぼけている。手裏剣の入ったバックルを新たにネヴィラから送られたと考えるのが妥当だろう。
ところで、EDのクレジットによればこのネオヘドロン編からゴリの声がそれまでの小林清志氏から加藤精三氏に変更されているが、実際には11話から既に交替している(ただし、これは一時的な代打で、19話から小林氏に戻る)。加藤氏といえば、当時裏番組だった『巨人の星』の星一徹の声で有名だが、15話でその『巨人の星』を『ゴリ』が視聴率で追い抜いてしまっているのも皮肉な事だ。尚、13話は冒頭からゴリの長いモノローグが入り、加藤氏の渋い声を存分に聞く事ができる。
ネオヘドロンは防衛隊のナパーム攻撃をものともせず、モノレールや地下鉄を壊し始めた。交通機関を破壊する事によって東京を半身不随にしようというのだ。ゴリは更に空の交通も麻痺させるべく、東京中の空を濃度の高いスモッグで覆ってしまう。 一方、研究所の地下室へ逃げこんだ有藤と礼子はネオヘドロンの襲撃によって出口をふさがれ、とじこめられていた。危険を承知で研究所へ向かう加賀と太田。辛くも二人の救出に成功するが、ネオヘドロンの脅威が彼らにも近づいていた。譲二は体力が回復したもののスモッグに隠れてネビュラが見えない為変身ができない。そこで自らおとりとなって自動車を走らせ、怪獣の目をひきつけようとする。しかし、その自動車も大破し、譲二にもなすすべがなくなった時、ネオヘドロンは高圧線に触れ、急に向きを変えた。
一計を案じた譲二は飛行場へ向かい、スモッグの上空まで小型飛行機を飛ばした。その晴れ渡った空の中にネビュラを見つけた譲二は直ちにスペクトルマンに変身。ネオヘドロンに立ち向かうが、やはりスペクトルマンに勝ち目はなく、またも力尽き倒れてしまう。そこへ覆いかぶさるネオヘドロン。しかし、ネオヘドロンは唯一電気エネルギーには弱かった。
スペクトルマンが怪獣と相討ちになったと思いこんだゴリは、喜びの声をあげた。だが、死んだはずの譲二は、やがてGメン室に元気な姿を見せるのだった。
ラストでネオヘドロンが電流によって死滅するシーンが意味不明で、この電流がどこから放たれているのかがわからない。シナリオではスペクトルマンの新しい技・スペクトルサンダーによって彼の身体から放電される事になっていたのだが、映像では外部から放電されているようにしか見えない。やはり落雷なのか? 突然すぎるが…。
第15話 大地震東京を襲う!!
上越の山奥でマグネチュード5の地震が起こり、今は廃墟と化していた村が一瞬にして陥没した。その地震のさなか、一人のハイカーが山の中でナマズの化け物を見たという。そのニュースに興味を持った譲二は村を訪れ、そこにモンスターの足跡らしきものを発見した。
それはまさしくゴリがナマズとモグラを合成して作りだした怪獣モグネチュードンの足跡であり、地震も怪獣が引き起こしたものであった。だが、その地震も単なる実験にすぎず、ゴリは東京に大地震を起こして人々を混乱に陥れようと目論んでいた。作戦決行は午後一時。地底深く潜むモグネチュードンは、ひそかにマグマのエネルギーを蓄えていた。
その日は土曜日であり、午前で仕事を終えたGメン達は倉田室長の一人息子まもるの誕生パーティーに招かれる事になった。沢山のプレゼントを抱えてバスを待つGメンのメンバー達。その時、突如として大地震が起こった。へし折れる東京タワー、真っ二つに裂けるビル、逃げ惑う人々…。ゴリは更にモグネチュードンを地上に出現させ、一大パニックを引き起こそうとする。 家族の身を案じた倉田は、混乱の中を自・u毆)宅に向かっていた。案の定、倉田の住む団地をモグネチュードンが襲撃。地震から逃げ遅れた妻と息子は危機に陥っていた。どうする事もできず、立ちすくむ倉田。だがそこへスペクトルマンが登場し、モグネチュードンに立ち向かっていく。
東京を大地震が襲うという、当時はまだ劇場映画でさえやっていなかった規模の大きな題材に果敢に取り組んだ作品。正面から取り組めばかなりの製作費がかかるところだが、ウルトラシリーズの半分しかなかったと言われる低予算の本シリーズだけに、真っ二つに割れるビルや折れ曲がる東京タワーなどはそのミニチュアだけをアップで撮影し、遠景は例によって渡辺善夫氏のマットアート…といった手法が使われている。又、本編の方でも床が裂けた部屋をセットに組むなどして、地震の恐怖を再現しようとしていた(いささかコントのようではあったが…)。後編では更に津波のシーンがあるが、こちらは映画のフィルムを流用しているようだ。
この地震や津波を起こしたのが、モグラとナマズを合わせたユニークな怪獣モグネチュードンだ。いかにも造られた合成怪獣という雰囲気があって秀逸なデザインだが、この着ぐるみは高山良策氏がデザインを含めて手掛けたものでナマズの頭の側から見ると、氏がほぼ同時に製作していた『帰ってきたウルトラマン』のツインテールの影響が見られる。
第16話 モグネチュードンの反撃!!
モグネチュードンはスペクトルマンのスペクトルフラッシュを受けると、すごすごと退散した。エネルギーのマグマが切れたのだ。だが、再びエネルギーを充填したモグネチュードンは、今度は大津波を引き起こした。
団地の手摺りにつかまりながら、津波の恐怖に怯えるまもる。そこへ駆けつけた譲二は再び変身しようとネビュラに願い出るが、変身するだけのエネルギーはまだ回復していない。たちまち襲来した大津波に、あたり一面は水で覆われてしまう。譲二は辛くもまもるを救いだすと、ボートに乗って怪獣の様子をさぐった。暴れるモグネチュードンの為に乗っていたボートは転覆するが、やがて水がひき始めた。
エネルギーの回復した譲二はスペクトルマンに変身。西へ進行中のモグネチュードンを発見し、再び戦いを挑んだ。しかし、充分にエネルギーを蓄えたモグネチュードンには、スペクトルフラッシュさえ効き目がない。そこで徹底的に打撃を与え相手がエネルギーを使い果たしたのを見計らって再びスペクトルフラッシュを放ち、遂にモグネチュードンを倒した。
ところが、戦い終わった譲二の目の前で倒壊した建物が元に戻り始めた。今度の地震が天災ではなく人工的なものだった為、ネヴィラがその力を使って地震が起こる前に時間を戻してしまったのだ。こうして人々の頭の中から地震の記憶はすっかり消えてしまった。
大地震や津波で東京はめちゃめちゃに破壊され、次回は東京復興の話になってしまうのかと思えば、ラストではなんとネヴィラが地震が起こる直前に時間を元に戻してしまい、建物が復元されただけでなく人々の地震の記憶さえも消えてしまう。これに対し、譲二はネビィラに言う。「地震の恐怖までなくす事はなかったんじゃないですか? それでなくても喉元すぎるまで(喉元すぎれば…が正しい)すぐ忘れるのが人間ですから…」。だが、ネビィラは何も答えず、代わりにゴリが(譲二の言葉を聞いていたとすれば彼の正体に気づく事になるのだが…)「それが、災害は忘れた頃にやってくるという事じゃよ…」と言って笑う。ご都合主義を転じて問題提起にしてしまうという驚きの展開だ。しかも、譲二が地震について街頭インタビューをするという異例のエンディングで締め、テーマを更に強調している。公害Gメンの彼がなぜ「地震がきたらあなたならどうしますか?」などと聞いてまわるのかはよくわからないが、道行く人々には「わかんないわ」とか「関係ねえな」としか答えてもらえず、「いやだ〜」「変な人」とまで言われる始末である。
第17話 空とぶ鯨サンダーゲイ
漁船立花丸が「空飛ぶ鯨発見」という無線連絡を最後に、謎の爆発を起こして沈没した。譲二は同じアパートに住むみね子の父親が立花丸の船長だった事から、彼女と共に亡き船長の実家を訪れる。そこに取材に来ていた記者達は船長の精神状態を疑ったが、みね子の弟の進とその祖父は船長の最後の言葉を信じて疑わなかった。
父親の汚名をはらそうと、港でひたすら「空飛ぶ鯨」の出現を待つ進少年と祖父。だがそこに突然の落雷が…。目に傷を負ったその老人は漁師として鍛えられた勘が更に鋭くなり、見えないはずの鯨を感じる事ができるようになった。鯨の正体はゴリの作った怪獣サンダーゲイであり、電波でカモフラージュして姿を消し、身体から電気を発して船や灯台を襲っていたのだ。
譲二はスペクトルマンに変身。サンダーゲイの姿をその透視力で捕え、果敢に攻撃をしかける。だが、怪獣は一瞬にしてスペクトルマンと同じ力を出し、彼の攻撃を跳ね返した。たちまち地上にたたきつけられるスペクトルマン。巨大な身体を更に巨大化させても、相手もまた同じように大きくなり、やはり同じ結果に…。
人々は何度も飛びあがっては落ちてくるスペクトルマンを非難するが、スペクトルマンがスペクトルフラッシュを放った時、サンダーゲイは、遂にその姿を現した。だが、そのスペクトルフラッシュさえも跳ね返されたスペクトルマンは、とうとう力尽き倒れてしまう。
スペクトルマンは空とぶ鯨サンダーゲイを攻撃するが、鯨は彼と同じ力を出すのですぐに弾き飛ばされてしまう。トラックにぶつかり、運転席から放り出された運転手に「何やってんだこの野郎!」と文句を言われたスペクトルマンは「すまん!」と一言謝ると(彼の腰の低さを表すシーンだが、このセリフはシナリオにはない)また空へ。何度も何度も挑戦するが、そのたびに地上の建物を破壊しまくるスペクトルマン。前回の話でせっかく元へ戻った東京の街が台無しだ。しかもサンダーゲイは普通の人間には見えない為、地上の人々は「どうかしてら、あれでも正義の味方かよ」と彼に非難を浴びせる。一生懸命やればやる程非難を浴びるヒーローの姿はとても哀しい。
第18話 怪獣島に潜入せよ!!
海の上へ着水したサンダーゲイはその巨体を島であるかのように見せかけ、じっと息をひそめながらひそかに日本中の電気エネルギーを吸いとり始めた。だが、防衛隊はこの島に異常を認めず、何の行動も起こそうとはしない。そこで譲二と進少年は二人でこっそり島へ潜入し、様子をさぐる事にした。
木や草の生い茂ったその島は、まさに島そのものだったが、譲二達が足をすべらせて穴の底に落下すると、そこはサンダーゲイの腹の中に違いなかった。しかもその奥には、電気エネルギーを吸い取り、吐き出す為の装置が…。譲二と進は後から駆けつけたGメンのメンバー達に救われるが、そこへ二人の猿人が彼らを襲った。
譲二達が猿人を倒して島を離れると、サンダーゲイは再び行動を開始した。空に飛びあがり、蓄積した電気エネルギーを地上に放つサンダーゲイ。譲二は意を決してスペクトルマンに変身し、勝ち目のない戦いに挑んだ。
一計を案じたスペクトルマンは、怪獣が自分と全く同じ行動をとる事を逆手にとり一切の力を抜いて砂浜に横たわった。すると案の定、サンダーゲイは海上に浮かんだ・u毆)ままその動きを止める。その間に、Gメンと進はサンダーゲイの体内に爆薬を仕掛けるべく、再び怪獣の島へ向かった。
進少年の活躍によりGメンはサンダーゲイの爆破に成功。怪獣の巨大な身体は木っ端微塵にふきとんだ。
スペクトルマンはサンダーゲイが自分と同じ行動をとる事を知り、一切の力を抜いて砂浜に横たわると、Gメン達にサンダーゲイを爆破してくれと頼む。これはある意味超人としてのプライドを捨てており(初めから持っていないのかもしれないが…)卑怯とも言われかねない行動であるが、今度はどんな事をしても勝たなくてはいけないという使命感がそうさせているのだろう。「彼は超人だろうが、万能じゃない」とは倉田がスペクトルマンについて言ったセリフだが、万能どころか怪獣一匹倒すのに大抵一回では勝てずに苦戦する無能ぶりを示しながらそれでも一生懸命頑張るスペクトルマンの姿には、サイボーグの宇宙人という人間離れした存在でありながら、人間臭さが多分に感じられる。
本編の方に目を向けてみると、なんといっても進の元気少年ぶりが目立つ。最終的にサンダーゲイを倒した(爆薬のスイッチを押した)のも彼であり、スペクトルマンが情けなかった一方で大活躍を見せた。この進を演じたのが、アイドルグループ「ずうとるび」のボーカルとして人気者になる前の江藤博利氏で『スペクトルマン』最終回にも別の役で出演している。
東京郊外のニュータウンに新築された、一軒の家。新しく公害Gメンとなったみね子を乗せて自動車を走らせていた譲二は、ふとその貸家に目がとまった。加賀が妻の出産を間近に控えて新しい家をさがしていたからだ。しかし、譲二からその事を聞いた加賀が借家の申し入れをした時には、既に借り主が決まっていた。
ところが、喜び勇んでその家に入居した若夫婦はその夜恐るべき怪物の襲撃を受けた。ゴリの作った怪獣バクラーが彼らよりも先に家に住みつき、屋根裏に潜んでいたのだ。そして、バクラーに血を吸われた人間は、思い通りに操られるインベーダーと化し、彼らもまた屋根裏に潜み始めた。
強欲な不動産屋の社長は、若夫婦が行方不明と知ると、すぐ別の夫婦にその家を貸すが、彼らもバクラーの操るインベーダーの餌食となった。それでも社長はまた次の入居者をさがし、一度は断った加賀に声をかける。喜んだ加賀夫妻はすぐにその家へ入居し、譲二を始め公害Gメンのメンバー達も彼らの引っ越しを祝った。
譲二達が帰ると、加賀夫妻の前にインベーダーが出現。忘れものをとりに戻った譲二は、血を吸われて倒れていた加賀達を助け出すが、怪獣バクラーが遂にその姿を現わす。譲二はスペクトルマンとなってバクラーに挑戦し、激しい戦いの末にスペクトルフラッシュでこれを倒した。
全ては終わったかに見えた。だが、バクラーはもう一匹いたのだ。
『宇宙猿人ゴリ』の本編のセリフの中では、怪獣を「怪獣」と呼ぶよりも「怪物」とか「化け物」などと呼ぶ事が多い。実際のところ、ここまでの間に登場した怪獣の中で恐竜型の怪獣らしいものはパイロットフィルムから流用したミドロンとゼロンくらいのもので、他のは確かに怪物や化け物と呼んだ方がしっくりする。特にこの作品のバクラーなどはまさに「化け物」といった雰囲気で、気味の悪さではピカ一。その外観もさる事ながら、人間の家の中に潜んで人間の血を吸い、操るという陰湿な行動が化け物以外の何物でもない。
第20話 怪獣バクラーの巣をつぶせ!!
バクラーは家を食べて巨大化し、羽で強風を起こして暴れまわった。これに対し、防衛隊は戦車隊を出動させるが、まるで歯がたたない。だが、バクラーは突如として姿をくらましてしまった。
一方、Gメン達によって病院に担ぎこまれた加賀夫妻は血液を入れ替えられ、一命をとりとめるが、ラーに操られるまま病院を抜け出してしまった。やがてバクラーの卵が各所に次々と発見され、譲二はそれぞれの場所の位置関係からバクラーの新しい隠れ家が富士山にある事をつきとめた。加賀達もバクラーの卵を育てる為に富士山に連れ去られたのだ。
ゴリの指令を受けたラーは、まず卵の栄養となる血液を補給しようと、インベーダー達に命じ、富士山に来た登山客を襲わせた。だが、加賀夫妻はラーの命令に必死に抵抗する。譲二はスペクトルマンに変身して加賀夫妻を救い出すと、バクラーの巣に攻撃を開始した。
ガスタンクを手にしたスペクトルマンはそれを富士山の火口に放りこんだ。巣を追われて飛びだしたバクラーと激闘が展開されるが、怪獣の念力の前にスペクトルマンも苦戦。頼みのスペクトルフラッシュも怪獣の光線にはじかれてしまう。だが、バクラーが白蟻の怪物であり、腹の原生動物が死ぬと白蟻も死ぬ事を思いだしたスペクトルマンは、バクラーの腹にも原生動物がいる事を発見。これをひきずり出すと、バクラーはたちまち死滅した。
バクラーが富士山の火口に巣を作ってしまったから、さあ大変! スペクトルマンは富士山よりも高く巨大化し、ガスタンク(スケールがおかしいなんて気にしてはいけない)を火口に放りこんで巣を焼き払う。どうも彼はそのへんにあるものを戦いに利用する事が多いのだが、ガス会社にしてみたら大迷惑である。そして巣を追い出されたバクラーもまたスペクトルマンと同じように巨大化。史上最大のスケールの戦いが繰り広げられるのだが、対象物のないオープン撮影なので、とてもそうは見えないのが哀しい。
第21話 謎のズノウ星人対ギラギンド
宇宙を探険していたズノウ星人の円盤が地球に飛来し、浅間山の森林の中へ不時着した。円盤の故障により故郷へ帰る道を失った彼は、ドライブ中のアベックの前に姿を現すが、その異様な姿を見て女は気絶し男は逃げてしまう。ズノウ星人は女の身体に乗り移って地球の様子をさぐり始めた。 その頃、譲二と太田は浅間山の野性動物監視員の塩月に会い、農薬公害の実態を調査していた。そこへ男が助けを求めに現われ、譲二達は「化け物」が出たという現場へと駆けつける。化け物に襲われたはずの女は一見無事な様子であったが、突然、ナイフで男を殺害。譲二達に追いつめられると今度はそのナイフを自らの身体に刺し、息絶えてしまう。ただならぬ事件の匂いを感じ、真相をさぐろうとする譲二。だが、彼が太田と共に森の中でズノウ星人の円盤を発見した時には、女の身体から抜け出したズノウ星人はすでに塩月の身体に乗り移っていた。
一方、ゴリは新怪獣ギラギンドを使って浅間山の噴火を企んでいた。噴火の兆候に気づいた譲二はスペクトルマンに変身し、怪獣に挑んだ。腕力が自慢のギラギンドであったが、知力に欠け、所詮スペクトルマンの敵ではない。ギラギンドを引き上げさせるべく地上におりたラーは、そこで塩月の姿を借りたズノウ星人と出会った。
ゴリが円盤を持っている事を知ったズノウ星人はラーを倒し、故郷の星に帰る為にゴリの円盤を奪うべく行動を開始した。
名前そのまんまの姿の宇宙人・ズノウ星人が円盤で地球に不時着し、故郷に還りたい一心で地球(というか、浅間山近辺)に巻きおこす一大騒動。故郷に還りたいという動機は充分同情できるのだが、彼もゴリのように自己中心的で地球人の事などおかまいなしの行動に出る。利用できそうな地球人に乗り移り、しかも証拠湮滅の為乗り移っていた人間を自殺させてしまうのである。その為、陰惨な場面が続き、自殺した人間の顔が陶器のように砕けてしまうという描写が惨たらしさに拍車をかけていた。
一方、ゴリとラーの絡みは間抜けな会話が絶好調で、ノータリンだの田楽刺しだのと、楽しい言葉が飛びかっている。ラーが作ったという怪獣ギラギンドは、戦いの前にダンスをしたり、強力な武器であるはずの剣とドリルが岩に刺さって抜けなくなったりと、その外見同様に愛敬たっぷりだった。ギラギンドの着ぐるみには当初、パイプ状の細い首がついていたが、実際に役者が中に入ってみたところ頭部の安定が悪く、急遽手直しされたという(講談社の「テレビマガジンヒーロー大全集」には、手直し前の貴重な写真が載っている)。
第22話 二刀流怪獣ギラギンド大あばれ!
ズノウ星人はラーになりすましてゴリの円盤へ侵入。万能椅子をゴリから奪い、まんまと円盤を占領する事に成功した。ズノウ星人の故郷の星に向かって地球を後にする円盤。ところが、そこへスペクトルマンが飛来し、円盤に攻撃を開始した。エネルギーの放出によってスペクトルマンから逃れたものの、ゴリはその隙に進路を地球へ向け、自動操縦に切り替えてしまった。
地球へ戻されたズノウ星人はゴリに万能椅子を奪い返され、銃をつきつけられた。命ごいをするズノウ星人にゴリはある取り引きを持ちかける。ギラギンドに乗り移ってスペクトルマンを倒せば、生まれ故郷の星へ連れていくというのだ。それを承諾したズノウ星人はギラギンドを再び出現させて暴れ始めた。
譲二はスペクトルマンに変身。ギラギンドとの二度目の対決に挑むが、前回の戦いとは勝手が違っていた。ズノウ星人がギラギンドの頭脳となって武器を巧みに使う為思わぬ苦戦を強いられたのだ。ネヴィラより剣と盾を送られたスペクトルマンは辛くも勝利を得るが、ズノウ星人はギラギンドの身体を抜け出すと、今度は自らスペクトルマンを襲った。ゴリに協力しなくてもスペクトルマンの身体に乗り移ればその飛行能力で故郷の星へ帰る事が出来ると考えたからだ。ギラギンドとの戦いでエネルギーを消耗していたスペクトルマンではあったが、ズノウ星人は彼の敵ではなく、スペクトルバックルを受けて敢えなく絶命した。
ズノウ星人がラーに乗り移り、ゴリの円盤を乗っ取るシーンがなかなか楽しく、乗り移られているとはいえ、ラーがゴリに反逆する様は一番の見所である。結局、ズノウ星人はゴリに逆転されて網(万能椅子の操作でこんなものまで出てくるとは…)に捕われてしまい、怪獣ギラギンドの頭脳となる事を契約させられる。ズノウ星人が文字通りに頭脳となったギラギンドは強敵で、スペクトルマンはこの戦いで初めて血を流す。サイボーグであるから本当に血なのかどうかはわからないが、流血するヒーローというのも異色だ。もっともスペクトルマンが血を流してもさほど意外性はなく、むしろ流血が相応しいヒーローかもしれない。ちなみに血とは言っても青緑のような色。後に流血した際には黄色だったのだが、身体の部分によって色が違うのだろうか。
第23話 交通事故怪獣クルマニクラス!!
ある日、鈴木勝夫という少年がスポーツカーにひき逃げされた。頭を強く打ち、病院のベッドで昏々と眠り続ける少年。怪獣が大好きという彼の枕もとには、父親の作った怪獣の人形が置かれていた。
その頃、街では怪獣が出没してスポーツカーばかりを襲う事件が起きていた。怪獣をまのあたりにした譲二はスペクトルマンに変身して怪獣に挑みかかる。だが、怪獣に戦うつもりはないらしく、目にもとまらぬ移動能力でスペクトルマンを翻弄し、やがて消え去った。
譲二は怪獣がショックによって異常に増幅された勝夫少年の精神エネルギーの産物である事に気づいた。怪獣の姿が勝夫の枕もとに置いてあった人形にそっくりだったのだ。クルマニクラスと名づけられたその怪獣はひき逃げ犯人をさがして次々にスポーツカーを襲撃。そして、遂にサブと呼ばれる犯人の青年の眼前にまで迫った。サブと出会った譲二は、彼がひき逃げ犯人と知って自首を勧めるが、サブは聞き入れようとはしなかった。
円盤の中から地上の様子を見ていたゴリは自分の知らない怪獣の出現に驚きながらもその移動能力に目をつけ、クルマニクラスを生け捕りにするべく、新たに作りだした怪獣バロンザウルスを街へ差し向けた。変幻自在のクルマニクラスにバロンザウルスも苦戦するが、バロンザウルスを仲間だと思いこんだクルマニクラスはその後を追ってゴリの円盤へついていってしまった。
公募デザインを元にしたというクルマニクラスのキャラクターが異色である。信号機のような三つの目、横断歩道やタイヤの跡をあしらった身体の模様等、交通事故の権化といったスタイルだが、その行動はまるで子供のようで、まさに子供の分身。交通事故の犠牲者となった子供達になり代わって、当時神風ドライバーなどと呼ばれた無謀な運転者に天誅を下す怪獣の姿に、交通事故という重いテーマが内包されている。
クルマニクラスを生み出したのは勝夫少年の精神エネルギーだが、もう一方の怪獣バロンザウルスの誕生にも彼は関わっている。少年が怪獣の絵を描いていると、そこへカメラを持った謎の男が現われ「うまいねぇ坊や、ちょっと撮らせてね」とか言ってその絵を撮影する。次の場面ではラーがそのカメラを持って歩いておりそれをもとにバロンザウルスが作られる。子供のデザインで怪獣を作るという企画を番組スタッフだけでなくゴリも実行した訳だ。
ところで、絵を撮影した男はラーの変身した姿なのだろうか。それともラーに頼まれただけの人のいいおじさんなのか。映像を見る限りではよくわからない。実はこの男を演じたのはピープロ社長・鷺巣富雄氏であり、一回限りの特別出演となった。ちなみに声は別人。
第24話 危うし!! クルマニクラス
円盤の中に捕獲されたクルマニクラスはゴリによってその移動能力の秘密を調べられるが、高圧電流を浴びせられると暴れ出し、円盤を脱出。怒り狂って見境無く街を破壊し始めた。ゴリはバロンザウルスを使って再びクルクニクラスを捕らえようとするが、クルマニクラスは既にバロンザウルスを仲間だとは思っていなかった。
一方、サブは逃げのびようとして自動車を暴走させ、ハンドルを切りそこねてガードレールに激突。皮肉にも勝夫と同じ病院に運びこまれたが、命に別状はなかった。クルマニクラスを静める方法は病院にしかない。そう考えた譲二はサブの病室を訪ね、しきりと彼に自首を勧める。そして、勝夫少年がいつまでも目をさまさずに眠り続けるのを見たサブは自分のした事を反省し、警察へ名乗り出る事を決意する。だが、その時、コントロール装置の故障によって狂ったバロンザウルスが彼らのいる病院を襲撃。ビルの破片がサブの上に落下し、彼は「俺が悪かった」と言い残して息をひきとった。
譲二はスペクトルマンに変身して崩れ行く病院から勝夫を救いだすと、バロンザウルスと戦う。苦戦を強いられたスペクトルマンは、突如現われたクルマニクラスに助けられ、遂にバロンザウルスを倒した。クルマクラスはそのまま姿を消し、それと同時に勝夫少年が意識を取り戻した。そしてその後クルマニクラスが出現する事は二度となかったのである。
ひき逃げ犯人のサブの心理描写が妙にリアルで、ドラマを絵空事で終わらせていない。別に死ななくてもいいと思うのだが・・・。
第25話 マグラー、サタンキング二大作戦!!
世界各地の天文台が地球目指して突進する巨大な火の玉を発見した。やがて御在所岳山麓に落下した火の玉から怪獣が出現。それはゴリが宇宙の彼方から呼び寄せた凶悪な宇宙怪獣サタンキングであった。
人類皆殺しの命を受けたサタンキングはまず手始めに山麓のホテルを破壊しようと進撃を開始。それを知った譲二はスペクトルマンに変身してサタンキングを攻撃するが、サタンキングの皮膚は金属よりも堅くネビィラスライスすら受けつけない。その上、右腕を負傷したスペクトルマンは、思わぬ苦戦を強いられてしまう。
その時、火の玉の落下を原因とする地殻変動が起こり、旧火山だった御在所岳が噴火。更に、力尽きて元の姿に戻った譲二の眼前に古代怪獣マグラーが出現した。マグラーに戦いを挑むサタンキング。たちまち展開される二大怪獣の激闘。だが、強力な角を武器とするマグラーにさすがのサタンキングも苦しめられ、見兼ねたゴリは直ちにサタンキングを退却させた。
もともと深い地底に棲息していたマグラーは火の玉の激突による地殻変動によって目を覚まされたのだが、同時に地上に露出したマグラーの卵は激突の衝撃に耐え切れず、中の子供は既に死んでいた。それを見たマグラーは悲しみのあまり暴れ出し、防衛隊の猛攻撃も全く受けつけない。譲二は再び変身してマグラーに挑むが、スペクトルマンの傷ついた右腕は思うように動かす事ができなかった。
これまでゴリは科学者らしくひたすら地下基地で人工的に怪獣を作ってきたが、今回は宇宙の悪魔の星(どんな星なのか想像がつかないが…)から宇宙怪獣サタンキングを呼び寄せた。破壊と殺戮しか能がないというとんでもない奴である。しかし、地底からもう一匹、ゴリとは何の関係のない古代怪獣マグラーが出現。サタンキングに子供を殺されて逆上し、二大怪獣の対決が開始される。製作費の関係で一匹の怪獣を前後篇二回に渡って登場させていた本シリーズであるが、この頃になると予算的に余裕も出来、特撮部分も見応えがある。
暴れ狂うマグラーに対し、捨て身の攻撃に出るスペクトルマンだが、傷を負ったその身では一方的に痛めつけられるばかり。このままではスペクトルマンが殺される。防衛隊が最後の手段として弾薬を集中爆破すると、マグラーは地中へ姿を消した。
サタンキングとマグラーに敗れ、重傷を負ったスペクトルマンに、ネヴィラは一つの武器を与えた。ミサイルの数百倍もの威力を持つスペクトルガンだ。だが、弾丸が一発でも外れれば多くの人間が犠牲になってしまう。スペクトルマンはこれを使いこなす為に命がけの訓練を開始した。
一方、ゴリはサタンキングをわざと発狂させて街へ放った。狂ったサタンキングは以前にも増して暴れ狂い、街を襲う。更にそこへマグラーも出現し、人々は二大怪獣の脅威にさらされた。ネヴィラの指令を受けたスペクトルマンは現場へ急行するが、まだスペクトルガンを完全に使用する事ができない。そこでサタンキングを人気のない岩場にさそい出し、スペクトルガンの銃口を向けた。その破壊力は凄まじく、サタンキングは木っ端微塵にふき飛んだ。
やがてサタンキングの後を追ってマグラーが姿を現わした。だが、子供を殺されて怒りのおさまらないマグラーをスペクトルマンは倒す事ができない。地底に戻って静かに暮らして欲しいというスペクトルマンの願いも虚しく、突進したマグラーはスペクトルマンもろとも海へ落下。その後、マグラーの姿は二度と現われなかった。
見た目は地味なマグラーもなかなか手強くサタンキングもたじたじ。ゴリはこれを基地に引き上げさせると、特訓(とゴリは呼んでいるが、要するにパワーアップ)を行なう。が、この方法が尋常ではない。ただでさえ凶暴なサタンキングにあらゆる光線や気の狂うような音を浴びせて発狂させてしまうのだ。「この世の中で狂人ほど恐ろしいものはない」とゴリは言う。確かにその通りかもしれない。このサタンキングの怒りを視覚的にわかりやすく表現する為に、着ぐるみには頭部全体が赤く光るというギミックが施されている。マグラーとの二度目の対決シーンでは、青空が一瞬の稲妻と共に突然夜のように暗くなるという演出がなされており、闇に赤く光るサタンキングの顔が印象的である。これは特撮監督・堺武夫氏による独特の手法であり、22話のギラギンド戦において、既に同様の演出が試みられていた。
さて、後編のポイントは何と言ってもスペクトルガンであろう。ギラギンド戦でも巨大な剣と盾がネヴィラより送られているが、これは特に名称もなく新兵器としてのインパクトは弱かった。しかし、スペクトルガンはその威力の強力さ故に命懸けの訓練を必要とし、山の中でガンをひたすら撃ちまくるスペクトルマンの姿が描かれ、否応なしに印象の残る武器となった。無論、玩具会社のてこ入れなどではない、純粋に番組を面白くしようとしたスタッフの発想である。
ところで、通常右手をあげる変身シーンがこの話では左手になっている。右手を怪我しているという設定なので当然といえば当然なのだが、画をわざわざ左右逆にするあたり、いかにもピー・プロらしいこだわりである。
第27話 大激戦!! 七大怪獣
ドライブを楽しんでいた譲二、有藤、みね子の三人。彼らの乗ったセリカが山道に入った時、死んだ筈のサタンキングとバロンザウルスが出現。行手を阻まれて崖を滑り落ち、三人は外へ放り出された。二匹の怪獣は彼らの眼前で格闘を繰り広げ、バロンザウルスの角の一撃によってサタンキングは敗れる。だが、バロンザウルスの咆哮に応えるように、モッグスやゴキノザウルスが次々と姿を現わした。
その時、上空にゴリの円盤が飛来し、新怪獣Xを地上に降ろした。ゴリは再生怪獣と戦わせる事によってXの性能をテストしようとしていたのだ。スペクトルマンと同じ能力を持つサイボーグ・Xは、まずモッグスを血祭りにあげ、素早く飛翔するゴキノザウルスをスペクトルフラッシュ同様の光線を発射して倒し、狂暴なバロンザウルスに対しても圧倒的な強さを見せた。
譲二とみね子は足を負傷した有藤を連れて山小屋へ逃げ込むが、そこも安全なところではなかった。怪獣達の激しい戦いによる振動と突風によって山小屋は大破し、三人は辛くも脱出するが、ネズバードンによって岩穴へ追いつめられてしまう。
Xがモグネチュードンを倒し、更にネズバードンに挑みかかると、譲二はこの隙にスペクトルマンに変身。ネズバードンをも倒したXに対決を挑んだ。激闘の末、高圧線に触れて全身が赤熱したXに、スペクトルマンは絶対零度の冷気を浴びせるスペクトルサンダーを使用し、これを倒した。
シリーズ初の一話完結篇にして、新怪獣Xを含む七大怪獣が登場する豪華版。しかも、矢島信男氏が東映を離れていた頃に手懸けた最初の作品である。怪獣が沢山登場するだけの話と言ってしまえばそれまでだが、土中に潜り火を吹くモグネチュードン、首を切断されても相手にかみつくネズバードンといった具合に再生怪獣達がそれぞれの特徴をきちんと見せてくれているのが嬉しい。
再生怪獣に交じってパイロット版に使用されたモッグスが初登場しているが、この怪獣に関しては、テレビに出ていなかっただけで、実は既に出現した事がある…と解釈した方がいいのかもしれない。もっとも、みね子に「あれは何?」と聞かれた譲二が答えられなかったところを見ると、譲二も知らなかったようだが…。
ところで、この回のみスペクトルマンは新怪獣Xを倒す為に スペクトルサンダー なる技を披露している。これは絶対零度の冷気を噴出し相手をたちまち凍結させるというもので、技の内容と名称が全くマッチしない。当初、この技は スペクトルアイス と名づけられていたようで、映像化の段階でなぜか変更されてしまったらしい。ちなみにスペクトルサンダーというのはもともと対ネオヘドロン戦で用いるはずだった身体から放電する技の名称であった。
第28話 サラマンダー恐怖の襲撃!!
公害Gメンのメンバー達は農薬公害の調査の為に、竜ヶ峰に近いある村を訪れた。その村に住む与吉という男から、竜ヶ峰一帯の鳥や獣が急速に減っているとの投書が送られてきたからだ。だが、村では半鐘が鳴り響き、男達は妙に殺気立っている。不審を抱きながらもGメンは与吉の家をさがし出すが、彼は既に死んでいた。しかも竜ヶ峰に伝わる伝説の”主”に殺されたというのだ。
村人達が主と呼ぶ怪獣サラマンダーが長い眠りから目覚めたのは、その強靭な生命力に目をつけたゴリの仕業であった。白昼村を襲い、暴れまわるサラマンダー。村の男達は主を退治するのは自分達だとばかりにサラマンダーに立ち向かうが、人間の力でかなう相手ではない。空は厚い雲に覆われ、ネビュラが見えない為に譲二は変身できず、ただ焦るばかりだった。
夜になってようやく防衛隊のジェット機編隊が出撃。その猛攻撃の前にさすがのサラマンダーも倒れたかに見えた。翌朝、安心して小山の上にテントを張るGメン達。だが、そこはサラマンダーの背中であり、サラマンダーが再び暴れ出した為、テントの中にいた加賀とみね子は危機にさらされ・u毆)た。譲二はスペクトルマンに変身するが、加賀達に気をとられている隙にサラマンダーの吐く炎に両目を焼かれてしまう。二人を逃がす事には成功したものの、目の見えなくなったスペクトルマンは怪獣の一方的な攻撃に耐えるしかなかった。
前後編で着ぐるみ1体というスタイルに戻ったと思ったら、実はこの話にもサラマンダー以外にもう1つ着ぐるみが登場している。前編の冒頭で猟師の与吉が熊を射止めるシーンがあるのだが、この熊が着ぐるみなのである。何かの番組からの使い回しだとは思うが…。
本作の前編と後編ではその舞台も登場するゲストキャラも異なり、まるで別の話のようだ。共通しているのは、怪獣の襲撃にも屈しない勇気ある人間を描いているという点である。前編では怪獣の存在が伝説となっていた村が舞台であり、藁葺き屋根の家々が怪獣の吐く火炎で次々と燃やされる。ここの村人達は妙に血の気が多く、猟銃で怪獣に立ち向かい、次々と殺されていく。その中で村の駐在だけは女子供を逃がす事を優先するが、彼もまた命を落としてしまい、実に後味が悪い。
第29話 兇悪怪獣サラマンダーを殺せ!!
目が見えず、苦戦を強いられたスペクトルマンはやむなく逃げ去った。勢いづいたサラマンダーは戦車隊の攻撃をものともせず、松本の街へ向かって前進する。
譲二が目を負傷しているのを見兼ねた加賀達は嫌がる彼を強引に病院へ連れていくが、サラマンダーがそこへ近づきつつあり病院内では既に避難を始めていた。サイボーグである自分の身体を地球人に見せる訳にいかず、譲二は病院の混乱に乗じて加賀達から逃れるが、目が見えなくては外に出る事もできない。殆どの人々が避難を終え静まりかえった病院の中で、やがて一人の若い看護婦が彼に声をかけた。
親切なその看護婦は譲二を病院の外へ連れ出すが、逃げ遅れた少女がまだ病室にいる事を知ると、サラマンダーが目の前に迫っているのにもかかわらず勇敢にも病院の中へ飛び込んでいった。患者達の避難を手助けしていた加賀達も彼女と行動を共にする。だが、サラマンダーの襲撃に遭い、絶体絶命のピンチに。
彼女の行動に勇気づけられた譲二は意を決してスペクトルマンに変身。病院を守って音だけを頼りに怪獣と戦い始めたもののやはり思うようには戦えない。苦しい戦いのさ中、高圧線に触れたスペクトルマンの目はその電気エネルギーによって視力が復元。形勢はたちまち逆転し、両眼ではっきりと相手の姿を捕らえたスペクトルマンはスペクトルフラッシュによって遂にサラマンダーを倒した。
サラマンダー編の後編にあたる今回は、舞台が松本の街中に移り、松本城や病院が破壊される。こちらは子供を助ける為に崩れゆく病院の中に飛びこんでいったやさしい看護婦さんのエピソードが中心だ。
ところで、第1話より(第11〜18話を除く)ゴリの声を演じていた小林清志氏は本作品を最後に番組を降りている。次回より西山連氏に交替となるが、第29話の1シーンのみ、既に西山氏の声である。尚、第30、31話のEDでは氏の名前が西山連治となっている。
第30話 タッグマッチ怪獣恐怖の上陸!!
相模湾に帰港中の船が海藻に巻きこまれて遭難した。調査に乗り出した公害Gメンの譲二達は、湾一帯が昆布によく似た海藻で覆いつくされ、その中に大きな卵が幾つも産みつけられていのを発見する。ヘドロ公害の為に不漁が続き、食べるものにも困っていた漁師達は浜に打ち上げられたその卵を海亀様の卵と信じて持ち帰っていた。村には昔、不漁続きの時に海亀様が現われて大きな卵を置いていったという伝説があるのだ。だが、分析の結果、それは怪獣の卵と判明。譲二達は急いで町中を廻り、卵を回収して焼き殺した。
全ては、日本周辺の海上交通を遮断しようとするゴリの仕業であった。ゴリは相模湾のヘドロを利用して海藻を増やし、同時にその海藻を守る怪獣ザリガニンドを増やそうとしたが、その卵が流れ出した為に計画が狂ったのだ。漁師達に卵を盗られ、怒ったザリガニンドは海中からその姿を現わし、上陸して暴れ始める。
譲二は残った卵を使ってザリガニンドをおびき出し、町から遠ざけた。だが、次第に追いつめられ、危機に陥った譲二はスペクトルマンに変身し、ザリガニンドに立ち向かった。激しい格闘の末、劣勢になったザリガニンドはなぜか灯台に向かって歩き始める。それを阻止しようとするスペクトルマンの背後に、全身昆布で覆われた怪獣スピンコブラーが出現。その触手で締めあげられたスペクトルマンはたちまちダウンし譲二の姿に戻ってしまった。
本放送当時は真夏の放映とあって、海辺を舞台にしたお話し。怪獣も海鮮関係で、その動きはマンガチックな面構えに応じて完璧に擬人化されており、コミカルな印象を受ける。だが、その反面、本編部分は妙に重く切ない。
浜に流れついたザリガニンドの卵を海亀のものと思い込んだ不漁続きの漁師達はそれを争うように持ち帰る。一抱えもある大きな卵を何の疑問も抱かずに食べてしまうというのも変な話だが、彼らにとってはそれが変だと思えないくらいに切羽詰まっていのだろう。「だまされるんじゃねぇ!」と妻に強く言い放ち、もくもくと(ザリガニンドの)卵焼きを食べ続ける一人の漁師の姿は感動的ですらある(?)。
第31話 あの灯台を救え!!
譲二は加賀、みね子達と共に灯台へ逃げ込むが、ザリガニンドとスピンコブラーがその間近にまで近づいていた。そして、スピンコブラーが振り回す触手の衝撃によって左右に揺り動かされた灯台は、極めて危険な状態に陥ってしまう。別行動をとっていた太田と応援に駆けつけた有藤は譲二達の身を案じ、トランシーバーを使って彼らと連絡をとりあう事にした。
一方、ザリガニンドは卵を求めて町を襲撃するが、しばらくすると諦めたのか、再び灯台へと戻っていく。二大怪獣に陣取られ、譲二達と共に灯台に閉じこめられた村の漁師と灯台守の吾助は恐怖におびえた。だが、怪獣が灯台から離れない理由はその灯台の中にあった。吾助が怪獣の卵を海亀様の卵と信じこみ、隠し持っていたのだ。卵をとり戻す為、遂に怪獣達は灯台を破壊し始めた。
やがて防衛隊が駆けつけるが、灯台の中に人がいては攻撃する事ができない。そこで太田は町に残っていた怪獣の卵をさがし出し、それを使ってザリガニンドをおびき出した。灯台からひき離されたザリガニンドに防衛隊は攻撃を開始。火に弱いザリガニンドは戦車の砲撃を受けて後退するが、親分格のスピンコブラーがその前に立ちはだかった。
譲二は灯台の外へ飛び出し、スペクトルマンに変身。二匹のコンビネーションに翻弄されながらも、スペクトルマンはスペクトルフラッシュで二大怪獣を打ち倒した。
灯台の中に閉じこめられた男と吾助爺さんとのやりとりが凄まじい。卵をこっそり灯台の中に隠し持っていた吾助を男は非難し「このじじいはお上から毎月給金を貰ってるんだ!」と、僻み根性丸出しでつかみかかるのだ。更に男は「欲張りじじい」だの「殺してやる」だのと暴言を吐く。そこでいきなり歌を歌いだす孫のケン坊…。今回の見所である。
怪獣が目の前に迫ってきているというのに、だまって一本の(三ツ矢)サイダー缶をストローで飲み続けていた変なアベックも忘れがたい存在だ。
第32話 よみがえる三つ首竜!!
新潟に起こった度重なる落雷。それは、三百年前に絶滅したはずの三つ首竜を甦らせようとするゴリの仕業であった。深い地底の第三紀層から落雷の電撃によって長い眠りを覚まされた三つ首竜は、その三つの口から毒ガスや岩石を吐きながら新潟市内で猛威を奮う。そして航空隊の攻撃をものともせず石油コンビナートを襲撃するが、石油タンクが発火し爆発炎上すると、さすがの三つ首竜も退却せざるを得なかった。 その頃、加賀はみね子を連れて新潟の地に自動車を走らせていた。彼の妻の里へ祭り見物に出かけたのだ。その途中で養護施設「子鹿ハウス」のバスが落雷に遭って立往生しているのを目撃し、子供達を施設まで送った事から彼らと親密になる。翌日の子鹿ハウスの祭りに招かれる事になり、それを楽しみとする加賀達だが、三つ首竜の出現を知って防衛隊基地へ急行した。
一方、加賀を追って新潟にやって来た譲二は、三つ首竜の襲撃から逃れようとしている母娘に出会った。だが、怪獣の吐き出す岩石の下敷きになった母親は娘の礼子を譲二に託して息を引き取る。譲二はスペクトルマンとなって眼前の三つ首竜に挑み、その背中の羽をもぎとったものの自らも右腕を負傷してしまった。
三つ首竜のエネルギー源は石油であり、怪獣は石油パイプラインに沿って進行していた。加賀の考案した作戦により防衛隊は落し穴を仕掛け、三つ首竜を釘づけにして一斉攻撃を計る。
シリーズ中でもっとも特撮が派手な前後編。登場する怪獣は一匹ながら三つの首を振り回して元気よく暴れまわり、石油コンビナートを中心に破壊の限りを尽くす。モノが石油だけに、これでもかとばかりの爆発の連続。やたらと大胆な合成も目立ち、とにかく迫力がある。怪獣とスペクトルマンとの戦いだけでなく、怪獣に対する防衛隊の攻防も充分に見応えがあり、巨大な落し穴を作って三つ首竜を封じこめるシーンは往年の怪獣映画を彷彿とさせた。
第33話 SOS!!海底油田
防衛隊の仕掛けた落とし穴にかかる三つ首竜。そこへスペクトルマンが飛来し、地底で激しい戦いを繰り広げた後、三つ首竜はそのまま姿を消した。
加賀やみね子と合流した譲二は礼子を一時的に「子鹿ハウス」に預ける事にした。礼子の父親と連絡がつかないのだ。だが、祭りを楽しんでいた加賀達の前に、突如として三つ首竜が出現。礼子は施設に閉じこめられてピンチに陥るが、駆けつけたスペクトルマンが彼女を救った。
スペクトルマンは三つ首竜を抱えて空へ飛び上がるが、負傷した右腕はまだ回復しておらず、思わず怪獣を地上へ落としてしまった。しかも落下した地点は油田の間近にあり、三つ首竜は迷わず油田に向かっていく。このまま怪獣にエネルギーを与えたら取り返しのつかない事になる。防衛隊指揮官は油田に火をつける事を油田事務所の村瀬所長に要請。村瀬は迷いながらも命がけでそれを実行に移した。
三つ首竜は出火した油田から逃れ、今度は海底油田を目指して海上を進み始めた。それを必死に阻止しようとするスペクトルマン。航空隊の協力を得て怪獣の三つの首を切り落とすが、それでもなお三つ首竜は生きていた。だが、スペクトルマンが最後の力をふりしぼって怪獣の尾を切断した時三つ首竜はやっとその活動を停止した。
新潟の地に再び静けさが戻った。そして礼子は、父親である村瀬と再開を果たすのだった。
特撮部分の時間的な割合がかなり高く、Aパートの終わり頃に登場したスペクトルマンがそのままBパートの終わり頃まで延々と戦い続けている。クライマックスでは戦いの場が海上へと移り、まさに死闘と呼ぶにふさわしい場面が展開された。三つの首を切られてもなお暴れる三つ首竜に防衛隊のジェット機編隊も決死の攻撃をかける。三つ首竜の尾の一撃でふっ飛ぶスペクトルマンを見て「海底油田を守るのはスペクトルマンではない。我々の務めだ」と言い放つ隊長が頼もしい。結局、スペクトルマンが尾を切断した事で三つ首竜は死滅するのだが、その最後のとどめがはっきりと映像に表現されていないのが、少しすっきりしないところではある。
第34話 ムーンサンダーの怒り!!
多くの謎に包まれた月。人類はその謎を解くべく、これまでに四つの石を月から持ち帰っていた。そして今、月ロケット・アポロ27号によって更に多くの石を地球に持ち帰ろうとしている。人類の宇宙開発を快く思わないゴリはこれを阻止すべく円盤で追跡を開始。だが、その時、アポロに近づく別の巨大な物体があった。ゴリも知らなかった月の怪獣ムーンサンダーだ。その襲撃を受けたアポロは危険な角度での大気圏突入を試み、敢えなく爆発。ムーンサンダーは空中に放り出された月の石を手でつかむとそのままどこかへ飛び去っていった。
交信の途絶えたアポロ27号の行方を捜していた全世界の観測所はパリ上空を飛ぶ赤い火の玉を発見。その正体が気にかかった譲二は月の石を分析している宇宙科学研究所の町村博士を訪ねるが、それは博士ですら全く見当がつかないという。やがて火の玉は東へ向かって高速で移動して日本を通過。サンフランシスコ沖に着水したそれは果たしてムーンサンダーであった。アメリカ大陸を横断してニューヨークへ姿を現わすムーンサンダー。譲二はスペクトルマンに変身し、ニューヨークへ飛んだ。
ムーンサンダーとの戦いに挑むスペクトルマン。激戦の末にスペクトルフラッシュを放つが、それは怪獣の身体を纏っている鎧を吹き飛ばしたに過ぎなかった。力を使い果たした彼の目前で、ムーンサンダーはアメリカ宇宙科学研究所に保管されていた月の石を奪っていった。
怪獣の卵をめぐって…という話はもうこれで三度目だが、今回はスケールも大きく、月の怪獣である。しかも架空のナンバーとはいえ、実在するアポロ宇宙船を登場させ、白人俳優による三人の飛行士が月から石を採取して地球まで帰還する様子を再現しているあたりはかなり大胆だ。なお、ここに登場するアポロは27号だが、実際のアポロ計画は17号で終わっている。
第35話 スペクトルマンが死んだ!?
ネヴィラによる分析の結果、月の石はムーンサンダーの卵である事が判明した。怪獣ムーンサンダーは自分の卵をとり戻す為に月から飛来したのだ。だが、月の石はニューヨークだけでなく、ロンドン、パリ、そして東京にもある。だが、譲二はエネルギーが足りない為にすぐに変身する事ができず、それらの都市が襲われる事を知りながらどうする事もできなかった。
譲二の思った通りロンドンとパリを襲ったムーンサンダーは次に東京に向かった。仲間の石を呼ぶかのように紫色の光を明滅させる月の石。町村博士は怪獣の狙いがその石である事に気づき、その警護を公害Gメンに依頼。そこで倉田室長は防衛隊の敷地へ石を移して怪獣の襲来に備えようとするが、怪獣の動きは予想以上に速かった。やがて日本へ現われたムーンサンダーは月の石を運んでいたジープにたちまち追いつき、遂に全ての卵を手に入れた。
しかし、スペクトルマンとの戦いで鎧をなくしたムーンサンダーの身体は、大気圏を出る事もできない程、弱くなっていた。故郷の月へ帰れず、その怒りを人間にぶつけようとするムーンサンダー。そこへ駆けつけた譲二はスペクトルマンに変身するが自らの責任を感じ戦う事ができない。そこで彼は意を決してムーンサンダーもろとも火山の噴火口にとびこんだ。
ムーンサンダーが命がけで守った五つの卵からはムーンサンダーの子供達が生まれ故郷の月へと帰っていった。
譲二はスペクトルマンに変身してアメリカまで飛んでいってしまうが、勿論アメリカロケなどしていないので、英語の看板が散らばっている事でロケ地をアメリカっぽく見せている。だが、看板が多すぎて返って不自然だ(笑)。戦いでエネルギーを失い、譲二の姿に戻った彼はなんと旅客機に乗って日本へ帰るのだが、旅費やパスポートはどうしたのだろう。ネヴィラが送ってくれたのか? 譲二がパンナムのバッグを持って羽田から帰ってくるあたりは多分に時代を感じさせる。
さて、物語はサブタイトルが示す通り、スペクトルマンが死んだ(かもしれない)という最悪の状況となる。譲二の服がボロボロになって発見された事から、彼もまた死んだものと思い込むGメン達。物語は更に次回へと続く。
第36話 死斗!! Gメン対怪獣ベガロン
スペクトルマンがムーンサンダーとの戦いで死んだものと思いこんだものと思いこんだゴリは、一挙に地球征服を果たすべく宇宙の怪獣墓場から最も兇悪な怪獣ベガロンを呼び寄せた。箱根に現われ、暴れまわるベガロン。だが、スペクトルマンはネヴィラ遊星の宇宙ステーションに救出され、生きていた。しかし、その身体はまだ完全には回復しておらず、ネヴィラ遊星は彼の交替要員を地球に派遣する事を決定した。
一方、公害Gメンでは新たに「怪獣Gメン」としての仕事が加わり、倉田室長以下Gメンのメンバー達は様々な武器を駆使して怪獣と戦う事となった。箱根に怪獣出現との連絡を受けた彼らは直ちに行動を開始するが、凶暴なベガロン相手に苦戦を強いられ、新たに配属された女性Gメン・沢みどりがベガロンに追われて洞窟の中に閉じこめられてしまう。
その頃、宇宙ステーションの中でスペクトルマンは一人焦っていた。地球にゴリの怪獣が出現したとの情報を得て彼の交替要員がようやく出発したものの、ネヴィラ遊星から地球までの距離はあまりにも遠い。ネヴィラ本部の命令を無視し、自分の命を犠牲にしてでも地球人を助けたいというスペクトルマンの必死の頼みにネヴィラ遊星人は遂に彼の出発を許可した。地球へと戻ったスペクトルマンはGメン達の危機を救い、ベガロンと対決。そして、スペクトルフラッシュを受けたベガロンの身体はバラバラになって吹き飛ぶのだった。
第八分室の一室で加賀達が死んだ(と思われた)譲二の事を話していると、そこへ倉田室長が入ってきて自分達が怪獣Gメンに任命された事を彼らに伝える。新たな使命に命懸けの決心をするGメン達。だが、そこに前回までいた女性Gメン・立花みね子の姿はなく、代わりに新人の沢みどりが紹介される。みね子についてはその後も一切、誰も語らない。
一方、スペクトルマンはネヴィラの宇宙ステーションに収容されて生きていた。彼はすぐにでも地球へ戻ろうとし、ネヴィラ遊星人に止められる。この時の会話によれば、スペクトルマンは別の星に転勤する事になっていて、その星で楽しく暮らせるという。「私は今やネヴィラ遊星人であると共に地球人でもあるのだ!」というスペクトルマンの言葉は感動的だが、楽しく暮らせる平和な星にもサイボーグを送るというのはどういう訳か? それにしても、途中からひき返したスペクトルマンの交替要員には、ごくろうさまと言いたい。
第37話 ゴリの円盤基地爆破大作戦!!
洞窟の中に閉じこめられていたみどりが更にその奥へと進んでいくと、そこには想像を超えた巨大な工場が存在した。そここそ宇宙猿人ゴリの円盤基地だったのだ。ゴリはマイナス人間達を使ってみどりを捕らえると、彼女を電気椅子に座らせてスペクトルマンの秘密を聞きだそうとする。スペクトルマンがいつもGメンの傍に現れる事に疑問を感じていたからだ。だが、みどりがその秘密を知っている筈もなく、彼女はひたすら拷問に耐えるしかなかった。
一方、Gメン達は帰ってきた譲二と共にみどりの後を追って洞窟の中へ。ゴリの基地を目のあたりした彼らは宇宙猿人の存在を確信し基地の爆破を計るが、洞窟の外では怪獣ベガロンが甦り、彼らの行動を阻んだ。ベガロンは身体がバラバラになっても元通りに戻る再生怪獣だったのだ。譲二はスペクトルマンに変身して戦いを挑むが、ベガロンは尻尾だけを残して忽然と姿を消してしまった。
再び基地へ潜入した譲二は待ち受けていたラーにレーザーガンで立ち向かい、みどりの救出に成功。だが、基地に爆破装置を仕掛け、Gメンのメンバー全員が脱出しようとした時、その行く手を再びベガロンが・u毆)立ちふさがった。譲二は一人洞窟の外へ踊り出るとスペクトルマンに変身。その隙にGメン達は無事脱出し、基地は大爆発。そして怪獣ベガロンはスペクトルマンによって倒され、木っ端微塵になったその身体は二度と再生する事はなかった。
みね子役の親桜子氏の降板はかなり急だったらしく、当初はそのまま登場する予定だったが、映像作品ではみね子の行動のほとんどは沢みどりに変更されている。ゴリの秘密基地の中で譲二の姿を見た沢が「生きていたのね!」と言って安堵するシーンなどはこれが譲二と初対面となるだけに実に不自然だが、本来はこれもみね子が言うはずのセリフだった。ちなみに、捕らえられた沢がゴリに向かって唾を吐くシーンは現場で加えられたものらしい。
怪獣Gメンとして初出動した彼らは怪獣ベガロンと戦ううちに宇宙猿人の秘密基地を発見。なんとこの37話にして彼らは初めて宿敵・宇宙猿人の存在を確信する。だが、ゴリと会ったのは沢だけで、まだ譲二ですらゴリと直接会ってはいない。その用心深さ故に、Gメンがゴリの基地を爆破しても彼が死んだとはとても思えない。しかしながら、Gメンにとって最悪の状態だったのが、一転して敵の基地を爆破するまでに至るこの急展開はシリーズ中盤の最大のヤマ場である。
エジプトのスフィンクスが突如として動きだし、カイロ郊外から海を渡って日本の岩手県釜石市付近に上陸。そのまま西北西に向かって一直線に前進を始めた。バリヤーで身を守り、戦車やミサイルの攻撃を受けつけないスフィンクス。その向かう先には新燃料プラニウムを保持する原子力研究所があった。
怪獣Gメンはスフィンクスの進行を阻止すべく行動を開始。磁気地雷を使って足元からの爆破を計るが、破壊には至らなかった。そこでGメンは万一の事を考えて有藤を原子力研究所に急行させると共に、先回りしてスフインクスを迎え撃つ。橋に仕掛けられた爆破装置によって谷底へ転落するスフィンクス。だが、その体内から現われた数人のエジプト怪人は不思議な光線を放って譲二達の動きを封じ、彼らの身体を調べ始めた。Gメンとスペクトルマンの関係を探ろうというのだ。その怪人達を率いていたのはラーであり、スフィンクスはゴリが改造してロボット化したものであった。
ゴリはスフィンクスの体内から新型円盤を使って脱出すると、スフィンクスを更に凶暴な怪獣へと変身させた。再び原子力研究所に向かって前進を始めるスフィンクス怪獣。太田の機転によってピンチを脱した譲二はスペクトルマンに変身し、これに立ち向かった。繰り広げられる両者の激闘。ところが、スペクトルマンが怪獣をつかんだまま空中へ飛び上がると、怪獣は突然自爆し、スペクトルマンをふきとばした。
スフィンクスが動くという発想はいささか平凡だが、頭に毛が生えて二本足で立ちあがったり、更にクモの様な姿に変身するとなると、これはもう非凡と言わざるを得ない。なにしろスフィンクスがクモになってしまうのである。本当に一つの着ぐるみを改造しながら撮影が行われていたという点も含めて、まさにピー・プロならではの着想と言えるだろう。
第39話 怪獣地区突破作戦!!
爆発によって落下したスペクトルマンは地上に横たわり、身動き一つできないでいた。だが、駆けつけた怪獣Gメンが彼の視界をさえぎっていた木の枝をレーザーガンで焼き切ると、スペクトルマンはネヴィラからのエネルギー補給を受けてたちまち甦り、飛び去っていった。
一方、スフィンクス怪獣はゴリのロボットによって再改造され、更に強力なクモ怪獣となって再び原子力研究所へ向かった。しかも怪獣は北上山中に巨大なクモの巣を張り巡らし、それは強力なバリヤーとなってGメンは容易に進む事ができない。クモの巣を前に立往生するGメン達。そこへ、地元の少年シンちゃんとアキ坊が声をかけてきた。彼らしか知らない秘密の抜け道があるというのだ。その抜け道を使って研究所へ急ぐGメンだが、研究所の近くにはクモ怪獣が待ち伏せていた。クモの巣にかかったシンちゃんが危ない。譲二はスペクトルマンに変身しクモ怪獣に挑んだ。
その頃、原子力研究所ではゴリのロボットが侵入し、先発していた有藤が所員達を守って奮闘していた。ようやく到着した加賀達によってロボットは倒されるが、ゴリの真の目的は研究所の中にある新燃料プラニウムにあった。ゴリはスペクトルマンの目を盗んでプラニウムの奪取に成功。クモ怪獣はスペクトルマンに倒されたものの、プラニウムを奪われた原子力研究所はゴリの残していった時限爆弾によって破壊されてしまうのだった。
怪獣Gメンには数々の小道具が与えられており、特にこのエピソードにはそれらを使用する場面が随所にある。なかでも印象的なのは前編に登場する”磁気機雷”と、今回登場する”携帯ロケット”だ。前者は名前こそ機雷だが、外観は小型のミサイルのようで、先端のドリルで地下を潜り相手を爆破するというもの。組立式になっており、翼のような部品をはめ込んで完成させるのだが、発射した途端にその翼は勢い良く外れてしまうので…意味ないじゃん! 後者の方はGメン達のベルトについており、空を飛ぶ事ができるのだが、ロケットにさほど威力がなく、少し浮かぶ程度しかできないようだ。しかし、これらのような味のある小道具が今回しか使用されていないのは、いささか残念である。
ところで、この話には倉田室長が一切登場していない。ベガロン編では自らも現場に赴いていたのだが…。管理職がたまに現場に復帰すると身体がきつくて耐えられなくなるものらしい。
第40話 草笛を吹く怪獣
箱根付近にガス怪獣メタノドンが出現。ロープウェイを破壊し暴れ回るが、怪獣Gメンの攻撃を受けると、すごすごと退散してしまった。その後、人目を避けて沼の中に潜んでいたメタノドンは沼で溺れかけていた少年ケンジを助けた。ケンジが草笛を吹くと喜んで踊りだすメタノドン。ケンジはそんな怪獣がいっぺんで好きになった。両親がなく、友達もいなかった彼にとってメタノドンは心を通わせる事のできる唯一の親友になったのだ。
その頃、怪獣が再び暴れだす事を恐れた譲二は懸命に怪獣の行方を探していた。それを知ったケンジはメタノドンを沼から山の中へと逃がすが、やがて村の子供達に発見されてしまう。通報を受けた怪獣Gメンはすぐに攻撃を開始。すると、それまでおとなしかったメタノドンもたちまち怒りだし、村に飛び出て暴れ始めた。やめろというケンジの声も聞かず、火を吐いて村を焼きつくすメタノドン。ケンジもその炎の中に巻き込まれ、ピンチに陥ってしまう。そこへ現われたスペクトルマンはケンジを救ってメタノドンに立ち向かうが、ケンジはそれでもメタノドンを助けようとスペクトルマンに懇願した。
その時、火山の噴火口から怪獣マグマザウルスが出現した。メタノドンの腑甲斐なさに業を煮やしたゴリが新たに呼びよせた溶岩怪獣だ。だが、マグマザウルスが口から発する高熱の火山弾を浴びたメタノドンは再び沼の中へと戻っていった。
後に『レインボーマン』等、川内康範氏原作の特撮ヒーロー番組のメインライターとなる伊東恒久氏が初参加。本シリーズでは、この作品を含めて四つのエピソード(前後編3つと一話完結1つ)を手がけているが、いずれも少年と怪獣との関わりを描いているのが興味深い。しかも少年の立場はそれぞれが全く異なるのだ。怪獣の被害者であったり、怪獣の創造者であったり、少年自身が怪獣になってしまったり・・・。そして、本作の主役ケンジは、怪獣の友達である。ゴリの怪獣としては落ちこぼれとも言えるメタノドンと、ひねくれ者で学校もさぼってばかりいる孤独な少年ケンジはどこか似ており、心通じるものがあったのだろう。それだけにメタノドンが少年を裏切って暴れ出した時、少年は計り知れない衝撃を覚える。少年と怪獣の心をつないでいるのは草笛の音色だ。ただ、サブタイトルは「草笛を吹く怪獣」だが、草笛を吹くのはケンジの方であって、怪獣が草笛を吹くわけではない。
第41話 ガス怪獣暁に死す!!
怪獣マグマザウルスと対戦したスペクトルマンは思わぬ苦戦を強いられ、やがてエネルギーを使い果たして譲二の姿に戻ってしまった。一計を案じた譲二はレーザーガンで傍の火薬庫を破壊。その爆発に巻き込まれたマグマザウルスは砂塵の中に姿を消した。
だが、マグマザウルスは死んではいなかった。地底に逃れ、その能力を使ってゴリの作戦を実行に移したのだ。ゴリは休火山の富士山を噴火させ、更に日本全土の火山を活発化させて日本中を溶岩で焼き払おうと計画。その為、マグマザウルスは自らを導火線と化し富士火山帯に火をつけた。富士が活動を始めたとの連絡を受けた怪獣Gメンはその原因が怪獣にあるものと判断し調査を開始するが、彼らの眼前で箱根岳が噴火。やがて次々と富士火山帯の山々が連鎖的に噴火を始めた。
噴火と共にマグマザウルスが地上に姿を現わし、譲二はスペクトルマンに変身してこれに立ち向かった。ゴリはガス怪獣メタノドンを使ってスペクトルマンもろとも自爆させようと計るが、ケンジ少年は懸命にそれを食い止めようとする。少年が草笛を吹くと、ゴリのコントロールを離れて自分・u毆)の意志で行動を始めるメタノドン。苦戦するスペクトルマンを助けたメタノドンはマグマザウルスと相討ちとなり、ケンジの吹く草笛の音を聞きながら静かに息絶えた。そしてケンジはメタノドンこそ本当の友達だった事を知るのだった。
スフィンクス編にてお披露目したゴリの新円盤が今回は全く登場せず、なぜか旧円盤が姿を見せている。地下基地と共に爆発したはずではなかったのか? ちょっとした謎(単なる手違いだとは思うが・・・)だが、謎といえばもう一つ。今回初登場となる4代目女性Gメンの柳田ひろみは、どういう経緯でGメンになったのかまったくの謎だ。別にそれはそれでかまわないのだが、まるでずっとそこにいたかのようにふるまっているので、面食らってしまう。なお、書籍等では彼女の名は「弘美」という漢字の名前になっている。樋口弘美監督の名前をいただいたのだろうか?
第42話 宇宙から来た太陽マスク
日頃から母親に勉強を押しつけられていた、ごく普通の少年・五郎。ある日、その母親がノイローゼの疑いで精神病院に運ばれた。五郎の目が光ったとか、空飛ぶ円盤を見たなど、妙な事を口走ったからだ。だが、それは謎の男・太陽マスクによって催眠能力を得た五郎の仕業だった。宇宙から来たという太陽マスクは正しい少年達の味方と称し、五郎と彼の二人の友達にその恐るべき科学力を提供していたのだ。五郎達は学校や大人達に対する恨みを晴らそうと彼と手を組んで行動を開始した。
その頃、譲二とひろみはレーダーに一瞬写った謎の飛行物体の調査をしていた。調査を進めるうちに五郎の弟・マー坊と出会った二人は朝から行方不明だという五郎を一緒に捜し始めるが、五郎が通っているという学習塾を訪ねると、そこに突如怪獣が出現した。だが、スペクトルマンが登場すると、さすがの怪獣も撤退せざるを得なかった。
怪獣は脳の中のイメージを実体化する装置を使って五郎達三人の少年が作りだしたものであった。更にどんな動物でも怪獣に作り変える事のできる分子分解装置を与えられた彼らは、担任の阿部先生を怪獣化するべく学校へ向かった。譲二から連絡を受けた怪獣Gメンも五郎達の行動に気づき、それを阻止すべく学校へ急行するが、逆に催眠状態にされてしまう。やがて阿部先生は怪獣カバゴンとなって巨大化し、学校を壊し始めた。
本放送当時、教育ママを怪獣に見立ててママゴンなどと呼ぶのが流行っていた。同様に、当時テレビ出演も多かった教育評論家の阿部進氏もまたカバゴンと呼ばれ、本人は案外気に入っていたそうだが、そのカバゴンを文字通りのカバゴンにしてしまうという単純な発想をそのまま通してしまうのがピー・プロの凄いところである。カバゴンの着ぐるみも傑作で、マンガチックなスタイルに加え、腹に当の阿部氏そっくりの、もう一つの顔があるのがポイントだ。
五郎少年役の高野浩幸氏は特撮ファンには言わずと知れた名子役。当時、数々のドラマやCMにも出演しており、非常に稀有な存在感を持っていた。この作品でも現代っ子(この言葉を作ったのがゲストの阿部進氏らしい)の病的な部分を見事に演じている。
第43話 怪獣カバゴンの出現!!
譲二は催眠状態にされたもののサイボーグである為に完全には眠らなかった。しかしその影響で全身が痺れ、スペクトルマンに変身しても思うように戦えない。暴れるカバゴンになす術もないスペクトルマン。だが、五郎が手にしていた操縦器に気づきそれを破壊すると、怪獣はたちまち姿を消し、怪獣Gメン達の催眠も解けた。
太陽マスクはカバゴンをダムの水の中に隠し、強力な武器を持たせて再び暴れさせようと計った。だが、学校を壊した事で五郎達は既に満足していた。しかも怪獣を動かすには脳に苦痛を伴う。その為五郎達がそれ以上の協力を拒むと、太陽マスクはそんな彼らに銃を向け、カバゴンに命を吹き込むよう脅迫した。少年達を裏切り、本性を見せた太陽マスク。その正体はゴリの腹心ラーであった。全ては少年達を操って地球を征服しようとするゴリの策略だったのだ。
五郎達の頭脳によって再び命を与えられたカバゴンは新たに電気エネルギーを得て復活し、ダムを破壊し始めた。そこへ現われたスペクトルマンは決壊したダムに岩を詰めて水の噴出を止めると、カバゴンとの戦いに挑む。だが、その身体に流れる百万ボルトの電流の為にうかつには手が出せない。苦戦し追い詰められたスペクトルマンは一計を案じ、隙を見てカバゴンを突きとばした。倒れかかったカバゴンの身体は送電線に触れてスパークし、そのショックで怪獣は阿部先生の姿に戻っていった。
カバゴンと戦っていたスペクトルマンが、カバゴンを操っていた五郎たちに向かっていきなりバックルを投げつけるシーンには驚かされる。彼らの持つ操縦機(怪獣を作り出す分子分解装置と兼用になっているらしい)を破壊するためとはいえ、いくらなんでも乱暴すぎやしないか(笑)。
カバゴンを倒した後に譲二とラーの対決シーンがあるが、演出が妙に凝っていて見どころの一つ。
第44話 宇宙の通り魔キュドラー星人
若い女性が何者かに殺される事件が相次いで起こった。しかも被害者の身体からは血液がなくなっており、首筋には二つの傷跡が残っていたという。
そんなある夜、譲二のところへ謎の男が現れた。男は譲二がスペクトルマンである事を知っており、彼を無理矢理ある廃墟へと連れていく。その正体はパル遊星人であり、宇宙警察パトロールのGメンでもあった。彼は凶悪な犯罪者キュドラーを追って地球へやって来たのだが、醜悪な自分の顔を地球人に見せる訳にいかず、地球上で自由に行動する事ができない。そこで譲二にキュドラーの逮捕を依頼する事にしたのだった。
キュドラーは血を常食としている宇宙の吸血鬼であり、女性連続殺人の犯人に違いなかった。満月の夜、月が雲間に隠れる時に吸血が行われる。その夜も女の悲鳴が夜の都会に響き、譲二が駆けつけると既に女は血を抜かれて倒れていた。だが、現場から立ち去る別の女を見かけた譲二はそれがキュドラーの変身した姿ではないかと疑った。そして彼女の後をつけ、蓼科のある別荘へと辿り着いた。
別荘に住む白髪の紳士に早々に追い返された譲二は女を捜して別荘の中へと忍び込んだ。すると、そこへキュドラーがその姿を現し、譲二を襲った。巨大化したキュドラーに対し譲二はスペクトルマンに変身。だが、キュドラーの繰り出す激しい攻撃を受けた彼は傷つき倒れてしまった。
ゴリとラーが前後編通して全く出番のない唯一の作品。代わりに善悪二人の宇宙人が登場し、これ以降も次々と様々な宇宙人たちが地球にやってくることになる。悪側の宇宙人の名前がサブタイトルでは「キュドラー星人」となっているが、本編中では「キュドラー」としか呼ばれておらず、エンディングのクレジットでも「吸血鬼キュドラー」となっている。おそらく種族の名前ではなく、個人名なのだろう。一方の善側、パル遊星人はパル遊星からきたことも説明されており、まちがいなく種族名である。この名称は『マグマ大使』のアロン編でも本作のライター高久進氏が使用していた(この時のパル遊星人の王を演じたのが、キュドラーが化けた紳士役の片山滉氏だった)が、星新一氏のショートショートにもパル遊星人というのが登場する話がある。何か謂れがあるのだろうか。
第45話 パル遊星人よ永遠なれ!!
キュドラーを取り逃がした譲二は再び別荘へ潜入し、女の部屋を訪ねた。その女・節子によれば、夜になると父親がどこかへ出かけるので、気になって後をつけていたという。実は彼女の父親は既に殺されており、キュドラーが擦り替わっていたのだ。吸血鬼を殺すにはその胸に杭を打ち込むしかないとパル遊星人から聞かされた譲二は杭を手にキュドラーの変身した白髪の紳士の胸を狙うが、紳士は笑い声と共に姿を消してしまった。
正体を知られ、怒ったキュドラーは遂に節子にも牙を向けた。だが、怪獣Gメン達にそれを阻まれると今度はGメン室に姿を現し弘美を人質にとって彼らを脅迫する。譲二は弘美を助ける為、仕方なくパル遊星人の隠れ家の場所を彼に告げた。復讐に燃え、パル遊星人に迫るキュドラー。地球の汚れた空気の為に身体が弱っていたパル遊星人はあとわずかしか生きられない事を悟り、その攻撃にも敢えて無抵抗だった。しかし、彼は既にその命を賭けてキュドラーを倒す為の十字架を作っていたのだ。
パル遊星人から彼の魂のこもった十字架を託されたスペクトルマンはキュドラーとの最後の対決に挑んだ。その猛威の前にスペクトルマンも苦戦するが、パル遊星人の唱える呪文によって十字架が不思議な力を発揮し、キュドラーの力を制して彼の胸を突いた。落雷と共に塵となるキュドラーの身体。同時にパル遊星人も力尽き、息絶えるのだった。
キュドラーを倒すためパル遊星人は最後の力を使い果たして死に絶える。「死んだあんたも辛かったろうが、生き残ってこれからまた凶暴な怪獣と戦わなければならない。俺もまた辛いんだ・・・」という譲二の言葉が重い。
第46話 死者からの招待状
加賀、譲二、弘美の三人は休暇を利用して加賀の田舎へ遊びに出かけた。里見村という、宮崎の山裾深くの小さな村だ。十数年ぶりに里帰りした加賀を暖かく迎える祖父と祖母。だが、一ヵ月前に手紙をくれたはずの幼なじみが既に死んでいたという祖父の話は加賀を驚愕させた。その上、村の友人に声をかけても黙って逃げられてしまい、加賀は村の様子を不審に思い始める。
その頃、東京の怪獣Gメンのメンバー達も里見村近辺の異常を捕らえていた。村の上空で航空写真を撮影していたセスナ機が謎の事故を起こし、機内に残されたネガを現像してみると、そこに人間の格好をしたガマガエルが写っていたのだ。電波妨害の為に加賀達とも連絡がとれず、彼らを心配した倉田は直ちに太田と有藤を村へ向かわせた。
村人達の怪しげな行動を探った譲二達はその正体がガマ星人の変身である事をつきとめた。暗黒星雲の彼方にあるヌマ星に住む怪獣だ。その事をGメン本部に知らせる為、三人は村の外へ出ようと計るが、その行動に気づいた村人達はガマ星人の姿と化して三人に襲いかかった。彼らにはレーザーガンも通用せず、苦戦を強いられる譲二達。だが、その時、ガマ星人のミスによって村に巨大なガマガエル怪獣が出現した。思わぬアクシデントに慌てるガマ星人達。譲二はスペクトルマンとなってガマガエル怪獣を倒すが、その戦いでエネルギーを著しく消耗してしまった。
一ヶ月もの長期にわたる九州ロケ編の第一弾。日本カーフェリー鰍站{崎交通鰍ニもタイアップし、加賀も「カーフェリーで来てよかでしょうたい」などと言っている。宇宙人に占領された村を舞台にしながらも全体的にあまり暗いイメージはなく、ロケ地の自然を最大限に活用した娯楽編だ。
村人たちの正体に気づいた譲二と加賀とひろみの三人が怪しまれずに村の外へと出ようとするシーンがあるが、よく見ると彼らの格好が可笑しい。一応釣りざおを持って釣りに行くふりはしているのだが、三人ともGメンの制服をしっかり着ており、堂々とレーザーガンまで吊り下げているのだ。これで怪しまれないわけがなく、たちまちガマ星人にとりかこまれてしまうのだった。
第47話 ガマ星人攻撃開始!!
譲二達三人を捕えたガマ星人は変身探索装置を使い、特殊な電波で彼らの身体を調べ始めた。三人のうちの誰かがスペクトルマンに違いないと考えたからだ。だが、弘美も加賀も、そして譲二にも装置は何も反応を示さなかった。怪獣との戦いで譲二のエネルギーメーターはゼロを示しており、変身不能の状態にあったのだ。
ガマ星人は猿人ゴリの命令の下、村人に化けた仲間達を次々と東京へ送りこんだ。ガマガエルを怪獣化し、一斉蜂起するつもりだ。それを知った譲二達は彼らの基地を脱出。村人になりすまして村の外へと脱け出した加賀が、太田、有藤の二人と合流した。加賀から連絡を受けた倉田はガマガエルの苦手とする重塩化鉛水銀液を液体銃に仕込んでこれをガマ星人に対する武器とした。真上から見ると正体が丸見えになってしまうという彼らの変身の弱点をついて、村を出たガマ星人達を全滅させるGメンと防衛隊。だが、これに怒ったゴリは残ったガマ星人とガマガエルを孵化装置に入れてガマガエル怪獣を誕生させた。怪獣には液体銃も効き目がなく、Gメン達にはなすすべがない。
ガマ星人に捕われていた本物の村人達を助けだした譲二はスペクトルマンに変身して怪獣に立ち向かった。エネルギーはまだ完全に回復しておらず、苦戦を強いられたスペクトルマンであったが、海の中へひきずりこまれたガマガエル怪獣はその塩分によって身体を溶かされ、死滅していった。
ガマの顔をした宇宙人という発想が凄い。まさにガマガエルそのまんまの顔をした怪人がいくつも登場し、それらが皆百姓の顔をしているのである。こんな奴らが手にクワやカマを持ち、集団で襲ってくるのだからたまらない。人間に変身出来ても上から見ると正体がバレてしまったり、レーザーには平気だが、塩分には弱かったりと、恐ろしい反面どこか間が抜けており、とても魅力な宇宙人となっている。
第48話 ボビーよ怪獣になるな!!
IQ増進剤・IQPSを開発した堂本博士は犬のボビーに手術を施し、知能を高める実験に成功した。Gメン室に出入りしていた出前持ちの青年・三吉はその事を知ると、自らIQPSの人体実験に志願する。彼は白痴である為周りの人々から馬鹿にされ、そんな毎日に耐えられなかったのだ。手術は見事に成功し、彼の知能は正常化した。だが、譲二は手術の危険性に一抹の不安を感じていた。堂本博士は自分の研究に絶対の自信を持っていたが、譲二にはその自信の内にこそ身を滅ぼす原因が潜んでいるような気がしてならなかった。
譲二の不安をよそに三吉の知能は短い間に驚く程高まり、やがて東西大学医学部へ入学するまでになった。その後も重ねて手術を受けた三吉は三ヵ月で医学課程を終えて医学博士となり、脳に関する研究を次々に発表して若き天才の名を欲しいままにした。
その頃、三吉と同じように再度の手術を受けて知能の発達したボビーに変化が現われ始めた。生肉しか口にしなくなり、狂暴になったのだ。そしてボビーは巨大な怪獣と化して暴れ始めた。狂暴な怪獣となったボビーを攻撃する怪獣Gメンとスペクトルマン。ボビーを兄弟のように思っていた三吉は殺さないでくれと懇願するが、その願いもかなわず、スペクトルマンの手によってボビーはむごたらしく死んでいった。三吉は自分もいつの日か怪獣になるのではないかという不安を感じて始めた。
後編となる49話と共に最高傑作との呼び声の高いエピソード。もちろん異論はないのだが、子供向け番組にしてはあまりにも壮絶なシーンが多い上に「馬鹿」という言葉がやたらとびかう、とんでもない作品であることも事実。馬鹿から大天才に転じる三吉役の鶴田忍氏の演技が、とにかく印象深い。
第49話 悲しき天才怪獣ノーマン
ボビーの怪獣化は知能の飛躍的発達と何か関係があるのではないか? そう考えた三吉は堂本博士に詰め寄るが、明確な答えは得られなかった。だが、今や大天才となった三吉は博士の頭脳が何者かに支配されている事に気づき、宇宙猿人ゴリの存在を見抜いた。ゴリに操られた博士が手術に細工を施していたのだ。
堂本博士はゴリの手によって抹殺され、手がかりを失った三吉は自らの怪獣化を怖れるが、譲二に励まされて怪獣化を防ぐ研究を始めた。そしてある程度研究に見通しがついた頃、三吉はボビーと同じように肉を生のまま食べている自分に気づき、驚愕した。やがて醜い怪獣の姿となった彼は人間を襲ってその脳を食べ、全人類を廃人にするゲラニウム爆弾を作り始める。だが、怪獣化はまだ完全なものではなく、しばらくすると彼は三吉の姿に戻っていた。譲二に全てを話し、研究の完成の為に最後まで努力する事を誓う三吉。譲二がスペクトルマンである事も見抜いていた彼は、もし再び怪獣化したらボビーと同じように自分も殺して欲しいと願い出る。
努力の甲斐もなく、三吉は遂に巨大な怪獣ノーマンと化し、その手にはゲラニウム爆弾が握られていた。譲二はスペクトルマンに変身するが、目の前の怪獣が三吉だと思うと戦う事ができない。わずかに残った人間の心で爆弾を持つ手を必死に押さえるノーマン。スペクトルマンはためらいながらも彼の命を断った。
「脳が食べたい、生きた人間の脳が・・・」と言いながら不気味に笑うノーマンが夜の街を徘徊し、女性を襲ってその首を食べる。路上に転がる無残な死体。首を食いちぎる様子をはっきりと映しているわけではないが、ゴールデンタイムの放送としては充分過激だ。
また、矢島信男特撮監督は前後編で一つのセットを使いまわさなければならないという予算的には厳しい状況でありながら、本編のイメージを継承した印象的な特撮シーンを作り出している。ラストでは雨の降りしきる中でノーマンの心の葛藤を描き、スペクトルマンがスライスを使ってノーマンを切った(と思われる)シーンでストップモーション。次の場面では「わが友三吉くんここに眠る」と書かれた墓標が映し出され、何の説明もないまま幕を閉じる。実にテンポのよい展開だが、三吉が出前持ちから国際生化学賞をとるまでの過程を考えると、この話の中だけで最低でも一年くらいの月日は経過しているはずだ。ゴリは侵略活動の大半の時間を今回の作戦に費やしていたのかもしれない。
第50話 イゴール星人を倒せ!!
かつて日本一の鉱山町として栄えながら今は斜陽となった福岡の秋山町。ある夜、この町の上空に奇妙な光が現われた。その後、町からは何の連絡もなく、不審に思った倉田室長は光の正体を探る為、譲二達五人を秋山町へ向かわせた。
Gメン達を乗せたジープが町に差しかかった時、無線機から「助けて」という少年の声を聴いた彼らは、しげると名乗るその声の主を捜し始めた。だが、町の人達の様子はどこか奇妙だった。まるで人形のように感情が感じられないのだ。しげる少年の事を訪ねると、彼らは全身黒づくめの宇宙人に変身。イゴール星人と名乗りGメン達に襲いかかった。レーザーガンで一人を倒しても次から次へと襲い来る彼らに苦戦する譲二達。ジープで逃げようとしても何台ものダンプカーに道をふさがれ、身動きがとれない。その時、再びしげるから無線が入り、譲二は彼と出会う事が出来た。彼の話によれば、光を見た人達は全員気が変になったのだという。彼だけが光を見る事なく、正気のままだったのだ。
苦心の末イゴール星人から逃れたGメンはしげるを連れて町からの脱出を試みるがその行く手に怪獣ブラックドラゴンが立ちはだかった。イゴール星人との戦いで腕に怪我をした譲二は変身する事ができない。だが、それにもかかわらずスペクトルマンは出現し、圧倒的な力で怪獣を倒してしまった。喜ぶ仲間達をよそにして、譲二は一抹の不安を感じざるを得なかった。
九州ロケ編第二弾。全身黒づくめのイゴール星人が多数登場し、怪獣Gメンとの戦いを繰り広げている。これまでもこのような展開は時折あったものの今回はアクションシーンの時間も長く、かなり本格的だ。この後も草人間、サタン星人・・・と、集団で行動する宇宙人や怪人が次々と登場しており、彼らと怪獣Gメンとの等身大アクションがスペクトルマンと怪獣との戦いの前の前座的な見せ場となっていく。『仮面ライダー』の影響大といったところだろう。
しかし、この作品のアクションは単なる格闘だけではない、鉱山町で展開されるカーアクションも見どころのひとつだ。怪獣Gメンのジープに数台のダンプが迫るシーンでは無人の家屋にダンプが突っ込んで壊しまくり、譲二役の成川哲夫氏も走行中のダンプに家の屋根の上から飛び乗って運転席のイゴール星人を引きずり下ろすなど、危険なアクションに果敢に取り組んでいる。
ラストではにせスペクトルマンが登場するが、その直前に、譲二がケガをした右腕を吊ったまま変身しようとして、頭と右腕以外の部分だけがスペクトルマンになってしまうというシーンがある。「そのケガでは変身は無理だ」というネヴィラの一言で一瞬にしてその中途半端な変身は解かれてしまうため、今回、本物のスペクトルマンは一度も登場していない。当時の変身ヒーローものの常識から考えても、これまた掟やぶりのことだった。
第51話 コバルト怪獣の謎
催眠状態にあった秋山町の人達は全員元に戻り、Gメン達は東京へ帰った。だが、事件はこれで終わった訳ではなかった。スペクトルマンが町の上空を飛び回り、その様子を見ていた町の人達が再び催眠にかけられてしまったのだ。謎の声に命じられるまま彼らは鉱山の跡へと歩いていった。
一方、東京のGメン室に奇妙な電話があった。倉田達が言われるままに窓の外を見るとそこに見慣れた東京の景色はなく、いつのまにかGメン室は秋山町に移されていた。無数のイゴール星人に取り囲まれたGメン達はレーザーガンを手に取り、無人になったその町で戦いを繰り広げる。だが、Gメン達の果敢な行動によって劣性になったイゴール星人は作戦を変え、スペクトルマンに倒されたはずのブラックドラゴンを再び出現させた。しかも彼らは秋山町の地底に眠っていた大量のコバルトを秘かに採掘し、怪獣の体内に詰め込んでいた。核爆弾と化した怪獣を使って地球の破滅を計るイゴール星人。その後ろで糸を引いていた猿人ゴリは円盤の中でほくそ笑んでいた。
再び行動を開始する謎のスペクトルマン。その正体はイゴール星人の改造した宇宙ロケットであった。そこへ本物のスペクトルマンが登場し、自分と同じ能力を持つにせスペクトルマンに苦戦しながらもこれをを破壊、更にブラックドラゴンと戦ってその首を切断した。そして首の中に仕掛けられていた起爆装置はGメンの活躍によって取りはずされ、地球の危機は去った。
ヒーローのにせものといえば、目がつりあがっているとか、マフラーが黄色とか、子供でも一目で区別できる特徴を持っているものだが、にせスペクトルマンにそんなものはない。前編では、この頃使用していたスペクトルマンの着ぐるみを、本物と戦う後編では、初期の頃に使用していた古い着ぐるみをそのまま使用しているのである。ただし、にせものはその正体がロケット(ロケットをどう改造したら、スペクトルマンになるのだろう?)だけに、何もしゃぺらないし、結構弱かったりする。同じ武器を持っていても腕力が本物より弱かったらなんにもならないと思うのだが・・・。
第52話 怪獣マウントドラゴン輸送大作戦
鈴鹿の山奥に怪獣マウントドラゴンが出現。麻酔弾で怪獣を眠らせる事に成功した怪獣Gメンは精密な研究をする為にこれを東京へ運ぶ事にした。その巨体はトレーラーに縛りつけられ、Gメン達は定期的に麻酔弾を怪獣に撃ち込みながら一路東京を目指す。だが、その途中、トレーラーを警護していた太田が誤って怪獣に飲み込まれてしまった。太田の救出は困難であり、彼の生存を確認したGメン達は怪獣の腹の中にボンベで酸素を送りながらそのまま輸送を続けた。
怪獣の輸送中、譲二は上空に出没する空飛ぶ怪人が気にかかっていた。それは暗黒星雲に住む鳥人であり、マウントドラゴンを暴れさせるべくゴリが送り込んだ使者であった。鳥人の仕業によって木曽街道を迂回せざるを得なくなったトレーラーは予定より遅れ始め、時間の経過によってマウントドラゴンは次第に麻酔に慣れていった。その為、大量の麻酔を使用しなければならならず、やがて積んであった麻酔弾は底をついてしまう。Gメン達は麻酔弾を補給する為に長野でトレーラーを停車させるが、怪獣の上に飛び乗った鳥人がその全エネルギーを怪獣の身体へ注入。目覚めたマウントドラゴンが暴れ始めた。
譲二はスペクトルマンに変身。だが、太田が怪獣の中にいる為フラッシュは使えない。そこでスペクトルマンはスペクトルエースを使用して怪獣の動きを停め、その口の中から太田を救い出すのだった。
ドラマや特撮よりもドキュメンタリー的な生々しい映像が目をひく異色作。巨大な怪獣のハリボテを積んだトレーラーが道路を走る様は圧巻で、それを見て本当に驚いている人々の姿が次々と映し出されている。特に長野で怪獣に飲み込まれた太田の生命を維持するために酸素ボンペの到着を待つシーンでは、かなりの数の見物人が集合。ドラマ上でテレビの中継が行われているのだが、収拾がつかないといった雰囲気がそのまま伝わってくる。
このシーンの後、いよいよマウントドラゴンが目をさまし、スペクトルマンと対決する。だが、苦戦するスペクトルマンの姿を見兼ねた運転手が突然、トレーラーに乗り込んで怪獣に向かっていき、その尻尾をひいてしまう。ひるんだ隙にスペクトルマンはスペクトルエースを発射して怪獣を倒すことができたのだ。輸送の途中で危うく・・・という場面もあったが、本作品の真の主役は彼とトレーラーだったのかもしれない。でも、荷物が荷物だけに交代の運転手くらい用意しておけと、私は言いたい。
第53話 恐怖の鉄の爪
大地震と山津波が犬山村周辺の村で次々と発生した。怪獣の一部と思われるマジックハンド状の物体が同時に目撃され、異変の原因が犬山村にあるものと判断した倉田室長は譲二達五人のメンバーを直ちに村へ派遣した。
Gメンは怪獣がまもなく村を襲う事を村人達に話すが、彼らはその言葉を信用しようとはしなかった。異変は犬神様の仕業であり、そのおかげで村は年に二回も作物がとれると昔から信じられていたからだ。だが、健一とのり子の二人の兄妹だけはGメン同様、怪獣の襲来を信じていた。彼らは怪獣の手下である草人間に襲われて母を亡くし、妹ののり子は盲目になってしまったのだ。果たして草人間は集団で村を襲い、Gメンが果敢に立ち向かったものの多くの村人達はその犠牲となった。そして村人達が犬神様と信じていたコンピューター怪獣も遂にその巨大な姿を現わした。
怪獣の目から発せられる紫色の光。その光がのり子の目を治す事のできるシグマX光線かもしれないと譲二から教えられた健一は、怪獣が出入りしていると思われるほら穴への潜入を試みた。だが、そのほら穴の奥にはコンピューター怪獣の地下基地があり、草人間達は基地を守る為に一つに集まって巨大化した。譲二はスペクトルマンに変身。戦いの末これを倒すが、怪獣の身体から伸びた鉄の爪の強烈な一撃を受けて倒れてしまう。そして、譲二の姿に戻った時、彼は全ての記憶をなくしていた。
今回は1972年の元日の放送である。当時は正月特番も数えるほどしかなく、ゴールデンタイムのレギュラー番組もほとんど通常のまま放送されていたのだ。とはいえ、何も元日から人が沢山殺されるような話を放送しなくてもよさそうなものだが・・・。
怪獣Gメンやスペクトルマンと集団で戦った草人間は、いわゆる戦闘員タイプの怪人だが、枯れた草玉になって移動するというアイディアがユニーク。撮影にはトランポリンを多用しており、草の怪人だけにその身軽さを強調したアクションが特徴。さらに組み体操のように身体を寄せ合うと、合体巨大化して巨大草人間に変身し、巨大サイズでの戦いも繰り広げる。
第54話 打倒せよ!! コンピューター怪獣
M27番ベーター星から地球へやってきたコンピューター怪獣は百年に渡って犬山村の地下でエネルギーを貯え続けてきたが、今こそ故郷の星へ還るべく地表で最後の充電作業に入った。怪獣の手下である草人間達は再び村を襲い、Gメン達の必死の攻防も虚しく殆どの村人達は殺されてしまう。健一はのり子の目を治したい一心でコンピューター怪獣に近づこうとするが、たちまち草人間につかまり、ピンチに。そこでネヴィラは譲二をスペクトルマンに変身させるが、記憶をなくしたスペクトルマンは自分が何者であるかもわからず、ただ呆然とするばかりだった。
その様子を見ていたゴリは今こそチャンスとばかりにスペクトルマンを攻撃するようコンピューター怪獣に命じた。怪獣を保護していたのはゴリであり、その代わりにスペクトルマンを殺すよう怪獣と約束をとり交わしていたのだ。襲いかかる草人間の前に無抵抗のスペクトルマンであったが、健一とのり子の悲痛な叫びを聞いた彼はやがて記憶をとり戻し、反撃を開始した。
手下の草人間を全滅させられたコンピューター怪獣はGメン達を人質にとり、スペクトルマンにエネルギーを要求した。目的はただ一つ、母なる故郷の星へ還る為に。だが、その故郷のM27番ベータ星は彗星との衝突によって既に滅びていた。事実を知ったコンピューター怪獣はその生命と引き替えにシグマX光線をのり子に与え、彼女の視力を元へ戻すのだった。
全体的に草人間との戦いのシーンが長く続いているが、シナリオの段階では親分格のコンピューター怪獣もスペクトルマンと激しい格闘をすることになっていた。実際には着ぐるみを作らずに高山良策氏の個人作品を借りて怪獣に仕立てているので格闘などできるはずもなく、その分、草人間のアクションシーンが長くなってしまったようだ。
しかし、動かないとはいえコンピューター怪獣は充分魅力的だ。コンピューターでありながら故郷へ帰ることを切実に願っていたり、考えた末に自らの命を捨てて少女の目を治してあげたりと、妙に人間っぽいのだ。
第55話 スペクトルマン暗殺指令!!
悪辣非道な宇宙の殺し屋・キラー星人のマーダラ兄弟とその一味がゴリの招きによって地球にやって来た。父の仇のスペクトルマンが地球にいる事を知り、その復讐を果たそうというのだ。谷坂村の少年・始は村のはずれでキラー星人達の姿を目撃し、彼らから追われていたところを流星仮面と名乗る一人の男に救われた。彼もまた悪名高い宇宙の殺し屋だが、卑怯な事の大嫌いな一匹狼であった。
村に戻った始は村人達に見たままを話すが、誰も信じてはくれない。だが、キラー星人は突如としてその村を襲撃し、村人達を虐殺した。一人生き残った始は彼らの手を逃れて東京を目指すが、キラー星人は執拗に彼の後を追った。一方、谷坂村の事件を知った怪獣Gメンはキラー星人の捜索を開始。彼らに追いつめられていた始の危機を救った。
Gメン達はキラー星人を追って始と共に谷坂村へ急行した。譲二はスペクトルマンに変身してキラー星人に立ち向かうが、マーダラ兄弟の仕掛けた特殊な毒ガスを浴びせられてあらゆる武器が使えなくなってしまう。三兄弟の一人は倒したもののやがて毒が全身にまわり、全ての機能を失いかけるスペクトルマン。その時、彼を救ってマーダラ兄弟の前に立ちはだかったのは流星仮面であった。そのあまりにも卑怯なやり方に我慢ができなかったのだ。しかし、彼が地球にやってきた目的はスペクトルマンと決闘をする事にあった。
日活のアクション映画で知られ、『俺は透明人間!』で既にピー・プロ作品は経験済みの長谷部安春監督が手がけた作品。内容は、日本の村を舞台にした宇宙の怪人たちによる西部劇といったところで、全く巨大化のない、等身大のアクション編となっている。
正月を意識した描写やセリフがあるが、放映日はすでに1月15日。放映日が急遽変更になったのかもしれない。
第56話 宇宙の殺し屋流星仮面
マーダラ兄弟の罠にかかり、深手を負ったスペクトルマンはネヴィラの司令船に赴き、その優れた科学設備によって機能の回復を計った。だが、ネヴィラ遊星人がこれまで幾度となく逮捕の機会を伺いながらも果たせなかった強敵、流星仮面に決闘を申し込まれた上に、マーダラ兄弟とも戦わなければならない。焦ったスペクトルマンはまだ完全に回復していないその身体で司令船を抜け出し、地球へと戻った。
一方、ゴリはマーダラ兄弟に一つの作戦を与えていた。流星仮面をスペクトルマンと決闘させておいてスペクトルマンが弱ったら最後のとどめは彼らが刺すという卑劣な計画だ。譲二をスペクトルマンと知るマーダラ兄弟は三人のGメンを捕えて人質にとり、譲二一人を呼び出して計画を実行に移す。それを知った始は流星仮面に助けを求めた。始は殺し屋として恐れられている流星仮面をいい人だと信じて慕っており、彼とスペクトルマンが協力してくれる事を願っていた。
マーダラ兄弟の企みを見抜いた流星仮面はGメン達を解放し、スペクトルマンと共に彼らと戦った。そしてマーダラ兄弟とその手下達を全て倒した後、流星仮面とスペクトルマンとの一対一の決闘が始まった。流星仮面の必殺技・流星フラッシュが勝つか、スペクトルマンのスペクトルフラッシュが勝つか…。だが、最後の瞬間、流星仮面はわざと流星フラッシュの狙いをはずすのだった。
宇宙にその名を知らぬ者のない殺し屋(宇宙も随分狭くなったものだ)でありながら卑怯なやり方を極度に嫌い、スペクトルマンとの勝負に異常なまでの執着を見せる流星仮面は、まさにタイガージョーの元祖。要所要所に彼のテーマ曲らしきメロディが流れ、孤高なイメージを守り立てていた。
第57話 魔女グレートサタンの復活
かつて宇宙警察の手で捕えられた宇宙の魔女グレートサタンが地球に追放されていた事を知ったゴリは自らの野望の為に魔女を利用しようと企んだ。だが、グレートサタンが眠っていたと思われる洞窟を探し出し、その奥に置かれていた棺を開けてみると、そこには既に魔女の姿はなかった。
その頃、怪しい光をレーダーに捕えた譲二は一人で調査に出かけ、その光を放射している家を訪ねた。すると、その家に忍び込もうとしている一人の青年がいる。聞けば彼は部屋に監禁されている恋人・リサを助けようとしているのだという。画家である彼はスケッチをしていた時に部屋の窓から顔を覗かせた彼女を一目見て恋い焦がれた。だが、彼女の父親である考古学者の影山博士は二人の恋を許さないばかりか会う事も許さず、彼女を鎖で縛りつけた上に鉄格子の部屋に閉じこめてしまったのだ。青年の情熱にうたれた譲二はリサを部屋から助け出すと、二人を連れて逃走した。
しかし、リサは影山博士の娘ではなかった。博士は発掘の際に洞窟の中で棺を見つけ、その中に眠っていた彼女を自分の娘と偽って家に連れ帰ったが、彼女が人間ではない事に気づき、逃げられないように監禁していたのだ。やがて譲二達の前にグレートサタンの手下のサタン星人が襲来し、リサは恐るべき魔女グレートサタンとして復活した。そして魔女の杖の中から怪獣ゴルダが出現。譲二はスペクトルマンとなってこれに立ち向かうが…。
愛だの恋だのとは無縁な感じのする『スペクトルマン』の中で唯一、男女の愛をテーマにした作品。しかし、ここに描かれている愛はほとんど狂気に近く、尋常なものではない。サブタイトルの表示も、大きな「魔女」の2文字の下に小さく「グレートサタンの復活」の文字が並ぶというスタイルで、これまた尋常ではない。
第58話 まぼろしの怪獣ゴルダ
スペクトルマンは怪獣ゴルダの毒の牙に傷つき倒れた。ゴルダにかまれた者は必ず死ぬと断言するグレートサタン。だが、譲二の姿に戻った彼は体内の毒を川で洗い流し、一命をとりとめた。
一方、リサを愛した青年・朝永は彼女の姿を追い求めるうちにサタン星人に捕えられ、洞窟の牢の中へと幽閉された。リサが魔女であった事が信じられない朝永はそれでも彼女を想い続け、洞窟の壁に彼女の顔を描く。そしてその絵の唇に自分の血の赤を塗りつけた。彼はショックのあまり気が狂いかけていたのだ。
譲二はGメンのメンバーと合流し影山博士の案内で魔女の洞窟を目指した。だが、彼らをサタン星人の集団が襲い、Gメン達がこれと戦っている間に博士が連れ去られてしまった。自分を監禁した博士を憎んでいた魔女は博士を殺害。そこで譲二はサタン星人になりすまして洞窟へと潜入する。すると、そこへゴリとラーが姿を現わし、地球征服の為に魔女と手を結び、スペクトルマン打倒を約束させた。
怪獣Gメンは洞窟から朝永を助け出すと魔女をおびき出して火あぶりにしようと計った。譲二はスペクトルマンに変身してこれと対決。スペクトルマンの技を受けて魔女が崖から転げ落ちると、それを見ていた朝永は彼女の後を追って崖から飛びおりて死んだ。朝永の手をそっと握り、息絶える魔女。そして魔女の残した怪獣ゴルダもスペクトルマンによって倒されるのだった。
朝永青年の愛したリサは一万年もの間眠り続けていた宇宙の魔女であり、目覚めた魔女によって青年は牢の中に閉じ込められてしまう。やがて精神錯乱を起こした彼は壁面にリサの絵を描き、自分の指を切って流れた血を絵のリサの唇に塗りつける。彼の異常なまでの情熱を表わす名シーンだが、子供番組の域をはるかに越えている。魔女が自分の後を追って死んだ朝永の手を握って息をひきとるシーンも印象的で、地面の下から捕えたアングルが斬新だった。
ところで、この回ではゴリと譲二が初めて直接顔をあわせている。それはサタン星人の服をまとった譲二が魔女のいる洞窟の中へ潜入した時のことであり、そこへゴリとラーが魔女に地球征服の協力をしてもらおうと相談にやってくる。その様子をマスク越しに見ている譲二。だが、魔女に変装を見破られた彼は、なんと一瞬の隙をついてゴリを人質にとってしまうのだ(これはびっくり)。変身前の主人公が敵のボスを人質にとるのも凄いが、あっさりとそれを逃してしまうのも凄い。「俺としたことが不覚をとった」って言いながらテレ笑いしている場合じゃないだろ、ゴリよ。
第59話 地獄の死者ジェノス星人
ゴリと手を組んだジェノス星人は、死人を狂暴な殺人鬼として蘇らせる事のできる恐るべき薬を使って全人類の皆殺しを計った。名付けてジェノサイド計画。だが、この計画を事前に知った一人の少年がいた。これから起こる出来事を予知する不思議な超能力を持つ少年・ジュンだ。だが、予知した事を周りの人に話しても誰もそれを信じようとはしない。既に両親と死に別れていた彼は嘘つき呼ばわりされて友達もできず、ひどく孤独であった。
やがてジュンの予知は的中した。死んだはずの男が殺人鬼となって生き返り、何の恨みもない人々を次々と刃物で刺し殺すという事件が起こったのだ。ふとした事からジュンと知り合った譲二は彼が超能者である事を信じ、彼の唯一の友達になった。そして彼と共に事件の手がかりを捜し始め、怪しい霊柩車を追跡。かつて病院だったと思われる廃墟へとたどり着いた。そこはジェノス星人の隠れ家であり、運びこまれた死体を生き返らせて、次々と殺人鬼が作られていた。
譲二がスペクトルマンである事を見抜いたジュンは彼に怪獣の出現を予言した。果たして怪獣ドクロンが死骸から蘇り、死体の山を作るべく暴れ始めた。ジェノス星人はジェノサイド計画を遂行する為一挙に大量の殺人鬼を作り出そうとしているのだ。譲二はジュンの目の前でスペクトルマンに変身しドクロンに挑むが、その強力な尾の力に苦戦を強いられてしまう。
ジェノス星人は自ら開発した殺人鬼の薬の効果をゴリに見せるため、一度ラーを殺し(!)殺人鬼として蘇らせる。そのラーによって痛めつけられたゴリは「うわー、やめろー、助けてくれー」などと実に情けない声を出して醜態をさらす。譲二に人質にされた前回にひき続き、宇宙の帝王の面目丸つぶれだ。
第60話 怪獣ドクロン死の踊り
怪獣ドクロンの前に倒れるスペクトルマン。その時、ジュンは精神を集中させ、テレパシー交信を行なった。それは凄まじいエネルギーを失うと同時に苦痛を生む行為であったが、ジュンは必死に耐えた。テレパシーでジュンの声を聞いたスペクトルマンは辛くも立ち上がり、形勢は逆転。ジェノス星人は直ちにドクロンを退却させた。 譲二は殺人鬼が誕生していた廃墟を破壊するべく潜入を試みるが、ジェノス星人に気づかれ、逆に捕われてしまった。ジェノス星人、そしてゴリとラーは自分達の計画が知られた事に疑問を持ち、彼を拷問にかける。そこへジュンが助けに駆けつけ、彼が手にした手榴弾によってジェノス星人は爆死するが、助けだされた譲二は彼らに目を焼かれていた。
ゴリは怪獣によるジェノサイド計画を進めるべくドクロンを再び出現させた。譲二はジュンの制止を振り切ってスペクトルマンに変身するが、目の見えないスペクトルマンは一方的な戦いを強いられる。そこでジュンはテレパシーを使って怪獣の弱点をさぐった。ドクロンはもともと死骸である為に自らの力はなく、相手の力を自分のものにしているだけだ。力を抜くようにと、テレパシーでスペクトルマンに伝えるジュン。その助言によって戦いに勝ったスペクトルマンであったが、彼が譲二に戻った時ジュンはテレパシーを使い果たして死んでいた。譲二は改めてゴリに対する怒りを覚えるのだった。
59、60話のエピソードでゲスト主役ともいえるのが超能力少年のジュン。ムーンサンダー編でも別の少年の役を演じていた塩屋翼氏が『海のトリトン』そのまんまの声で好演している(『海のトリトン』は『スペクトルマン』終了の一週間後、『快傑ライオン丸』の裏番組としてスタートした)。超能力によってゴリたちの企みを知り、さらに譲二の正体をも見抜くジュン。だが、彼はどうしようもなく孤独だった。それだけに、たった一人の友達となった譲二を助けるために彼は自分の身を犠牲にしてしまう。その亡骸を抱き上げ、怒りを燃やす譲二の姿がゴリとの最終決戦を予感させている。
第61話 恐怖の怪獣ショー
譲二とひろみは差出人不明の招待券をもらって遊園地にやって来た。だが、それは怪獣Gメンを皆殺しにしようとするゴリの罠であった。ゴリはGメンの一人がスペクトルマンに違いないと確信し、彼らを皆殺しにする事によってスペクトルマンを抹殺しようとしているのだ。ゴリの命を受けて地上に降り立ったラーは偽の通報で他のGメン達もそこへおびき出し、ミゲル星人の集団を指揮して彼らを待ち受けた。
ミゲル星人のボス・ガムロは母親と一緒に遊園地に遊びに来ていたゆきお少年を怪獣変身機にかけて小さな怪獣に仕立てあげた。言う事を聞かなければ元の姿には戻れないと脅された彼は遊園地の怪獣ショーにまぎれてGメン達を襲った。それもショーの一部だと思い込んで油断していた太田と有藤はその怪力でたちまち気絶させられてしまう。だが、次に譲二に襲いかかった怪獣はふと攻撃の手を緩めた。彼の母親が傍を通りかかったからだ。怪獣の目を見た母はその怪獣こそ自分の息子だと言い、譲二もその言葉を信じた。
加賀を人質にとったガムロは他のGメン達をレールに縛りつけ、ジェットコースターを走らせて彼らに迫った。間一髪、譲二は隙を見てスペクトルマンに変身。戦いの末、ガムロとミゲル星人を倒した。そしてラーを捕えると、彼と引き替えに怪獣変身機をゴリに要求する。ゴリは仕方なくその要求を飲み、怪獣変身機によって元の姿に戻ったゆきおは母のもとへ返った。
最終回の撮影終了後、急遽追加撮影された作品。メインスタッフがすでに後番組『快傑ライオン丸』の撮影にとりかかっていたため、大塚莞爾監督が新たに招かれることとなった。大塚監督はこれを機に『快傑ライオン丸』『風雲ライオン丸』を手がけ、『鉄人タイガーセブン』ではシリーズのメイン監督を務めている。
撮影が急だったこともあってその殆どが遊園地・多摩川園の中で行われており、園内の乗り物や怪獣ショーがドラマ上にも効果的に利用されている。怪獣ショーに登場した着ぐるみの怪獣は、クルマニクラス、巨大草人間、ゴルダ、モッグスの4体で、これに本物の怪獣がまぎれこんで行動を起こすという展開だ。その怪獣を見た有藤が「こいつはよくできてるなぁ」などと言うのだが、どう見てもアトラク並みなのであった。
第62話 最後の死斗だ猿人ゴリ
世界選手権大会を控えていたプロボクサー・ピストン木戸口はトレーニング中に偶然ゴリの宇宙船を写真に撮った。基地の所在が明らかになるのを怖れたゴリは直ちにそのフィルムを奪うようラーに命じた。その頃、譲二、太田、ひろみの三人は木戸口の所属するジムを訪れていた。木戸口は太田の学生時代の後輩なのだ。彼の弟・二郎ともすっかり仲良くなる譲二達。そこへ突如として ラーの率いるサイボーグ達が乱入。譲二達が応戦し、フィルムは奪われなかったものの木戸口が彼らに拉致されてしまった。
怪獣Gメンは残されたフィルムから木戸口が宇宙船の基地にさらわれた事を知り、彼を助けるべく写真の写された奥多摩へと向かった。だが、その行く手にはゴリの再生怪獣が出現。譲二はスペクトルマンとなってこれを倒すが、更にラーとサイボーグがGメン達を襲撃する。そして、炸裂するガス弾の中で譲二だけが平気でいるのを見たラーは彼がスペクトルマンである事を見抜いた。
一方、ゴリは木戸口の優れた中枢神経に目をつけ、その才能の全てを注ぎ込んで創りあげた怪獣ディサイドマンにこれを移植した。スペクトルマンが構えに入ってからフラッシュを放つ迄のタイムは2・5秒。ディサイドマンにフラッシュを2・5秒以内に放つ能力を与えれば必ず勝てるとゴリは確信していたのだ。出現したディサイドマンとスペクトルマンは戦いを開始した。
いよいよ最終エピソード。ゴリがその総力をかけた怪獣の決定版(と、ゴリが自ら言っている)ディサイドマンが登場するが、結局はスペクトルマンに敗れてしまう。この怪獣の名称も書籍類では”デサイトマン”だが、本編中のセリフからすると”ディサイドマン”が正しいようだ。ちなみにシナリオでは”デイサイドマン”となっており、一峰大二氏のマンガ版もこれに準じているのだが、シナリオ決定稿ではタイプ印刷の関係で”っ”、”ィ”といった文字はすべて”つ”、”イ”と記されており、本来はやはり”ディサイドマン”なのである。
第63話 さようならスペクトルマン
同時にフラッシュを放つスペクトルマンとディサイドマン。だが、スペクトルマンはジャンプし回転しながらフラッシュを放った為にほんの一瞬速く相手に届き、ディサイドマンを倒した。そこでゴリはラーに最後の望みをかけ、木戸口の中枢神経をラーの身体に移し替えた。素早い動きを手に入れたラーはゴリの野望の為にスペクトルマンと差し違える覚悟を決めていた。
怪獣Gメンは洞窟の奥にゴリの秘密基地を発見するが、その中で彼らが見たものは中枢神経を抜かれて死んでいる木戸口の変わり果てた姿だった。基地はGメン達によって爆破され、脱出したゴリとラーは譲二に最後の戦いを挑む。だが、彼は二郎の事が気にかかり、必ず挑戦を受ける事を約束してその場を離れた。木戸口がスペクトルマンとの戦いの為に殺された事に責任を感じていたのだ。兄のような勇気のある立派な人間になって欲しいと二郎に伝えた譲二は怪我を押してスペクトルマンに変身。再び戦いの地に赴いた。もはや蒲生譲二の姿には戻れない事を知りながら。
最後の対決。ラーはその恐るべき反射神経でスペクトルマンの攻撃を次々とかわした。スペクトルフラッシュを受けてもそれに耐えたラーは猿人爆弾となってスペクトルマンに迫るが、すんでのところで二度目のフラッシュを受け、爆発し果てた。そして、生きる望みを失ったゴリは自らその命を断った。使命を終えたスペクトルマンはネヴィラ71遊星へ還っていった。
ディサイドマンを失ったゴリは最後の望みを忠臣のラーに託す。今まで何度もスペクトルマンには痛い目にあっいるラーだが、今度はボクサー・木戸口の中枢神経を移植され、強化改造されている。「ひどい博士だと恨んでもいい。地球征服というわしの願いの犠牲になってくれ」と言うゴリに、「はい」と静かに答えるラー。久しぶりに旧エンディング「宇宙猿人ゴリなのだ」のアレンジBGMが流れ、キャラが最も活きていた初期のイメージが二人に重なる。
譲二もこれが最後の戦いとの決意を固めて対決の場へ向かった。ゴリの立ち会いの下、正々堂々と戦う両者。そしては爆発と共に果て、スペクトルマンは辛くも勝利を得る。「宇宙の偉大なる科学者としてのお前の力、私はそれが惜しい。それを平和のために役立てようとは思わないか?」というスペクトルマンの言葉も、生きる望みをなくしたゴリの耳には入らない。爆弾を手に持ち、自ら崖下へ身を投げるゴリ。その潔い最期は何年たっても忘れることができない。
| ●データ |
1971年1月2日〜1972年3月25日
フジテレビ系 毎週土曜午後7:00〜7:30放映
カラー 30分 全63本 ピー・プロダクション作品
[放映タイトル]
1話〜20話/宇宙猿人ゴリ
21話〜39話/宇宙猿人ゴリ対スペクトルマン
40話〜63話/スペクトルマン
[キャスト]
蒲生譲二/成川哲夫 倉田室長/大平透 加賀/渡辺高光 太田/新井一夫 有藤/尾崎孝二 遠藤理恵/小西まち子(1〜10、12話) 立花みね子/親桜子(17〜35話) 沢みどり/後藤留美(36〜39話) 柳田ひろみ/桜井妙子(40〜63話) スペクトルマン/上西弘次 ゴリ/遠矢孝信 ゴリの声/小林清志(1〜10、19〜29話)、加藤精三(11〜18話)、西山連(30〜63話) ラー/上西弘次 ナレーター/小林恭治
[スタッフ]
プロデューサー/鷺巣富雄 企画/的場徹 原作/うしおそうじ 脚本/辻真先、ねもとしょうじ、高久進、鶴見和一、伊東恒久、山崎晴哉 監督/土屋啓之助、石黒光一、堺武夫、樋口弘美、長谷部安春、大塚莞爾 撮影/柿田勇、細川正司 照明/石井大和、近藤勝、大西顕正、高野勝也 美術/飯田公夫 助監督/石黒光一、堺武夫、坂本保彦、吉崎元 特撮監督/的場徹、堺武夫、矢島信男 特殊撮影/中野好偉 特殊美術/窪野博朗、深田達郎、井上繁 造型/高山良策、鈴木徹 操演/中島徹郎、日高秀行 アニメーション/藤森誠代 合成作画/渡辺善夫 記録/福島勇子、鴇田せつ子、黒岩美穂子、外崎直子 美粧/田口のり子 衣裳/京都衣裳 編集/佐藤和生、香園稔 音楽/宮内国郎 劇伴作曲/寺島尚彦 選曲/吉田征雄 効果/石田サウンドプロ、中山太三 録音/アオイスタジオ 現像/ソニー・PCL 衣裳協力/石川群一、石川メンズウェアー 協力/電気化学計器梶@ 撮影協力/日本電子工学院 製作主任/黒田達雄、成田五十六、片桐一男 製作進行/伊藤貞幸、成田五十六、篠原勇、高橋義信 アシスタントプロデューサー/柴田健治 プロデューサー補/篠原茂 監修/土屋啓之助 制作/フジテレビ、ピー・プロダクション